メロディアス・ハードロック名盤探訪 別館

哀愁・叙情・爽快...メロハー、AOR、ハード・ポップ、メロディック・メタルの傑作との出会いを求めて。 メロディック・ロックのアルバムをレビューしていくブログです。

Departure

Hitch a Ride / Departure (2012)

0480Hitch A Ride









マイク・ウォルシュ率いるアメリカのメロハー・バンド(プロジェクト?)Departureの9年ぶりとなる4枚目のアルバムです。一部メンバー・チェンジがあり、ボーカルはアンディ・クラヴラチャという人になっています。ボスニア生まれのスウェーデン人ということで名前の読み方がこれで正しいかどうかは分かりません。プログレ・メタル系のいくつかのバンドで歌っている実績があるそうなので、無名の新人というわけではないようです。ベースはライアン・ウォルシュ、この人はマイク・ウォルシュの息子だそうです。ドラムはデューイ・リベステロでこれは以前と変わらず。なお、ブックレットには1st以来のメンバーであるジョン・オコンネル(Key)の名前がクレジットされていますが、ジャケ写には4人しか写っておらず彼の名前の記載もありません。

さて、中身のほうはというと、これが意外に(失礼)良いのです。今までで一番いいんじゃないでしょうか。まず曲の出来がグッと良くなっています。特に1st収録の名曲"A Prayer for Me"を思い出させるキャッチーなメロディの#9"This Is My Time"が素晴らしい!それから、ビートルズの"Don't Let Me Down"とザ・バンド(作はボブ・ディラン)の"I Shall Be Released"を合体させたような#10"Without You"もいいですね~。そして、全体に歌唱・演奏も聴き応えがあると感じました。ライナーノーツによると、新ボーカリストのアンディ・クラヴラチャは、ヨラン・エドマンの影響を受けたとのことですが、なるほどと思わせる歌いまわしです。プログレ・メタル畑の人の割にはポップなメロハーも違和感なく歌えていて、才能のある人だと思いました。ベースのライアン・ウォルシュも、単にマイク・ウォルシュの息子だから抜擢されたというわけではないようで、ベースはかなり上手いです。

それにしても9年ぶりのこのアルバム・リリースから既に11年。次はあるのでしょうか?

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. No Where to Go
02. You Don't Need to Do This Anymore
03. Waiting for Rain to Come
04. Soldier of Fortune
05. LuvSick
06. Roses
07. Travel Through Time
08. Fly
09. This Is My Time
10. Without You
11. Outside Looking In
[Japan bonus track]
12. It Is What It Is

■Personnel
Andi Kravljaca - Lead Vocals
Mike Walsh – Guitars, Keyboards
Ryan Walsh – Bass
Duey Ribestello – Drums
John O'Connell – Keyboards

Bill Miller - Percussion
Roy Williams - Horns
Theresa Walsh - Additional Backing Vocals

Producer - Mike Walsh
Executive producer - Khalil Turk

Hitch A Ride
DEPARTURE
RUBICON MUSIC
2012-04-04


Corporate Wheel / Departure (2002)

0186Corporate Wheel









マイク・ウォルシュ率いるアメリカのメロハー・バンド、ディパーチャーの3rdアルバム。またまたボーカリストが交代し、今度は無名の新人ティモシー・ルイスが参加しています。それ以外はマイク・ウォルシュ(Gt)以下、ジョン・オコンネル(Key)、マイク・ベレス(Ba)、デューイ・リベステロ(Ds)と前作と同じメンバーです。新ボーカリストの声、歌い回しがスティーヴ・ペリーによく似ていることもあり、今回は典型的なJourney系アメリカン・メロハーとなりました。筆者としては、前作で歌っていたデイヴ・ボールドウィン(Tradia、Norway)のほうが好みだし、あまりにもJourneyっぽくなりすぎて残念です。致命的なのはメロディのレベルが低下していること。もちろん曲の出来が粗悪なわけではないものの、ありがちな普通のマイルド&爽快メロハー以上のものではありません。哀愁たっぷりの"Believer"、"100 Midnights"、ポップな"Just Walk Away"といった、前作で強く印象に残った曲に匹敵するのが一つもないのが痛い。プログレ風味もちりばめた緻密なアレンジ、マイク・ウォルシュの歌心あるギターはこれまで以上で、その点では聴き応えは十分なんですけどね~。

評価 ★★★☆☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Listen to What I Say (T. Lewis)
02. Corporate Wheel (M. Walsh/T. Lewis)
03. Sacrifice (M. Walsh/L. Walsh)
04. Time (M. Walsh/D. Hackett)
05. Down on My Knees (M. Walsh)
06. Every Man (M. Walsh/D. Hackett)
07. Giving Me a Reason (M. Walsh/M. Beres)
08. Comin' My Way (T. White/M. Walsh/T. White)
09. Fallin' From the Sky (M. Walsh)
10. Hallowed Ground (M. Walsh)
11. Look in Your Eyes (T. White)

■Personnel
Timothy Lewis - lead vocals
Mike Walsh – guitar, keyboards
John O'Connell – keyboards
Mike Beres – bass
Duey Ribestello – drums, backing vocals

Producer - Mike Walsh
Executive producer - Khalil Turk

コーポレート・ホイール
ディパーチャー
マーキー・インコーポレイティド
2002-12-18

 

Open Your Mind / Departure (1999)

0118Open Your Mind











アメリカのメロハー・グループ(プロジェクト?)、ディパーチャーの2ndアルバムです。中心人物は、Bon Joviなど様々なミュージシャンと共に活動してきたマイク・ウォルシュ。1stのラインナップで残っているのは、再結成Messageからの彼の同僚ジョン・オコンネルのみで、後は総入れ替えとなっています。新しくボーカリストとして迎えられたのはデイヴ・ボールドウィン(Voices、Tradia、Norway)。この人もその他のメンバーも、ソング・ライティングに名を連ねているディーン・ファザーノ(ex-Message)も、マイク・ウォルシュと同郷のニュージャージーのミュージシャンです。Bon JoviやMessage周辺のニュージャージー人脈は何かとつながりが深いですね。ソング・ライティングにはマーク・トンプソン・スミス(ex-Praying Mantis)も関与していますが、彼は以前マイク・ウォルシュとSteeleというバンドを組んでいたり、自身のソロ・アルバムA Far cry from New Jersey にはマイク・ウォルシュが参加していたり、これまた親密な関係をうかがわせます。また、前作に引き続きサポートミュージシャンの一人として、デヴィッド・ローゼンタール(Rainbow, Red Down)がクレジットされています。プロデューサーはマイク・ウォルシュ自身、エグゼクティヴ・プロデューサーはEscapeレーベルのボスであるカリル・タークとなっています。

前作のレビューでは「ボーナストラックの、しかも隠しトラックが一番いい」みたいな散々なことを書きましたが、本作は筆者の好みにグッと近づきました。前作では曲の組み立てに凝りすぎてせっかくのメロディがピンボケ気味だったのが、今回はメロディの魅力が活きる編曲となっています。特に#2"Believer"や#4"100 Midnights"はPraying Mantisを思わせるような、一度聴いたら忘れられない印象的な歌メロとリード・ギターが素晴らしい。#6"Just Walk Away"は前作で一番良かった" A Prayer for Me"に通じるどこか懐かしいポップさが最高です。全体に装飾的キーボードによるキラキラゴージャス感が減退し、扇情的なギターが前面に出て来てているのも好印象。新ボーカルもそんなに上手い人じゃありませんが、前任者より伸び伸びした歌唱なのでそれもプラス要素です。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Fair Warning (Walsh, Thompson-Smith)
02. Believer (Walsh, Fasano)
03. You Were Mine (Walsh, Coppolla)
04. 100 Midnights (Walsh, Fasano)
05. Hard to Say No (Walsh, Fasano, DiRossi)
06. Just Walk Away (T. Doverspike, David Stawski)
07. Cry for Freedom (Walsh, Thompson-Smith)
08. Destiny (Walsh, O'Connell-Sokoloff, Hoffman, Thompson-Smith)
09. Say Your Prayers (M. Walsh, R. Walsh, Fasano)
10. Hurt Sometimes (Walsh, J. Tag)
11. I Don't Need Love (Walsh, Thompson-Smith, Fasano)
12. Where I Belong (Walsh, Hackett)

■Personnel
Mike Walsh – guitars, keyboards, backing vocals, horns
Dave Baldwin – vocals
John O'Connell – keyboards, backing vocals
Duey Ribestello – drums, backing vocals
Mike Beres – bass

David Rosenthal – keyboards
Theresa Walsh – additional backing vocals
Steve DeAcutis – additional backing vocals
Liz Walsh – additional backing vocals
Bob O'Brien – additional backing vocals
Bill Miller - percussion
Alex Stecyna - additional Hammond B3
Rich Wardlow - horns
Jason Aquino - horns

Producer - Mike Walsh
Executive producer - Khalil Turk

Departure / Departure (1998)

0044Departure

マルチ・プレイヤーとして、ボン・ジョビ、アルド・ノヴァ、グレン・パートニックなとどプレイをしてきたマイク・ウォルシュを中心に結成されたアメリカのメロハー・グループ、ディパーチャーの1stアルバム。きらびやかなキーボードが特徴のサウンド、起伏の大きいカラフルなアレンジ。。。うーむ、筆者の苦手な分野です。同じメロハーでも、クイーン臭が強かったり、キラキラと華麗なプログレハード的なものは、どうにもダメですね。このアルバムも部分的に良いなと思うところはあるのですが、やはり肌に合いませんでした。好きな方には堪らないサウンドなんでしょうけど。ボーカルの人の喉が硬い感じがするのも気になる。なんだか寛いで聴けない歌唱です。キーボードの陰に隠れて脇役となっているギターもそんなに面白くないし。

このCDにはボーナストラックの後に隠しトラックがあって、CDを回しっぱなしにしておくと、マイク・ウォルシュ自身が歌っているバージョンが3曲聴けます。皮肉なことに本編よりこの隠しトラックのほうが良かった。ボーナス・トラックのケニー・マイケルズ・バージョンも中々良いのですが、マイク・ウォルシュ・バージョンの"A Prayer for Me"がすごく好き。70年代ポップスを思わせる、素朴で懐かしいメロディとアレンジ。こういう曲ばかりだったらまた聴きたいと思うんですが。

レコーディング・メンバーはケニー・マイケルズ(Vo)、マイク・ウォルシュ(G、Key)、ジェフ・シーコット(B)、ジョン・オコンネル(Key)、スティーヴ・パズランティ(Dr)。ゲスト・キーボード・プレイヤーとして、デヴィッド・ローゼンタール(Rainbow, Red Down)が参加しています。

評価 ★★★☆☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Faster (Walsh, Hackett)
02. Searchin' (Walsh, Ortiz)
03. The Way You Show Your Love (Walsh, Ortiz)
04. Tonight's the Night (Walsh, Ortiz)
05. Is This Love? (Walsh, Hackett, Ortiz)
06. Anymore (Little Pete)
07. Howling at the Moon (Walsh, Hackett)
08. All So Easy (Walsh, Hackett)
09. Eyes Don't Lie (Hoffman)
10. The Bitter Rage (Walsh, Ortiz)
11. What Goes Around (Walsh, Ortiz)
12. Can't Hurt Me Now (Joe P.)
13. A Prayer for Me [Bonus] (Walsh, Hackett, Heath)

■Personnel
Kenny Michaels – lead vocals
Mike Walsh – guitars, keyboards
Jeff Seykot – bass
John O'Connell – keyboards
Steve Pazzelanti – drums

David Rosenthal – keyboards

Producer - Bob Quinto, Mike Walsh
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