メロディアス・ハードロック名盤探訪 別館

哀愁・叙情・爽快...メロハー、AOR、ハード・ポップ、メロディック・メタルの傑作との出会いを求めて。

ウルフ・ヴァールベリ

Unfamiliar / Mikael Erlandsson (1997)

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Last Autumn's Dream(LAD)のヴォーカリスト、ミカエル・アーランドソンがソロ・シンガー時代に発表した3枚目のアルバム。リリースは1997年です。ハードロック要素はほとんど無く、直截な哀愁味も薄くなり、ミカエル・アーランドソン独特のポップ・センスが全面展開となっています。ビートルズやELOといった彼の音楽的バックグラウンドを窺わせるものの、それを昇華させ彼独自のユニークなメロディ、歌唱、サウンドに結実しています。バンドも少人数で、アンサンブルも小ぢんまり、全体にナチュラルで温か味のある音。なんともアットホームな雰囲気で心和むアルバムです。曲調も変化に富んでいて、時折顔を覗かせる冷たい感触や苦味にも感興をそそられます。しかしながらどうしても地味という印象は拭えません。もう少しだけ刺激が欲しかったかな。

プロデュースは、後にLADのアルバム制作にも大きく関わるウルフ・ヴァールベリと、ミカエル・アーランドソンの数多くの曲で作詞を担当しているアイメリク・デゾンブレ。ウルフ・ヴァールベリは本作ではベースとキーボードも弾いています。この人、今でこそプロデューサー然としていますが、70~80年代はSecret Serviceというスウェーデンの国民的ポップ・グループの一員でした。Secret Serviceのメンバー達は、その後スウェーデンのポピュラー音楽界の仕掛け人的存在となり、ウルフ・ヴァールベリもその一人というわけです。このSecret Serviceは2000年に再結成されており、いつの時点からかは分かりませんが、ミカエル・アーランドソンとLADのバンド・メイトのジェイミー・ボーガーもそのラインアップに加わっています。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Erotic State Of Delight (music : Mikael Erlandson, lyrics : Aymeric Desombre&Mikael Erlandson)
02. Sadomaso Mind (music : Mikael Erlandson, lyrics : Aymeric Desombre)
03. Universal Song (music&lyrics : Mikael Erlandson)
04. Somebody Somewhere (music : Mikael Erlandson, lyrics : Mikael Erlandson&Aymeric Desombre)
05. Hold Back The Tears (music : Mikael Erlandson, lyrics : Mikael Erlandson&Aymeric Desombre)
06. Don't Be A Stranger (music : Mikael Erlandson, lyrics : Mikael Erlandson&Aymeric Desombre)
07. Carousel Of Seasons (music : Mikael Erlandson, lyrics : Aymeric Desombre)
08. Moonlight Rain (music : Mikael Erlandson, lyrics : Mikael Erlandson&Aymeric Desombre)
09. What It's All About (music : Mikael Erlandson, lyrics : Mikael Erlandson&Aymeric Desombre)
10. A Lot Of Love (music : Mikael Erlandson, lyrics : Aymeric Desombre&Mikael Erlandson)
11. Hold Tight (music : Mikael Erlandson, lyrics : Aymeric Desombre&Mikael Erlandson)

■Personnel
Mikael Erlandson - lead & background vocals
Imre Daun - drums
Andreas Ullbrandt - guitars
Ulf Wahlberg - bass & keyboards
Aymeric Desombre - party background vocals on "Hold Tight"

Producer - Ulf Wahlberg, Aymeric Desombre



Freak / Baltimoore (1990)

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「スウェーデンのロバート・プラント」、ビョルン・ローディン率いるBaltimooreの2nd。バンド名義となっていますが、ジャケットから伺えるように実質彼のソロ作品のようです。演奏とプロデュースはほぼ前作と同じメンツですが、Six Feet Underからビョルン・ローディンと活動してきたトーマス・ラーソンは本作には参加していません。前作ではトーマス・ラーソンがかなりソング・ライティングに関わっていましたが、今回は曲のほとんどをビョルン・ローディン単独で書いており、一部がギターのシュテファン・ベリストロムとの共作となっています。音のほうは前作とやや傾向が変わってハードポップ色は薄れ、AOR風、SSW風、またファンキーなものなどバラエティ豊かになっています。好き勝手にやっている感じはいかにもソロ作です。ただ、やはりツェッペリン風味というか、ロバート・プラントのソロ・アルバム的というか、それが全体を貫いているのは前作と同様です。ソフト目なサウンドなんですが、中々に味わい深いものがあります。もろツェッペリンの#2"Kahlua Confusion"、#6"Straight Line"とか、特にカッコいいです。どことなく"Stairway to Heaven"を思わせる#5"Without You"も、この人の「ツェッペリン愛」が感じられてイイです。ラストのビートルズの#10"Oh Darling"だけはつまらない。一曲だけ浮いちゃってるし、なんで入れたんだろう?選曲ミスじゃないかなぁ。

評価 ★★★☆☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Memories Calling (Lodin)
02. Kahlua Confusion (Lodin)
03. Dying Alone (Lodin)
04. Don't Stop Running (Lodin, Bergström)
05. Without You (Lodin)
06. Straight Line (Lodin, Bergström)
07. Day To Come (Lodin)
08. What It Is (Lodin)
09. Fly So Gently (Lodin, Bergström)
10. Oh Darling (Lennon, McCartney)

■Personnel
Bjorn Lodin - lead vocals
Jenny Wikström - bass, backing vocals on 10
Rolf Alex - drums, percussion, backing vocals on 10
Mats Olausson - organ, keyboard
Stefan Bergström - guitar, mandolin
Micke Andersson - backing vocals except on 10
Ulf Wahlberg - strings on 9

Anders Gustavsson - saxophone on 1
Jalle Lorensson - harmonica on 7
Mats Glenngård - violin on 3

Producer - Rolf Alex
Executive Producer - Ulf Wahlberg, Bjorn Lodin

There's No Danger on the Roof / Baltimoore (1988)

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スウェーデンのメロディアス・ハードロック・バンド、バルチモア(Baltimoore)の1stアルバム。バンドと言っても、元シックス・フィート・アンダー(Six Feet Under)のボーカリスト、ビョルン・ローディンのソロ・プロジェクトのようです。この人、ロバート・プラントをちょっとハスキーにしたような声で、歌い方もよく似ています。本作の中にはツェッペリンを思わせる楽曲もありますが、基本的にブルース色の強いハード・ポップといった印象です。北欧スウェーデンのキラキラ感より、イギリス的な陰りを感じさせるのが面白いと思います。演奏のほうもしっかりしており、特にギターはテクニカルかつブルージーでカッコいいです。ビョルン・ローディンのクセのある声質と歌唱が苦手な方もいそうですが、筆者はOKだったので結構楽しめました。

主なバンド・メンバーは、ABBA等でプレイしてきたロルフ・アレックス(ds、key)。本作のプロデュースも担当しています。それから、シックス・フィート・アンダーでもビョルン・ローディンと一緒だったトーマス・ラーソン(ラーション)(gt)。後にグレン・ヒューズ・バンドに加わる人です。シュテファン・ベリストロム(gt)、この人は後にアルフォンゼッティに参加。ピアノとオルガンでクレジットされているマッツ・オラウソンは、ご存知イングヴェイ・マルムスティーン・バンドで活躍することになる鍵盤奏者。キーボードとストリングス、そしてエグゼクティヴ・プロデューサーのウルフ·ヴァールベリは、スウェーデン音楽界で数多くの仕事をしているプロデューサー、ソングライター。ラスト・オータムズ・ドリームのアルバムでもクレジットされています。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. My Blue Moon (Larsson, Hjalmarsson)
02. Can't Get You Out Of My Mind (Larsson, Hjalmarsson)
03. Dance, Dance (Larsson, Hjalmarsson)
04. Hey Bulldog (Lennon, McCartney)
05. Rain (Lodin)
06. Ballerina (Lodin)
07. ...In Love (Lodin)
08. The Blues Is Just The Same (Wahlberg)
09. Little Bye (Lodin)
10. Happy Times (Lodin)

■Personnel
Bjorn Lodin - lead vocals

Rolf Alex - drums, keyboards, machines
Stefan Bergström - acoustic guitar
Thomas Larsson - acoustic and electric guitar
Lasse Jonsson - guitar
Mats Olausson - organ, piano
Ulf Wahlberg - keyboards, strings and string arrangement
Ulf Widlund - bass
Anders Åström - bass
Micke Andersson - backing vocals
Mikael Rickfords - backing vocals
Ronny "Dunderburk" Lahti - backing vocals

Producer - Rolf Alex
Executive Producer - Ulf Wahlberg

II / Last Autumn's Dream (2004) 

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アンディ・マレツェクとミカエル・アーランドソンが組んだメロディアスハード・グループ、ラスト・オータムズ・ドリームの2nd。前作でバッキングを担当 したミック・ミカエリ(Key)、ジョン・レヴィン(Ba)、イアン・ホーグランド(Dr)のヨーロッパ組に代わり、タリスマンのマルセル・ヤコブ (Ba)とジェイミー・ボーガー(Dr)、さらに前作で名曲"Guardian Angel"を提供していたクリスタル・ブルーのトーマス・ラッサール(Key)がメンバーとして参加しています。メンバーは変わっても音楽性に変化はあ りません。相変わらずの叙情的なメロディ、アーランドソンの切ない声、マレツェクのツボをおさえたギターはこのグループならではのもので、終始メロメロのメロハーです。

曲作りは、全14曲中アーランドソン・チームで6 曲、マレツェク・チーム(実態としてはRick Brightman主導)で5曲、トーマス・ラッサール提供曲が2曲、フェア・ウォーニング時代の曲が1曲と、大体前作と同じような比率になっています。 前作でもそうでしたが、複数のソングライターが楽曲を持ち寄ったことでアルバムが金太郎飴にならず、非常にバラエティ豊かに仕上がっています。バラエティ 豊かということは散漫になるということと紙一重なわけで、これだけ幅広い楽曲を1枚のアルバムに仕立て上げたバンドとスタッフの力量は大したものだと思います。特に、ちょっとハードロック的でないような面白いメロディを、違和感を感じさせることなく自分のレパートリーとして歌いこなすアーランドソンは見事と言うほかありません。ただし、前作は名曲のオンパレードでしたが、本作にも捨て曲はないものの前作の高みには及んでいないように感じます。さらに難を言えば、意図的なものだと思いますがサウンド・プロダクションが軽くて薄い。おかげで特にマルセル・ヤコブのせっかくのベースラインの魅力が半減してしまっています。それから、ミカエル・アーランドソンのボーカルがやや粗いこと。次作のライナーなどを読むと、どうも秋ごとのリリースに拘りすぎて時間がなく、 キーの選択含め練り込みが不足していたのではないかと思われます。

前作と同じように、ストックホルムでのリズム・トラックの録音(Ulf Wahlberg担当)、ベルリンでの曲作りとギター・パート録音(Rick Brightman担当)、イェーテボリでの曲作りとボーカル録音(Torbjörn Wassenius担当)と、各作業は別々に行われています。バンド・メンバーそろってのセッションが行われず、ライブ・パフォーマンスも行われていないわけで、この時点でもラスト・オータムズ・ドリームは、バンドというよりアルバム制作のためのプロジェクトというのが実態だったようです。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Fire With Fire [Bonus Track] (M. Erlandsson, C. Andreasson, T. Wassenius)
02. Up In Paradisee (R. Brightman)
03. Keep Falling (R. Brightman)
04. Running (R. Brightman)
05. (Always Be) You And I (R. Brightman)
06. Heat Of Emotion (U. W. Ritgen)
07. Helpless (T. Lassar, R. Eriksson)
08. Over & Out (M. Erlandsson, C. Andreasson, T. Wassenius)
09. So Much Love In The World (M. Erlandsson, C. Andreasson, T. Wassenius)
10. Lost In You (T. Lassar, R. Eriksson)
11. This Gotta Be Love (R. Brightman, A. Malecek)
12. Round & Round (M. Erlandsson, C. Andreasson, T. Wassenius)
13. Brand New Life (M. Erlandsson, C. Andreasson, T. Wassenius)
14. A Place To Hide In Town (M. Erlandsson, A. Desombre)

■Personnel
Mikael Erlandsson – lead & backing vocals
Andy Malecek – guitars
Jamie Borger – drums
Thomas Lassar – keyboards
Marcel Jacob – bass

Pierre Wensberg – backing vocals
Ulf Wahlberg – various keyboards
Rick Brightman – backing vocals

Producer - Ulf Wahlberg, Rick Brightman, Mikael Erlandsson, Torbjörn Wassenius, Claes Andreasson
Executive Producer/coordinator - Ulf Wahlberg

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