メロディアス・ハードロック名盤探訪 別館

哀愁・叙情・爽快...メロハー、AOR、ハード・ポップ、メロディック・メタルの傑作との出会いを求めて。

アル・グリーンウッド

Hurry Up and Wait / Joe Lynn Turner (1998)

0230Hurry Up and Wait










ジョー・リン・ターナーが1998年にリリースしたソロ作。前作Under Cover (1997)はカバー・アルバムだったので、オリジナル・アルバムとしてはRescue You (1985)、Nothing's Changed (1995)に続く3番目の作品となります。バック・バンドは、これまでもJLTのアルバムに参加してきたトニー・ブルーノ・レイ(gt.)、アル・ピトレリ(gt.)、グレッグ・スミス(b.)のおなじみのメンツに加え、ポール・モリス(key)、ケニー・クラム(ds)、この5人がメインとなっています。ポール・モリスはグレッグ・スミスとともに再結成Rainbowのメンバーだったプレイヤー。ゲストのバッキング・ボーカルにドギー・ホワイトが参加しているのも、やはり再結成Rainbowつながりでしょう。同じく再結成Rainbow組で、JLTの過去作でドラムを叩いていたいたジョン・オライリーは、今回はBlackmore's Nightの来日公演参加のためスケジュールの都合がつかず、ケニー・クラムという無名のドラマーが起用されています。なお、JLT、グレッグ・スミス、ポール・モリスは、リッチー・ブラックモアの息子ユルゲン・ブラックモアのOver the Rainbowのメンバーでもあります。プロデュースは前作Under Cover を手がけたボブ・ヘルドとJLT自身となっています。

さて、ライナー・ノートによると本作収録曲の多くが過去に書かれたということです。例えば#8"Too Much is Not Enough"は、JLTが一時在籍したDeep PurpleのSlaves and Masters (1990)収録曲のリメイク。#6"No Room for Love"と#9"Blueprint for the Blues"はSlaves and Masters の次のアルバム用に書かれ、JLTのPurple脱退により陽の目を見なかった曲。#11"Someday"は1stソロRescue You 収録予定だったもので、プロデューサーのロイ・トーマス・ベイカーの意向で外され曲、というような具合です。曲が古くても別に構わないのですが、本作に関して言えばどうもパッとしない曲が多いかな。そんな中で筆者のお気に入りは、ゆったりしたテンポで力強く明るい雰囲気の#1"We Will Survive"、トニー・ブルーノとアル・ピトレリのギター・バトルが熱い#5"Game of Rock 'n' Roll"、それからベタ過ぎるほどの泣きのバラード#10"Can't Face Another Night"。もちろん他の曲だって、何を歌っても上手いJLTの力量と、バンドの安定した演奏のおかげで聴き応えはあるし、つまらないアルバムにはなっていないんですけどね。

なお本作のアメリカ盤は、"Shine On"と"Freedom`s Wings"の2曲をボーナス・トラックに加えてリリースされる予定でしたが、結局曲順は異なるものの曲数は日本盤と同様となっています。一方ヨーロッパ盤は"Shine On"が追加されて全12曲収録。また、次作Under Cover 2 先行シングルとして日本国内で発売されたWaiting for a Girl Like You には、"Shine On"と"Freedom`s Wings"が収められています。 

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. We Will Survive (J. L. Turner/B. Held/A. Pitrelli/A. Greenwood)
02. Sex and Money (B. Held/T. Teeley)
03. Guilty Heart (J. L. Turner/B. Held/A. Pitrelli)
04. Days of Rage (J. L. Turner/B. Held/A. Pitrelli)
05. Game of Rock 'n' Roll (J. L. Turner/J. Napoli)
06. No Room for Love (J. L. Turner/B. Held/A. Pitrelli)
07. Sentimental (J. Guthrie/J. Guthrie/F. Doddy)
08. Too Much is Not Enough (J. L. Turner/B. Held/A. Greenwood)
09. Blueprint for the Blues (J. L. Turner/J. Peterik)
10. Can't Face Another Night (J. L. Turner/B. Held/A. Pitrelli/A. Greenwood)
11. Someday (J. L. Turner/B. Held/A. Greenwood)

■Personnel
Joe Lynn Turner – lead vocals, background vocals on 1, 3, 5, 7, 8, 10, 11
Al Pitrelli – guitars on 1, 3, 4, 6, 10, guitar solos on 5 background vocals on 3, 5
Tony Bruno – guitars on 2, 5, 7, 8, 9, 11, guitar solos on 5
Paul Morris - keyboards on 1, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10, 11
Greg Smith – bass, background vocals on 1, 3, 5, 8 
Kenny Kramme  - drums

Tom Teeley - keyboards on 2, background vocals on 2, 10, 11
Bob Held - guitar solo on 2
Chris Caffery - guitar solo on 3, background vocals on 5
Jock Guthrie - additional guitars on 7, background vocals on 2, 7, 8
Al Greenwood - keyboards on 10
Nancy Blender - background vocals on 1
Kyle Gordon - background vocals on 1
Dina Miller - background vocals on 1, 10, 11
Swan - background vocals on 1, 5
Godfrey Townsend - background vocals on 1, 5
Steve Bello - background vocals on 5
Jeb Guthrie - background vocals on 7, 8
Benny Harrison - background vocals on 8, 11
Doogie White - background vocals on 8

Producer - Bob Held & Joe Lynn Turner
Executive Producer - Mark Wexler



Head Games / Foreigner (1979)

145Head Games











フォリナーの3rdアルバム。このアルバムもまたもや全米500万枚の大ヒット、アルバム・チャートも5位を記録しています。シングルカットされた"Dirty White Boy"は12位、"Head Games"は14位、"Women"は41位にチャートインしました。メンバー6人中5人はこれまでと同じですが、ベースはエド・ガリアルディからリック・ウィルス(ex-Peter Frampton/Small Faces)に交代しています。本作のプロデュースにはクイーン、ジャーニーなど大物のヒット作を手がけてきたロイ・トーマス・ベイカーが起用されています。

この作品は良い曲とそうでない曲との差が激しい印象を受けました。マイナー・キーの曲は全般に出来がよく、ルー・グラムの歌唱も切迫感や哀感が伝わってきます。#2"Love on the Telephone"、#6"Head Games"、#8"Blinded by Science"、#10"Rev on the Red Line"などは特に素晴らしいです。しかし、アルバム全体としてはバカ売れするほど凄いとは思えない。まあ、現在メインストリームから外れた音楽ばかり聴いている立場からすれば、売れたから優秀、売れなかったから劣悪ということはなく、バンドが時代の波に乗れたか乗れなかったかの結果だとは思いますが。

評価 ★★★☆☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Dirty White Boy (Jones/Gramm)
02. Love on the Telephone (Jones/Gramm)
03. Women (Jones)
04. I'll Get Even with You (Jones)
05. Seventeen (Jones/Gramm)
06. Head Games (Gramm/Jones)
07. The Modern Day (Jones)
08. Blinded by Science (Jones)
09. Do What You Like (McDonald/Gramm)
10. Rev on the Red Line (Greenwood/Gramm)

■Personnel
Lou Gramm – lead vocals
Mick Jones – lead guitar, piano, vocals
Ian McDonald – guitars, keyboards, vocals
Al Greenwood – keyboards, synthesizer
Dennis Elliott – drums
Rick Wills – bass, vocals

Producer - Roy Thomas Baker, Mick Jones, Ian McDonald 

Double Vision / Foreigner (1978)

0097Double Vision
70~80年代のスーパー・グループだった英米混成バンド、フォリナーの2ndアルバム。大ヒットした前作に引き続いて売れに売れ、全米で累計700万枚という驚異的な数字になっています。アルバムはビルボード・チャート3位、シングル"Hot Blooded"は3位、"Double Vision"は2位、"Blue Morning, Blue Day"は15位という記録も残しています。曲調は1stの延長線上の極めてオーソドックスなアメリカン・ロック。ただ、そこはかとないプログレの薫りと英国的メランコリーがサウンドに陰影を与えているのが特徴でしょうか。いずれにしても、「産業ロック」などとおちょくられるような、売れ線狙いのあざとさといったものは感じられません。どちらかと言えばむしろ地味な印象さえあるアルバムです。

#1"Hot Blooded"は途中のリフがフリーの"All Right Now"だし、ところどころバドカンみたいだし、ルー・グラムのまるっきりポール・ロジャースになりきったような歌いまわしと、ミック・ジョーンズのポール・コゾフとミック・ラルフスを意識したギターには思わずニヤニヤしてしまいます。しかし、こんないい意味でフツーのロックン・ロールがヒット・チャート3位なんて、ほんといい時代です。シャープなリフと哀愁を湛えたメロディの#2"Blue Morning, Blue Day"、ピアノをバックに淡々と歌われる美しいバラード#3"You're All I Am"、このアルバムで一番フリーっぽく渋いロックンロール#5"Love Has Taken Its Toll"、緊張感みなぎるハードなタイトル曲#6"Double Vision"、フォリナー唯一のインスト曲でプログレ色がもっとも強い#7"Tramontane"、フォーキーでリラックス・ムード漂う#8"I Have Waited So Long"、ルー・グラムの切々とした歌唱が素晴らしいラストの#10"Spellbinder"などなど、どの楽曲も水準が高い上にバラエティに富んでいます。

メンバーは1作目と変わらず、ルー・グラム、ミック・ジョーンズ、イアン・マクドナルド、アル・グリーンウッド、エド・ガリアルディ、デニス・エリオットの6人。そしてバッキング・ボーカルに常連イアン・ロイド。プロデュースはキース・オルセン。70年代はFleetwood Macなど、80年代はWhitesnakeやPat Benatarをはじめ数多くのヒット作を生み出している名プロデューサーです。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Hot Blooded (Lou Gramm, Mick Jones)
02. Blue Morning, Blue Day (Lou Gramm, Mick Jones)
03. You're All I Am (Mick Jones)
04. Back Where You Belong (Mick Jones)
05. Love Has Taken Its Toll (Lou Gramm, Ian McDonald)
06. Double Vision (Lou Gramm, Mick Jones)
07. Tramontane (Al Greenwood, Ian McDonald, Mick Jones) 
08. I Have Waited So Long (Mick Jones)
09. Lonely Children (Mick Jones)
10. Spellbinder (Lou Gramm, Mick Jones)

■Personnel
Lou Gramm – lead vocals
Mick Jones – lead guitar, piano, vocals
Ian McDonald – guitars, keyboards, reeds, vocals
Al Greenwood – keyboards, synthesizer
Ed Gagliardi – bass, vocals
Dennis Elliott – drums

Ian Lloyd – backing vocals

Producer - Keith Olsen, Mick Jones, Ian McDonald 

Foreigner / Foreigner (1977)

0074Foreigner
元Spooky Toothのミック・ジョーンズ、元King Crimsonのイアン・マクドナルド、元IFのデニス・エリオットの英国勢と、エド・ガリアルディ、アル・グリーンウッド、そして元Black Sheepのルー・グラムの米国勢が結集して作られた英米混成バンド、フォリナーのデビュー・アルバム。このバンド、当時は「スーパーグループ」として喧伝されました。しかしメンバーの出身バンドを見ても、King Crimsonは確かに超有名グループですが、Spooky Tooth、IFはそれほど知名度は高くないし、Black Sheepに至ってはほとんど無名と言ってもいいぐらいでしょう。筆者はなんでこれで「スーパーグループ?」という感想を抱いたこと覚えています。

フォリナーの楽曲やサウンドについてはいまさら多く語ることはないと思いますが、適度にハードで適度にポップ、そして耳にすぐ馴染むメロディが特徴のメロディアス・ハードロック(当時そういう言葉は使われていなかったと思いますが)。超絶プレイヤーのインプロヴィゼイションを看板にするのではなく、あくまで楽曲の良さと歌唱の確かさで勝負するタイプの音です。現在英米のロックシーンではこういった音が大衆性を持つことができない奇妙な時代ですが、当時は当たり前のようにバカ売れしました。全米で300万枚(現在までの累計500万枚)を売り上げ、アルバム・チャートは4位を記録しています。

筆者にとっては、このバンドの最大の魅力はルー・グラムのボーカルにあります。彼の出身バンドBlack SheepのLPを2枚とも持っていたのでルー・グラムの歌の上手さを知っており、フォリナーは彼つながりで聴くことになったからです。Black SheepはFreeの影響をモロに受けたバンドで、英米のサウンドの違いが大きかった当時、ちょっとアメリカのバンドとは思えないサウンドでした。もちろん、ルー・グラムのボーカルはポール・ロジャースの模倣からスタートしたことが窺えるもので、若いのにすでにいぶし銀のごとく味わい深いものでした。何故かいまだにBlack Sheepの音源はCD化されていないようです。聴きたい人は結構いると思うのに、まったくもって不可思議です。フォリナーでのルー・グラムの歌唱は、FreeよりもBad Companyでのポール・ロジャースを思わせるものですが、やはり一級品の素晴らしさだと思います。

なお、プロデューサーの一人ゲイリー・ライオンズは、特にハードロック系のアルバムのプロダクションで頻繁にクレジットされている仕事人です。このアルバムに近い時期では、Lone StarのFiring on All Six (1977)のプロデューサー兼エンジニア、TrillionのTrillion (1978)のプロデューサー、AerosmithのNight in the Ruts (1979)のプロデューサー兼エンジニアといったところです。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作 
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Feels Like the First Time (Mick Jones)
02. Cold as Ice (Mick Jones, Lou Gramm)
03. Starrider (Mick Jones, Al Greenwood)
04. Headknocker (Lou Gramm, Mick Jones)
05. The Damage Is Done (Mick Jones, Lou Gramm)
06. Long, Long Way from Home (Mick Jones, Lou Gramm, Ian McDonald)
07. Woman Oh Woman (Mick Jones)
08. At War with the World (Mick Jones)
09. Fool for You Anyway (Mick Jones)
10. I Need You (Lou Gramm, Mick Jones)

■Personnel
Lou Gramm – lead vocals
Mick Jones – lead guitar, vocals
Ian McDonald – guitars, keyboards, horns, vocals
Al Greenwood – keyboards, synthesizers
Ed Gagliardi – bass, vocals
Dennis Elliott – drums

Ian Lloyd – backing vocals

Producer - Gary Lyons, John Sinclair (collaboration with Mick Jones, Ian McDonald)


Rescue You / Joe Lynn Turner (1985)

0023Rescue You

1984年のレインボー解散後、ジョー・リン・ターナーが初めて制作したソロ・アルバム。レコーディング参加メンバーは、元フォリナーのアル・グリーンウッド、元スターズで数多くのメロハー/AOR系のセッションをこなしているボビー・メッサーノ、ジョーとはファンダンゴ、レインボー時代の僚友であるチャック・バーギ。プロデュースにあたったのは、クィーン、ジャーニー、フォリナー、チープトリックと超メジャーどころの仕事で知られるロイ・トーマス・ベイカー。できたのは予想通り80年代の香りがプンプンする、装飾的なキーボードが前面に出たハード・ポップ。しかし、元レインボーという肩書きがあっても、ロイ・トーマス・ベイカーという超大物がプロデュースしても、あざといまでにゴージャスな80年代的流行を取り入れていても、意外にもこのアルバムは大して売れなかったようです。しかし、時代が一巡りして聴くと中々にいいアルバムですよ、これは。ジョー・リン・ターナーはどんな曲でもソツなく歌いこなしますが、やはりなんだかんだ言っても、ハード・ポップ/メロハーを歌わせると断然ハマります。どの曲も平均点以上の出来だし、バッキングを務める強者たちの演奏も当然ながら手堅い。さすがに名盤とまでは言えませんが、ジョーの関わった作品の中では外すことのできない一枚だと思います。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Losing You (Turner, Greenwood)
02. Young Hearts (Turner, Greenwood)
03. Prelude / Endlessly (Turner, Newman)
04. Rescue You (Turner, Greenwood)
05. Feel the Fire (Turner, Greenwood)
06. Get Tough (Turner, Delia)
07. Eyes of Love (Turner)
08. On the Run (Turner, Greenwood)
09. Soul Searcher (Turner, Greenwood, Newman)
10. The Race Is On (Turner, Greenwood)

■Personnel
Joe Lynn Turner – vocals
Alan Greenwood – keyboards
Chuck Burgi – drums
Bobby Messano – guitars, bass, backing vocals

Producer – Roy Thomas Baker


記事検索
カテゴリ別アーカイブ
プロフィール

トンキチ

タグクラウド
アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

QRコード
QRコード
  • ライブドアブログ