Europeの7thアルバム、再結成後としては2枚目の作品です。元々の北欧メロディアスハードに、オルタナティヴ・ロックの要素、70年代ハード・ロックやブルース・ロックの要素を混ぜ込んで、ヘヴィでソリッドなサウンドを作り上げた前作Start From the Darkの路線を踏襲しています。再出発して2作目ともなると、彼らの新しい音楽性もこなれてきたようです。浮ついたところの無い「ホンモノ」の手応え、年齢を重ねたからこその深みのある表現に感銘を受けました。美しいメロディにはそこはかとなく寂寞感が漂い、ソング・ライティングの妙を感じます。クレジットを見ると、曲作りはやはりジョーイ・テンペストが主導しているようですが、ジョン・レヴィンが1曲、ジョン・ノーラムが3曲、そしてミック・ミカエリが4曲とメンバーそれぞれが共作者となっていて、特にミック・ミカエリの関与が目を引きます。ただし、演奏面では相変わらずキーボードの比重が軽くて、存在感は希薄なままなのが気になります。
余談になりますが、再結成後のEuropeの作品を聴いて思うのは、同じスウェーデンのベニー・セーデルベリ率いるFortuneの3rdアルバムLord of Fliesのこと。北欧メロディアスハードにオルタナティヴ・ロックと70年代ハード・ロックを融合させたような路線は、再結成Europeとかなり近いものを感じます。時期が早すぎたのか、知名度が違いすぎたのか、結局Fortuneは埋もれてしまいました。しかし、このSecret Societyがハード・ロック・ファンからそれなりに高い評価を得るなら、Lord of Fliesにも再度光があたってほしいとか、またベニー・セーデルベリの復活してくれたら嬉しいとか思ってしまいます。
評価 ★★★★☆
09. Forever Travelling (Tempest, Michaeli)
[Bonus Track for Japan]
Archie Lamprell - Guest Vocals on #5
Producer - Europe