メロディアス・ハードロック名盤探訪 別館

哀愁・叙情・爽快...メロハー、AOR、ハード・ポップ、メロディック・メタルの傑作との出会いを求めて。 メロディック・ロックのアルバムをレビューしていくブログです。

スウェーデン(Sweden)

Truth / Talisman (1998)

0496Truth









Human Clay名義での2作品を挟んでのTalisman(タリスマン)復活作。オリジナル・アルバムとしては5作目となります。ギターはフレドリック・オーケソンから元Great King Ratのポンタス・ノルグレンにチェンジしています。この人は多才な人で、ギタリストとして多くバンド、プロジェクトに関わっているほか、プロデューサー、エンジニア、ミキサーとしても活躍しており、Human Clayの U4Ia のミックスも担当していました。

さて、アルバムの内容ですが、結論から言うと3rd Humanimal 、4th Life ほどの圧倒的な完成度・充実度には達していないという印象です。まず、カバーが3曲もあるのですが、この内クイーンの#1"Let Me Entertain You"とプリンスの#4"Darling Nikki"がちっとも面白くない。マドンナの#10"Frozen"は選曲は意外ですがこれはカッコよかったです。それから、#2"In the End"はヴァースがフリーの"Wishing Well"そっくり。オマージュだかパロディだか知りませんが要するにパクリでしょう。他にもなんだか聴いたことあるようなフレーズやメロディも多く、マルセル・ヤコブの悪い癖がまた出たとしか言い様がありません。もちろん良い曲もあり、特にジェイミー・ボーガー作と思しきポップな#5"I'll B There 4 U"はこのバンドに新たな魅力を付け加えているし、お得意の「ハードロック風ソウル」#8"Heaven's Got Another Hero"や#9"Your Man"、ファンキーかつ哀愁満点の#11"Until the Morning Comes"、Humanimal、Lifeの攻撃性を思わせる#13"Pavilion of Oblivion"などは名曲レベルです。まあ、ジェフ・スコット・ソートはどんな曲でも自分の歌として見事に歌いこなしてしまうし、バンドの演奏そのものはその辺の凡庸なバンドなど足元にも及ばない水準なわけで。。。収録曲の出来に多少のバラつきはあっても、力技で「すげー!」と言わせてしまうんですよね、Talismanは。

なお、オリジナル盤は全13曲(日本盤はボーナスを加えて14曲)収録ですが、Rock Treasuresレーベルからリリースされた Live At Sweden Rock Festival とのカップリング盤(2004年)と、A Sun Hill Production ABの再発盤(2013年)には日本盤ボーナス・トラックとデモ音源2曲を加えて全17曲収録となっています。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Let Me Entertain You (Freddie Mercury)
02. In the End (Jeff Scott Soto/Marcel Jacob)
03. Here 2Day, Gone 2Day (Jeff Scott Soto/Marcel Jacob)
04. Darling Nikki (Prince)
05. I'll B There 4 U (Jeff Scott Soto/Jamie Borger)
06. The Man I'll Never Be (Jeff Scott Soto/Marcel Jacob)
07. Bellabecca (Jeff Scott Soto)
08. Heaven's Got Another Hero (Jeff Scott Soto/Marcel Jacob)
09. Your Man (Jeff Scott Soto)
10. Frozen (Madonna/Patrick Leonard)
11. Until the Morning Comes (Jeff Scott Soto/Marcel Jacob)
12. Angel/Devil (Jeff Scott Soto/Marcel Jacob)
13. Pavilion of Oblivion (Jeff Scott Soto/Marcel Jacob)
14. Madison (Jeff Scott Soto/Marcel Jacob)
[Bonus Track]
15. T 4 1 1/2 (Marcel Jacob)

■Personnel
Jeff Scott Soto - Vocals, Keyboards, Programming, Drum Loops
Marcel Jacob - Bass, Sequencing, Programming, Lead Guitars on #9
Pontus Norgren - Lead & Rhythm Guitars
Jamie Borger - Drums, Percussion

Dawn White - Additional B-Vox on #10
Jody Whitesides - Additional B-Vox on #1, 8, Guitar Re-intro 2nd Verse on #2
Frank Salerno - Piano on #9

Producer - Marcel Jacob & Jeff Scott Soto

Truth
Talisman
Cargo UK
1999-03-08



Pride / Pride (2011)

0494Pride









スウェーデンのメロハー・バンドPrideの唯一作です。バンドの活動当時にリリースされたのはシングル"You're the Only One / Dreamer in the Night"(1989年)のみで、この2曲と次のシングル予定曲だった"Someone Is Calling Your Name / Playing With Fire"、更に1990年に録音されたもののお蔵入りだった7曲、計11曲収録のアルバムが2008年英国AOR-FMレーベルから500枚限定で発売されていました。今回取り上げたCDは、更に2曲(録音時期不明)をボーナス・トラックとして追加、計13曲入りでドイツYesterRockレーベルから2011年にリリースされたものです。

ジャケットのイメージからして、お下劣なバッド・ボーイズ風、あるいはスリージー・メタルだったらどうしようと一抹の不安がありましたが、最近あまり見なくなった上品な北欧ハードポップそのものでした。ナヨナヨっとしたボーカル、柔らかく包み込むようなキーボード、全体におっとりしたサウンドが特長です。北欧流メロハーのファンであれば、まあ気に入るような内容だと思います。ただし、演奏力という面から見ると厳しいですね。それこそスリージー・メタルとかLAメタルを思わせる#5"Turn It Up"を聴くと良く分かりますが、ギターやドラムの腕の見せ所のような場面でも、大人しくマッタリしていて躍動感やスリリングさが感じられません。曲の出来も平均的なものだし、総じてやはりマニア向けの1枚ということだと思います。

 評価 ★★★☆☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. You're the Only One (Karlström/Kristiansson)
02. Dreamer in the Night (Karlström)
03. Playing With Fire (Karlström/Öhlund/Kristiansson)
04. Someone Is Calling Your Name (Karlström/Kristiansson)
05. Turn It Up (Pride)
06. Good Intuition (Pride)
07. Love Is Hard to Live With (Pride)
08. Movin' On (Pride)
09. Let It In (Pride)
10. Changin' (Pride)
11. Over the Guideline (Pride)
[Bonus Tracks]
12. Heartless Woman
13. Valkyria

■Personnel
Dan Kristiansson - Vocals
Stefan Karlström - Keyboards
Jonas Öhlund - Guitar
Johan Agerberg – Bass
Anders Pellving (fka Henriksson) - Drums

Producer - Jonas Kuling & Pride (#1, 2), Mats Karlsson (#3, 4), Pride (#5~11)

Pride
Pride
Yesterrock
2011-02-18


Transition / Street Talk (2000)

0491Transition









フレドリック・バーグ(key)が主宰するプロジェクトStreet Talkの2ndアルバム。1stも傑作でしたが、この2ndはそれを上回る大傑作です。北欧AORの代表的名盤の一つだと思います。ボーカルは本作ではヨラン・エドマン単独、ギターは当時まだ新人のスヴェン・ラーション、リズム隊は前作ではアディショナル・メンバーだったミカエル・ベルナー(b)、クリスチャン・ヨハンソン(ds)となっています。

サウンドは前作を継承した北欧AORならではの繊細さ、清涼感あふれるものですが、曲のほとんどがフレドリック・バーグ作で、ボーカルもヨラン・エドマン一人なので、前作より統一感がある印象です。まず、ヨラン・エドマンの声、歌唱がこのサウンドにぴったりはまっていて実に見事です。この人はやはりメタルっぽいバンドより、こういうAOR寄りのバンドのほうが合っているように思います。それから、スヴェン・ラーションのギターも非常に気に入りました。シングル・コイル(おそらくストラト)らしい涼しげな音で、ソロが素晴らしいのはもちろんのこと、リズムギターもほとんどアルペジオか単音バッキングなので、ハードロック的な「音の壁」とは対極的な風通しの良い爽快サウンドとなっています。これ以降のStreet Talkのアルバムにも参加しており、ソロ作も出しているようなので、ぜひ聴いてみたくなりました。主宰者のフレドリック・バーグは、「俺が俺が」と前に出てくるタイプではなく、控え目ながらセンスの良い音を鳴らしており、これまた好印象。と、ベタ褒めしたくなる内容なのですが、敢えて難を言えば、気持ちよすぎてなんとなくBGM的に聴き流してしまいそうになることくらいです。

 評価 ★★★★★
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
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■Tracks
01. Someday (I'll Get Over You) (Words & Music Fredrik Bergh)
02. Need Someone (Words & Music Fredrik Bergh)
03. If Anybody Breaks Your Heart (Words & Music Fredrik Bergh)
04. Let Me Be The One (Words & Music Fredrik Bergh)
05. Always Stand By You (Words & Music Fredrik Bergh)
06. Ye Gods And Little Fishes (Words : Göran Edman  Music : Fredrik Bergh)
07. Everything I Do Is Just For You (Words & Music Fredrik Bergh)
08. Energizer Bunny (Words : Göran Edman  Music : Fredrik Bergh)
09. Don't Give Up On This Love (Words & Music Fredrik Bergh)
10. When You Lose The One You Love (Words & Music Fredrik Bergh)
[Bonus Track]
11. I'll Always Remember (Instrumental)  (Music Sven Larsson)

■Personnel
Fredrik Bergh - Keyboards, Harmony Vocals
Göran Edman - Lead & Backing Vocals
Sven Larsson - Guitars
Mikael Berner – Bass
Christian Johansson – Drums, Percussion

Nina Söderquist - Backing Vocals
Mikael Karlsson - Tenor Saxophone on #4
Pierre Loven - Percussion on #4

Producer - Fredrik Bergh

Transition
Street Talk
Point
2000-06-12


Silver Seraph / Silver Seraph (2001)

0490Silver Seraph









Alien、Midnight Sunなど数多くのメロハー系バンドでボーカリストを勤めてきたピート・サンドべリと、Majesticなどネオクラ、プログレ・メタル系のバンドを率いてきたキーボーディストのリチャード・アンダーソンがタッグを組んだプロジェクトSilver Seraphの唯一作です。他のメンバーは、Majesticにも参加していたピーター・ウィルドアー(Ds)、Pete Sandberg's JADEのメンバーだったヨルゲン・バーチ・イェンセン(G)、ピート・サンドべリのソロ2作目 Push に参加していたイェンス・ルンダール(B)という面々です。

アルバムの内容は、Deep Purple、Rainbow、Uriah Heepといったバンドを髣髴とさせる伝統的なオルガン入りハードロック。いわゆる「様式美」ってやつです。こういう音は好みなのですが、本作に関してはいささか否定的な感想を持ってしまいました。新人バンドならともかく、ピート・サンドべリとリチャード・アンダーソンという、実績と実力を兼ね備えたミュージシャンが今さらこれなのか?アラビア風の音階で「バビロぉ~ン」とか、マイケル・シェンカーの"Into the Arena"の焼き直しのようなインストとか。最悪なのは、リフもリズムも露骨にZEPの「移民の歌」で、歌詞まで"We come from the land of the ice and snow"の"We"を"I"に変えただけの曲。他にも聴いたことのあるようなフレーズやメロディばかり。くどいようですが、ピート・サンドべリともあろう人が、なんで今さらこんな手垢の付いたような曲を集めてアルバム制作しなくてはならないのか?歌唱や演奏のクォリティは申し分ないのに、心底がっかりしてしまいました。

評価 ★★☆☆☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作 
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■Tracks
01. Aftermath
02. 7th Day of Babylon
03. Cry From Hell
04. Desperate Heart
05. Shadowland
06. Shadow
07. Nosferatu
08. In the Dark
09. Black Rain
10. Loving You
[Bonus Track]
11. Constant Reminder

■Personnel
Pete Sandberg - Vocals
Richard Andersson - Keyboards
Peter Wildoer - Drums
Jens Lundahl - Bass
Birch (Jörgen Birch-Jensen) - Guitars

Magnus Sedenberg - Lead Guitar
Jens Friis Hansen - Harmony Vocals
Anders Waldemarsson - Bass
M. Sahlström - Guitar

Producer - Magnus Sedenberg
Executive-Producer - Per Gyllenbäck

シルヴァー・サーペント
シルヴァー・セラフ
EMIミュージック・ジャパン
2001-12-19




Frozen Paradise / Coldspell (2013)

0474Frozen Paradise









スウェーデンのハードロック・バンドColdspellの3rdアルバム。またまたメンバー・チェンジがあって、ベースはアンダース・リンドマークからクリス・ゴールドスミスに交代しています。他のメンバー、ミカエル・ラーション(G)、ニクラス・スウェーデントープ(Vo)、マッティ・エクルンド(Key)、ペラ・ヨハンソン(Ds)は変更無しです。

メロディアス・ハードロックとメタルの中間を行くこのバンドの路線は今までと変わりがありません。AORやハードポップの要素が無く、重厚でドラマチックかつアグレッシブなサウンドは、メロハー・ファンにもメタラーにも受け入れられるものだと思います。タイトル・トラックの#1"Paradise"なんかはその典型的な曲です。しかしながら、一作ごとに楽曲の印象が薄くなっている気がするんです。前作のレビューでも書きましたが、歌も上手いし演奏も手堅く、曲の出来にも不満は無いのに、何故か聴き込んでもあまり耳に残らない。不思議だ。。決して悪いバンドじゃないんだけどな~。

評価 ★★★☆☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
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■Tracks
01. Paradise (M. Larsson / M. Larsson, S.Johansson)
02. Angel of the World (M. Larsson / M. Larsson, N. Swedentorp)
03. Life Has Just Begun (M. Larsson / M. Larsson, Maja Larsson)
04. Goin' All the Way (M. Larsson / M. Larsson)
05. Alive (M. Larsson / M. Larsson)
06. Life 2 Live (M. Larsson / Å. Johansson)
07. On the Run (M. Larsson / N. Swedentorp)
08. Soldiers (M. Larsson / M. Larsson, S.Johansson)
09. Fallin' (M. Larsson / M. Larsson, N. Swedentorp)
10. Dark Reflections (M. Larsson / D. Simgren, M. Parkstam, M. Larsson)
11. Legacy (M. Larsson / M. Larsson)

■Personnel
Niclas Swedentorp - Lead Vocals
Michael Larsson - Guitars
Chris Goldsmith - Bass
Perra Johansson - Drums
Matti Eklund - Keyboards, Hammond Organ

Producer - Michael Larsson
Co-producer - Pelle Saether
Executive Producer - Khalil Turk

FROZEN PARADISE
COLDSPELL
Escape Music
2013-09-23


Sayit / Sayit (1999)

0471Sayit









ポーランド出身のギタリストSayit(セイイット)ことSayit Dölenの名を冠したプロジェクトの第一作です。とは言うもののこのSayitは、実際にはRadioactive、Prisoner、Deacon Streetなど山ほどあるトミー・デナンダーのプロジェクトの一つで、作曲、プロデュース、ほとんどのパートの演奏をトミー・デナンダーが担当。主役であるはずのセイイットさん自身はいくつかの曲でリズム・ギターを弾いているだけで、なぜ彼の名前がプロジェクト名になっているのかは謎です。(もっとも、ブックレットにリード・ギターのクレジットが無いため確定的なことは言えないのですが、トミー・デナンダーっぽくないソロが何曲かあるので、セイイットもリード・ギターを担当しているのかも知れません。)それはともかく、中身はトミー・デナンダーらしいハイクォリティな北欧AORとなっており、聴き逃せないアルバムであることは間違いありません。

トミー・デナンダー作品でも一作ごとに特徴的な傾向というのがありますが、本作はフュージョン寄りAORというか、歌入りフュージョンというか、そんな感じ。曲も良く出来ているし、イエア・ロニングやピエール・ウェンスベリといった、デナンダーのプロジェクトの常連ボーカリストの歌唱がこれまた極上でため息が出るほどです。バック・ボーカルにも、トーマス・ヴィクストロム、ミカエル・アーランドソンなど一流ボーカリストが動員されており、なんとも贅沢。ただ、リズムが打ち込みで単調に感じること、後半になると曲の出来が若干落ちてくることが気になります。特にジャーニーのカバー#11"Once You Love Somebody"は曲もイマイチ、打ち込み臭さが鼻に付き聴いているのが苦痛でした。ボーナス・トラックの#12"Talk to Me"も同様にいただけません。所詮はアウトテイクということでしょうか。なお、共同プロデューサーのリッキー・B・デリンも、トミー・デナンダーのプロジェクトではお馴染みの人物。作曲のクレジットにあるBjörn Lindbomというのは彼の本名らしいです。

本作のオリジナル・リリースは1999年ですが、わずか2000枚しかプレスされておらず、市場には2009年に再発されたボーナス・トラック入りリマスター盤が出回っているようです。また、今年(2023年)になって、Sayitの1stと2ndをカップリングした ONE & AGAIN が500枚限定で発売されています。

以下、お気に入りの曲をいくつかご紹介してみます。

01. A Second Start
中低域が魅力的なイエア・ロニング、高域に張りのあるピエール・ウェンスベリ、二人のツイン・ボーカルで聴かせる極上AOR。幕開けから名曲・名唱です。高いところでイエア・ロニングが若干苦しそうですが、二人ともまあ歌のうまいことと言ったらありません!

02. House of Glass
ゆったりとしてライトなAORです。リード・ボーカルはピエール・ウェンスベリ。これも良い曲です。

03. Standing on the Outside
これも軽い感じのAORですが、イエア・ロニングの渋いボーカルが曲に深い味わいをもたらしていると思います。

04. One Unguarded Moment
イエア・ロニングが歌う少しブルージーなAOR。彼のボーカル・スタイルによく合っていて大好きな曲です。

05. Could You Love Me Again
ボーカルは再びピエール・ウェンスベリです。いわゆるハネ系リズムが心地良いフュージョン寄りのAOR。

06. Garden of Eden
これは更にフュージョンっぽい曲。ボーカルはイエア・ロニングです。何を歌わせても上手いわ、この人!

10. You
イエア・ロニングと女性ボーカリストのアニカ・ブルマンのデュエット。日本で言うところのシティ・ポップのようなちょっとオシャレな曲です。

■Tracks
01. A Second Start (Tommy Denander, Björn Lindbom)
02. House of Glass (Tommy Denander)
03. Standing on the Outside (Tommy Denander, Björn Lindbom)
04. One Unguarded Moment (Tommy Denander, Björn Lindbom)
05. Could You Love Me Again (Tommy Denander)
06. Garden of Eden (Tommy Denander, Björn Lindbom)
07. You're My Inspiration (Tommy Denander, Björn Lindbom)
08. She's the One (Tommy Denander, Björn Lindbom)
09. Hear Me Heaven (Tommy Denander, Björn Lindbom)
10. You (Tommy Denander, Björn Lindbom)
11. Once You Love Somebody (Steve Perry, Jonathan Cain)
[Unreleased Bonus Track]
12. Talk to Me (Tommy Denander)

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
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■Personnel
Tommy Denander - Programming, Keyboards, Bass, Rhyhm Guitars (all except 4), Backing Vocals (5)
Sayit - Rhyhm Guitars (1, 2, 3)
Bruce Gaitsch - Rhyhm Guitars (acoustic on 5)
Geir Rønning  - Lead Vocals (1, 3, 4, 6, 8, 10)
Pierre Wensberg  - Lead Vocals (1, 2, 5)
Andy Eklund  - Lead & Backing Vocals (7, 9, 11)
Annika Burman  - Lead & Backing Vocals (10)
Thomas Vikström - Backing Vocals (1, 3, 6, 8)
Mikael Erlandsson - Backing Vocals (9)
Mikael Eriksson - Backing Vocals (9)
Kristoffer Lagerström - Backing Vocals (2)

Producer - Tommy Denander, Ricky B. Delin

Sayit
Sayit
911
2008-01-25


Lint / House of Shakira (1997)

0468Lint









スウェーデンのメロハー・バンドHouse of Shakira(ハウス・オブ・シャキラ)の1stアルバム。煌びやかなサウンド、分厚く美麗なコーラス、凝った構成とアレンジ、、、あ、ダメだこれ。苦手なスタイルど真ん中。何度聴いても歌メロが耳に馴染んできません。そう、Grand Illusionあたりと同じ傾向の音楽です。あのバンドもそうだったけど、同じメロディアスハードでも、微妙なところで好みから外れる音ってのがあるのです。もちろん歌も演奏も上手いんですけどね。それから、やたらに挿入される中東風だか、アフリカ風だかのエスニックなフレーズも意味が分かりません。んー、Grand Illusionが好きな人には受け入れやすいかも知れませんが、筆者にはダメでした。申し訳ないけど書くことがあんまりありません。

評価 ★★☆☆☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
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■Tracks
01. Morning Over Morocco (Music : Mats Hallstensson, Anders Lundström, Per Schelander, Tony Andersson / Lyrics : Mikael Eriksson)
02. Lint (Music : Mats Hallstensson, Anders Lundström, Per Schelander, Tony Andersson / Lyrics : Mikael Eriksson)
03. Method of Madness (Music : Mats Hallstensson / Lyrics : Mikael Eriksson)
04. No: 8 (Music : Mats Hallstensson / Lyrics : Mikael Eriksson)
05. Who's Lying Now (Music : Mats Hallstensson, Bernt Ek, Henrik Andreasson / Lyrics : Mikael Eriksson)
06. Elephant Gun (Music : Mats Hallstensson / Lyrics : Mikael Eriksson)
07. Love Was Good (Music : Mats Hallstensson, Anders Lundström / Lyrics : Mikael Eriksson)
08. The Story's the Same (Music : Per Schelander / Lyrics : Mikael Eriksson)
09. Canned Laughter (Music : Mats Hallstensson, Anders Lundström, Per Schelander, Tony Andersson / Lyrics : Mikael Eriksson)
10. Remember (Music : Per Schelander / Lyrics : Mikael Eriksson)
11. Everything's Fine (Music : Mats Hallstensson / Lyrics : Mikael Eriksson)

■Personnel
Andreas Eklund - lead and backing vocals
Mats Hallstensson - lead and rhythm guitars, backing vocals
Anders Lundström - rhythm guitars, keyboards
Per Schelander - bass, backing vocals
Tony Andersson - drums, percussion

Svante Henryson - cello on #11
Mikael Eriksson - backing vocals
Rolf Klinth - lapsteel on #5
Jörgen Schelander  - piano on #8, 10, organ on #4, 10

Producer - House of Shakira

Lint
House of Shakira
Lion Music Finland
2005-03-15






Original Sin / Baltimoore (2000)

0461Original Sin









ビョルン・ローディンを中心とするスウェーデンのハードロック・バンドBaltimooreの6年ぶりの5thアルバム。3rdと4thで共演したニコロ・コツェフと袂を分かち、前身バンドSix Feet Underのギタリストで、Baltimooreの1stにも参加していたトーマス・ラーションが復帰しています。3rdと4thではニコロ・コツェフの影響で古典的な「様式美」的ハードロックをビシッとキメていましたが、タガが緩んだように本作はまた何でもあり状態に戻っちゃってますね~。それはそれとして、今回特筆すべきは、トーマス・ラーションのギターのカッコよさ。ニコロ・コツェフ同様リッチー的でもあり、一方ジェフ・ベック的なところもあって非常に魅力的です。ギターの音色が生々しいのも好みです。この人って前からこんなに上手かったっけ?もちろん、主役のビョルン・ローディンのボーカルも、ロバート・プラントを塩辛くしたような独特の味があって相変わらず達者だし、キーボードのラーズ・ポラックもオルガンにピアノに大活躍で、聴き応えのあるプレイを聴かせてくれています。

以下、特に印象に残った曲をピックアップしてみます。

#1"Conviction"
オープニングは、3rd、4thに近い「様式美」的スピード・チューン。トーマス・ラーションのソロが無茶苦茶カッコいいです。

#2"Indecision"
グルーヴィなリズムとちょっと不思議なメロディが印象的なミドルテンポのナンバー。ここでもまたトーマス・ラーションのギターがいい味を出しています。

#4"Contradiction"
ヴァイオリンの入ったトラッド風の曲です。全くハードロックではありませんが、いかにもヨーロッパ的な雰囲気が魅力的。

#5"Recognition"
ブルージーで、かつ少しばかりジャズっぽいナンバー。うねるオルガン、鋭角的なギターが強く印象に残ります。

#7"Superman"
なんと、まるっきりジャズです。ジャズ風ではなくて、サックス入りの4ビート・ジャズ!渋過ぎ!バックのミュージシャンもジャズ畑のプレイヤーのようです。

#8"Omniscience"
グルーヴィでヘヴィなハードロック。押し寄せてくるようなサウンドにワクワクしてしまいます。

#9"Jealousy"
これまたカッコいい!第2期ジェフ・ベック・グループみたいな音です。

全体として、よく言えばバラエティに富んだ、悪く言ってしまえば散漫な作風です。しかし、元々このBaltimooreはビョルン・ローディンのワンマン・バンドないしはソロ・プロジェクト的色彩が強く、彼がやりたい放題やっているのが自然かもしれません。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Conviction
02. Indecision
03. Emancipation
04. Contradiction
05. Recognition
06. Retribution
07. Superman
08. Omniscience
09. Jealousy
10. Redemption
All songs written by Björn Lodin
Wards co-written by Allan Sjöholm (2, 3, 6, 7, 8, 10)

■Personnel
Björn Lodin - Vocals, Guitar (1, 2, 3, 4, 5, 6, 8, 9, 10), Bass (3, 9)
Thomas Larsson - Lead Guitar (1, 2, 3, 5, 6, 8, 9, 10)
Kurt Lindbom - Lead Guitar (4, 7)
Joakim Larsson - Bass (1, 5, 6, 8)
Weine Johansson - Bass (2, 4, 10)
Kjell Dahl - Bass (7)
Jair-Rhome Parker - Bass Intro (9)
Lars Pollack - Keyboards
Eiron Johansson - Drums (1, 2, 3, 4, 5, 6, 8, 9,10)
Thomas Tornefjäll - Drums (7)
Hans Röjås - Violin (3)
Villu Veski - Saxophone (7)

Producer - Björn Lodin

Original Sin
Baltimoore
Lion Music Finland
2009-06-02





Taken / Radioactive (2005)

0458Taken









トミー・デナンダーのメロハー/AORプロジェクトRadioactiveの3rdアルバム。これまで通りTOTOの影響下にあるAORハード路線を中心に、多彩な楽曲が詰め込まれています。ただ、楽曲の平均点は前作の方が上かもしれません。今回も多数のボーカリスト、プレイヤーを動員していますが、それにしても実に豪華な顔ぶれですね~。人数が多すぎてタグ数が間に合わないので、曲順を追って簡単に記しておきます。なお、本作オリジナル盤はドイツのMTMから2005年にリリースされていますが、2013年になってRadioactiveの1st~3rdにそれぞれボーナス・トラック2曲(1曲は日本盤ボーナス・トラックだったもの、1曲は未発表曲)ずつを追加したリイッシュー3枚組Legacyが英国Escape Musicから発売されています。一部の曲のパートが差し替えられてリミックスも行なわれているようですが、レビューはこのLegacyのバージョンについてのものです。

01. C.O.W. (Tommy Denander)
オープニングのギター・インスト。曲というより景気づけにギター弾きまくってるという感じです。

02. Taken (Tommy Denander, Bobby Kimball)
タイトル曲はいかにもT.デナンダーらしいAORハード。ボーカルはボビー・キンボールです。

03. Stronger Than Yesterday (Tommy Denander)
温か味のあるしっとりしたAORナンバー。ボーカルはスウェーデン出身で現在は米国でソングライター&プロデューサーとして活躍しているアンドレアス・カールソン。他の曲と異なり、ジェフ・ポーカロ(Ds)、ディーン・パークス(G)、グレッグ・フィリンゲインズ(Key)、スティーヴ・ポーカロ(Key)がバックを固めています。ジェフ・ポーカロが92年に亡くなっていることも考え合わせると、元々の録音は相当古いと推測されます。

04. Hit Her Where It Hurts (Tommy Denander, Björn Lindbom)
キャッチーなメロディが印象的なAORナンバーで、リード・ボーカルはゲイリー・バーデン、バック・ボーカルはマイケル・ヴォス。色々言われることの多いG.バーデンですが、ここでは問題無いどころか貫禄さえ感じさせる歌いっぷりです。

05. Easy's Gettin' Harder (Tommy Denander, Björn Lindbom)
M7thコードの響きがオシャレな雰囲気を醸し出すシティ・ポップス風の曲。ボーカルはジェイムズ・クリスチャン&ロビン・ベック、夫婦で気持ち良さそうに歌っております。

06. This I Promise You (Tommy Denander, Björn Lindbom)
ミカエル・アーランドソンがボーカルを担当した甘く切ない系バラードです。

07. Forgivness (Tommy Denander, Christian Ingebrigtsen, Marjorie Maye)
ノルウェー出身のシンガー、クリスチャン・インゲブリグトセンが歌う、ポップでメロディアスな哀愁系AORナンバーです。アコースティック・ギターでブルース・ガイチが加わっています。

08. Shattered (Tommy Denander, Marjorie Maye)
跳ねるリズムがカッコいいメロハー/AORで、ボーカルはフィリップ・バードウェル。ギター・ソロはなんとイングヴェイ・マルムスティーンなんですが、無理やり入れ込んだ感が否めません。

09. Premonition (Tommy Denander, Fergie Frederiksen, Jim Peterik)
ハードロック寄りのスピーディな曲。ボーカルはファーギー・フレデリクセン、ギター・ソロはブルース・キューリックです。

10. Carry On (Frédéric Slama, Tommy Denander)
クレジットにはリード・ボーカルとしてミカエル・アーランドソンとケリー・ケイギーの2人が記されていますが、ミカエル・アーランドソンの声しか聴こえません。また、ギターにニール・ショーン(イントロのトーク・ボックス)、マイケル・ランドウ、マイケル・トンプソン、フレデリック・スラマ、他にもジョン・ロビンソン(Ds)、エイブラハム・ラボリエル(B)、トム・キーン(Key)など数多くのプレイヤーの記載があります。

11. Love Is on Your Mind (Tommy Denander, Kristoffer Lagerström)
本作の中ではもっともハードロック的な曲。メロディアスな佳曲です。これもクレジット上のリード・ボーカルがハリー・ヘス、バック・ボーカルがトーマス・ヴィクストロムとなっていますが、リード・ボーカルはトーマス・ヴィクストロムに聴こえます。うーむ、オレの耳がおかしいのか?クレジットが間違っているのか?謎です。

12. Sinner (Tommy Denander, Björn Lindbom)
ジェフ・パリスが歌うAORハードで、これも佳曲だと思います。

13. Never Gonna Let Her Go (Frédéric Slama)
典型的なウェスト・コースト風ライトAOR曲。これは元々フレデリック・スラマ(AOR)の曲でオリジナルは歌入りですが、ボーカル・パートをカットしてギター・インスト曲に仕立てています。ギターはもちろんT.デナンダー、ただし元曲の間奏部分はスティーヴ・ルカサーが弾いていてこれもそのまま残っています。他のインスト・パートは、マイケル・ランドウ(G)、デヴィッド・ディッグス(Key)、トム・サヴィアーノ(Sax)、フセイン・ジフリー(B)、ヴィニー・カリウタ(Ds)と豪華です。

14. The Darkness Inside (Tommy Denander, Björn Lindbom)
オリジナル日本盤ボーナス・トラックで、ボーカルはジェフ・パリス。タイトル通りちょっとダークな雰囲気の曲です。

15. Feel My Heart Again (Tommy Denander)
Legacyのボーナス・トラックとして収録された未発表曲。歌は上手いしナチュラルなメロディが心地良く、えらく気に入ってしまいました。ボーカルはVic Heartと表記がありますが、知らない人なので調べてみるとスウェーデンのシンガー、ヴィクトル・クロネという人でした。1992年生まれと若いので、Legacy用に録音された新曲か、はたまたお蔵入り曲のボーカルを差し替えたのかどちらかでしょう。Legacyのクレジットでは、この曲に至っては2ndYeahのボーナス・トラック"Juliet"と取り違えられています。せっかくのクレジットなのになんだか当てになりません。

評価 ★★★★★
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Personnel
Tommy Denander - Guitars,Keyboards, Piano, Loops, Bass

Bobby Kimball - Lead Vocals (2)
Andreas Carlsson - Lead Vocals (3)
Gary Barden - Lead Vocals (4)
Robin Beck - Lead Vocals (5)
James Christian - Lead Vocals (5)
Mikael Erlandsson - Lead & Backing Vocals (6, 10)
Christian Ingebrigtsen - Lead Vocals (7)
Philip Bardowell - Lead & Backing Vocals (8)
Fergie Frederiksen - Lead Vocals (9)
Kelly Keagy - Lead Vocals (10)
Harry Hess - Lead Vocals (11)
Jeff Paris - Lead Vocals (12, 14)
Vic Heart - Lead Vocals (15)
Thomas Vikström - Backing Vocals (2, 5, 7, 9, 11, 12, 14)
Michael Voss - Backing Vocals (4)
Steve George - Backing Vocals (10)
Hank Erix - Backing Vocals (15)
Dean Parks - Guitars (3)
Bruce Gaitsch - Acoustic Guitars (7)
Yngwie Malmsteen - Guitar Solo (8)
Bruce Kulick - Guitar Solo (9)
Neal Schon - Talk Box Intro (10)
Michael Landau - Guitars (10, 13)
Michael Thompson - Guitars (10)
Frédéric Slama - Guitars (10)
Steve Lukather - Solos (13)
Steve Porcaro - Keyboards, Strings (3)
Greg Phillinganes - Keyboard Fills (3)
Tom Keane- Keyboards (10)
David Diggs- Keyboards (13)
Abraham Laboriel - Bass (10)
Husaain Jiffry - Bass (13)
Vinny Heter - Drums (2, 4, 5, 6, 7, 8, 11, 12, 14)
Jeff Porcaro - Drums (3)
John Robinson - Drums (10)
Vinnie Colaiuta - Drums (13)
Pat Thern- Drums (15)
Tom Saviano - Sax (13)

Producer - Tommy Denander
except #13 David Diggs
テイクン
レディオアクティヴ
キングレコード
2006-01-25

Taken (w/DVD)
Radioactive
Mtm
2005-11-14

 

Live in Germany / Last Autumn's Dream (2008)

0456Live In Germany









2008年にリリースされたLast Autumn's Dreamの唯一のライブ・アルバム。Live in Germanyのタイトル通り、2007年9月30日ドイツのルートヴィヒスブルクでのライブを収録したものです。ただ、ライブ音源は8曲だけ、加えてスタジオ・テイクの未発表曲が2曲という構成となっています。コンサートの全曲を収録したのかどうか不明ですが、いずれにしてもボリューム的にいささか物足りないのが残念です。バンドと言っても実際にはレコーディング・プロジェクトで中々ライブ演奏の機会も少ないだろうし、マルセル・ヤコブが亡くなってしまったことも考えると、2枚組くらいのライブ・アルバムを残して欲しかったところです。それはそれとして、曲数は少ないながら選曲は妥当なもので、さすがに実力者揃いだけあってライブ・パフォーマンスは圧巻です。特にアンディ・マレツェクのギターがいいですねぇ。リズム・ギターは切れ味があるし、ソロはスタジオ録音よりラフなもののそこがまたいい。いい意味での粗さが勢いにつながっています。やっぱりロック・ギターはこうでなくちゃ。ミカエル・アーランドソンが#4"Heat of Emotion"のソロあけの歌い出しをミスりかけて、後で笑って誤魔化しているのがご愛嬌。いいんです、それが生だから。なお、スタジオ・テイクの#9"When You Love Someone"はいかにもミカエルらしいしっとりとしたバラード、#10"You Won't See Me Cry"はジェイミー・ボーガー作のノリのいいハード・ポップ、オマケとしては2曲とも良い曲だと思います。

※本作は単体では日本盤(Avalon)のみのリリースですが、The Very Best of LADとのカップリング2枚組盤が英国Escape Musicからリリースされていますので、入手の際にはこちらも選択肢の一つとなると思います。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. For the Young tnd the Wild (M. Erlandsson, C. Andreasson, T. Wassenius)
02. After Tomorrow´s Gone (J. Borger, M. Levén)
03. Pages (M. Erlandsson, C. Andreasson, T. Wassenius)
04. Heat of Emotion (U. W. Ritgen)
05. Love to Go (M. Erlandsson, C. Andreasson, T. Wassenius)
06. It's Alright (A.Desombre, M.Erlandsson)
07. Rock'n Roll Is Saving My Soul (M. Erlandsson, C. Andreasson, T. Wassenius)
08. Again and Again (M. Erlandsson, C. Andreasson, T. Wassenius)
09. When You Love Someone (M. Erlandsson, C. Andreasson, T. Wassenius)
10. You Won't See Me Cry (J. Borger)

■Personnel
Mikael Erlandsson – Lead Vocals, Keyboards
Andy Malecek – Guitars
Marcel Jacob – Bass
Jamie Borger – Drums

ライヴ・イン・ジャーマニー
ラスト・オータムズ・ドリーム
マーキー・インコーポレイティド
2008-01-23




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