メロディアス・ハードロック名盤探訪 別館

哀愁・叙情・爽快...メロハー、AOR、ハード・ポップ、メロディック・メタルの傑作との出会いを求めて。

スウェーデン(Sweden)

The Truth And A Little More / Eclipse (2001)

0323The Truth And A Little More









スウェーデンのメロハー・バンドEclipseの1stアルバム。このところ、ジェフ・スコット・ソート、ロバート・サールとのW.E.T.や、ロニー・アトキンスとのNordic Unionの他、プロデューサー、ソングライターとしても八面六臂の活躍を示し、すっかりシーンのキー・パーソンの一人となったエリック・モーテンソンのリーダー・バンドのデビュー作です。メンバーは、ボーカル、リズム・ギター、ベースを兼任するエリック・モーテンソンの他、リード・ギターのマグナス・ヘンリクソン、ドラムとキーボードのアンダース・ベルリンというトリオ編成。不完全な編成なのでメンバーだけではライブが出来ませんね。Work of Artといい、Houstonといい、近年のスウェーデンのバンドはこういう形態が多いのは何故なのかな。なお、本作はチェコのレーベルZ Recordsからリリースされましたが、既に廃盤となっていて再発もされず、長い間非常に入手しづらい状況が続いています。

さて音のほうですが、いかにも北欧風のすっきりしたメロディアス・ハードロック。先行するスウェーデンのバンドのエッセンスをあちこちに感じます。一番近いと思ったのはOut of This World、Prisoners in ParadiseのころのEuropeで、エリック・モーテンソンの声質と歌唱スタイルもその当時のジョーイ・テンペストを思わせるものがあります。もちろん曲ごとのバラエティは豊富で、様々なタイプの楽曲が楽しめます。特徴的なのは、曲のアレンジが凝っていてスタイリッシュなこと。これがこのバンドを個性的に感じさせるポイントでしょうか。メロディ・ラインよりアレンジ、アンサンブルが耳に残る感じです。その点ではWork of Artにも通じていると思いました。全曲が佳曲以上の出来で、デビュー作にしてこの充実ぶりはさすがはエリック・モーテンソンです。ただ、文句なしの名曲というレベルの楽曲はないのが残念。

リード・ギターのマグナス・ヘンリクソンは、上手い上にちょっとトリッキーなとろもあって中々面白いと感じました。#8"Songs Of Yesterday"ではゲストのキー・マルセロ(ex-Europe)がエモーショナルなギター・ソロを聴かせてくれ、マグナス・ヘンリクソンとの違いが見えて興味深いです。ゲストと言えば、マッツ・オラウソンが一部の曲でキーボードを弾いていますが、この人2015年に亡くなっていたんですね。知りませんでした。

 評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Midnight Train (Erik Mårtensson/Magnus Henriksson)
02. The Truth (Erik Mårtensson)
03. The Only One (Anders Berlin/Erik Mårtensson)
04. Message Of Love (Erik Mårtensson)
05. I Believe In You (Magnus Henriksson/Erik Mårtensson/Anders Berlin)
06. I Thought I Had It All (Erik Mårtensson)
07. The Way I Feel (Erik Mårtensson/Anders Berlin)
08. Songs Of Yesterday (Erik Mårtensson/Magnus Henriksson)
09. A Little More (Erik Mårtensson)
10. Too Far (Magnus Henriksson/Erik Mårtensson)
11. How Many Times (Erik Mårtensson)
12. I Won´t Hide (Erik Mårtensson)

■Personnel
Erik Mårtensson - Vocals, All Rhythm Guitars, Bass
Anders Berlin - Hammond Organ, Keyboards, Drums, Percussion
Magnus Henriksson - Lead Guitars

Mats Olausson - Lead Keyboards on #11, All Keyboards on #9
Kee Marcello  - Lead Guitar on #8
David "Galen Gotlänning"Wallin - Backing Vocals
Madeleine Johansson - Cello on #8, #12
Anneli Magnusson - Backing Vocals on #10, #12

Producer - Eclipse, Fredrik Folkare

Human Clay / Human Clay (1996)

0319Human Clay









Talismanのマルセル・ヤコブとジェフ・スコット・ソートによるユニット、Human Clayの1stアルバム。Talismanは1995年4thアルバムLife リリース後にギタリストのフレドリック・オーケソンが脱退、バンドは活動休止状態となっており、その間を埋めるように1996年に発表されています。日本語ライナーノーツに記載されたマルセル・ヤコブの弁によれば、Talismanでやれなかったことにトライしたかったとのことです。しかし、本作はファンク要素がオミットされている以外にTalismanと大きな違いはなく、この説明は額面通りには受け取れません。また、収録曲がHuman Clay用に書き下ろされ新規録音されたのかどうかも怪しいところです。リズム・トラックは全てマルセル・ヤコブが制作(ドラムは打ち込み)、それにボーカル・パートをかぶせただけで、ミックスもかなりラフ。全体に音響・音質的にはチープなもので、いかにもデモ音源に若干手を加えてアルバムに仕立てました感が否めません。いずれにしても、Talisman再始動までのつなぎにチャチャっと制作したものを、レコード会社との関係上Talisman名義は使えず別名義でリリースしたのではないかと推察されます。

じゃあ、このアルバムは聴く価値がないのかというと、それがまた困ったことにそこそこ良いアルバムになっているのです。マルセル・ヤコブとジェフ・スコット・ソートが組めば、駄作・凡作は生まれようがありません。前述した通りファンク要素はないものの、いかにもTalismanらしいメロディアスなハードロックでしかも佳曲揃い。また、リズム・ギターだけでなくほとんどの曲のギターソロはマルセル・ヤコブが弾いているのですが、これがそこら辺のギタリスト以上に上手くて驚かされます。#4"Jealousy"はイングヴェイ・マルムスティーン、#7"Now It's Time"はブライアン・ヤング、ジョン・ノーラムのTotal Control 収録曲#14"Eternal Flame"はフレドリック・オーケソンがリードギターを弾いており、これらゲスト・ギタリストのプレイも楽しみの一つです。サウンド的にチープなことに目をつぶれば、Talismanファンなら気に入る作品だと思います。

なお、ボーナス・トラックの2曲は他の曲と明らかに音が違い、ドラムも生ドラムに聴こえます。特に、辞めたばかりのフレドリック・オーケソンがゲストでソロを弾きに来るというのもおかしな話で、もしかしたら#14"Eternal Flame"は実はTalismanの音源なのではないかと憶測してしまいました。後にHuman Clayの1st、2ndをまとめたThe Complete Recordings という2枚組アルバムが発売されており、もしかしたらそこに何か記されているかもしれませんが、未入手なので詳しいことは分かりません。

評価 ★★★☆☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. 2 Your Heart
02. Golden Years
03. Heaven On Earth
04. Jealousy
05. Outside Lookin' In
06. Without U
07. Now It's Time
08. Don't Look Back
09. Holdin' On
10. I Wanna Go Home
11. Vows In Stone
12. I'd Rather Have The Blues (Than 2 Spend My Life With U)
13. In The Line Of Fire [Bonus]
14. Eternal Flame [Bonus]
All songs written by Jacob/Soto
except "Eternal Flame" by Norum/Jacob

■Personnel
Jeff Scott Soto
Marcel Jacob

Ingwie J. Malmsteen - Lead Guitars on #4
Brian Young - Lead Guitars on #7
Fredrik Åkesson - Lead Guitars on #14

Producer - Marcel Jacob & Jeff Scott Soto

Pete Sandberg's JADE / Pete Sandberg's JADE (1999)

0315Pete Sandberg's JADE










当時まだMidnight Sunに在籍していたピート・サンドべリが、Pete Sandberg's JADEというバンド名義で発表したアルバム。Bai BangのメンバーらがやっていたJADEというバンドにそのまま乗っかったということらしいのですが、全曲ピート・サンドべリの楽曲だし、彼の趣味・嗜好が色濃く反映しているので実質ソロ3作目でしょう。ハードロックから、AORバラード、レトロ・ポップス、アーシーでブルージーなものまで、幅広い持ち味の楽曲が詰め込まれているのは1stソロ作Back In Business と同様の趣向です。なんでこれがバンド名義で出されたのか良く分かりません。前作のPush のほうがサウンドに統一感があって、よっぽどバンド・サウンド然としています。レコーディングにはヨナス・レインゴールド、ハイメ・サラザールが加わり、プロデュースもアンダース・テオ・ティアンデルと、Midnight Sun関係者が大挙参加しています。逆にJADEのメンバーがどの程度関わっているのか気になるところです。しかし、考えてみるとこの1999年はMidnight SunのNemesis 、2ndソロPush 、そしてこのアルバムと3枚立て続けにリリースしてるんですよね。ピート・サンドべリ、すごいパワフルです。

前述のように、楽曲のバリエーションが豊富過ぎてまとまりが無くなりかねないところを、違和感無く聴かせてしまうのがピート・サンドべリの実力。大したものだと思います。筆者のお気に入りは、甘く切なくどこかレトロな#8"Distant Love"。こういうのを歌ってピッタリ来るのはピート・サンドべリと、あとはミカエル・アーランドソンかな。ボーナストラックのインスト曲#12"Illuision"はちっとも面白くないので無くても良かった。この人絡みのアルバムは、時間の埋め草的なつまらない曲が1曲か2曲あるのが難点です。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作 
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Badlands (P. Sandberg)
02. Restless Child (P. Sandberg)
03. Cry For You (P. Sandberg)
04. Stranger (P. Sandberg)
05. Going Down (P. Sandberg)
06. Venedigen Blind (P. Sandberg)
07. Little Bit Of Lovin' (P. Sandberg, J. Svensson)
08. Distant Love (P. Sandberg)
09. House Of Love (P. Sandberg)
10. Sweet, Sweet (P. Sandberg)
11. Past The Mountains (P. Sandberg)
12. Illuision (Birch, P. Sandberg) [Bonus Track] 

■Personnel
Pete Sandberg - Vocals
Birch - Guitars
Johan Helgesson - Drums
Joakim Sandin - Bass

J. Salazar - Drums
J. Reingold - Bass, Backing Vocals
A. Theander - Percussion
R. Uhlmann - Keyboard
T. Pettersson - Hammond
I. Ohlén - Backing Vocals

Producer - Anders ”Theo” Theander

Is This... / Wonderland (1997)

0313Is This










スウェーデンのメロハー・バンドWonderlandの唯一のアルバム。ギター2本にキーボード、ドラム、ベース。ボーカルの6人編成という結構な大所帯です。ギターの歪み具合や刻みはメタル的でゴリゴリしていながら、ボーカルは優しげでメロディ・ラインは叙情的というもの。これはこれで有りだと思いますが、アレンジ、アンサンブルが致命的に稚拙です。デモなら分かるけど、本番でこれはないよ。それから、ボーカルがヘタウマ的というか、ヘタというか、とにかく頼りない。リード・ギターが2人もいるのにソロは自信無さげで、すぐ止めちゃう上に尻切れトンボ。これではどうしようもないです。最後まで聴き続けるのが辛いレベル。というか、商品として流通させるレベルじゃないでしょ、これ。「北欧」「メロハー」というキーワードに引っかかって、とんだハズレを掴まされてしまいました。

 評価 ★☆☆☆☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Dreamgirl (Music : Larsson/Björk Lyrics : Larsson)
02. Confused (Music : Larsson/Björk Lyrics : Larsson)
03. Hungry Eyes (Music : Larsson Lyrics : Larsson)
04. Lifewire (Music : Larsson/Björk Lyrics : Larsson/Björk)
05. Waiting (Music : Larsson Lyrics : Larsson/Björk)
06. Gambling Man (Music : Larsson/Björk Lyrics : Larsson/Björk)
07. Julia (Music : Björk/Larsson Lyrics : Björk)
08. Lost City (Music : Björk Lyrics : Björk)
09. Run Away (Music : Larsson Lyrics : Björk/Larsson)
10. I Believe (Music : Larsson/Björk Lyrics : Larsson)
11. Bad Loser (Music : Björk Lyrics : Björk)

■Personnel
Roger Björk - guitars
Mikael Hilmersson - drums
Anders Jansson - bass
Pelle Larsson - guitars, backing vocals
Jens Lundström - lead & backing vocals
Jocke Öberg - keyboards

Producer - Jonas Jonasson, Wonderland

Secret Love / Crossfade (2011)

0309Secret Love









スウェーデンのAORプロジェクトCrossfadeの7年ぶりの2ndアルバムです。参加者は、サポート・メンバーの一部が異なるだけで前作とほとんど変わらず、中心人物のラース・ホールバック(gt)とリチャード・ステンストロム(key)に加え、ペール(dr)&スヴェン(ba)のリンドヴァル兄弟、ヨラン・エドマン(vo)という布陣。いずれも数多くの仕事をこなしてきた腕利きのセッション・ミュージシャンです。曲作りは前作同様ラース・ホールバックとリチャード・ステンストロムが中心となり、それにヨラン・エドマンが加わっているようです。

1曲目のイントロがジョー・ヘンリーっぽく気だるい雰囲気で、おや、今度はそういう趣向かと思わせます。しかし、曲が展開すると結局前作と同様のSteely DanやTOTOをお手本にしたようなAORでした。凝ったアレンジ、神経の行き届いたアンサンブルは相変わらず。派手さは無いものの高い技術とセンスに裏打ちされたプレイ、丁寧で味わい深い歌唱、とにかく全て絶品です。前作に比べポジティヴな明るさをより感じさせるのが本作の特徴でしょうか。筆者としては何度聴いても味わいが増す名作だと思いました。HR/HM要素は皆無ですが、高品質なメロディック・ロックであることは間違いないので、メロハー・ファンが聴いて損することはないでしょう。なお、本作はCDとDVDの2枚組みで発売されていますが、DVDに映像は無くCDと同じ音源がDVD-Audioで収録されています。

蛇足ですが、YouTubeにあったThe making of Secret loveというビデオで、このアルバムのレコーディング風景が紹介されていて、これが中々興味深いです。今はハードディスクに録音しているものと思ったら、オープンリールのテープを使っていたのが意外でした。

評価 ★★★★★
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. A Wonderful Illusion
02. Secret Love
03. Brave New World
04. Closer To The Fire
05. Don't Ask Me Why
06. Heart Of A Hero
07. Waiting For A Miracle
08. Seconds And Eons
09. Borrowdale
10. In My Mind
11. Borrowdale (Reprise)
Music : Lars Hallbäck, Richard Stenström, Göran Edman
except "Borrowdale"  Lars Hallbäck, Richard Stenström
Lyrics : Eva Olsson

■Personnel
Göran Edman - vocals, backing vocals
Sara Lindvall - backing vocals
Hanna Andersson - backing vocals
Per Lindvall - drums, percussion
Sven Lindvall - bass
Richard Stenström - keyboards
Lars Hallbäck - guitars
Pablo Cepeda - congas, bongos
Wojtek Goral - saxophone
Leif Lindvall - trumpet
Hans Dyvik - Trumpet
Magnus Johansson - Trumpet
Urban Wiborg - trombone
Peter Johansson - trombone
Kalle Moraeus - Violin
Mats Ronander - Harmonica

Producer - Lars Hallbäck, Richard Stenström 



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