メロディアス・ハードロック名盤探訪 別館

哀愁・叙情・爽快...メロハー、AOR、ハード・ポップ、メロディック・メタルの傑作との出会いを求めて。 メロディック・ロックのアルバムをレビューしていくブログです。

Mystery

Backwards / Mystery (1994)

136Backwards









ベルギーのハードロック・グループ、ミステリーの2ndアルバム。1stからメンバー・チェンジし、5人のメンバーのうちリーダーでボーカルのピーター・デ・ウィントと、ドラムのクリス・デ・ブローウェルだけが残り4人体制になっています。また本作はハーレム・スキャーレムのハリー・ヘスとピート・レスペランスがプロデュースにあたっており、そこがなんと言っても注目点でしょう。ハリー・ヘスはレコーディング作業とミックスまで手がけ、おまけにハモンド・オルガンで演奏に加わっています。ピート・レスペランスも2曲ほどギターで参加しています。ハーレム・スキャーレムの2人がこれだけ深く関与した結果、ミステリーのサウンドは大幅に変わりました。装飾的キーボードはばっさり削除されて、ソリッドなギター中心の引き締まったサウンドとなっています。曲調もハーレム・スキャーレム風ハードロックになりました。ピーター・デ・ウィントはますます力んで青筋立てており、なんだかハーレム・スキャーレムをバックにグラハム・ボネットが歌ってるみたいな、そんな感じです。

小太りでピラピラ・ゴテゴテした格好をしたダサいけど気のいい兄ちゃんが、しばらく見ないうちにジムに通って肉体改造し、センスのいいスーツを着こなしたイケメンになってた。筆者としては、まあそういう印象です。いや、それは悪いことじゃないんだけど、なんか寂しい。あの微妙に野暮ったいポップさ加減が無くなってしまったのが寂しいのです。。。それはともかく、ミステリーはこのアルバムを最後に解散(消滅?)、ピーター・デ・ウィントはドイツのアフェアーというバンドに加入することになります。

評価 ★★★☆☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Runaway
02. Burnin Up
03. Call of the Whale
04. Paradise
05. Stranger
06. You and I
07. No More Tears
08. Talk to Me
09. Smile
10. Time
11. Everything to Me
12. Liquid Darkness
13. Sarajevo
All songs written by Mystery

■Personnel
Chris De Brauwer - Drums
Peter De Wint - Lead and backing vocals
Joris Holderbeke - Bass
Claude Cansse - Guitar

Karel Van Marcke - Additional keyboards
Harry Hess - B3 organ
Pete Lesperance - Guitars on "Burnin Up" and "You and I"
H-Square - Backing vocals

Producer - Harry Hess/Pete Lesperance/Peter De Wint 

Backwards
Mystery
Long Island
1997-05-05

   

Mystery / Mystery (1991)

0100Mystery
ベルギーのメロハー・バンド、ミステリーの1stアルバム。ベルギーのハードロックやメタルっていうのも中々イメージ湧きませんけれども、MausoleumというHR/HM専門レーベルもあって、それなりの数のバンドはいるようです。このミステリーの中心人物でボーカリストのピーター・デ・ウィントは、80年代初期からMausoleumレーベルのCrossfire、Ostrogothというパワー・メタル系バンドを渡り歩いてきた経歴の持ち主です。本作に参加しているクリス・デ・ブローウェル(Kris De Brauwer)はCrossfire、Chris TaerweはOstrogothのメンバーでもありました。なお、ピーター・デ・ウィントは、ミステリーで2枚のアルバムをリリースした後ドイツのAffairに迎えられることになります。

さて、ゴリゴリのメタルをやっていた人たちの割には、このアルバムはまるっきりメロディアスなポップ・メタル。これが微妙に野暮ったいんです。1991年でこの80年代風キラキラ・キーボードはないでしょ。タリスマン、ハーレム・スキャーレム、フェア・ウォーニング、ネルソン、ハートランド、みな91年前後に1stアルバムが出ているけれど、こんなキーボードの使い方してないもんな。それから、メタル・シンガーの地が隠しきれない暑苦しく力みかえったボーカル。なんかね、ラウドネスの人とか、バウワウの人みたいな声の出し方とビブラートなんです。嫌いじゃないけど、ちとダサい。でもね、そういう野暮ったさがまた魅力なんです。「メタルは卒業だぜ!もっと洗練されたメロハーやるぜ!」と意気込んでもこの音になるのがイイんです。けなしているのではありません。そしてなにより、このアルバムにはメロハーの王道を行くようなメロディの素晴らしさがあるのです。バンドのテーマソング的な#1"The Land of Mystery"の高揚感がまず秀逸。#6"Keep on Rollin'"、#9"Fight for Your Life"、#11"Wonderland"もワクワクする高揚感に溢れています。ヨーロッパのバンドらしい叙情性を感じさせる#2"Please Don't Leave Me Now"、一番ジャパメタみたいな#4"Heart on Fire"もいい。#5"We Are United"や#7"One Way to Rock"、#12"Fata Morgana"などはサビを大声で一緒に歌いたくなる最高にキャッチーなメロディ。そして優しさに満ちた#8"Forever"、#10"Stronger Than Ever"なんていうバラードも用意されています。メロハー者が思わずニッコリしてしまう、隅から隅までアンコの詰まった鯛焼きのようなアルバムだと思います。

評価 ★★★★★
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作 
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。


■Tracks
01. The Land of Mystery (Peter De Wint, Chris Taerwe)
02. Please Don't Leave Me Now (Peter De Wint, Chris Taerwe)
03. Eclipse (Chris Taerwe)
04. Heart on Fire (Peter De Wint, Chris Taerwe, Geert Annys)
05. We Are United (Peter De Wint, Chris Taerwe, Geert Annys)
06. Keep on Rollin' (Peter De Wint, Chris Taerwe)
07. One Way to Rock (Peter De Wint, Chris Taerwe, Geert Annys)
08. Forever (Peter De Wint, Chris Taerwe)
09. Fight for Your Life (Peter De Wint, Chris Taerwe, Geert Annys)
10. Stronger Than Ever (Peter De Wint, Chris Taerwe)
11. Wonderland (Peter De Wint, Chris Taerwe)
12. Fata Morgana (Peter De Wint, Chris Taerwe, Geert Annys)

■Personnel
Peter De Wint - Vocals
Geert Annys - Guitar
Philip Dewilde - Bass
Chris Taerwe - Keyboards
Kris De Brauwer - Drums

Producer - Peter De Wint 
 
記事検索
カテゴリ別アーカイブ
読者登録
LINE読者登録QRコード
タグクラウド
QRコード
QRコード
  • ライブドアブログ