メロディアス・ハードロック名盤探訪 別館

哀愁・叙情・爽快...メロハー、AOR、ハード・ポップ、メロディック・メタルの傑作との出会いを求めて。 メロディック・ロックのアルバムをレビューしていくブログです。

Heartland

When Angels Call / Heartland (1999)

0399When Angels Call









英国メロハー・バンドHeartlandの6枚目のアルバム。今回はアコースティック企画盤で、既発曲と書き下ろし曲がアコースティック・アレンジで計14曲収録されています。レコーディング・メンバーは、クリス・ウーズィー(vo)とスティーヴ・モリス(g)に加えてスティーヴ・ギブソン(ds)となっています。で、その出来栄えは、まさにエクセレント!名盤1st以降、どこか不満の残るアルバムが続きましたが、これは素晴らしいです。シンプルなアコースティック・アレンジが、クリス・ウーズィーの本来の旨さを際立たせています。スティーヴ・モリスは相変わらず重ね録りしまくっていますが、エレキと違って音の壁になっておらず奥行きとか空気感が感じられるし、スティーヴ・ギブソンの小気味良いドラムも秀逸の一言。いや~、いいですね!

01. Carrie Ann (Ousey/Sharp)
1stアルバムHeartland(1991)収録曲。オリジナルは雄大な景色が目の前に広がるようなサウンド、クリス・ウーズィーの熱唱が印象的な名曲でした。アコースティック・ハージョンは小ぢんまりとしつつも独特の空気感があって、これまたいいです。

02. Knife Edge (Ousey/Bold)
クリス・ウーズィーがHeartland以前に在籍していたVirginia Wolfの1stアルバムVirginia Wolf(1986)収録曲。オリジナルは結構派手目なサウンドですが、ここではちょっとジャズっぽい渋い仕上がりになっています。

03. Never Never Land (Ousey/Morris)
本作のための書き下ろし曲。グルーヴィなノリがカッコいいです。

04. Wide Open (Ousey/Sharp)
2ndアルバムWide Open(1994)のタイトル曲。アコースティック・アレンジに加えて若干テンポが速くなってずいぶんイメージが変わりました。オリジナルの粘っこさが薄れて、フォークロックのような味わいが出ています。

05. Indian Ground (Ousey/Sharp)
これもWide Open収録曲。静謐なバラードですが、パーカッションが良いアクセントになっています。

06. Try Me (Ousey/Morris)
Wide Open収録曲が続きます。オリジナルはレトロ感のあるハードポップでお気に入りの曲でした。本作のバージョンは更に歌唱に味わいが増して最高です。なお、インナースリーヴに記されたクレジットにOusey/Morrisとありますが、Ousey/Sharpの間違いだと思います。

07. Keeping the Faith Alive (Ousey/Morris)
またまたWide Open収録曲。オリジナルもアコースティカルだったので、あまりイメージは変わっていません。これもOusey/Morris作ではなくOusey/Sharp作でしょう。

08. One Night (Ousey/Bold)
Virginia Wolfの2ndアルバムPush(1987)収録曲。AORとかシティ・ポップとか呼ばれるオシャレ系の音で、オリジナルの雰囲気がアコースティックで上手く再現されています。

09. Voodoo Eyes (Ousey/Morris)
3rdアルバムIII(1995)収録曲。タイトル通りブルージーでダークな曲調が魅力的なナンバー。オリジナルはリズム打ち込みだしギターはくどいし、断然こっちの方が良いです。

10. When Angels Call (Ousey/Morris)
これも3rdアルバムIII収録曲。元々いい曲ですが、やはりリズムが生なので更に良くなりました。抑え気味の歌唱にクリス・ウーズィーの上手さが光ります。本バージョンは名曲レベルですね。

11. Carved in Stone (Ousey/Morris)
本作のための書き下ろし曲。軽めのグルーヴ感、都会的なAOR風の曲調がいいですね~。

12. Make It Tonight (Ousey/Bold)
Virginia Wolf収録曲。オリジナルはあまり面白くない曲でしたが、新アレンジでStaple Singersが歌いそうな、ソウルフルで味わい深い曲になりました。

13. I Count the Days (Ousey/Morris)
5thアルバムMiracles by Design(1998)に入っていた曲。他の収録曲とちょっと音質が違うのは、ライナーによれば元々日本のラジオ局での放送用に録音された音源だからだそうです。

14. Only Time Will Tell (Ousey/Morris)
ラストは書き下ろし新曲です。悪くないけれど、これはちょっと地味すぎるかな。

評価 ★★★★★
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Personnel
Chris Ousey - Vocals
Steve Morris - Guitars, Bass, Keyboards
Steve Gibson - Drums, Percussion

Producer - Steve Morris
Co-producer - Chris Ousey
Executive-producer - Khalil Turk

Miracles by Design / Heartland (1998)

0330Miracles By Design









1998年にリリースされたHeartlandの5枚目のアルバム。クリス・ウーズィー(vo)とスティーヴ・モリス(g)がコンビを組んで3作目となります。他の参加メンバーは、前作から復帰したオリジナル・メンバーのスティーヴ・ギブソン(ds)に加え、前年にThe Distanceで共演したケニー・ケイオス・ロニー(g)、デイヴ・ホピア (ba)、ジョン・カウンセル(key)の3人のカナダのミュージシャンです。ライナーノーツによると、前作でキーボードを担当したクリス・ロイドはメンバーとしてクレジットはありますが、交通事故のため録音には不参加とのこと。

さて本作の出来ですが、大名盤の1stにはまだまだ及ばないものの1作ごとに良くなっている印象を受けます。まずリズム・セクションが素晴らしい。スティーヴ・ギブソンもデイヴ・ホピアも優秀なプレイヤーで、躍動感のあるリズムが心地よいです。肝心のクリス・ウーズィーのボーカルも相変わらずパワフルでありながら渋くて聴き応えがあります。問題はスティーヴ・モリスです。筆者としては彼のギターとアレンジがだんだん鼻についてきました。なんでもかんでもハモればいいというものではないでしょ。楽曲そのものはいいのにアンサンブルがくどい。凝れば凝るほど、せっかくのボーカルとリズムのダイナミックさが損なわれてチマチマした印象を受けてしまいます。クリス・ウーズィーとスティーヴ・モリスの相性の問題なのかなあ。しかし、このコンビで90年代半ばから2000年代初めまでコンスタントにアルバムを制作して日本盤もリリースされ続けているので、欧州や日本では結構人気はあったのでしょうね。まあ、個人的な感想ということで勘弁してください。

評価 ★★★☆☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. A Leap in the Dark (M : Steve Morris / L : Chris Ousey)
02. Miracles Take Time (M : Steve Morris / L : Chris Ousey)
03. Even Angels Cry (M : Steve Morris / L : Chris Ousey)
04. I Count the Days (M : Steve Morris / L : Chris Ousey)
05. Into the Flame (M : Steve Morris / L : Chris Ousey)
06. X Marks the Spot (M : Steve Morris / L : Chris Ousey)
07. Total Eclipse (M : Steve Morris / L : Chris Ousey)
08. Catch You If You Fall (M : Steve Morris / L : Chris Ousey)
09. Show Me the Way (M : Steve Morris / L : Chris Ousey)
10. Always the Love Will Survive (M : Steve Morris / L : Chris Ousey)
11. Let It Roll (M : Steve Morris / L : Chris Ousey)

■Personnel
Chris Ousey - Lead Vocals, Backing Vocals
Steve Morris - Lead Guitars, Guitars, Keyboards
Steve Gibson - Drums
Chris Lloyd - keyboards
Kenny 'Kaos' Loney - Guitars
Dave Hopia - Bass
John Counsel - Guest Keyboards

Producer - Steve Morris, Paul Dean


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Bridge of Fools / Heartland (1997)

0194Bridge of Fools









イギリスのメロディック・ロック・グループ、ハートランドの4作目。ハートランドってジャケットのダサいバンドっていうイメージが、もう自分の中で定着してしまってますけど、それにしてもこのジャケット酷すぎ。国内盤はまだましですが。

2ndと3rdは実質クリス・ウーズィーのソロ作品で、しかもリズム・パートは打ち込み多用という、ほとんど宅録自主制作状態だったため、なんとも不完全燃焼の感がありました。本作では、オリジナル・メンバーだったドラムのスティーヴ・ギブソンが戻り、ベースとキーボードにも専任メンバーを加え、久しぶりにバンドらしいサウンドが展開されています。クリス・ウーズィーのボーカルも、バンドの音に乗ってようやく躍動感を取り戻しました。出だしの#1"Tomorrow Won't Wait"、#2"Castles in the Sand"とノリの良い曲が続き、この人ならではのダイナミックな歌唱にワクワクしてきます。哀愁たっぷりの#5"Elena"、#9"Hardworking Man"など楽曲も概ね出来が良いという印象です。

ただし、相変わらず音があまり良くない。ベールを被ったようにこもっていて、どうにももどかしい音です。Escapeレーベルのもとで制作環境は整っていたはずなのに、なんでこうなるのでしょうか。それから、前作でも感じたことですが、スティーヴ・モリスは確かにギターは上手いのものの、音色に魅力がないんです。それは特にディストーションをかけた音に顕著です。また、ギターのアンサンブルに精緻さはあっても、スケールの大きさが感じられない。1st、2ndのゲイリー・シャープが大自然を感じさせたのに比べて、まるで良く出来た箱庭のようなチマチマしたイメージ。申し訳ないけど、やっぱりゲイリー・シャープのほうが良かったなぁ。

評価 ★★★☆☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Tomorrow Won't Wait
02. Castles in the Sand
03. Where the Pieces Fall
04. I Will Wait for You
05. Elena
06. Front Page News
07. Only a Heartbeat Away
08. Not Till Heaven Falls
09. Hardworking Man
10. Feels Like Magic
11. Still Got My Feet on the Ground
12. Don't Let the Fire Die
13. These Are the Days [Bonus Track]
All songs by Steve Morris/Chris Ousey

■Personnel
Chris Ousey - vocals
Steve Morris - guitars, keyboards
Chris Lloyd - keyboards
Steve Gibson - drums
Tim A Duncan - bass

Producer - Steve Morris
Executive Producer - Khalil Turk, Chris Ousey

III / Heartland (1995)


128Heartland III









イギリスのメロディック・ロック・グループ、ハートランドの3rdアルバム。当初メジャー・レーベルから鳴り物入りで売り出されたハートランドですが商業的には成績を残せず、ドイツのマイナー・レーベルからリリースされた2ndアルバムの時点でメンバーは3人に減り、実質はクリス・ウーズィーのソロ・プロジェクトの自主制作盤でした。3rdアルバム制作の経緯は詳しくは分かりませんが、メロハー/AORに特化したレーベルであるEscape Musicのカリル・タークがクリス・ウーズィーにスティーヴ・モリス(Export、Gillan)を紹介し、ウーズィーとモリス二人だけで録音されたようです。これも実質ソロ・プロジェクトみたいなものだと思われます。以降彼らの作品はEscapeからコンスタントにリリースされることになります。

このアルバムを聴いた最初の印象は、サウンドがせせこましいということ。水平線の彼方に沈む夕陽、満天の星、霧の立ち込める森、そんな情景が良く似合う、ゴージャスの極致だった1stから一気に落ちて、4畳半で宅録したかのようにショボくなった2nd。今度もおそらく自主制作デモに手を入れた程度のものだと思いますが、さらにショボくなりました。2ndもリズムにはプログラミングが用いられていたものの、ドラマーが残っていた分まだ良かった。この3rdはドラム完全打ち込み、しかもあまり巧みではない。カラオケ・ボックスで熱唱するクリス・ウーズィーといった風情です。可哀相過ぎるじゃありませんか。筆者はサウンド・プロダクションにはあまりうるさくない方ですが、ハートランドというとあの1stのイメージが強すぎて。。。一度知った快感は忘れられないものです。

楽曲は従来通りかなり良いです。テンポのいい勢いある曲から、渋いバラードまで曲調のバリエーションも文句ありません。ブルージーでクセのあるクリス・ウーズィーのボーカルも相変わらずで評価の分かれるところですが、何度も言うように筆者は結構好きです。ゲイリー・シャープに替わって相方となったスティーヴ・モリス、この人は才人ですね。この場面でこのフレーズ、このカッティング、この音色と非常に的確で職人的なギターを弾きます。引き出しが多いんでしょうね。曲のアレンジ能力・センスも抜群だと思います。ただし、ゲイリー・シャープのギターが忘れられない。一度知った快感は(ry

評価 ★★★☆☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. The Way of the Buffalo
02. Voodoo Eyes
03. Ready to Receive
04. Law of the Jungle
05. Don't Say Goodbye
06. Nothing Left to Loose
07. Broken Angel
08. Until the Last Man Falls
09. One Step at a Time
10. When Angels Call
11. Waiting for the Big One
12. Stranger in This City
All songs by Steve Morris/Chris Ousey

■Personnel
Chris Ousey - vocals
Steve Morris -  guitars, bass, keyboards, programming

Producer - Steve Morris 

Wide Open / Heartland (1994)

0084Wide Open
A&Mとの契約が切られ、ドイツのマイナー・レーベルLong Island Recordsからリリースされたハートランドの2nd。メンバーとしてクレジットされているのは、中心人物のクリス・ウーズィー(Vo)とゲイリー・シャープ(Gt)、そしてスティーヴ・ギブソン(Ds)の3人だけになってしまいました。実はこのアルバムは、自分たちで制作した8トラックのデモ音源を若干手直したものなのだそうです。なんだか追い詰められ感が漂ってるような。。。1stと同傾向の楽曲だし、ハートランドらしい凝ったアレンジ、緻密なアンサンブルが聴いて取れるのに、サウンド・プロダクションがあまりにも違いすぎます。雄大な景色が目に浮かぶかのような1stの音と比較すると、全体にこじんまりとしてなんとも窮屈な感じ。名手フィル・ブラウンのベースもなく、リズムトラックは部分的に打ち込みでまかなっているようで、前作を特徴付けていたたゆとうような心地よいグルーヴは消滅してしまいました。音数が多いのに風通しが良く、ゴージャスなのに下品でない、1stのあの奇跡的なサウンドは、メジャー・レーベルが惜しみなく人とカネを投入したからこそ実現したマジックだったんですね。

さて、クリス・ウーズィーのボーカルについては1stのレビューで書いた通り好みの分かれるところですが、本作でも相変わらずのスタイルです。筆者としては素晴らしい熱唱だと思っています。彼らにしてはアーシーなタイトル曲#3"Wide Open"は特にいいですね。それから、#9"Try Me"は昔のR&Bやポップスによくあるコード進行と親しみやすい歌メロなんですが、だからこそクリス・ウーズィーの歌の上手さが際立っていると感じました。ま、端っから嫌いな人にはどれもクソ面白くない歌唱なんでしょうが。

前身バンドMonroe以来クリス・ウーズィーの相方だったゲイリー・シャープは、このアルバムをもってクリスと袂を分かつことになります。ホア~んとした浮遊感、独特の間のあるカッティングで、ハートランドのサウンド・イメージに大きな役割を果たしていたゲイリー・シャープの脱退は非常に残念です。後任のスティーヴ・モリスも上手いのですが、個性という点ではやはりゲイリー・シャープに一歩譲るかなと筆者は思っています。

なお、オリジナルのLong Island Records盤以外に、3rdで移籍したEscape Musicから再リリースされたものも出回っていますが、そちらは1st収録曲"Fight Fire With Fire"、"Wide Open"のそれぞれバージョン違いがボーナス・トラックとして追加収録されています。

評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。
評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作

■Tracks
01. Give Me a Reason
02. Whenever You Want Me
03. Wide Open
04. Losing to Love
05. Indian Ground
06. When I'm With You
07. A Town Called Pride
08. Running on Empty
09. Try Me
10. Burning the Bridges
11. Turning My Heart Right Over
12. All or Nothing
13. Keeping the Faith Alive
All songs by Chris Ousey & Gary Sharpe

■Personnel
Chris Ousey - vocals
Gary Sharpe - guitars, bass, keyboards, programming
Steve Gibson - drums, additional programming

Producer - Chris Ousey & Gary Sharpe 

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