メロディアス・ハードロック名盤探訪 別館

哀愁・叙情・爽快...メロハー、AOR、ハード・ポップ、メロディック・メタルの傑作との出会いを求めて。

イエア・ロニング

II / Houston (2013)

0343II









スウェーデンのメロハー・バンドHoustonの2枚目のオリジナル・アルバム。Relaunchと題されたカバー・アルバムはオリジナル・アルバムとは別にシリーズ化しているようです。これまではフレディ・アレン(ds)、ハンプス・ハンク・エリックス(vo)の2人組でしたが、本作では裏方だったプロデューサー兼キーボードのリッキー・B・デリンもメンバーとしてクレジットされています。ブックレット裏面には、若者2名とおっさん1名が並んでいる写真があしらわれていて、なんだか違和感ありまくり。それはそれとして、ほぼ全曲をリッキー・B・デリンとドラムのフレディ・アレンが書き、アレンジとプロデュースはリッキー・B・デリンが担当、またトミー・デナンダーがほとんどのギター・プレイに加えプロデュースとアレンジの一部を担う等、過去の作品と同様の制作体制となっています。

さて、1作目Houston も2作目Relaunch も少しモヤモヤの残るアルバムでしたが、今回はまったくもって素晴らしい出来!何より曲が良く、名曲・佳曲がてんこ盛りの満塁ホームラン状態です。難点は相変わらず音が薄っぺらなこと。毎回こうなのは、やはり何か意図があるのでしょうか。ラジオから流れているような雰囲気の演出とか?まあ、とにかく曲が良すぎるのでこの際目をつぶることにしましょう。

#1"Glory"
印象的なキーボードに導かれてスタートする哀愁メロハー。ヴァースのメロディが特にいいですね。トミー・デナンダーのソロも冴えまくっています。
#2"I'm Coming Home"
爽快系ながらメロディには少しばかり切ない雰囲気もある佳曲。キーボードがもろに80年代風です。
#3"Return My Heart"
これも爽快系で、トミー・デナンダーが曲作り関わっています。他の曲もそうですが、厚みのあるバック・ボーカルのハーモニーが素晴らしいです。
#4"Talk To Me"
80年代風のキラキラしたサウンドと、センチメンタルでロマンチックなメロディが最高です。シンプルですがエモーショナルなギター・ソロはカーレ・ハマーによるもの。
#5"Back To The Summer Of Love"
「サマー・オブ・ラブ」というと1967年のサンフランシスコをすぐに思い起こしますが、歌詞を見ると普通のラブ・ソングでした。郷愁を誘うメロディと甘酸っぱい歌詞が秀逸。本作のハイライトの1曲です。
#6"24 Hours"
ボーカルのハンク・エリックスがソング・ライティングに参加している曲。普通に良い曲なのですが、他が良すぎるためにちょっと目立たないかな。
#7"On The Radio"
哀愁たっぷりでありながらポップ、サビの切ないメロディとハーモニーが耳にこびりついて離れない!時代が時代なら、シングル・カットされて大ヒットしてもおかしくない名曲だと思います。
#8"Losing"
これまた出色の哀愁メロハー。ブリッジからサビにかけての盛り上がりにグングン惹きつけられます。
#9"Just Friends"
女性シンガーとのデュエット曲。おっさんにも「青春」なんて気恥ずかしい言葉を思い起こさせてしまうキリン・レモンのような曲ですな。何気ないけど名曲!
#10"Believe"
爽快系なのにどこか胸キュンなメロディとアンサンブルが素晴らしい。間奏のキーボード・ソロがいい雰囲気です。

楽曲もハンク・エリックス君の歌声も、今の若い世代にも十分アピールできると思うけれど、マイナーな存在に留まっているのが哀しいです。日本盤も出てないみたいだし。こういう音楽が世界中の若者に支持されて、CMや映画・ドラマに使われたり、「アリーナ・ロック」にふさわしく大会場をまわるツアーができるような状況になってもらいたいものです。

評価 ★★★★★
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Glory (Allen, Delin)
02. I'm Coming Home (Allen, Delin)
03. Return My Heart (Delin, Denander)
04. Talk To Me (Allen, Delin)
05. Back To The Summer Of Love (Allen, Delin)
06. 24 Hours (Erix, Delin)
07. On The Radio (Hammar, Delin)
08. Losing (Allen, Delin)
09. Just Friends (Allen, Delin)
10. Believe (Delin)

■Personnel
Hampus Erix - lead and backing vocals
Ricky B. Delin - keyboards, backing vocals
Freddie Allen - drums

Soufian Ma'Aoul - bass guitar
Tommy Denander - guitars (1, 2, 3, 5, 8, 9, 10)
Calle Hammar - guitars (4, 6, 7), keyboards (7)
Jay Cutter - keyboard intro loop (6)
Minnah Karlsson - duet vocal (9)
Victor Lundberg - backing vocals (4, 7)
Kristoffer Lagerström - backing vocals (3)
Geir Rönning - backing vocals (3)
Jessa Slatter - backing vocals (3)
Catharina Lindqvist - spoken voice (7)

Producer - Ricky B. Delin

Ceremony of Innocence / Radioactive (2001)

0188Ceremony Of Innocence










なんと来年(2015年)にまさかの4作目がリリースされるらしいトミー・デナンダーのメロハー/AORプロジェクト、レディオアクティヴの1stアルバムです。時に賞讃を込めて、時に揶揄を込めて「スウェーデンのルカサー」などと言われるトミー・デナンダーですが、本作ではルカサー以外の新旧TOTOのメンバーを総動員!他にもアメリカ、スウェーデンのミュージシャンが多数参加しています。全て紹介すると大変な字数になるので主なところだけあげておくと、まずボーカルにジェフ・パリス、ボビー・キンボール、ジョセフ・ウィリアムス、ファーギー・フレデリクセン、ジェイソン・シェフ、アレックス・リガートウッド、イエア・ロニング、フィー・ウェイビル、ジム・ジットヘッドetc、キーボードにはデヴィッド・ペイチ、デイヴィッド・フォスター、ランディー・グッドラム、マッツ・オラウソンetc、ギターにはマイケル・トンプソン、ブルース・ガイチetc、ベースはマイク・ポーカロ、デヴィッド・ハンゲイト、ニール・スチューベンハウス、エイブラハム・ラボリエルetc、ドラムはジェフ・ポーカロ、マーカス・リリィクイスト、ヴィニー・カリウタetc。数多くのプロジェクトに関わっているトミー・デナンダーですが、メンツの豪華さではこのレディオアクティヴがダントツなんではないでしょうか。

曲調はAOR寄りのメロディアスなハードロックといったものが多く、トミー・デナンダーお得意の路線だと思います。いや~、それにしても歌も演奏もため息が出るほどみんな上手い。当たり前なんですが。特に、ポーカロ兄弟がリズム・セクションを担当している曲は、ついリズムにばっかり耳が行ってしまいます。楽曲の完成度も高く、これはもう文句の付けようがないアルバムです。リリースは2001年ですが、ジェフ・ポーカロは1992年に亡くなっているので、レコーディング自体は91~92年に行なわれたようです。15ヶ所ものレコーディング場所がクレジットされていることから、顔を合わせてのレコーディング・セッションは行なわれず各地で録ったパートごとのトラックをミックスしていることが分かりますが、これも考えただけで気の遠くなるような作業です。

なお、2013年にEscape Musicから、レディオアクティヴの1st~3rdにそれぞれボーナス・トラック2曲ずつを追加したリイッシュー3枚組Legacy が発売されています。本作Ceremony of Innocence は「re-work and re-mix」と記されており、一部の曲ではリード・ボーカルやバック・ボーカルが差し替えられているようです。

評価 ★★★★★
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. The Story Of Love (Tommy Denander)
02. Crimes Of Passion (Tommy Denander, Bobby Kimball)
03. On My Own (Tommy Denander, Jonna Söderlund, Fergie Frederiksen)
04. Grace (Tommy Denander, Ricky B. Delin)
05. Waiting For A Miracle (Tommy Denander, Ricky B. Delin)
06. L. A. Movies (Tommy Denander, Ricky B. Delin)
07. Ceremony Of Innocence (Tommy Denander, Fergie Frederiksen)
08. Liquid (Tommy Denander)
09. Haunt Me Tonight (Richard Marx, Bruce Gaitsch, Fee Waybill)
10. A Case Of Right Or Wrong (Tommy Denander, Fee Waybill)
11. Silent Cries (Tommy Denander)
12. When You're In Love (Tommy Denander, Bobby Kimball)
※日本盤&Legacyボーナス・トラック
13. Remember My Conscience (Tommy Denander, Jonna Söderlund)
Legacyボーナス・トラック
14. Shooting Stars (Tommy Denander, Robert Hart)

Producer - Tommy Denander



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