メロディアス・ハードロック名盤探訪 別館

哀愁・叙情・爽快...メロハー、AOR、ハード・ポップ、メロディック・メタルの傑作との出会いを求めて。 メロディック・ロックのアルバムをレビューしていくブログです。

アレッサンドロ・デル・ヴェッキオ

Lionville / Lionville (2011)

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イタリア人ミュージシャンのステファノ・リオネッティによるメロハー/AORプロジェクトLionvilleの1stアルバム。シーンのキー・パーソンの一人であるアレッサンドロ・デル・ヴェッキオをブレーンに迎え、更にピエルパオロ・モンティとラーズ・サフサンドを加えた4人がバンドの基本ラインナップとなっています。ラーズ・サフサンドがメイン・ボーカルを担当していることもあって、Work of Artに似通った高揚感重視の明るいサウンドとキャッチーなメロディが堪能でき、メロハー愛好家なら大満足すること請け合い。Work of Artよりはメロハー色が強い印象です。名曲・佳曲がぎっしり、しかも歌唱・演奏は完璧、これは傑作間違いなしでしょう!曲ごとに数多くのミュージシャンが参加しており、ここでは紹介しきれませんが、フンフンと頷きながらクレジットを確認するのも一興です。

01. Here by My Side
(Music:S. Lionetti  Lyrics:P. Monti, L. Säfsund, A. D. Vecchio)
オープニングにふさわしく明るく高揚感に満ちた曲。本作の基本となる路線です。ヴァース~ブリッジ~コーラスと全て珠玉のメロディで、これはもちろん名曲でしょう。ギター・ソロはイントロがステファノ・リオネッティ、中間がアンドレア・マッダローネ(New Trolls)、アウトロがブルース・ガイチ。

02. With You
(Music:S. Lionetti  Lyrics:P. Monti, L. Säfsund, R. Säll, A. D. Vecchio)
#1と同傾向のナンバーで、ブレイクからサビに入るところが最高にカッコいい!これも名曲!ギター・ソロはイントロがステファノ・リオネッティで、メインはアンドレア・マッダローネです。

03. Centre of My Universe
(Music:S. Lionetti  Lyrics:P. Monti, L. Säfsund, A. D. Vecchio)
TOTOっぽいグルーヴィなリズムが心地良いライトAORナンバー。ステファノ・リオネッティとのデュエットですが、ステファノさんもソウルフルで中々にいい感じです。1stギター・ソロはステファノ・リオネッティ、2ndソロはブルース・ガイチ。

04. Thunder in Your Heart
(Music & Lyrics:L. Macaluso, G. Sklerov, J. Esposito)
ジョン・ファーナム(Little River Band)のカバー曲。数少ないマイナー・キーの曲ですが、哀愁や暗さはよりやはり高揚感を感じさせます。ギター・ソロはマリオ・ペルクダーニ(HungryHeart)。

05. The World Without Your Love
(Music:R. Marx, B. Gaitsch  Lyrics:A. Sky)
リチャード・マークスとブルース・ガイチ作のバラード。春の日差しのような暖かさが伝わってくる名曲です。ギター・ソロはイントロがステファノ・リオネッティ、アウトロはブルース・ガイチ自身が担当しています。

06. Power of My Dreams
(Music:S. Lionetti  Lyrics:P. Monti)
#1と同じ路線の爽快感溢れるナンバー。ラーズ・サフサンド&ステファノ・リオネッティのツイン・ボーカルです。ギター・ソロはメインがアンドレア・マッダローネ、アウトロがステファノ・リオネッティ。

07. No End in Sight
(Music:S. Lionetti  Lyrics:P. Monti, L. Säfsund, R. Säll, A. D. Vecchio)
穏やかな小品といった印象の曲。他に比べてややメロディが地味かな。リズム・ギターはスヴェン・ラーション(Street Talk)、リード・ギターはステファノ・リオネッティ。

08. The Chosen Ones
(Music:T. Denander, S. Putki, S. Lionetti  Lyrics:P. Monti, L. Säfsund)
これも#1と同じ路線の曲で、トミー・デナンダーがライティングとギター・ソロで参加しています。デュエット相手の女性シンガーはアラベラ・ヴィタンク(Alyson Avenue)、ツイン・ボーカルということもあって爽快感、高揚感がMaxに達してます。まあ、気持ち良いことこの上ない名曲ですな。

09. Over and Over Again
(Music:S. Lionetti  Lyrics:P. Monti, S. Lionetti)
ゆったりとしたAORバラード。ボーカルはステファノ・リオネッティ。この人も歌が上手いので、ゲスト・ボーカルなしでも十分やっていけるんじゃないかな。ギター・ソロはスヴェン・ラーションが弾いています。

10. Dreamhunter
(Music:S. Lionetti, A. D. Vecchio  Lyrics:P. Monti, L. Säfsund, R. Gazzaniga, A. D. Vecchio)
#1路線の爽快系メロハー。コーラスのメロディがえらくキャッチーで思わずウキウキ気分になります。ギター・ソロはマリオ・ペルクダーニ。

11. Say Goodbye
(Music:S. Lionetti  Lyrics:P. Monti, L. Säfsund, A. D. Vecchio)
本編のラストはアコースティカルなバラード。切々とした美しいメロディが印象的です。

12. The World Without Your Love (Avenue AOR Version)
13. No End in Sight (Alternative Version)
14. Say Goodbye (Acoustic Version)

評価 ★★★★★
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Personnel
Stefano Lionetti - Lead & Backing Vocals, Guitars

Lars Säfsund - Lead & Backing Vocals
Alessandro Del Vecchio - Keyboards, Backing Vocals
Pierpaolo "Zorro11" Monti - Drums, Percussion

Mario Percudani - Guitars
Andrea Maddalone - Guitars
Anna Portalupi - Bass
Amos Monti - Bass

Arabella Vitanc - Lead & Backing Vocals
Erik Mårtensson - Backing Vocals
Bruce Gaitsch - Guitars
Tommy Denander - Guitars
Sven Larsson - Guitars

Producer - Alessandro Del Vecchio
Executive Producer - Alessandro Lionetti, Gregor Klee
 

Shining Line / Shining Line (2010)

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メロハー/AORプロジェクトShining Lineのアルバムです。リリースはメロハー/AORに特化したドイツのインディーズ・レーベルAvenue of Alliesから。Shining Lineの作品は今のところこのアルバムのみですが、楽曲面でも演奏面でも非常に充実していて、まさにメロハー/AORの理想形の一つだと感じました。核となるメンバーはピエルパオロ・モンティ(Ds)とアモス・モンティ(B)で兄弟と思われます。この二人にアレッサンドロ・デル・ヴェッキオ(Key)、マルコ・ダンドレア(G)、マリオ・ペルクダーニ(G)が加わり、ベースとなるトラックが制作されているようです。全員イタリア人で数多くのメロハー系バンド、プロジェクトに参加している面々です。更に曲ごとに異なるヴォーカリストとギタリスト等がゲスト参加、実に豪華なメンバーが揃っています。人数が多すぎてタグに収めきれないので、各曲ごとに簡単に記しておきたいと思います。

01. Highway of Love (words&music : P. Monti)
哀愁メロディが印象的なAORハード。ヴォーカルはエリック・モーテンソン(Eclipse)、ギター・ソロはタンクレーディ・パラマラ(The LoveCrave)。

02. Amy (words : P. Monti - Harry Hess / music : P. Monti)
女性の名前をタイトルにしたロマンチックでポップな曲。ヴォーカルはハリー・ヘス(Harem Scarem)、キーボード・ソロはマイケル・T・ロス(Hardline)。

03. Strong Enough (words&music : P. Monti)
タイトルにピッタリなロビー・ラブランク(Blanc Faces)の力強い歌唱が活かされた曲。バック・ヴォーカルにブライアン・ラブランクも参加しています。ギター・ソロはトミー・エルモッリ(Khymera)、キーボード・オーケストラはダグラス・R・ドッカー(Docker's Guild)。

04. Heaven's Paths (music : A. Del Vecchio)
05. Heat of the Light (words&music : P. Monti)
イントロ的な小曲に続いてロビン・ベックが切々と歌い上げるパワー・バラード。ギターはマルコ・ダンドレアが担当。

06. Can't Stop the Rock (words : P. Monti - A. Del Vecchio / music : P. Monti)
どこか懐かしい感じのポップでメロディアスなロックンロール曲。筆者の一番のーお気に入りです。ヴォーカルはミカエル・アーランドソン(Last Autumn's Dream)で、彼のソロ・アルバムの曲と言われても違和感ないほどハマっています。ギター・ソロはマイケル・ヴォス(Mad Max, Casanova)で、これがまたかっこいい。

07. The Meaning of My Lonely Words (words : I. Varsi - A. Del Vecchio / music : I. Varsi)
マイケル・ショットン(Von Groove)が粘っこいヴォーカルを聴かせるソウル・バラード。ギターはイヴァン・ヴァルシ。

08. The Infinity in Us (words : P. Monti / music : P. Monti - A. Re)
ミドル・テンポの哀愁メロハー。リード・ヴォーカルにマイケル・ヴォス、バック・ヴォーカルにカールステン・リザード・シュルツ(Evidence One, Domain)、ギターはヴィニー・バーンズ(Ten)。

09. Still in Your Heart (words : P. Monti / music : P. Monti - A. Re)
ボブ・ハリス(Axe, Edge of Forever)、スー・ウィレッツ(Dante Fox)が歌うパワー・バラード。ギター・ソロはティム・マンフォード(Dante Fox)。

10. Homeless' Lullaby (words&music : P. Monti)
収録曲の中ではハードロック色が強い曲。ウルリッヒ・カールソン(M.ILL.ION)、カールステン・リザード・シュルツがリード・ヴォーカル、ヨハン・バリクイストン(M.ILL.ION)がバック・ヴォーカル。ギター・ソロはマルコ・パヴィック(Pavic)。

11. Follow the Stars (words&music : P. Monti)
AOR風味のゆったりしたバラード。歌うのはフィル・ヴィンセント(Tragik, Legion)、ギター・ソロはマット・フィリッピーニ(Moonstone Project)とマイケル・ヴォス。

12. Unbreakable Wire (words&music : P. Monti)
これもハードロック色の強いアップ・テンポのナンバー。ヴォーカルはブルーノロック(Brunorock)、ジャック・メイエ(Tygers of Pan Tang )、グラツィアノ・デムルタス、ギター・ソロはウォルター・カリアロとイタリア人で固めています。

13. Under Silent Walls - Part I - Blossom: From Night to Dawn (music : A. Re)
14. Under Silent Walls - Part II - Alone (words&music : A. Re / P. Monti)
15. Under Silent Walls - Part III - Overture: Death of Cupid (music : A. Re)
ラストは組曲形式で、ギター・インストに挟まれた本編はマイケル・ボーマン(Jaded Heart, Zeno)が歌っています。極上のメロディのバラードとなっています。イントロの情感豊かなギター・ソロはマルコ・タンシーニ(Moonshine, Shanatoa)。

収録曲のほとんどを書いているピエルパオロ・モンティの才能はすごいですね。楽曲の出来が良い上に、歌い手を決めてから作曲したかのようにそれぞれのヴォーカリストの個性にピッタリです。ヴォーカリストの見本市のようなアルバムなので、どんな歌い手か試しに聴いてみたいというような方にはうってつけの一枚だと思いました。

評価 ★★★★★
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Personnel
Pierpaolo Monti - Drums & Percussion
Amos Monti - Bass

Alessandro Del Vecchio - Keyboards & Vocals
Marco D'Andrea - Guitars
Mario Percudani - Guitars

Erik Martensson - Lead & Backing Vocals
Harry Hess - Lead & Backing Vocals
Robbie Lablanc - Lead & Backing Vocals
Brian Lablanc - Backing Vocals
Robin Beck - Lead Vocals
Mikael Erlandsson - Lead & Backing Vocals
Michael Shotton - Lead & Backing Vocals
Elisa Paganelli - Backing Vocals
Michael Voss - Lead & Backing Vocals, Guitar Solo
Carsten 'Lizard' Schulz - Lead & Backing Vocals
Bob Harris - Lead & Backing Vocals
Sue Willetts - Lead Vocals
Ulrich Carlsson - Lead Vocals
Johan Bergquist - Backing Vocals
Phil Vincent - Lead & Backing Vocals
Brunorock - Lead & Backing Vocals
Jack Meille - Lead & Backing Vocals
Graziano De Murtas - Lead & Backing Vocals
Michael Bormann - Lead & Backing Vocals
Tank Palamara - Guitar Solo
Tommy Ermolli - Guitar Solo
Ivan Varsi - Guitars
Vinny Burns - Guitar Solo
Tim Manford - Guitar Solo
Marko Pavic - Guitar Solo
Matt Filippini - Guitar Solo
Walter Caliaro - Guitar Solo
Marko Tansini - Lead Guitar
Michael T. Ross - Keyboard Solo
Douglas R. Docker - Keyboard Orchestra

Producer - Alessandro Del Vecchio

Shining Line
Shining Line
Avenue of Allies
2010-05-14

 
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