メロディアス・ハードロック名盤探訪 別館

哀愁・叙情・爽快...メロハー、AOR、ハード・ポップ、メロディック・メタルの傑作との出会いを求めて。 メロディック・ロックのアルバムをレビューしていくブログです。

オランダ(Netherlands)

Vandenberg / Vandenberg (1982)

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エイドリアン・ヴァンデンバーグが率いるオランダのハードロック・バンドVandenbergの1stアルバム。他のメンバーは、バート・ヒーリンク(Vo)、ディック・ケンパー(B)、ジョス・ズーマー(Ds)、プロデュースはバンド自身と、Wishbone Ashなどを手がけたスチュアート・エップスとなっています。70年代から地元オランダでTeaserというバンドで活動していたエイドリアン・ヴァンデンバーグは、81年にThin Lizzyのオーディションを受けて落選、一方Whitesnake加入の話もあったものの結局は地元で自らの名を冠したバンドVandenbergを結成し、本作の録音・リリースに至りました。この時Thin Lizzyにはジョン・サイクスが加入しており、また後年Whitesnakeにジョン・サイクスの後釜として彼が参加することになります。なんだか因縁めいていますね。それはともかく、本作はビルボード・チャートで65位、シングル"Burning Heart"も39位とそこそこのヒット作となりました。日本でも「ネザーランドの神話」という邦題でリリースされ結構売れたようです。

このアルバムは、前半4曲(LPだとA面)はスロー~ミドル・テンポ、後半5曲(B面)はスピード・チューンとはっきり分かれているのが特徴です。全曲とも佳曲で、エイドリアン・ヴァンデンバーグの作曲能力の高さを示しています。筆者としてはメロディアスな前半の方が好み。特に、哀愁メロディが秀逸な#3"Wait"、シングルカットされた#4"Burning Heart"は出色の出来だと思います。

プレイの面では、ジョン・サイクスがゲイリー・ムーアに傾倒しているのに比べ、エイドリアン・ヴァンデンバーグはマイケル・シェンカーの影響が強いようです。本作でもリリカルなフレージングや、鼻づまりトーンにそれが見て取れます。好きなタイプなんですが、まだちょっと粗い印象が否めません。バート・ヒーリンクのボーカルは、ロブ・ハルフォードを意識したような歌い方にニヤリとさせられます。しかしこちらも粗く少し線が細いかな。あと細かいことを言えば、ドラムはオカズのタム回しの音だけデカくてうっとうしい。総じて、全体に演奏がバタバタしていて落ち着かないのが難点と感じました。

評価 ★★★☆☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Your Love Is in Vain
02. Back on My Feet
03. Wait
04. Burning Heart
05. Ready for You
06. Too Late
07. Nothing to Lose
08. Lost in a City
09. Out in the Streets
All music & lyrics by Adrian Vandenberg

■Personnel
Bert Heerink - Lead Vocals
Adrian Vandenberg - Guitar, Keyboards, Backing Vocals
Dick Kemper - Bass, Taurus Bass Pedals, Backing Vocals
Jos Zoomer - Drums, Backing Vocals

Producer - Stuart Epps, Vandenberg


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Man With a Mission / Aquila (2004)

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オランダのメロハー・バンドAquilaの2作目。Aquilaは1stのレビューで記したようにTerra Novaの後継バンドで、このMan With A Mission がAquila名義でのラスト・アルバムとなっています。リーダーのフレッド・ヘンドリックス(Vo)と弟のロン・ヘンドリックス(Key)は当然引き続き参加していますが、Terra Nova時代から一貫してメンバーだったジェスィーノ・デローザス(Gt)は何故か今回クレジットがありません。次作からは再びTerra Nova名義となり、ジェスィーノ・デローザスも復帰しています。

前作はアコギが多用され、Terra Novaより更に軽快なサウンドが特徴的でしたが、本作ではクランチ・サウンドがメインとなっています。ジェスィーノ・デローザスが弾いていないせいか、サウンド的にもアレンジ面でも「なんかTerra Novaと違うなぁ」という印象。アコースティカルだった前作と比べてもむしろTerra Novaから離れた感じです。ドラムもなんだか軽いし。ハード・ポップというよりパワー・ポップ的なんですね。その辺はまあ微妙な感覚なのでいいとしても、肝心のメロディまで変わってしまった印象を受けたのが気になります。Terra Novaっぽくないというか、フレッド・ヘンドリックスっぽくないというか。#1"Oh Boy"、#6"Man With a Mission"、#12"Run"あたりは従来のメロディが堪能できるのですが、アルバム全体としてはちょっと違和感を持ってしまいました。

評価 ★★★☆☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Oh Boy
02. One in a Million
03. He Wants It (Real Life)
04. Bite Me
05. What Would I Do
06. Man With a Mission
07. Shakin' Me Babe
08. Still Standing
09. Rescue Me
10. A Thousand Rainbows
11. I'm Gonna Win
12. Run
13. Seven Days
14. All Cried Out
 All songs written by Fred Hendrix

■Personnel
Fred Hendrix - Lead Vocal, Guitar
Ron Hendrix - Organ, Keyboard, Backing Vocal
Coen Pots - Guitar, Backing Vocal
Emiel Scholsberg - Guitar, Backing Vocal
Eric Derix -  Drums

Eric Coenen - Bassguitar on #8

Producer - Fred Hendrix


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Say Yeah / Aquila (2001)

0287Say Yeah









オランダのメロハー・バンドAquila(アクイラ)の1stアルバム。リーダーでボーカリストのフレッド・ヘンドリックス自身が書いたライナー・ノーツによれば、レコード会社との間にトラブルがあってTerra Nova(テラ・ノヴァ)の新作作りが困難となり、一旦Terra Novaは解散。フレッド・ヘンドリックスのソロ・プロジェクト的なバンドとしてAquilaを始動させたとのことです。しかし、フレッドが曲を書いて歌い、弟のロン・ヘンドリックス(Key)とジェスィーノ・デローザス(Gt)というTerra Nova中核メンバーが録音に参加しているわけで、実質的にはTerra Novaの別名義での作品です。リズム・セクションはセッション・プレイヤーとのことですが、日本盤と海外盤とで表記が異なるらしく、アディショナル・ミュージシャンにも複数のドラマー、ベーシストが記載されていて、実際に誰がどの曲でプレイしているのか不明です。

というわけで、本作もTerra Nova同様の明るいメロディが特徴のハード・ポップが詰め込まれています。Terra Nova4作目用のマテリアルも含まれており、メロディの素性は当然Terra Novaと同じ。ただ、Terra Novaのサウンドがハードロック然とした分厚いものだったのに比べて、アコースティック・ギターが多用され、エレキもクランチ・サウンド、リズム・セクションもゆったりとしており、全体としてライトでカジュアルな印象。ミカエル・アーランドソンのソロ作やNelsonに通じる心地良いサウンドです。筆者のお気に入りは、リラックス・ムードの#2"Wide Open"、#3"Forgive Me"、#8"Sometimes"、#12"I Run"、#13"The End"、溌剌とした#4"Young and Restless"、#6"Everyday"、#7"Here I Am"、#10"Say Yeah"。パンキッシュな#11"The Kids Wanna Rock"もいいですね。ほとんど全部だな。ただ、一番地味で面白みのないバラード"Cecelia"をオープニングにもってきたのはいかがなものか。これでアルバムの印象が地味になってしまったのがもったいない限りです。。。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks (All songs written by Fred Hendrix)
01. Cecelia
02. Wide Open
03. Forgive Me
04. Young and Restless
05. Nothing's Impossible Now
06. Everyday
07. Here I Am
08. Sometimes
09. I Share It With You
10. Say Yeah
11. The Kids Wanna Rock
12. I Run
13. The End
14. Where Is the Sun

■Personnel
Fred Hendrix - Lead Vocal, Guitar
Ron Hendrix - Organ, Keyboards, Backing Vocals
Gesuino Derosas - Guitar, Backing Vocals
René Creenmers -  Drums
Pieter Douma - Bass

Additional Musicians
Eric Coenen, Roiger van Wegberg, Arthur Lijten, Ad de Jong, Cor Muysers, Eric Derix, Lars Beuving,

Producer - Fred Hendrix

Two of a Kind / Two of a Kind (2007)

0191Two of a Kind









オランダの女性デュオ、Two of a Kind(トゥー・オブ・ア・カインド)のデビュー作です。Frontiers Recordsのセラフィーノ・ベルジーノがTerra Novaのフレッド・ヘンドリックスを起用して仕立てたプロジェクトで、歌っているエスター・ブロウンズとアニータ・クレインメイヤーはオーディションで選ばれたそうです。バッキングはTerra Novaのジェスィーノ・デローザス(Gt)、ロン・ヘンドリックス(Key)、そしてフレッド・ヘンドリックス自身はベースを担当しています。ドラムはハンス・ザント(Vengeance)です。ソング・ライティングとプロデュースもフレッド・ヘンドリックスで、彼もいよいよつんく化するのかと思いましたが、今のところリリースはこの1作のみとなっています。色っぽいジャケットとは対照的に、本人たちの写真はちょっとアレかも。エスターが77年、アニータは68年生まれということなので、「Terra Nova娘。」として売り出すには少々とうが立ち過ぎていたかもしれません。

楽曲・演奏のレベルにはさすがに高いものがあり、Terra Nova的ハード・ポップが聴けるのは想定の範囲内。ただ、Terra Novaがメジャー・キーの爽快系をメインにしているのに対し、このTwo of a Kindはどちらかというと哀愁系の楽曲に重きを置いているようです。哀愁と言っても強烈な「泣き」を発している訳ではなく、うっすら哀愁を感じる程度。#1"Light in the Dark"、#9"Whole Again"といった曲はその哀愁系の佳曲です。また後半部分がNelsonの"After the Rain"を思い起こさせる#7"Into the Fire"も出色の出来ばえ。ジェスィーノ・デローザスのギター・ソロもカッコいいです。全体として女性ボーカルならではの「華」があり、とても聴きやすいアルバムだと思います。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Light in the Dark
02. The Longest Night
03. Little by Little
04. Give Me a Reason
05. Heaven Can Wait
06. Unbearable
07. Into the Fire
08. In Your Arms
09. Whole Again
10. To the Top
11. I Die a Little More Everyday
12. Now I'm Complete [Japan Bonus Track]
All songs written by Fred Hendrix

■Personnel
Esther Brouns - Lead Vocal
Anita Craenmehr - Lead Vocal
Hans In't Zandt - Drums
Gesuino Derosas - Guitar
Ron Hendrix - Keyboards
Fred Hendrix - Bass Guitar

Producer - Fred Hendrix



Make My Day / Terra Nova (1999)

0149Make My Day









オランダのメロハー・グループ、テラ・ノヴァの3rdアルバム。メンバーはフレッド・ヘンドリックス(vo)、ジェスィーノ・デローザス(gt)、ラルス・バウヴィンク(ds)、ロン・ヘンドリックス(key)の4人。前作までベースを弾いていたルシアン・マテウソンが抜けて、サポート・ベーシストとしてエリック・コーネンがクレジットされています。1stから変わらず一貫して明るくキャッチーなサウンドを聴かせてくれる彼らですが、本作はこれまででベストの仕上がり。フレッド・ヘンドリックスの書くメロディは一段と流麗となり、彼の歯切れの良い歌唱と相まって一度聴いたら忘れられないほど印象が強いものとなっています。

#1"Lovesick"、#2"Make My Day"、#6"Wild Thing"、#9"Where I Stand"、#11"Promise You Wait"はこのバンドのお家芸とも言えるメジャー・キーの爽やかなハード・ポップで、気持ちがウキウキするようなメロディがとにかく素晴らしい。まさに現代の(と言っても90年代ですが)バブルガム・サウンドでしょう。「バブルガム」というレッテルは、60年代後半~70年代前半にかけて流行ったティーン向けポップ・ミュージックに対する一種の悪口でしたが、楽曲の質には高いものがありました。今現在かつて流行ったようなポップス(大衆音楽)は言葉とは裏腹にポピュラリティ(大衆性)を持っていません。かつてはアンダーグラウンドだったような音楽が今はメジャーであり、ラジオ・テレビをつければいつも流れていた音楽はマイナーな存在となっています。そういう逆転した状況を踏まえた上で、表向きのダークさやへヴィさによろめかずに、あえて「ポップ」とは何かを追求し続けるテラ・ノヴァは貴重な存在。筆者はニルヴァーナを聴きたいときはニルヴァーナを、レイジを聴きたいときにはレイジを聴きます。どのバンドも右へ倣えして同じような音を出されてしまっては、聴くほうの選択肢が減って困るんです。

このアルバムはこれまでのハード・ポップ路線から楽曲の幅を広げているのも特色です。#5"Anomaly"はジェスィーノ・デローザスのテクニカルなギターが炸裂するインスト曲。#10"I Will Be There"はなんとアコーディオン入りのレトロなワルツ。どうせならオランダ語で歌えばもっと雰囲気が出たんじゃないかな。それからアルバムの最後には短い隠しトラックがあって、見事なアカペラ・コーラスを聴かせてくれます。実に心憎い終わり方です。なお、このアルバムのリリース後、レーベルとのトラブルのためテラ・ノヴァというグループ名が使えずバンドは一度解散、アクイラ(Aquila)名義での活動を経て2005年になって再びテラ・ノヴァとしてアルバムEscapeを発表することになります。

評価 ★★★★★
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Lovesick (Fred Hendrix)
02. Make My Day (Fred Hendrix)
03. Eye to Eye (Gesuino Derosas)
04. Here's to You (Fred Hendrix)
05. Anomaly (Gesuino Derosas)
06. Wild Thing (Fred Hendrix)
07. I Can't Wait (Fred Hendrix)
08. Nothing (Fred Hendrix)
09. Where I Stand (Fred Hendrix)
10. I Will Be There (Fred Hendrix)
11. Promise You Wait (Gesuino Derosas)
12. How (Fred Hendrix)

■Personnel
Fred Hendrix - Lead Vocals, Guitar
Gesuino Derosas - Lead Guitar, Backing Vocals
Lars Beuving - Drums, Backing Vocals
Ron Hendrix - Keyboards, Organ, Piano, Accordion, Backing Vocals

Eric Coenen - Bass Guitar
Jeroen RobRecht - Violin and Viola

Producer - Fred Hendrix 

 
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