メロディアス・ハードロック名盤探訪 別館

哀愁・叙情・爽快...メロハー、AOR、ハード・ポップ、メロディック・メタルの傑作との出会いを求めて。

イアン・マクドナルド

Head Games / Foreigner (1979)

145Head Games











フォリナーの3rdアルバム。このアルバムもまたもや全米500万枚の大ヒット、アルバム・チャートも5位を記録しています。シングルカットされた"Dirty White Boy"は12位、"Head Games"は14位、"Women"は41位にチャートインしました。メンバー6人中5人はこれまでと同じですが、ベースはエド・ガリアルディからリック・ウィルス(ex-Peter Frampton/Small Faces)に交代しています。本作のプロデュースにはクイーン、ジャーニーなど大物のヒット作を手がけてきたロイ・トーマス・ベイカーが起用されています。

この作品は良い曲とそうでない曲との差が激しい印象を受けました。マイナー・キーの曲は全般に出来がよく、ルー・グラムの歌唱も切迫感や哀感が伝わってきます。#2"Love on the Telephone"、#6"Head Games"、#8"Blinded by Science"、#10"Rev on the Red Line"などは特に素晴らしいです。しかし、アルバム全体としてはバカ売れするほど凄いとは思えない。まあ、現在メインストリームから外れた音楽ばかり聴いている立場からすれば、売れたから優秀、売れなかったから劣悪ということはなく、バンドが時代の波に乗れたか乗れなかったかの結果だとは思いますが。

評価 ★★★☆☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Dirty White Boy (Jones/Gramm)
02. Love on the Telephone (Jones/Gramm)
03. Women (Jones)
04. I'll Get Even with You (Jones)
05. Seventeen (Jones/Gramm)
06. Head Games (Gramm/Jones)
07. The Modern Day (Jones)
08. Blinded by Science (Jones)
09. Do What You Like (McDonald/Gramm)
10. Rev on the Red Line (Greenwood/Gramm)

■Personnel
Lou Gramm – lead vocals
Mick Jones – lead guitar, piano, vocals
Ian McDonald – guitars, keyboards, vocals
Al Greenwood – keyboards, synthesizer
Dennis Elliott – drums
Rick Wills – bass, vocals

Producer - Roy Thomas Baker, Mick Jones, Ian McDonald 

Double Vision / Foreigner (1978)

0097Double Vision
70~80年代のスーパー・グループだった英米混成バンド、フォリナーの2ndアルバム。大ヒットした前作に引き続いて売れに売れ、全米で累計700万枚という驚異的な数字になっています。アルバムはビルボード・チャート3位、シングル"Hot Blooded"は3位、"Double Vision"は2位、"Blue Morning, Blue Day"は15位という記録も残しています。曲調は1stの延長線上の極めてオーソドックスなアメリカン・ロック。ただ、そこはかとないプログレの薫りと英国的メランコリーがサウンドに陰影を与えているのが特徴でしょうか。いずれにしても、「産業ロック」などとおちょくられるような、売れ線狙いのあざとさといったものは感じられません。どちらかと言えばむしろ地味な印象さえあるアルバムです。

#1"Hot Blooded"は途中のリフがフリーの"All Right Now"だし、ところどころバドカンみたいだし、ルー・グラムのまるっきりポール・ロジャースになりきったような歌いまわしと、ミック・ジョーンズのポール・コゾフとミック・ラルフスを意識したギターには思わずニヤニヤしてしまいます。しかし、こんないい意味でフツーのロックン・ロールがヒット・チャート3位なんて、ほんといい時代です。シャープなリフと哀愁を湛えたメロディの#2"Blue Morning, Blue Day"、ピアノをバックに淡々と歌われる美しいバラード#3"You're All I Am"、このアルバムで一番フリーっぽく渋いロックンロール#5"Love Has Taken Its Toll"、緊張感みなぎるハードなタイトル曲#6"Double Vision"、フォリナー唯一のインスト曲でプログレ色がもっとも強い#7"Tramontane"、フォーキーでリラックス・ムード漂う#8"I Have Waited So Long"、ルー・グラムの切々とした歌唱が素晴らしいラストの#10"Spellbinder"などなど、どの楽曲も水準が高い上にバラエティに富んでいます。

メンバーは1作目と変わらず、ルー・グラム、ミック・ジョーンズ、イアン・マクドナルド、アル・グリーンウッド、エド・ガリアルディ、デニス・エリオットの6人。そしてバッキング・ボーカルに常連イアン・ロイド。プロデュースはキース・オルセン。70年代はFleetwood Macなど、80年代はWhitesnakeやPat Benatarをはじめ数多くのヒット作を生み出している名プロデューサーです。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Hot Blooded (Lou Gramm, Mick Jones)
02. Blue Morning, Blue Day (Lou Gramm, Mick Jones)
03. You're All I Am (Mick Jones)
04. Back Where You Belong (Mick Jones)
05. Love Has Taken Its Toll (Lou Gramm, Ian McDonald)
06. Double Vision (Lou Gramm, Mick Jones)
07. Tramontane (Al Greenwood, Ian McDonald, Mick Jones) 
08. I Have Waited So Long (Mick Jones)
09. Lonely Children (Mick Jones)
10. Spellbinder (Lou Gramm, Mick Jones)

■Personnel
Lou Gramm – lead vocals
Mick Jones – lead guitar, piano, vocals
Ian McDonald – guitars, keyboards, reeds, vocals
Al Greenwood – keyboards, synthesizer
Ed Gagliardi – bass, vocals
Dennis Elliott – drums

Ian Lloyd – backing vocals

Producer - Keith Olsen, Mick Jones, Ian McDonald 

Foreigner / Foreigner (1977)

0074Foreigner
元Spooky Toothのミック・ジョーンズ、元King Crimsonのイアン・マクドナルド、元IFのデニス・エリオットの英国勢と、エド・ガリアルディ、アル・グリーンウッド、そして元Black Sheepのルー・グラムの米国勢が結集して作られた英米混成バンド、フォリナーのデビュー・アルバム。このバンド、当時は「スーパーグループ」として喧伝されました。しかしメンバーの出身バンドを見ても、King Crimsonは確かに超有名グループですが、Spooky Tooth、IFはそれほど知名度は高くないし、Black Sheepに至ってはほとんど無名と言ってもいいぐらいでしょう。筆者はなんでこれで「スーパーグループ?」という感想を抱いたこと覚えています。

フォリナーの楽曲やサウンドについてはいまさら多く語ることはないと思いますが、適度にハードで適度にポップ、そして耳にすぐ馴染むメロディが特徴のメロディアス・ハードロック(当時そういう言葉は使われていなかったと思いますが)。超絶プレイヤーのインプロヴィゼイションを看板にするのではなく、あくまで楽曲の良さと歌唱の確かさで勝負するタイプの音です。現在英米のロックシーンではこういった音が大衆性を持つことができない奇妙な時代ですが、当時は当たり前のようにバカ売れしました。全米で300万枚(現在までの累計500万枚)を売り上げ、アルバム・チャートは4位を記録しています。

筆者にとっては、このバンドの最大の魅力はルー・グラムのボーカルにあります。彼の出身バンドBlack SheepのLPを2枚とも持っていたのでルー・グラムの歌の上手さを知っており、フォリナーは彼つながりで聴くことになったからです。Black SheepはFreeの影響をモロに受けたバンドで、英米のサウンドの違いが大きかった当時、ちょっとアメリカのバンドとは思えないサウンドでした。もちろん、ルー・グラムのボーカルはポール・ロジャースの模倣からスタートしたことが窺えるもので、若いのにすでにいぶし銀のごとく味わい深いものでした。何故かいまだにBlack Sheepの音源はCD化されていないようです。聴きたい人は結構いると思うのに、まったくもって不可思議です。フォリナーでのルー・グラムの歌唱は、FreeよりもBad Companyでのポール・ロジャースを思わせるものですが、やはり一級品の素晴らしさだと思います。

なお、プロデューサーの一人ゲイリー・ライオンズは、特にハードロック系のアルバムのプロダクションで頻繁にクレジットされている仕事人です。このアルバムに近い時期では、Lone StarのFiring on All Six (1977)のプロデューサー兼エンジニア、TrillionのTrillion (1978)のプロデューサー、AerosmithのNight in the Ruts (1979)のプロデューサー兼エンジニアといったところです。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作 
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Feels Like the First Time (Mick Jones)
02. Cold as Ice (Mick Jones, Lou Gramm)
03. Starrider (Mick Jones, Al Greenwood)
04. Headknocker (Lou Gramm, Mick Jones)
05. The Damage Is Done (Mick Jones, Lou Gramm)
06. Long, Long Way from Home (Mick Jones, Lou Gramm, Ian McDonald)
07. Woman Oh Woman (Mick Jones)
08. At War with the World (Mick Jones)
09. Fool for You Anyway (Mick Jones)
10. I Need You (Lou Gramm, Mick Jones)

■Personnel
Lou Gramm – lead vocals
Mick Jones – lead guitar, vocals
Ian McDonald – guitars, keyboards, horns, vocals
Al Greenwood – keyboards, synthesizers
Ed Gagliardi – bass, vocals
Dennis Elliott – drums

Ian Lloyd – backing vocals

Producer - Gary Lyons, John Sinclair (collaboration with Mick Jones, Ian McDonald)


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