メロディアス・ハードロック名盤探訪 別館

哀愁・叙情・爽快...メロハー、AOR、ハード・ポップ、メロディック・メタルの傑作との出会いを求めて。 メロディック・ロックのアルバムをレビューしていくブログです。

Foreigner

Inside Information / Foreigner (1987)

0370Inside Information









1987年リリースのForeignerの6thアルバム。米国内での売り上げは100万枚、バンドにとってオリジナル・アルバムとしては最後のプラチナ・ディスクとなりました。シングル・カットされたいくつかの曲はそれなりにヒットしましたが、アルバム自体はBillboardチャートでのピークは15位と初めてトップ10入りを逃し、Foreignerの快進撃に陰りが見えてきたことを示しています。とは言っても、楽曲は多少のばらつきはあっても概ね出来は良く、もちろん演奏も歌唱もしっかりしていて、これまでのアルバムより見劣りすることは全くありません。まあ、永遠に売れ続けるなんてことはないし、良いものは必ず売れるとは限らないのは当然ですが。

お気に入りの曲をいくつかあげておくと、
#1"Heart Turns to Ston"
文字通りメロディアスでハード、これぞForeigner流メロハーの名曲。

#3"Say You Will"
歌謡曲的な哀愁メロディ、シンセ・ポップっぽいリズムが時代を感じさせますが良い曲です。

#4"I Don't Want to Live Without You"
ソフトなキーボードいかにも80年代らしいバラード。何気なく良いメロディです。アコースティカルで隙間のあるアンサンブルにしたらもっと良くなりそう。

#7"The Beat of My Heart"
初期のサウンドを思い起こさせるような緊迫感のあるハードな曲。

#8"Face to Face"
ヴァース、ブリッジ、コーラスと、流れるような哀愁メロディの展開が素晴らしい。1曲目と並び本作のハイライトとなる名曲。

このアルバムを最後にルー・グラムはForeignerを脱退します。本作がとりわけバラードに偏っているとは思えないけれど、今まで溜まった不満があふれ出してしまったんでしょうね。そしてバンドは商業的には更に失速していくことになります。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。 

 ■Tracks
01. Heart Turns to Ston (M. Jones, L. Gramm)
02. Can't Wait (M. Jones, L. Gramm)
03. Say You Will (M. Jones, L. Gramm)
04. I Don't Want to Live Without You (M. Jones)
05. Counting Every Minute (M. Jones, L. Gramm)
06. Inside Information (M. Jones)
07. The Beat of My Heart (M. Jones, L. Gramm)
08. Face to Face (M. Jones, L. Gramm)
09. Out of the Blue (D. Elliott, L. Gramm, M. Jones, R. Wills)
10. A Night to Remember (M. Jones, L. Gramm)

■Personnel
Lou Gramm - Lead Vocals
Mick Jones - Lead Guitar, Keyboards, Backing Vocals
Rick Wills - Bass, Backing Vocals
Dennis Elliott - Drums

Kevin Jones - Synclavier
Peter-John Vettese - Keyboards
Tom Bailey - Additional Keyboards (#4)
Hugh McCracken - Spanish Guitar (#7)
Sammy Merendino - Electronic Percussion
Ian Lloyd - Backing Vocals
Mark Rivera - Backing Vocals

Producer - Mick Jones
Co-producer - Frank Filipetti


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Agent Provocateur / Foreigner (1984)

0239Agent Provocateur









1984年にリリースされたフォリナーの5枚目のオリジナル・アルバム。米国で600万枚、全世界で1500万枚のセールスを記録した前作ほどではないにせよ、米国内だけでも300万枚売れたという相変わらずのヒット作となっています。シングル・カットされた#3"I Want to Know What Love Is"は、フォリナーとしては唯一アメリカとイギリスの両方のチャートで1位となるなど、これまた大ヒットとなりました。後半は聖歌隊をバックにゴスペル風に盛り上がるこの曲、ミュージック・ビデオも感動的で筆者も大好きです。しかし、またまたバラードが大ヒットしてしまったせいで、二匹目、三匹目のドジョウを狙うミック・ジョーンズと、バラード路線に反発するルー・グラムの亀裂はますます深まったようで、次作発表後にルー・グラムはバンドを脱退することになります。
 
さて、"I Want to Know What Love Is"の印象が強いので、このアルバム全体になんとなくソフトなイメージを持ってしまいますが、意外にアグレッシブな曲が多く、良く出来たハードロック・アルバムとも言えます。ちょっとツェッペリン風な#5"Reaction to Action"、#6"Stranger in My Own House"、哀愁系メロハーそのものの#7"A Love In Vain"などは特に筆者のお気に入りです。曲は粒選りだし、ミック・ジョーンズのギターも今まで一番カッコいいし、ルー・グラムのボーカルもソウルフルそのもので、このアルバムあたりがやはりフォリナーのピークだったのかなと。プロデュースは故アレックス・サドキン。グレース・ジョーンズや、トンプソン・ツインズ、デュラン・デュランを手がけた80年代の売れっ子プロデューサーで、フォリナーはやや畑違いな気もしますが、今となってもあまり古臭さを感じさせない音になっています。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。 

 ■Tracks
01. Tooth and Nail (M. Jones, L. Gramm)
02. That Was Yesterday (M. Jones, L. Gramm)
03. I Want to Know What Love Is (M. Jones)
04. Growing Up the Hard Way (M. Jones, L. Gramm)
05. Reaction to Action (M. Jones, L. Gramm)
06. Stranger in My Own House (M. Jones)
07. A Love in Vain (M. Jones, L. Gramm)
08. Down on Love (M. Jones, L. Gramm)
09. Two Different Worlds (L. Gramm)
10. She's Too Tough (M. Jones, L. Gramm)

■Personnel
Lou Gramm - Lead Vocals, Percussion
Mick Jones - Lead Guitar, Bass, Keyboards, Synthesizer, Backing Vocals
Rick Wills - Bass, Backing Vocals
Dennis Elliott - Drums

Wally Badarou - Analogue & Digital Synthesizer
Brian Eddolls - Additional Synthesizer
Larry Fast - Additional Synthesizer
Dave Lebolt - Additional Synthesizer
Jack Waldman - Additional Synthesizer
Bob Mayo - Piano, Additional Synthesizer, Backing Vocals
Mark Rivera - Saxophone, Backing Vocals
Tom Bailey - Vocals
Donnie Harper - Vocals
Jennifer Holliday - Vocals
Ian Lloyd - Backing Vocals
The New Jersey Mass Choir - Choir

Producer -  Alex Sadkin, Mick Jones
 

4 / Foreigner (1981)

0159four









フォリナーの4thアルバム。出すアルバムを全て大ヒットさせてきた彼らですが、本作も例外でなくアメリカだけで600万枚売れ、チャート10週1位を記録したメガヒット作であり、フォリナーの代表作と評価されるアルバムです。アルバム収録全10曲のうちシングルカットされたのはなんと6曲、そのいずれもヒットするという、もう訳が分からない状態。特に"Waiting for a Girl Like You"は全米チャート2位を記録し、その後様々なミュージシャンにカヴァーされて、もはやロックのスタンダード・ナンバーと言ってもいいほど有名曲となっています。なお、このアルバム制作直前にイアン・マクドナルドとアル・グリーンウッドが脱退し、バンドはルー・グラム、ミック・ジョーンズ、デニス・エリオット、リック・ウィルスの4人編成となりました。

アルバムごとに次々とプロデューサーを変えてきたフォリナーが本作で選んだのは、ロバート・ジョン“マット”ランジ。それまでにDef Leppard、AC/DCなどを手がけており、近年ではNickelbackやMaroon 5のアルバムを制作している人物です。何人ものプレイヤーを動員したキーボードの使い方や、サウンド・プロダクションに、80年代の入り口という時代性が感じられてその点も興味深いです。トーマス・ドルビーのシンセなんかは当時としては「新しさ」を感じさせるものでした。

さすがに楽曲は粒ぞろいで唸らされます。#2"Juke Box Hero"や#6"Urgent"は文句なしにカッコよく、それからやはり#4"Waiting for a Girl Like You"は不朽の名曲だと思います。しかし、この曲の大ヒットでモンスター・バンドとなったことが皮肉にもバンドを苦しめることになります。ソフィスティケート路線を推し進めようとするミック・ジョーンズと、あくまでロックのパッションにこだわるルー・グラムの確執は、この頃から抜き差しならないものとなっていったようです。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Night Life (Jones/Gramm)
02. Juke Box Hero (Gramm/Jones)
03. Break It Up (Jones)
04. Waiting for a Girl Like You (Jones/Gramm)
05. Luanne (Gramm/Jones)
06. Urgent (Jones)
07. I'm Gonna Win (Jones)
08. Woman in Black (Jones)
09. Girl on the Moon (Jones/Gramm)
10. Don't Let Go (Jones/Gramm)

■Personnel
Mick Jones – lead guitar, keyboards, backing vocals
Lou Gramm – lead vocals, percussion
Dennis Elliott – drums, backing vocals
Rick Wills – bass guitar, backing vocals

Tom Dolby – main synthesizers
Mark Rivera – saxophone on tracks 6 (except solo) and 3, backing vocals
Hugh McCracken – slide guitar on track 9
Jr. Walker – saxophone solo on track 6
Larry Fast – sequential synthesizer on tracks 2, 3, and 10
Michael Fonfara – keyboard textures on tracks 6 and 9
Bob Mayo – additional keyboard textures on track 3 and 4
Ian Lloyd – backing vocals
Robert John "Mutt" Lange – backing vocals

Producer - Robert John "Mutt" Lange and Mick Jones 

 

Head Games / Foreigner (1979)

145Head Games










フォリナーの3rdアルバム。このアルバムもまたもや全米500万枚の大ヒット、アルバム・チャートも5位を記録しています。シングルカットされた"Dirty White Boy"は12位、"Head Games"は14位、"Women"は41位にチャートインしました。メンバー6人中5人はこれまでと同じですが、ベースはエド・ガリアルディからリック・ウィルス(ex-Peter Frampton/Small Faces)に交代しています。本作のプロデュースにはクイーン、ジャーニーなど大物のヒット作を手がけてきたロイ・トーマス・ベイカーが起用されています。

この作品は良い曲とそうでない曲との差が激しい印象を受けました。マイナー・キーの曲は全般に出来がよく、ルー・グラムの歌唱も切迫感や哀感が伝わってきます。#2"Love on the Telephone"、#6"Head Games"、#8"Blinded by Science"、#10"Rev on the Red Line"などは特に素晴らしいです。しかし、アルバム全体としてはバカ売れするほど凄いとは思えない。まあ、現在メインストリームから外れた音楽ばかり聴いている立場からすれば、売れたから優秀、売れなかったから劣悪ということはなく、バンドが時代の波に乗れたか乗れなかったかの結果だとは思いますが。

評価 ★★★☆☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Dirty White Boy (Jones/Gramm)
02. Love on the Telephone (Jones/Gramm)
03. Women (Jones)
04. I'll Get Even with You (Jones)
05. Seventeen (Jones/Gramm)
06. Head Games (Gramm/Jones)
07. The Modern Day (Jones)
08. Blinded by Science (Jones)
09. Do What You Like (McDonald/Gramm)
10. Rev on the Red Line (Greenwood/Gramm)

■Personnel
Lou Gramm – lead vocals
Mick Jones – lead guitar, piano, vocals
Ian McDonald – guitars, keyboards, vocals
Al Greenwood – keyboards, synthesizer
Dennis Elliott – drums
Rick Wills – bass, vocals

Producer - Roy Thomas Baker, Mick Jones, Ian McDonald 

Double Vision / Foreigner (1978)

0097Double Vision
70~80年代のスーパー・グループだった英米混成バンド、フォリナーの2ndアルバム。大ヒットした前作に引き続いて売れに売れ、全米で累計700万枚という驚異的な数字になっています。アルバムはビルボード・チャート3位、シングル"Hot Blooded"は3位、"Double Vision"は2位、"Blue Morning, Blue Day"は15位という記録も残しています。曲調は1stの延長線上の極めてオーソドックスなアメリカン・ロック。ただ、そこはかとないプログレの薫りと英国的メランコリーがサウンドに陰影を与えているのが特徴でしょうか。いずれにしても、「産業ロック」などとおちょくられるような、売れ線狙いのあざとさといったものは感じられません。どちらかと言えばむしろ地味な印象さえあるアルバムです。

#1"Hot Blooded"は途中のリフがフリーの"All Right Now"だし、ところどころバドカンみたいだし、ルー・グラムのまるっきりポール・ロジャースになりきったような歌いまわしと、ミック・ジョーンズのポール・コゾフとミック・ラルフスを意識したギターには思わずニヤニヤしてしまいます。しかし、こんないい意味でフツーのロックン・ロールがヒット・チャート3位なんて、ほんといい時代です。シャープなリフと哀愁を湛えたメロディの#2"Blue Morning, Blue Day"、ピアノをバックに淡々と歌われる美しいバラード#3"You're All I Am"、このアルバムで一番フリーっぽく渋いロックンロール#5"Love Has Taken Its Toll"、緊張感みなぎるハードなタイトル曲#6"Double Vision"、フォリナー唯一のインスト曲でプログレ色がもっとも強い#7"Tramontane"、フォーキーでリラックス・ムード漂う#8"I Have Waited So Long"、ルー・グラムの切々とした歌唱が素晴らしいラストの#10"Spellbinder"などなど、どの楽曲も水準が高い上にバラエティに富んでいます。

メンバーは1作目と変わらず、ルー・グラム、ミック・ジョーンズ、イアン・マクドナルド、アル・グリーンウッド、エド・ガリアルディ、デニス・エリオットの6人。そしてバッキング・ボーカルに常連イアン・ロイド。プロデュースはキース・オルセン。70年代はFleetwood Macなど、80年代はWhitesnakeやPat Benatarをはじめ数多くのヒット作を生み出している名プロデューサーです。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Hot Blooded (Lou Gramm, Mick Jones)
02. Blue Morning, Blue Day (Lou Gramm, Mick Jones)
03. You're All I Am (Mick Jones)
04. Back Where You Belong (Mick Jones)
05. Love Has Taken Its Toll (Lou Gramm, Ian McDonald)
06. Double Vision (Lou Gramm, Mick Jones)
07. Tramontane (Al Greenwood, Ian McDonald, Mick Jones) 
08. I Have Waited So Long (Mick Jones)
09. Lonely Children (Mick Jones)
10. Spellbinder (Lou Gramm, Mick Jones)

■Personnel
Lou Gramm – lead vocals
Mick Jones – lead guitar, piano, vocals
Ian McDonald – guitars, keyboards, reeds, vocals
Al Greenwood – keyboards, synthesizer
Ed Gagliardi – bass, vocals
Dennis Elliott – drums

Ian Lloyd – backing vocals

Producer - Keith Olsen, Mick Jones, Ian McDonald 

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