House of Lordsの前身バンドGiuffriaの2ndにしてラスト・アルバム。リーダーのグレッグ・ジェフリア(Key)、デヴィッド・グレン・アイズレー(Vo)、アラン・クリガー(Ds)は前作と変わらず、ギターはクレイグ・ゴールディからラニー・コードラに、ベースはチャック・ライトからデヴィッド・サイクスにチェンジしています。また、プロデューサーには同じMCAレーベルでNight Rangerを成功に導いたパット・グラッサーが起用されています。
グレッグ・ジェフリアの壮麗なキーボードと、デヴィッド・グレン・アイズレーの野生的なボーカルという対照的な要素が面白かった前作を引き継いで、本作でも同様のキャッチーなアメリカン・ハードロックをやっています。ただし、前作以上にJourneyっぽくなってしまいました。おまけに、前作からのシングル・カット"Call to the Heart"がそこそこヒットしたためか、2匹目、3匹目のドジョウをねらって収録曲の半分ほどがバラードになっています。これはいかがなものか。ハードロック・バンドが変な色気を出してバラードを連発するとロクなことになりません。スピード・チューンの2曲、#6"Radio"と#7"Heartache"はリフもメロディも無茶苦茶カッコいいのですが、アルバム全体の印象はなんともヌル過ぎます。ちなみにリリース当時はLPで、A面がSilk Side、B面がSteel Side、バンドの硬軟両面を聴かせるという趣向で、Silk + Steelというタイトルもそれを示しているようですが、それほどくっきりとサウンドに違いがあるようには思えません。結果として、アルバムはチャート60位、シングル"I Must Be Dreaming"は52位、"Love You Forever"は100位以内に入ることもなく、商業的には前作に遠く及ばず失敗作と見做されることになります。
その後、MCAに見放されたGiuffriaはリズム・セクションをチャック・ライト(B)とケン・メリー(Ds)にチェンジして、なおも3枚目のアルバム制作に取り掛かりますが、結局この3作目は正式には陽の目を見ることなくお蔵入りとなってしまいます。そして、Kissのジーン・シモンズの設立したレーベルの下で、ボーカルをジェイムズ・クリスチャンに入れ替えバンド名もHouse of Lordsと変更、より純度の高いハードロック・バンドして再出発することになります。
■Tracks
01. No Escape (G. Giuffria, D. G. Eisley)
02. Love You Forever (G. Giuffria, D. G. Eisley)
03. I Must Be Dreaming (W. Deville)
04. Girl (G. Giuffria, D. G. Eisley)
05. Change of Heart (G. Giuffria, D. G. Eisley)
06. Radio (G. Giuffria, D. G. Eisley, L. Cordola)
07. Heartache (G. Giuffria, D. G. Eisley)
08. Lethal Lover (G. Giuffria, D. G. Eisley, L. Cordola)
09. Tell It Like It Is (G. Giuffria, D. G. Eisley)
10. Dirty Secrets (G. Giuffria, D. G. Eisley)
[Bonus Track]
11. Say It Ain'T True (G. Giuffria, D. G. Eisley)
[Bonus Track]
11. Say It Ain'T True (G. Giuffria, D. G. Eisley)
■Personnel
Gregg Giuffria - Keyboards, Vocoder
David Glen Eisley - Lead & Backing Vocals, Harmonica
Lanny Cordola - Lead Guitar, Backing Vocals
Alan Krigger - Drums
David Sikes - Bass Guitar, Backing Vocals
David Glen Eisley - Lead & Backing Vocals, Harmonica
Lanny Cordola - Lead Guitar, Backing Vocals
Alan Krigger - Drums
David Sikes - Bass Guitar, Backing Vocals
Producer - Pat Glasser (#1~2, #4~6, #8~10)
Gregg Giuffria & David Glen Eisley (#3, #7), Gregg Giuffria (#11)
Gregg Giuffria & David Glen Eisley (#3, #7), Gregg Giuffria (#11)