メロディアス・ハードロック名盤探訪 別館

哀愁・叙情・爽快...メロハー、AOR、ハード・ポップ、メロディック・メタルの傑作との出会いを求めて。

Survivor

Eye of the Tiger / Survivor (1982)

0235Eye of the Tiger










映画「ロッキー3」のテーマ曲"Eye of the Tiger"をタイトル・トラックとした、Survivorの3rdアルバム。印象的なリフとメロディを持つこの曲は世界的ヒットとなり、今でも何かとTVなどで使われるので、ロックや洋楽聴かない人でも大体知っているでしょう。なんでもシルヴェスター・スタローンが直々に依頼して作られた曲だそうで、だからあの映画にピッタリな感じなわけですね。このヒット曲のおかげでアルバムも全米チャート2位まで上昇、プラチナ・ディスクに認定されています。本作レコーディング時のメンバーは、前作"Premonition"と同じで、フランキー・サリヴァン(Gt)、ジム・ピートリック(Gt, Key)、デイヴ・ビックラー(Vo)、それから正式メンバーに「昇格」したステファン・エリス(Ba)、マーク・ドラウベイ(Dr)の5人となっています。また、前作でも参加していたダリル・ドラゴンがキーボードで、さらにTOTO加入前のファーギー・フレデリクセンがバック・ボーカルでクレジットされています。

さて、"Eye of the Tiger"の陰に隠れてしまいがちですが、このアルバムは他にも佳曲が多いです。AC/DCみたいな#3"Hesitation Dance"、メロディの展開が素晴らしい#5"I'm Not That Man Anymore"など特にいいなぁ。全体として過去2作のやや中途半端な感じがなくなり、よりハードに、そしてメロディアスになっています。アメリカンなメロディアス・ハードロック・バンドとして個性が確立された作品でしょう。デイヴ・ビックラーのボーカルは力強さが増しているし、フランキー・サリバンのギターソロも大幅にフィーチャーされるようになりました。この人、現在のHR/HMのギタリストと比べてしまえば地味ですが、一音一音大事に弾いており、歌心が感じられて筆者は好きです。

評価 ★★★☆☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Eye of the Tiger
02. Feels Like Love
03. Hesitation Dance
04. The One That Really Matters
05. I'm Not That Man Anymore
06. Children of the Night
07. Ever Since the World Began
08. American Heartbeat
09. Silver Girl
All songs written by Frankie Sullivan, Jim Peterik
excpet track 4 written by Jim Peterik

■Personnel
Dave Bickler – lead vocals, keyboards
Frankie Sullivan – lead & rhythm guitars, acoustic 12-string guitar, vocals
Jim Peterik - grand piano, B3, electric guitars, acoustic 12-string guitar, vocals
Marc Droubay - drums
Stephan Ellis - bass

Daryl Dragon - additional keyboards
Fergie Frederiksen - additional backing vocals

Producer - Frankie Sullivan, Jim Peterik

Premonition / Survivor (1981)

0209Premonition










1981年にリリースされたサヴァイヴァーの2ndアルバム。主要メンバーであるフランキー・サリヴァン(Gt)、ジム・ピートリック(Gt, Key)、デイヴ・ビックラー(Vo)はそのままですが、リズム・セクションがステファン・エリス(Ba)、マーク・ドラウベイ(Dr)にチェンジしています。この二人は本作ではまだサポート・ミュージシャン扱いです。もう一人、キーボードでサポートしているダリル・ドラゴンは、70年代にヒット曲を連発したアメリカのポップス・デュオ、キャプテン&テニールのキャプテンさんです。(懐かしい!)

音楽性は1stと同様に適度にハードで適度にポップ。シングル・カットされてちょっとヒットした"Poor Man's Son"や"Heart's a Lonely Hunter"あたりは哀愁度の高いメロハーで結構好きです。フリーを思わせる重さと暗さのある"Take You on a Saturday"、緊張感溢れる"Love Is on My Side"もいい曲だと思います。まあ、全体としてはごく普通のアメリカン・ロックです。うーん、つまらなくはないけれど絶賛するほどじゃないなぁ。やっぱりこのバンドが良くなるのは、次のEye of the Tiger からですね。

評価 ★★★☆☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Chevy Nights (Jim Peterik)
02. Summer Nights (Jim Peterik, Frankie Sullivan)
03. Poor Man's Son (Jim Peterik, Frankie Sullivan)
04. Runway Lights (Jim Peterik, Frankie Sullivan)
05. Take You on a Saturday (Jim Peterik, Frankie Sullivan)
06. Light of a Thousand Smiles (Jim Peterik)
07. Love Is on My Side (Jim Peterik, Frankie Sullivan)
08. Heart's a Lonely Hunter (Jim Peterik, Frankie Sullivan)

■Personnel
Dave Bickler - lead vocals, synthesizer
Frankie Sullivan – lead guitar, vocals
Jim Peterik - keyboards, guitar, vocals
Stephan Ellis - bass
Marc Droubay - drums

Daryl Dragon - additional keyboards

Producer - Frankie Sullivan, Jim Peterik
Co-producer(tracks 1, 2) – Artie Kornfeld, Artie Ripp

Survivor / Survivor (1979)

0050Survivor

映画「ロッキー3」のテーマ曲"Eye of the Tiger"の大ヒットで世界的に知られることになる、アメリカン・ハードロック・バンド、サヴァイヴァーの1stアルバム。レコーディング・メンバーは、フランキー・サリヴァン(Gt)、デイヴ・ビックラー(Vo, Key)、ジム・ピートリック(Gt, Vo)、ゲイリー・スミス(Dr)、デニス・ジョンソン(Ba)。この段階では、メロディにキラリと光るものはあるものの、全体としてはアメリカに掃いて捨てるほどいるバンドの一つという印象しか持てません。はい、終わり。

というわけにもいかないので、以前から気になっている「伝説」について少し書いてみます。「サヴァイヴァー」というバンド名についてネットなどでよく見かける記述は、一部に細かい差異はありますが、「チェイスというブラス・ロック・バンドの乗った飛行機が墜落しメンバーのほとんどが死亡したが、バス移動をしていたメンバーはたまたま難を逃れ、サヴァイヴァー(生存者)というグループを結成した」というものです。

チェイス(Chase)は1970年代初頭に活動したブラス・ロック・バンドで、3枚のアルバムを残しています。大ヒットした"Get It On" は「黒い炎」という邦題で日本でも有名な曲で、トランペット4本の印象的なフレーズがいまだにテレビなどで使われるのを耳にすることがあります。1974年に飛行機事故でリーダーでトランペット奏者のビル・チェイス(Bill Chase)、キーボードのWally Yohn、ドラムのWalter Clark、ギターのJohn Emmaの4名が亡くなっています。チェイスのボーカルはアルバムごとにチェンジしていますが、ジム・ピートリックは3枚目のアルバムPure Music のうち歌入りの2曲の作曲に関わりボーカルも担当しています。ただし、パーマネントなメンバーだったかどうかは不明です。彼は元々は、1960~70年代にやはりブラスを取り入れたバンドで、"Vehicle"というヒット曲を持つアイズ・オブ・マーチ(Ides of March)のリーダーでした。チェイスとアイズ・オブ・マーチのアルバムのプロデュースは、Bob DestockiとFrank Randという同じ人物が行っているし、同じブラス・ロックというジャンルということもあり、おそらくPure Music のレコーディング以前からの交流があったものと想像できます。筆者は両バンドともリアルタイムで聴いていて、アイズ・オブ・マーチのボーカルがサヴァイヴァーの中心メンバーだと後から知って驚いた記憶があります。

ゲイリー・スミスとデニス・ジョンソンもチェイスのメンバーだった時期があります。Wounded Bird Recordsから再発されたチェイスの3枚のアルバムをまとめたCDによると、1stのChase にジョンソン、2ndのEnnea にはジョンソンとスミスがクレジットされています。ただし、ジム・ピートリックの参加している1974年リリースの3rdPure Music には2人ともクレジットされていません。1974年の時点でジョンソンとスミスはチェイスのメンバーだったのかどうか。事故死したメンバーにドラマーがいることからも、少なくともゲイリー・スミスはこの時点ではバンド・メンバーではなかった可能性が高いと思います。サヴァイヴァー結成以前の1976年のピートリックのソロ・アルバムDon't Fight the Feeling にジョンソンとスミスも参加していることから、チェイスを媒介としてこの3人の交流は早くからあったのではないかと考えるのが自然です。バス移動で飛行機事故死を免れたチェイスのメンバー3人が、奇跡的に生き残ったことにちなんでサヴァイヴァーという名前のバンドを結成したという「伝説」は、ウソとは言わないまでも不正確なのではないかと筆者は考えます。そもそも、一部のメンバーがバス移動していたということ、ピートリック、ジョンソン、スミスの3人が同じバスに乗っていたということに関する確かなソースは今のところ見つけられませんでした。ただし、このアルバムの裏ジャケに飛行機事故を思わせる黒煙の前に立つメンバーの写真があしらわれていることから、チェイスとの関わりが深かったピートリックが、飛行機事故と関連付けてバンド名を決めたのではないかという推測は十分成り立つとは思っています。

最後に、どうでもいい話ですが、ジャケットの軍服姿の女性は、有名になる前のキム・ベイシンガーだそうです。

評価 ★★★☆☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Somewhere in America (Jim Peterik)
02. Can't Getcha Offa My Mind (Jim Peterik, Frankie Sullivan)
03. Let It Be Now (Jim Peterik, Frankie Sullivan)
04. As Soon As Love Finds Me (Jim Peterik, Gary Smith, Dennis Keith Johnson, Frankie Sullivan)
05. Youngblood (Dennis Keith Johnson, Jim Peterik, Frankie Sullivan)
06. Rebel Girl (Jim Peterik, Gary Smith)
07. Love Has Got Me (Jim Peterik)
08. Whole Town's Talkin' (Jim Peterik, Gary Smith, Dennis Keith Johnson, Frankie Sullivan)
09. 20/20 (Jim Peterik, Gary Smith, Dennis Keith Johnson, Frankie Sullivan)
10. Freelance (Dennis Keith Johnson, Jim Peterik, Frankie Sullivan)
11. Nothing Can Shake Me (From Your Love) (Jim Peterik)
12. Whatever It Takes (Jim Peterik, Gary Smith, Dennis Keith Johnson, Frankie Sullivan)

■Personnel
Frankie Sullivan – lead guitar, vocals
Dave Bickler – lead vocals, keyboards
Jim Peterik – guitar, lead vocal on 7
Gary Smith – drums, percussion
Dennis Keith Johnson – bass, moog pedals

Producer - Ron Nevison, Barry Mraz



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