メロディアス・ハードロック名盤探訪 別館

哀愁・叙情・爽快...メロハー、AOR、ハード・ポップ、メロディック・メタルの傑作との出会いを求めて。

アンダース・テオ・ティアンデル

Pete Sandberg's JADE / Pete Sandberg's JADE (1999)

0315Pete Sandberg's JADE










当時まだMidnight Sunに在籍していたピート・サンドべリが、Pete Sandberg's JADEというバンド名義で発表したアルバム。Bai BangのメンバーらがやっていたJADEというバンドにそのまま乗っかったということらしいのですが、全曲ピート・サンドべリの楽曲だし、彼の趣味・嗜好が色濃く反映しているので実質ソロ3作目でしょう。ハードロックから、AORバラード、レトロ・ポップス、アーシーでブルージーなものまで、幅広い持ち味の楽曲が詰め込まれているのは1stソロ作Back In Business と同様の趣向です。なんでこれがバンド名義で出されたのか良く分かりません。前作のPush のほうがサウンドに統一感があって、よっぽどバンド・サウンド然としています。レコーディングにはヨナス・レインゴールド、ハイメ・サラザールが加わり、プロデュースもアンダース・テオ・ティアンデルと、Midnight Sun関係者が大挙参加しています。逆にJADEのメンバーがどの程度関わっているのか気になるところです。しかし、考えてみるとこの1999年はMidnight SunのNemesis 、2ndソロPush 、そしてこのアルバムと3枚立て続けにリリースしてるんですよね。ピート・サンドべリ、すごいパワフルです。

前述のように、楽曲のバリエーションが豊富過ぎてまとまりが無くなりかねないところを、違和感無く聴かせてしまうのがピート・サンドべリの実力。大したものだと思います。筆者のお気に入りは、甘く切なくどこかレトロな#8"Distant Love"。こういうのを歌ってピッタリ来るのはピート・サンドべリと、あとはミカエル・アーランドソンかな。ボーナストラックのインスト曲#12"Illuision"はちっとも面白くないので無くても良かった。この人絡みのアルバムは、時間の埋め草的なつまらない曲が1曲か2曲あるのが難点です。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作 
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Badlands (P. Sandberg)
02. Restless Child (P. Sandberg)
03. Cry For You (P. Sandberg)
04. Stranger (P. Sandberg)
05. Going Down (P. Sandberg)
06. Venedigen Blind (P. Sandberg)
07. Little Bit Of Lovin' (P. Sandberg, J. Svensson)
08. Distant Love (P. Sandberg)
09. House Of Love (P. Sandberg)
10. Sweet, Sweet (P. Sandberg)
11. Past The Mountains (P. Sandberg)
12. Illuision (Birch, P. Sandberg) [Bonus Track] 

■Personnel
Pete Sandberg - Vocals
Birch - Guitars
Johan Helgesson - Drums
Joakim Sandin - Bass

J. Salazar - Drums
J. Reingold - Bass, Backing Vocals
A. Theander - Percussion
R. Uhlmann - Keyboard
T. Pettersson - Hammond
I. Ohlén - Backing Vocals

Producer - Anders ”Theo” Theander

Signs Of Times / Urban Tale (2003)

0260Signs of Times










2003年にリリースされたフィンランドのメロハー/AORバンドUrban Tale(アーバン・テイル)の2ndアルバムです。メンバーは1stと同じく、キモ・ブロム(Vo)、エルッカ・コルホネン(Gt)、トゥオモ・コヴァライネン(Ba)、ティモ・プダス(Key)、カリ・ヴァリマキ(Ds)の5人。プロデューサーも同じくアンダース・テオ・ティアンデル。前作と同様、AOR寄りの都会的なサウンド(シティ・ポップというのか?)に、清涼感と寂寞感を漂わせたメロディが乗っかるという、このバンドのワン&オンリーというべき音楽が聴けます。前作から変わった点と言えば、プログレ風味が消えたこと、全体にメロディがやや地味目になったことがあげられます。そういう意味では前作ほどのパンチに欠けるかもしれません。でも、ベタな「泣き」を発しているわけでもなくむしろ爽快な音なのにどこか薄ら淋しい感じがする、そんな不思議な味わいは相変わらずです。ボーカリストのキモ・ブロム独特のさらっとした歌声もさることながら、見せびらかせ的なプレイは一切ないものの確かな演奏力を持つバンドも魅力的。特にリズム・セクションのピシッと引き締まったプレイは聴き所だと思います。得難い個性を持ったバンドですが、このアルバム以降音沙汰が無いのが残念。ぜひ復活して欲しいバンドの一つです。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Starship Of Giants (Korhonen/Blom)
02. Hello Light! (Blom)
03. Houdini's Eyes (Kovalainen/Blom)
04. Still Strong (Pudas/Blom)
05. Son Of A Gun (Hero Of The World) (Korhonen/Denander/Blom)
06. Open Your Heart (Pudas/Blom)
07. Captain Of Clouds (Korhonen/Blom)
08. Don't You Know? (Blom)
09. Beggar And Thief (Pudas/Blom)
10. Morning Smoke (Kovalainen/Blom)
11. Monsters (Pudas/Blom)
12. Mary (Blom)
13. Today I'll Change My Life [bonus] (Blom)

■Personnel
Kimmo Blom - Vocals
Erkka Korhonen - Electric & Acoustic Guitars, Backing Vocals, Live Drum Loops, Soprano Recorder, Tin Whistle
Tuomo Kovalainen - Bass, Bass Synth, Live Drum Loops
Timo Pudas - Keyboards, Programming
Kari Välimäki - Drums, Percussion, Live Drum Loops

Laura Kangas - Violin
Emma Reuter - Violin
Hanna Boström - Viola
Per Tidstrand - Violoncello
Katja Aakkula - Backing Vocals
Anders ''Theo'' Theander - Live Drum Loops

Producer - Anders ''Theo'' Theander





Metal Machine / Midnight Sun (2001)

0200Metal Machine










スウェーデンのテクニカル・ベーシスト、ヨナス・レインゴールド率いるミッドナイト・サンの4thにしてラストのアルバム。結成以来のフロントマンだったピート・サンドベリが脱退し、元ジキル&ハイド、現プードルズのヤコブ・サミュエルが新ボーカリストに迎えられています。この人は元々はドラマーで、タリスマンの1st(再発盤)のボーナスとして収録されたライブ音源のドラムも担当しているそうです。ギターのマグナス・カールソン、ドラムのハイメ・サラザールは前作に引き続き参加しています。プロデュースに初代ドラマーのアンダース・テオ・ティアンデルが関与しているのもこれまで通りです。

このバンドは、ヨナス・レインゴールドのメタル指向と、ピート・サンドベリのメロハー/AOR指向とが融合してユニークなサウンドを展開してきたわけですが、ピート・サンドベリが外れた本作は完全にメタル化しました。硬質なサウンド、大仰なメロディ、劇的に歌い上げる歌唱、これはヘヴィ・メタル以外の何物でもありません。しかも古典的というかマンガチックというか、あまりに類型的で面白くもなんともない。メタル・プロパーなら喜ぶ音なのかもしれませんが、メロハー好きの筆者としては非常に残念です。ジャケットやブックレットにあしらわれたイラストも、CGで人相を変えたメンバー写真も、悲しくなるほどチープで子供っぽい。曲タイトルも"Metal"と"Steel"連発で、もしかしたらパロディかと思いましたが、どうも本気でやっているようです。ピート・サンドベリを追い出してまでやりたかったのがこれかよ、と言いたくなります。しかも、このアルバムを最後にバンドは解散、あるいは消滅してしまいます。なんだかな~。。。

評価 ★★☆☆☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Metal Gods (Reingold)
02. Distored Eyes (Reingold)
03. Metal Will Stand Tall (Reingold / Samuel)
04. Keeper of the Gate (Reingold / Samuel)
05. Steel to Steel (Reingold)
06. Metal Machine (Reingold)
07. Fight (Reingold)
08. Dungeons of Steel (Reingold)
09. Your Blood Burns in Hel (Reingold / Ohlen)
10. Temple of the Graal (Reingold / Samuel)
11. Genesis [bonus track]

■Personnel
Jakob Samuel -Vocals
Jonas Reingold - Bass
Magnus Karlsson - Guitars
Jaime Salazar - Drums

Inger Ohlen - Backing Vocals
Mattias Frisk - Backing Vocals
Bengtsson - Backing Vocals
Micko - Backing Vocals
Micke - Backing Vocals
Pontus - Backing Vocals
Tomme - Backing Vocals
Rickard Andersson - Keyboard solo on track 2

Producer - Jonas Reingold, Anders "Theo" Theander

Urban Tale / Urban Tale (2001)

0184Urban Tale










フィンランドのメロハー・バンド、Urban Tale(アーバン・テイル)の1stアルバムです。メンバーはHeartplayなどの活動でも知られるキモ・ブロム(Vo)のほか、エルッカ・コルホネン(Gt)、トゥオモ・コヴァライネン(Ba)、ティモ・プダス(Key)、カリ・ヴァリマキ(Ds)の5人。プロデューサーはMidnight Sunのドラマーだったアンダース・テオ・ティアンデル。レコーディングもマネージメントも彼の経営するスウェーデンの会社Roastinghouseが取り仕切っています。

このバンドはJourneyと似ているとよく言われるのですが、確かにキモ・ブロムはスティーヴ・ペリーからアクを抜いたようなタイプで、楽曲によってはJourneyの影響を感じさせる部分もあります。しかし、単なるファロワーというイメージはありません。まずJourneyと比較してずっとAOR寄りだし、TOTOっぽい感じや若干のプログレ風味もあり、そして何よりこのバンドとしてのオリジナリティあるメロディが印象的です。全体としてサラっと淡白なサウンドはアメリカのバンドとはやはり異質でしょう。まあ、上品で淡白なあまり、強烈な引っ掛かりがなく、うっかりすると右の耳から左の耳に抜けてしまいそうになるわけですが。そんなわけで、BGMで流しても心地良い時を過ごせることは間違いありません。

筆者のお気に入りは#2"Passion Takes Over"。16ビートの都会的でオシャレな感じの曲ですが、どこか北欧特有の清涼感、清潔感が漂っていて素敵です。続く#3"Circus"、サウンドは爽やかですが、「サーカス」という言葉から連想される懐かしさや不思議な物悲しさが、メロディにも詞にもよく表現されていています。#8"Broken Chains"、#9"On the Edge"などはアンニュイな雰囲気と爽快さが同居する独特のメロディが素晴らしい。他にも佳曲ぞろいでつまらない曲はなく、前述のように聞き流しても気持ちがいいので筆者の愛聴盤の一つとなっています。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. The Devil in Me (Korhonen, Blom)
02. Passion Takes Over (Pudas, Blom)
03. Circus (Pudas, Blom)
04. King of Hearts (Kovalainen, Blom)
05. One Day (I'll Make You Mine) (Pudas, Blom)
06. Runaway Train (Korhonen, Pudas, Blom)
07. Engine (Korhonen, Blom)
08. Broken Chains (Pudas)
09. On the Edge (Korhonen, Blom, Urban Tale)
10. Doris Day (Blom)
11. Water (Blom)
12. House of Blues (Korhonen, Blom)
13. Hold on [Bonus Track] (Pudas, Blom)

■Personnel
Kimmo Blom - vocals, backing vocals
Erkka Korhonen - electric and acoustic guitars, backing vocals
Tuomo Kovalainen - bass, bass synth
Timo Pudas - piano, keyboards, programming
Kari Välimäki - drums, percussion

Anders "Theo" Theander - percussion, live percussion loops
Rickard Bengtsson - backing vocals

Producer - Anders "Theo" Theander

Nemesis / Midnight Sun (1999)

0168Nemesis










スウェーデンのメロディアスHR/HMバンド、ミッドナイト・サンの3rdアルバム。アルバムごとにメンバー・チェンジしているこのバンド、ピート・サンドベリ(vo)とヨナス・レインゴールド(ba)の双頭体制は変わっていませんが、本作では新ギタリストとしてマグナス・カールソンが迎えられています。現在では凄腕プレイヤーかつ優秀なメロディ・メイカーとしてすっかり有名になりましたが、このアルバムが彼のメジャー・デビュー作。後年ほどではないものの、その巧者ぶりは本作でもうかがえます。また、ドラムはハイメ・サラザール(Bad Habit/Reingold)にチェンジしています。

メロハー/AORとメロディック・メタルが混在していた1st、AOR色が一掃された2ndと来て、この3rdでは更にメタル寄り、ネオクラ寄りの音になりました。メロハー/AOR指向のピート・サンドベリと、メタル指向のヨナス・レインゴールドのせめぎ合いは臨界に達したようで、4th(最終作)レコーディング前にピート・サンドベリは脱退することになります。喧嘩別れではなかったようですが、それなりの確執はあったものと想像できます。そういった事情が音に反映したのか、本作は緊張感溢れる好盤に仕上がっています。特にタイトル曲#1"Nemesis"は疾走感と哀愁が両立していて、このバンドならではの味。いかにも北欧メロディック・メタルらしい名曲だと思います。また、前作でも客演していたジョン・ノーラムが再びギター・ソロを担当した#8"Dreams"は、ヘヴィなサウンドと切ない歌唱がなんとも言えない趣をかもし出しています。#14"Seven Doors Hotel"はEuropeの名曲のカヴァーですが、リード・ギターはジョン・ノーラムではなくマグナス・カールソン。思う存分弾きまくっています。というように良い曲がてんこ盛りなのですが、難を言えば曲数が多すぎるかな。筆者としては面白くなかった#12"Ave Maria"と#15"Innocent"をカットすれば、更に緩みのないアルバムになったんじゃないかと思ってしまいます。

プロデュースはヨナス・レインゴールドと初代ドラマーのアンダース・テオ・ティアンデルで、レコーディングはテオ・ティアンデルの経営するRoastinghouse Studio。なお、ゲスト・ギタリストとしてクレジットされているハル・ジョンストンは、ハイメ・サラザールと同じくBad Habitのメンバーです。

評価 ★★★★★
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Nemesis
02. You And I
03. Mortal Man
04. Resurrection
05. King Of Broken Hearts
06. Conqueror
07. Watch Out
08. Dreams
09. I Don't Know
10. Conceal
11. Living On The Edge
12. Ave Maria
13. Nightfall
14. Seven Doors Hotel
15. Innocent
All music by Reingold and words by Pete Sandberg
except "Nightfall" by Magnus Karlsson, "Seven Doors Hotel" by Joey Tempest

■Personnel
Pete Sandberg - Lead & Backing Vocal
Magnus Karlsson - Guitars, Backing Vocal
Jaime Salazar - Drums, Percussions, Backing Vocal
Reingold - Bass, Keyboards, Additional Guitar, Backing Vocal

Berit Hessing - Cello
Hal Johnston - Guitar
Jens Friis Hansen - Backing Vocals
Inger Ohlen - Backing Vocals
Henrik Hansson - Keyboard
John Norum - Guitar Solo on "Dreams"

Producer - Jonas Reingold, Anders "Theo" Theander
Executive Producer -  Anders "Theo" Theander 

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