メロディアス・ハードロック名盤探訪 別館

哀愁・叙情・爽快...メロハー、AOR、ハード・ポップ、メロディック・メタルの傑作との出会いを求めて。

Hush

Mirage / Hush (2006)

0231Mirage










ノルウェーのハードロック・バンド、ハッシュの3rdアルバム。CDが中々見つけられなくて、仕方なくMP3ダウンロードしました。過去2作ともいわゆる北欧風ではありませんでしたが、ブルージーな味わいのあるハードポップが目いっぱい詰まった好盤だったので、3rdも大いに期待していました。#1"Is This...?"、静かに始まって徐々に盛り上がっていく展開でワクワクさせられます。ところが、2曲目のタイトル曲"Mirage"で衝撃!グランジ的というのか、ガレージ・ロック風というのか、アグレッシブで素っ気無いサウンドになってます。他の曲も同様の趣向のものが多く、ジャケットを見たときから実は嫌な予感はあったのですが、1st、2ndとは全くかけ離れたアルバムと言わざるをえません。1st、2ndは日本盤が出ていましたが、今回は国内盤リリースなし。確かに日本のメロハー・ファンは買わないだろうなぁこれ。本国でもインディーズ・リリースだし、お店でCD見かけないのも無理はないということてすね。

そんなわけで、最初は拒否反応ばかりだったのですが、聴き込むうちに、まあこれはこれでカッコいいと思うようになってきました。特に#9"What Have We Become"などに顕著なパトリック・シモンセンのブルージーで渋いボーカルは、掛け値なしに素晴らしいです。また、1st、2ndの曲を思わせる#10"Lies & Rumours"、2nd収録曲のリメイク#11"Till We Become the Sun"も魅力十分です。メンバーは、ボーカルのパトリック・シモンセン、ギターのケネス"キース"クリスチャンセン以外はチェンジしています。新ベーシストのゴリゴリしたベース、あんまり好きじゃないなぁ。ケネス"キース"クリスチャンセンのギターも相変わらずの力量不足。

評価 ★★★☆☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Is This...? (Patrick Simonsen)
02. Mirage (Patrick Simonsen)
03. Hell or High Water (Patrick Simonsen)
04. When You Fall (Patrick Simonsen)
05. The Dark Inside the Light (Patrick Simonsen)
06. Walk On Through (Patrick Simonsen)
07. Just Me (Patrick Simonsen)
08. Enemy (Patrick Simonsen)
09. What Have We Become (Patrick Simonsen)
10. Lies & Rumours (Patrick Simonsen)
11. Till We Become the Sun (Patrick Simonsen)

■Personnel
Kenneth Kristiansen - guitars, backing vocals
Patrick Simonsen - vocals, guitars
Raven Alfheim - drums
Knut Dalbakk - bass

Producer - Kenneth E. Kristiansen, Patrick Simonsen

II / Hush (2001)

0088HushII
ノルウェーのハードロック・バンド、ハッシュの2ndアルバム。1stIf You Smile から3年半後のリリースです。その間バンドをとりまく状況は相変わらず思わしくなく、解散も考えるほどだったらしいのですが、イギリスのメロディック・ロック・レーベルNow and Thenの主催するTHE GODSフェスに出演、その縁もありNow and Thenとの契約を獲得して2ndリリースに至ったようです。前作と同じく中心メンバーであるケネス"キース"クリスチャンセンのプロデュースのもと、彼の自宅スタジオでレコーディングは行われているので、やはり前作と同様の自主制作に近いものと思われます。前作では同郷の先輩TNTのロニー・ル・テクロがミキサー、エグゼクティヴ・プロデューサーとして協力していましたが、本作は同じNow and Thenレーベルに所属するカナダのメロハー・バンド、エメラルド・レインのマーレイ・デイグル(Murray Daigle)がミキシング、マイク・デミトロヴィック(Mike Dmitrovic)がマスタリングを担当しています。バンド・メンバーは、前作と同じケネス"キース"クリスチャンセン(gt)、パトリック・シモンセン(vo)、ラグナー"ロッド"ラトル(ba)、ヤンネ"スティーヴ"ティッツ(dr)の4人に加え、前作ではアディショナル・キーボード扱いだったテリエ・スメフォルトが、今回はテリー・スミスという名前でメンバーとしてクレジットされています。

If You Smile も中々の好盤でしたが、この2ndもメロハー・リスナーにとって魅力溢れる作品となっています。ブルージーでメロディアスな曲調、デヴィッド・カヴァーデイルに似たボーカル・スタイルで、ライトなホワイトスネイクと形容したくなるサウンドは前作と大きく変わりません。ただし、スロー~ミドル・テンポの曲が多く、味わい深いもののやや地味な印象もあった前作と比べ、この作品ではアップ・テンポの曲が増えて、メリハリの利いたよりハードロック色の濃い音になりました。楽曲そのもののレベルも一段と向上しているように感じます。そしてなによりパトリック・シモンセンの力強い上に渋い歌唱は、もう名ボーカリストと呼んで差し支えないほどの水準。こうなってくると、ケネス"キース"クリスチャンセンのギタリストとしての力不足がいやでも目立ってきます。リード・ギターに新メンバーを入れて、ソング・ライティングとサイド・ギターに徹したほうがバンドにとっていいのでは?なんておせっかいを言いたくなるなー。

評価 ★★★★★
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. The Restless Ones (Patrick Simonsen, Keith Kristiansen)
02. Don't Turn Around (Keith Kristiansen, Patrick Simonsen)
03. Till We Become the Sun (Patrick Simonsen, Keith Kristiansen)
04. Don't Say Goodnight (Patrick Simonsen, Steve Titz, Keith Kristiansen)
05. Is it Good Enough ? (Keith Kristiansen, Patrick Simonsen)
06. Another Girl (Patrick Simonsen, Keith Kristiansen)
07. Forever (Patrick Simonsen, Keith Kristiansen)
08. Like Love (Patrick Simonsen, Keith Kristiansen)
09. The Real Thing (Patrick Simonsen, Keith Kristiansen)
10. In My Dreams (Patrick Simonsen, Keith Kristiansen, Jan Titz)

■Personnel
Kenneth (Keith) Kristiansen - guitars, keyboards, backing vocals
Patrick Simonsen - vocals, guitars
Rognar (Rod) Rutle - drums
Janne (Steve) Titz - bass, backing vocals
Terry Smith (Terje Smevold) - keyboards

Producer - Kenneth (Keith) Kristiansen assisted by Patrick Simonsen 

If You Smile / Hush (1998)

0059If You Smile

ノルウェーのメロディアス・ハードロック・グループ、Hushの1stアルバム。メンバーはケネス"キース"クリスチャンセン(gt)を中心に、パトリック・シモンセン(vo)、ラグナー"ロッド"ラトル(ba)、ヤンネ"スティーヴ"ティッツ(dr)の4人。ジャケットのほのぼのしたイメージから、トラディショナルな音楽を取り入れたような穏やかなサウンドをなんとなく想像していましたが、これがまたなんともかっこいいブルージーなメロディアス・ハードでした。喩えるなら、初期のホワイトスネイクをちょっとポップでメロディアスにした感じでしょうか。ボーカルのパトリック・シモンセンは、デビカバほどは濃くはないのですが、まさにあの系統のブルース・ベースの正統派ハードロック・ボーカリストとしての高い実力が感じられます。ソウルフルな歌いまわしもまるでベテランのように堂々としているし、筆者は一発で気に入りました。

曲調はバラエティに富んでいますが、マイナーキーを多用していたずらにベタな泣き路線に走らず、メジャーキーでそこはかとない哀愁を漂わせた曲が多いのも好感が持てます。作曲の中心はケネス"キース"クリスチャンセンだと思いますが、この人のメロディ・メーカーとしての才能を感じさせます。やや技量的に未熟なギターのほうも、もうちょっと頑張ってくれると完璧なんですが。。。ハードポップ的で楽しい#1"Talk to Me"、大人っぽいAORハード風の#2"Babe"、パトリック・シモンセンのソウルフルな歌唱が映えるファンキーなナンバー#4"Piece of the Action"、まるでアメリカのベテランAORグループの曲かと思わせるしっとしりしたバラード#5"Let it Rain"や#6"This Side of Love"等々、名曲・佳曲がぎっしり詰まっています。一部でパクリ説の出ている#7"Heaven Ain't"のイントロとAメロがネルソンの"After The Rain"に激しく似ているのは、筆者が想像するに、おそらくパクリではなくて無意識のうちに耳に残ってるメロディをオリジナルなメロディとして曲にしてしまったのでしょう。あんな有名な大ヒット曲を意図的にパクったらすぐに非難されるのは目に見えてますから。バンドをやっているとどうしてもそういうことはありますよ。まあいずれにしても、褒められた話ではありませんが。

これほどの高水準なアルバムですが、ノルウェーのレコード会社と契約していたにも関わらず、レーベルやマネージメント側の熱意が薄く、レコーディングはケネス"キース"クリスチャンセンの自宅スタジオで行われ、実態としては自主制作に近いのです。デモを世界中に送ってようやく日本のレーベルと契約を交わし、ノルウェーのこのジャンルでの先輩バンドTNTのロニー・ル・テクロのリミックスと監修という助力を得てアルバムを完成させ、まず日本でのリリースにこぎつけました。その後ドイツのレーベルを通じてヨーロッパでもリリースされますが、相変わらずバンドをとりまく環境は厳しく、まともなプロモーションもマネージメントもないまま、雑誌の取材からライブのブッキングまで自分たちで切り盛りしなくてはならない状況だったようです。メロディの秀逸さや歌い手の歌唱力が、当たり前に評価されない悲しむべき時代は今も続いています。メロディック・ロックを愛聴するリスナーの間でさえ「産業ロック」などという時代遅れで的外れなカテゴライズが今でもまかり通っている日本の状況にも、言いようのない悔しさと憤りを感じてしまうのです。メロディック・ロック=「産業ロック」=売れ線の音なら、このバンドだって経済的な苦労なんかしないでウハウハでしょうに。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Talk to Me (Kenneth Kristiansen, Patrick Simonsen)    
02. Babe (Kenneth Kristiansen, Glenn Kristiansen, Patrick Simonsen)     
03. Believe (Kenneth Kristiansen, Patrick Simonsen)     
04. Piece of the Action (Kenneth Kristiansen, Patrick Simonsen)     
05. Let it Rain (Kenneth Kristiansen, Patrick Simonsen)     
06. This Side of Love (Kenneth Kristiansen, Patrick Simonsen)     
07. Heaven Ain't (Kenneth Kristiansen, Patrick Simonsen)     
08. Big Times (Kenneth Kristiansen, Glenn Kristiansen, Patrick Simonsen, Rognar Rutle)     
09. Sometimes (Kenneth Kristiansen, Patrick Simonsen)     
10. G & B (Kenneth Kristiansen, Patrick Simonsen)     
11. If (Butterfly) [bonus] (Kenneth Kristiansen, Patrick Simonsen)   
12. This Side of Love (Acoustic Version) [bonus] (Kenneth Kristiansen, Patrick Simonsen)
 
■Personnel
Kenneth (Keith) Kristiansen - guitars, keyboards, backing vocals
Patrick Simonsen - vocals, guitars
Rognar (Rod) Rutle - drums
Janne (Steve) Titz - bass, backing vocals

Terje Smevold - additional keyboards, piano

Producer - Kenneth (Keith) Kristiansen
Executive Producer - Torgrim Eide, Ronni Le Tekrø

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