メロディアス・ハードロック名盤探訪 別館

哀愁・叙情・爽快...メロハー、AOR、ハード・ポップ、メロディック・メタルの傑作との出会いを求めて。 メロディック・ロックのアルバムをレビューしていくブログです。

StunLeer

Last Man Standing / Doug Howard (2000)

0226Last Man Standing









アメリカのメロディアス・ハードロック・バンド、Touch、StunLeerのメンバーだったダグ・ハワードのソロ・アルバム。ジャケットの表記にDoug Howard of StunLeerとあるように、元々はStunLeerの2ndアルバムとして企画されていたのが、結局ダグ・ハワードのソロ作として制作されたという事情のようです。本作のサウンドは、ポップなプログレ・ハードという感じのTouchとはずいぶん違いますが、StunLeerのラウドでメロディアスな路線の延長線上にあるもの。リリースもStunLeerと同じくドイツのMTMレーベルからとなっています。全てのボーカルとインスト・パートをダグ・ハワードが担当し、プロデュースもStunLeerのアルバムを共同制作していたボブ・セント・ジョンの協力を得ながら自身で行なうというワンマンぶりです。

この人、Touch、StunLeer以外にも、エドガー・ウィンターやドッド・ラングレンと仕事をしてきた才人で、曲そのものは悪くないのです。ボーカルもインスト・パートもそれなりにカッコいいです。ただ、とろこどころミクスチャー風だったり、"Smoke on the Water"、"Jumping Jack Flash"その他ロック・スタンダード曲のパロディがあちこちに見受けられたり、正直何がしたいのかよくわからない。そして、意図的なプロダクションなのでしょうが、音全体が濁っていてやかましいことこの上ない。聴いていてとにかく疲れるので、繰り返し聴きたくなるようなアルバムじゃないな~。ごめんなさい。

蛇足ですが、この度ダグ・ハワードは今どうしているのだろうとネットで検索してみたら、今だ現役で、エドガー・ウィンターのWhite Trashを思わせるファンクやブルースをやっているみたい。そう言えばこのLast Man Standing というアルバムのファンキーな一面も、エドガー・ウィンターのShock Treatment 前後の雰囲気があるかも知れないな~と思いました。この人はTouchつながりより、むしろウィンター・ファミリーとしてくくった方がいいのかも知れません。

評価 ★★★☆☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Higher (Doug Howard)
02. Whip (Doug Howard)
03. Hold Up the Sky (Doug Howard, Zane Robert Howard)
04. Hey Money (Superstar) (Doug Howard)
05. Faith (Doug Howard)
06. Tell Me (Doug Howard)
07. Save Me (Doug Howard, Charlotte Lee)
08. The Death of Me (Doug Howard)
09. Living Proof (Doug Howard)
10. Worldwide (Doug Howard)
11. Black Betty (Huddie Ledbetter)

■Personnel
Doug Howard - Vocals, Guitars, Bass, Keyboards, Drums

Producer – Doug Howard with Bob St. John

Last Man Standing
Howard, Doug
Mtm Music & Publish
2007-02-19

Once / StunLeer (1998)

0086Once
アメリカのメロディアス・ハードロック・バンド、スタン・リアのおそらく唯一のアルバム。このバンドは、マーク・マンゴールド率いるタッチのメンバーだったダグ・ハワードが在籍したということで、多少話題になったような記憶があります。彼はタッチ解散からスタン・リア加入までの間、タッチの2ndのプロデュースに関わったトッド・ラングレンのユートピアで活動したり、ダン・ハートマンの後任としてエドガー・ウインター・グループに参加したりしていました。他にプロデューサーとしての仕事もこなしながら、音楽的素養を深めていったようです。タッチではベースとサイド・ボーカルを担当していましたが、スタン・リアでは専任リード・ボーカルとなっています。

スタン・リアは、元Ball and Pivotのベーシストだったポール・マイケルのメンバー募集に、マイケル・マッケイブが応募したことによって結成されます。マイケル・マッケイブは、エクストリーム結成以前のヌーノ・ベッテンコートと共にSinfulというアマチュア・バンドを組んでいた経歴の持ち主です。最後にボーカリストとしてダグ・ハワードがバンドに加わり、曲作りが本格的に開始されましたが、アメリカのメジャー・レーベルには相手にされず、ようやくドイツのメロハー・レーベルMTMと契約、アルバム・リリースに漕ぎ着けたということです。後日談ですが、実はこのバンドの2ndアルバムも制作されましたが、結局それはダグ・ハワードのソロ・アルバムとしてリリースされることになります。

スタン・リアの楽曲、サウンドは、親しみやすいメロディラインを大切にしたハードロック。まさにメロディアスハードど真ん中です。ところどころジャーニー的だったり、LAメタルを思わせる部分もあったり、それなりにバリエーションもあり飽きさせません。メジャー・キーの爽快系の曲もいいのですが、筆者は#1"Love Is a Liar"や#2"Go, Don't Go"のような、マイナー・キーでリフが印象的な正統派ハードロックっぽい曲に、彼らの持ち味が出ているように感じました。ダグ・ハワードはややハスキーな声質でちょびっとガナリ気味の歌唱、中々イイ感じです。楽曲、演奏、歌唱とも抜きん出た個性というものは感じられませんが、メロハー好きには価値のあるアルバムだと思います。

バンドはギター、ベース、ボーカルのトリオ編成ですので、ドラムなどはゲスト・ミュージシャンでまかなっています。その中で、メインのドラマー兼プロデューサーとしてクレジットされているアンソニー・レスタは、ヌーノ・ベッテンコートのソロ・アルバムのプロデュースや、エクストリームへの楽曲提供などで知られるマルチ・ミュージシャンです。また同じくプロデューサーの一人としてクレジットのあるボブ・セント・ジョンも、エクストリームのアルバムのプロデュースをしてきた人。マイケル・マッケイブから繋がるヌーノ・ベッテンコートがらみの人脈と推察できます。
 
評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Love Is a Liar
02. Go, Don't Go
03. If You Want Love
04. Eye to Eye
05. Foolin'
06. No Words Can Say
07. Come to Me
08. All the King's Horses
09. Hungry Eyes
10. Deliver
All tracks by Paul Michael, Michael McCabe, Doug Howard

■Personnel
Paul Michael - bass
Michael McCabe -  guitars, backing vocals
Doug Howard - vocals

Anthony Resta - drums, percussion
Paul Cervone - synthesizers
Derek Blevens - drums on 3, 9
Brian Rahilly - guitar solo on 4
Bobby O'Donnel - additional backing vocals
John Foster - additional backing vocals
Peter Chiklas - additional backing vocals

Producer - StunLeer with Bob St. John, Anthony Resta, Paul Cervone
Executive Producer - Paul Michael
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