アメリカのメロディアス・ハードロック・バンド、Touch、StunLeerのメンバーだったダグ・ハワードのソロ・アルバム。ジャケットの表記にDoug Howard of StunLeerとあるように、元々はStunLeerの2ndアルバムとして企画されていたのが、結局ダグ・ハワードのソロ作として制作されたという事情のようです。本作のサウンドは、ポップなプログレ・ハードという感じのTouchとはずいぶん違いますが、StunLeerのラウドでメロディアスな路線の延長線上にあるもの。リリースもStunLeerと同じくドイツのMTMレーベルからとなっています。全てのボーカルとインスト・パートをダグ・ハワードが担当し、プロデュースもStunLeerのアルバムを共同制作していたボブ・セント・ジョンの協力を得ながら自身で行なうというワンマンぶりです。
この人、Touch、StunLeer以外にも、エドガー・ウィンターやドッド・ラングレンと仕事をしてきた才人で、曲そのものは悪くないのです。ボーカルもインスト・パートもそれなりにカッコいいです。ただ、とろこどころミクスチャー風だったり、"Smoke on the Water"、"Jumping Jack Flash"その他ロック・スタンダード曲のパロディがあちこちに見受けられたり、正直何がしたいのかよくわからない。そして、意図的なプロダクションなのでしょうが、音全体が濁っていてやかましいことこの上ない。聴いていてとにかく疲れるので、繰り返し聴きたくなるようなアルバムじゃないな~。ごめんなさい。
蛇足ですが、この度ダグ・ハワードは今どうしているのだろうとネットで検索してみたら、今だ現役で、エドガー・ウィンターのWhite Trashを思わせるファンクやブルースをやっているみたい。そう言えばこのLast Man Standing というアルバムのファンキーな一面も、エドガー・ウィンターのShock Treatment 前後の雰囲気があるかも知れないな~と思いました。この人はTouchつながりより、むしろウィンター・ファミリーとしてくくった方がいいのかも知れません。
評価 ★★★☆☆
★★★★★ 傑作
★★★★☆ 秀作
★★★☆☆ 佳作
★★☆☆☆ 凡作
★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。■Tracks
01. Higher (Doug Howard)
02. Whip (Doug Howard)
03. Hold Up the Sky (Doug Howard, Zane Robert Howard)
04. Hey Money (Superstar) (Doug Howard)
05. Faith (Doug Howard)
06. Tell Me (Doug Howard)
07. Save Me (Doug Howard, Charlotte Lee)
08. The Death of Me (Doug Howard)
09. Living Proof (Doug Howard)
10. Worldwide (Doug Howard)
11. Black Betty (Huddie Ledbetter)
■Personnel
Doug Howard - Vocals, Guitars, Bass, Keyboards, Drums
Producer – Doug Howard with Bob St. John