メロディアス・ハードロック名盤探訪 別館

哀愁・叙情・爽快...メロハー、AOR、ハード・ポップ、メロディック・メタルの傑作との出会いを求めて。 メロディック・ロックのアルバムをレビューしていくブログです。

ドイツ(Germany)

For a Fistful of Dollars / Soul Doctor (2005)

0497For A Fistful Of Dollars









Fair Warningのトミー・ハート(Vo)と、そのHeartlyne時代の仲間クリス・ライン(G)によるドイツのハードロック・バンドSoul Doctorの3年ぶりの3rdアルバム。ベースのヨルグ・ダイジンガーが脱退し、かわりに元Heartlyne、Skew Siskinのヨギー・ラウテンベルクが加入しています。また、ドラムのザッキーことアタナシオス・ツォウカスも録音途中に脱退、急遽オーストリア人ドラマーのマリオ・B(元Blind Petition、Skew Siskin)がサポートでドラムを叩いています。というわけで結果的にHeartlyne、Skew Siskinの人脈でバンドが固められることになりました。

前作では若干メロディアスな方向性も見せていましたが、本作では1stの線に戻ってロックン・ロールとブルースをベースにしたハードロックが全面展開です。ZEP、AC/DC、初期Gotthardといったところの影響が顕著なサウンドです。演奏はシンプルでタイトだし、トミー・ハートの高揚感は健在だし、気持ちの良いことこの上ないのですが、この路線も3作目となるとやはりマンネリという言葉が頭に浮かんでしまいます。AC/DCのようにマンネリの美学とも言うべき境地に達することができればまた話は別ですが、このまま真っ直ぐ行くのはちょっと苦しいかな。

最後に、ボーナス・トラックのZEPのメドレー、これは辛い。。。ちっとも面白くない。逆にLed Zeppelinというバンドの物凄さを思い知らされた感じです。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Eatin' on Me
02. Best Way to Fade
03. Under Your Skin
04. Remember
05. Where Do We Go
06. Ten Seconds of Love
07. She's Mine
08. The Trigger (Goin' Downhill)
09. Give Me a Ride (The Ride)
10. Cheap, Down 'N Nasty
[Bonus Track]
11. Rock and Roll / Heartbreaker
All songs written by Heart & Lyne except #11 written by Page, Plant, Jones & Bonham

■Personnel
Tommy Heart - Vocals
Chris Lyne - Guitar
Jogy Rautenberg - Bass
Mario B. - Drums on #1, 2, 3, 8
Zacky - Drums on #4, 5, 6, 7, 9, 10

Igor Flach - Blues Harp on #2, 10
Martin Zitzmann - Hammond on #4
Alex Kraut - Piano on #4, Hammond on #5, 8
Rollo Volter - Tenor Saxophone on #6, 7, 8
Christian Fischer - Trombone on #6, 7, 8
Lars Mensching - Trumpet on #6, 7, 8

Producer - Tommy Heart, Chris Lyne

For A Fistful Of Dollars
ソウル・ドクター
マーキー・インコーポレイティド
2005-07-21


MMVII / Voices of Rock (2007)

0463MMVII









ドイツのミュージシャン、マイケル・ヴォス(Mad Max, Casanova etc)とクリス・ラウスマン(Bonfire, Affair etc)の2人を中心とするプロジェクトVoices of Rockの1stアルバム。この2人とドイツのベテラン・ドラマーであるバートラム・エンゲルで基本オケを作り、そこに10人のボーカリストが歌を乗せるという趣向となっています。個別には曲ごとに触れますが、綺羅星のごとく豪華なメンバーがずらっと並んでいて、メロハー・ファンとしては実に魅力的です。更にゲスト・ギタリストとして、トミー・デナンダーとエンジェル・シュライファーがそれぞれ1曲がつ参加しています。これまた嬉しい限り!

01. Voodoo Woman
一番手のボーカリストはジェイムズ・クリスチャン(House of Lords )。ミドルテンポの歯切れのいいリフと重厚なサウンド、そしてジェイムズ・クリスチャンの風格あるボーカルが素晴らしいの一言。おまけにエンジェル・シュライファーのカッコいいギター・ソロまで!いきなりの名曲・名演です。

02. Wild Thing
ボーカルはジーン・ボーヴァー(Crown of Thorns)。メロディアスでスピード感あふれる曲にジーン・ボーヴァーの伸びのある歌声がピッタリです。Crown of Thornsより良いくらいですね、これは。

03. Nightingale
お次はテリー・ブロック(Strangeways, Giant)。一転してしっとりとしたAOR風バラード。この人もため息が出るほど上手いです。

04. Over and Done
ボーカルはダン・リード(Dan Reed Network)。ミドル・テンポのポップな曲で、本作の中ではやや軽めなサウンドです。昔のDan Reed Networkの頃より声が渋くなっていて味わい深いです。

05. Phoenix Rising
ボーカルはジョニー・ジョエリ(Hardline)です。ミドル・テンポのハードAORといった曲調で、これも歌い手に良く合っていると感じました。

06. Irresistible
ハリー・ヘス(Harem Scarem)登場!ザクザクとしたリフと切ないメロディが最高です。本作中で一、二を争う出来だと思います。

07. China in Your Hands
ヨラン・エドマンが担当するのは軽快でキャッチーなハード・ポップ。どこかにも書いたけれど、おじさんの歌う明るいポップスってのは実にいいもんですな。聴けば聴くほど大好きな曲になりました。

08. Underloved
唯一の女性ボーカル、ロビン・ベックが歌うハード・ポップ。うっすら漂うカントリー・フレイバーがいい感じです。ギター・ソロはトミー・デナンダーで、いつも通り弾きまくっております。

09. Slip Away
メジャー・キーのポップな曲が続きます。ボーカルはスティーヴ・オーヴァーランド(FM)。この人は何を歌わせても味わいがあるというか、曲の味わいを引き出してしまうというか、とにかく上手いですね。

10. Love Is Blind
締めくくりはなんとゲイリー・バーデン(MSG, Silver)です!1曲目と似た感じのリフが引っ張るミドル・テンポのハードロック。ゲイリー・バーデンは色々言われてきましたが、こうやって聴くと(少なくともスタジオ録音では)中々の名ボーカリストですね。

なお、日本国内盤には11曲目にボーナストラックとしてマイケル・ヴォス自身が歌う"Maniac"が収録されているようですが、未聴のため詳細は分かりません。

評価 ★★★★★
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Voodoo Woman
02. Wild Thing
03. Nightingale
04. Over and Done
05. Phoenix Rising
06. Irresistible
07. China in Your Hands
08. Underloved
09. Slip Away
10. Love Is Blind
Words & Music By Chris Lausmann & Michael Voss

■Personnel
Michael Voss - Lead Guitars, Acoustic Guitars, Backing Vocals
Chris Lausmann - Guitars, Bass, Keyboards

James Christian - Vocals on #1
Jean Beauvoir - Vocals on #2
Terry Brock - Vocals on #3
Dan Reed - Vocals on #4
Johnny Gioeli - Vocals on #5
Harry Hess - Vocals on #6
Göran Edman - Vocals on #7
Robin Beck - Vocals on #8
Steve Overland - Vocals on #9
Gary Barden - Vocals on #10

Bertram Engel - Drums
Angel Schleifer - Lead Guitars on #1
Tommy Denander - Lead Guitars on #8

Producer - Chris Lausmann & Michael Voss

MMVII
ヴォイシズ・オヴ・ロック
マーキー・インコーポレイティド
2007-08-22





 

Feels Like Comin' Home / Bonfire (1996)

0455Feels Like Comin' Home









ドイツのハードロック・バンドBonfireのオリジナル・アルバムとしては5枚目となる作品です。前作Knock Outリリース後のゴタゴタの中でボーカリストのクラウス・レスマンは1992年にバンドを脱退、オリジナル・メンバーのハンス・ツィラーと共にLessmann / Zillerというユニットでドイツ語歌詞のアルバムGlaub Dran(1993年)をリリースしています。1995年にはLessmann / ZillerはEXというプロジェクトに発展、更にBonfire名義の獲得を目指すことになります。一方、クラウス・レスマン脱退後のエンジェル・シュライファーを中心とするBonfireは、新ボーカルにマイケル・ボーマンを加入させてバンド継続を図ります。このように分裂状態に陥ったBonfireですが、最終的にレスマン/ツィラー側が名義獲得に成功、Bonfireの復活作としてリリースされたのがこのFeels Like Comin' Homeというアルバムです。本作にはGlaub Dran収録曲を含む全14曲が収録されていますが歌詞は全て英詞、また、曲は同じで歌詞がドイツ語というバージョンがFreudenfeuerというタイトルでリリースされており、こちらは全10曲入りとなっています。なお、バンドとは言っても本作では正規メンバーはレスマン&ツィラーの2人のみ。ドミニク・ヒュルスホルスト(Ds)は1stアルバムDon't Touch the LightとEXのEP盤Die Antwort Weiss Der Windに参加、クリス・ラウスマン(Key)はこの後も何回かBonfireのアルバムに参加しますが、その他のバックのメンバーはセッション・ミュージシャンとなっています。

さてアルバムの内容はと言うと、これが意外にもカントリー・ロックとかサザン・ロック系統の音で、かつてのBonfireのイメージとはかなり違います。象徴的なのは#5"I'd Love You to Want Me"。アメリカのシンガー・ソングライターLoboことローランド・ケント・ラボアの1972年の名曲で、日本でも「片想いと僕」という邦題でヒットした曲です。こんなの前のBonfireなら絶対にやらないもんなぁ。オリジナル曲も、ハードロック的な要素が強いものもありますが、基本的にはアコギを多用したアーシーなサウンドです。はじめは驚いたものの、力みや気負いの感じられないサウンドと素直なメロディが非常に心地良く、これははれですっかり気に入ってしまいました。Bonfireとしては異色なアルバムですが、高水準のメロディック・ロック作品として十分楽しめるものだと思います

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Easy Love Easy Go
02. Back to You
03. Feels Like Comin' Home
04. Mama
05. I'd Love You to Want Me
06. Say
07. Right Now
08. Highway to Your Dreams
09. You Are All
10. Whenever You Cry (I'll Be There)
11. Rock 'N' Roll Cowboy
12. I Don't Want You
13. Can't Wait
14. Feels Like Comin' Home (Piano Version)
Music & Lyrics Lessmann/Ziller
except #5 Kent Lavoie

■Personnel
Claus Lessmann - Lead & Backing Vocals, Bass, Acoustic Guitars
Hans Ziller - All Guitars, Backing Vocals

Dominik Hülshorst - Drums
Curt Cress - Drums
Pino Paladino - Bass
Ken Taylor - Bass
Helmut Jost - Bass
Johan Daansen - Bass
Chris Lausmann - Keyboards
Chris Weller - Keyboards
Freddy Quenzler - Keyboards
Hermann Weindorf - Keyboards

Producer - Lessmann/Ziller
 

# Live # / Pink Cream 69 (1997)

0431Live









1997年にリリースされたPink Cream 69のライブ・アルバム。同年5~7月ドイツ本国でのFood for Thoughtツァーを収録したものです。ラインナップはデヴィッド・リードマン(Vo)、アルフレッド・コフラー(G)、デニス・ワード(B)、コスタ・ツァフィリオ(Ds)、プロデュースはバンド自身となっています。

前述のようにFood for Thoughtツァーの録音ですが、1stPink Cream 69から1曲、2ndOne Size Fits Allから3曲、3rdGames People Playから2曲、4thChangeから4曲、そしてFood for Thoughtからは5曲と各アルバムから幅広く選曲されており、アンディ・デリス在籍時のレパートリーが結構入っています。アンディ・デリスとデヴィッド・リードマンは、かなりタイプの違うボーカリストだと思いますが、デヴィッド・リードマンはアンディ時代の曲を自分の持ち歌のように歌いこなしていますね。全然違和感ありません。加えて、アンディ時代のメロディアスな楽曲と、ChangeFood for Thoughtのドンヨリ系の楽曲が並んでいてもチグハグ感が全く無いのにも驚きました。スタジオ盤だとサウンドの変化に馴染めない面もあったのに、ライブでは全体として図太くアグレッシヴなハードロックという統一感のある印象です。そういうところにバンドの力量が示されるんだなぁと思います。総じて、生々しいパフォーマンスといいい、良好な音質・バランスといい、優れたライブ・アルバムだと感じました。

なお、日本盤にはボーナス・トラックとして"Livin' My Life for You"が収録されて全15曲となっていますが、2005年ドイツSteamhammerレーベルからの再発盤には更に"Are You Gonna Go My Way"が収録されて全16曲となっています。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
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■Tracks
01. Do You Like It (Deris, Ward)
02. Big Shot (Koffler, Readman, Ward, K.Zafiriou)
03. Welcome the Night (Koffler, Deris)
04. Way Down (Koffler, Deris, Ward, K.Zafiriou)
05. Yesterdays (Koffler, Readman, Ward, K.Zafiriou)
06. Anger (Koffler, Readman, Ward, K.Zafiriou)
07. Change (Koffler, Readman, Ward, K.Zafiriou)
08. Diggin' Through the Past (Koffler, Readman, Ward, K.Zafiriou)
09. Only the Good (Koffler, Readman, Ward, K.Zafiriou)
10. Light of Day (Koffler, Readman, Ward, K.Zafiriou)
11. Talk to the Moon (Koffler, Deris)
12. Until I Wake (Koffler, Readman, Ward, K.Zafiriou)
13. Better Days (Koffler, Readman, Ward, K.Zafiriou)
14. Keep Your Eye on the Twisted (Koffler, Deris, Ward, K.Zafiriou)
15. Livin' My Life for You [Japan-only Bonus Track] (Deris)

■Personnel
David Readman - Lead Vocals, Rhythm Guitar
Alfred Koffler - Guitars, Backing Vocals
Dennis Ward - Bass, Backing Vocals
Kosta Zafiriou - Drums, Sound & Keyboard Effects

Producer - Pink Cream 69

Live
Pink Cream 69
Steamhammer Europe
2007-02-19

Dangerous Games / Subway (1990)

0430Dangerous Games









ドイツのハードロック・バンドSubwayの1stアルバムです。このバンド、ハードロック・バンドとしては珍しくサックスが固定メンバーにいるという予備知識があって、興味津々で聴いてみました。うーん、これはハズレですね。まず、ヘヴィ・メタル、ハードポップ、AORと雑多な要素がごちゃ混ぜの音楽性がいけません。力量のあるバンドなら違和感無くまとめ上げられるだろうし、実際そういう例も豊富にありますが、残念ながら本作は散漫としか感じられませんでした。注目のサックスですが、AOR風の曲はともかくハードな楽曲にはやはり合っていないかな。メンバーにいるからサックスも入れておこうという安易な感じで、うまくアンサンブルに活かせているとは思えません。致命的なのはボーカル。ヨレヨレな歌い方ではっきり言って下手だし、キンキンした金切り声がそもそも耳障りです。ギターの音が汚いのも印象が悪いです。というように、あまり評価できるところがないのですが、部分的に魅力的なメロディがあるのだけが救いでした。

評価 ★★☆☆☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
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■Tracks
01. Dangerous Game
02. Chilly Sniffin Wild Child
03. Wasting Times
04. Fire In Your Eyes
05. Another Side Of My Life
06. Fools For Sale
07. Trouble In Darkness
08. Need Your Love Again
09. Running To Nowhere
10. Tears In The Night
11. Helpless
12. Starry Life

■Personnel
Pepe Wolthoff - Vocals
Bemy Bitzer - Guitars
Henry Sauter - Keyboards
Dany Beiersdorfer - Bass
Tommy Strobel - Drums
Andy Weber - Sax

Producer - Thomas Willi

Aura / Fair Warning (2009)

0416Aura









Fair Warningの再結成後2作目、通算6枚目のオリジナル・アルバムです。前作Brother's Keeperもまあまあの出来だったわけですが、今回は前作はもちろん解散前の傑作を凌ぐような作品を期待していました。そして#1"Fighting for Your Love"も、#2"Here Comes the Heartache"も、ドラマチックで高揚感溢れるメロディが素晴らしく、Fair Warningにまた新たな名曲が加わったと大喜びしました。「これはいける!」と思ったのに、ところがどっこい3曲目でもうバラード?しかもクサさばかりが鼻につきます。ほめ言葉ではなく悪い意味で臭いのです。この後もやけにバラードが多く、なんと全12曲中6曲がバラード。悪くない曲もあるけれど、いくらなんでもアルバム半分バラードってのはないでしょう。バラード以外の曲は佳曲だと思いますが冒頭の2曲ほどではありません。前作と同じく既発曲と似たようなフレーズやメロディ展開が散見されるのも気になります。また、ヘルゲのハイ・フレットからの高音を活かしたギター・ソロはこのバンドに無くてはならない要素であることは確かですが、そろそろやり過ぎ感が出てきました。なんでもかんでもハイ・フレットに持っていかなくてもいいんじゃない?フレーズもマンネリ気味だし。まあ、そうは言っても全体として見れば、凡百のバンドには作り出すことの出来ない高品質なアルバムであることに間違いはないのです。筆者にとってFair Warningはメロハーに目覚めさせてくれたバンドの一つであり、思い入れが深いだけに求めるものが大きいのかもしれません。

なお、本作は通常盤の他に、6曲入り(4曲は収録曲の別バージョン)ボーナス・ディスク付の2枚組限定盤も発売されており、筆者はそちらを聴いています。ボーナスの"Station to Station"、"Just as She Smiles"は割りといい曲なので、本編のバラードを3曲くらい削ってこの2曲を入れたらもっと印象が良かったのになあ。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
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■Tracks
01. Fighting for Your Love (Ule W. Ritgen)
02. Here Comes the Heartache (Ule W. Ritgen)
03. Hey Girl (Ule W. Ritgen)
04. Don't Count on Me (Helge Engelke)
05. Falling (Ule W. Ritgen)
06. Holding On (Ule W. Ritgen)
07. Walking on Smiles (Helge Engelke)
08. Someday (Ule W. Ritgen)
09. It Takes More (Ule W. Ritgen)
10. As Snow White Found Out (Helge Engelke)
11. Just Another Perfect Day (Ule W. Ritgen)
12. Falling Reprise (Ule W. Ritgen)
[Bonus Disc]
01. Station to Station
02. Just as She Smiles
03. Hey Girl (Alternative Version)
04. Fighting for Your Love (Alternative Version)
05. Station to Station (Alternative Version)
06. Falling Reprise (Alternative Version)

■Personnel
Tommy Heart – vocals
Helge Engelke – guitars
Ule W. Ritgen – bass
C. C. Behrens – drums

Producer – Fair Warning

オーラ
フェア・ウォーニング
キングレコード
2016-08-31

AURA(初回限定盤)
フェア・ウォーニング
マーキー・インコーポレイティド
2009-06-24

Live...The Best / Bonfire (1993)

0398Live...The Best









ドイツのメロディアスハードロック・バンドBonfireのライブ盤。本作がリリースされた1993年には直近のアルバムKnock Outが既に出ていますが、そのKnock Outリリース前の1989~90年にかけてのドイツ国内でのライブが収録されています。実はボーカリストのクラウス・レスマンはKnock Outの不評に嫌気が差したのか1992年にバンドを去っており、オリジナル・メンバーのハンス・ツィラーと共にLessmann / Ziller名義での活動を開始、Bonfireは新たにマイケル・ボーマンを新ボーカリストに迎えて再始動を図りましたがレコード会社が了解せず、というような空中分解状態となっていました。ただ正式には解散となっておらず、とりあえず過去のライブ録音をリリースしたのが本作というわけです。

このようなグダグダの事情にも関わらず、名作Point Blankツアーを収録したこのライブ盤はこれまでのスタジオ盤を凌ぐ素晴らしい出来となっています。Point Blankの曲が中心ですが、1st、2ndからも代表曲が演奏されタイトル通りベストな選曲、収録も全16曲とたっぷりで嬉しい限り。マイケル・ヴォスをサポート・メンバーに加えた圧巻のパフォーマンスは、ハードロック・コンサートの醍醐味が十二分に味わえるもので、素晴らしいの一言です。マジメにやればこんなにカッコよく出来るのに、なんでKnock Outなんていうしょうもないアルバム作ったのかと説教したくなります。

この後Bonfireは、クラウス・レスマン&ハンス・ツィラー組と、エンジェル・シュライファー&マイケル・ボーマン組との間でバンド名義をめぐっての綱引きがあったようですが、結局レスマン&ツィラー側がBonfireとして復活、1996年になって新作をリリースすることになります。一方のシュライファー&ボーマンは、1993年にBonfireの5thアルバムとして録音していた音源を、Charadeというバンド名義で1998年にリリースしています。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
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■Tracks
01. Ready 4 Reaction
(Music: H. Maier-Thorn/J. Deisinger, Lyrics: C. Lessmann)
02. Bang Down The Door
(Music & Lyrics: B. Halligan Jr./C. Lessmann/G. Schleifer/J. Ziller)
03. Hard On Me
(Music & Lyrics: J. Ponti/S. Swirsky/C. Lessmann/G. Schleifer/J. Deisinger/E. Patrik/J. Ziller)
04. Sweet Obsession
(Music & Lyrics: J. Ponti/J. Lynn-Turner/C. Lessmann/J. Ziller/H. Maier-Thorn/J. Deisinger)
05. You're Back
(Music: J. Deisinger/G. Schleifer, Lyrics: C. Lessmann)
06. Look Of Love
(Music: J. Deisinger/G. Schleifer, Lyrics: C. Lessmann)
07. Know Right Now
(Music: J. Deisinger/G. Schleifer, Lyrics: C. Lessmann)
08. SDI
(Music: C. Lessmann/J. Ziller/H. Maier-Thorn, Lyrics: C. Lessmann)
09. You Make Me Feel
(Music: J. Ziller, Lyrics: C. Lessmann)
10. Who's Foolin' Who
(Music & Lyrics: M. Ribler/C. Lessmann/G. Schleifer/J. Ziller)
11. American Nights
(Music & Lyrics: C. Lessmann/J. Ziller/H. Maier-Thorn/M. Ribler)
12. Youth Patrol (20th Century)
(Music: J. Ziller, Lyrics: C. Lessmann)
13. Patrik's Groove
(Music & Lyrics: E. Patrik)
14. Don´t Get Me Wrong
(Music: H. Maier-Thorn, Lyrics: C. Lessmann)
15. Waste No Time
(Music: J. Deisinger/G. Schleifer, Lyrics: C. Lessmann)
16. Champion
(Music: J. Ziller, Lyrics: C. Lessmann)

■Personnel
Claus Lessmann - Lead Vocals
Jörg Deisinger - Bass, Backing Vocals
Angel Schleifer - Lead & Acoustic Guitars, Backing Vocals
Edgar Patrik - Drums, Percussion

Michael Voss - Lead & Acoustic Guitars, Backing Vocals
Andreas Knote - All Keyboards

Producer - Bonfire

Live...the Best
Bonfire
Bmg Int'l
2000-04-25

Systems Go Wild! / Soul Doctor (2002)

0381Systems Go Wild









Fair Warning脱退後トミー・ハートが結成したドイツのハードロック・バンドSoul Doctorの2ndアルバム。バンド・メンバーは前作と変わらず、クリス・ライン(G)、J.D.ことヨルグ・ダイジンガー(B)、ザッキーことアタナシオス・ツォウカス(Ds)。音の方もやはり前作同様の路線で、ロックン・ロールをベースにしたオーソドックスでソリッドなハードロックです。収録曲は全てバンドとスティーヴ・プランケット(Autograph)によって書かれており、この点も前作と同じです。

バンドにとって2作目となるこのアルバムは、シンプルな楽曲、高い演奏力、装飾を排したプロダクションが相まって、前作以上にタイトな印象を受けます。加えて、若干ですがメロディに叙情味が増しているので、更にGotthardやShakraといったスイス勢の音に近くなったように感じます。再結成後のややまったりし過ぎたFair Warningより、このSoul Doctorの方がむしろいいかなぁ。聴いていてとても気持ちがいいんですよね。楽曲は全曲素晴らしいのですが、特にお気に入りなのは、突進するリフがカッコいい#1"Livin' the Life"、リフがJudas Priestっぽい#3"Get It On"、ブルージーでメロディアスなバラード#4" See You In Heaven"、高揚感溢れるロックンロール#6"Cheap Talk"といったところ。Led Zeppelinの影響が顕著ですがメロディアスな要素もある、#8"Our Time"、#9"Good Time's Slippin' Away"、#10"Just Can't Get Over You"の3連発もカッコいいです。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
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■Tracks
01. Livin' the Life (Steve Plunkett, Peter Beckett)
02. Wrong or Right (Tommy Heart, Chris Lyne, Steve Plunkett)
03. Get It On (Tommy Heart, Chris Lyne, Steve Plunkett)
04. See You In Heaven (Tommy Heart, Chris Lyne, Steve Plunkett)
05. All Systems Go! (Tommy Heart, Chris Lyne, Zacky, Steve Plunkett)
06. Cheap Talk [Japanese bonus track] (Tommy Heart, Chris Lyne, Steve Plunkett)
07. Somebody (Tommy Heart, Chris Lyne, Steve Plunkett)
08. Our Time (Tommy Heart, Chris Lyne, Steve Plunkett)
09. Good Time's Slippin' Away (Tommy Heart, Chris Lyne, Zacky, Steve Plunkett)
10. Just Can't Get Over You (Tommy Heart, Chris Lyne, Steve Plunkett)
11. Waitin' (Sinisha Licanin, Tommy Heart, Chris Lyne, Zacky)

■Personnel
Tommy Heart - Vocals
Chris Lyne - Guitar
J.D. - Bass
Zacky - Drums

Sinisha Licanin - Keyboards

Producer - Tommy Heart, Chris Lyne

Systems Go Wild
Soul Doctor
Point
2002-10-27

 

Food for Thought / Pink Cream 69 (1997)

0339Food For Thought










多国籍バンドPink Cream 69の5thアルバム。リリースは1997年です。ラインナップは前作Changeと同じく、デヴィッド・リードマン(vo)、アルフレッド・コフラー(gt)、デニス・ワード(b)、コスタ・ツァフィリオ(ds)の4人。ボーカルがデヴィッド・リードマンに変わってからは2作目で、前作同様のダークでヘヴィな作風が継続しています。ChangeはHR/HM系バンドがグランジ/オルタナ路線に舵を切った作品群の中では、あまり不自然さを感じさせず結構好きなアルバムでしたが、今回はいけません。もちろんいくつかカッコいい曲もあるし、若干メロディアスさが戻った感じもあるものの、楽曲の平均点としては落ちてしまいました。ドンヨリして退屈な曲が増えた印象が強いです。カバー曲も、前作の"20th Century Boy"は面白かったけれど、今回のQueenの"We Will Rock You"はまったくつまらない。無くてもよかったというより無いほうがよかった。もっとも、デヴィッド・リードマンの歌唱は迫力があるし、バンドの演奏も相変わらずタイトで唸らせられるという点では、十分聴き応えのあるアルバムであることは間違いありませんが。この試行錯誤を経て、Pink Cream 69は次作以降再びメロディアスな方向性に転換することになります。

評価 ★★★☆☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Snap [Japan-only Special Version]
02. Big Shot
03. Anger
04. Diggin' Through the Past
05. Better Days
06. Until I Wake
07. Fate
08. We Will Rock You
09. Dead Man's Scream
10. Pass You By
11. Other Side
12. Fly On
13. Sorry
14. (Down) My Way
15. Easy [Japan-only Bonus Track]
All songs written by Pink Cream 69 except "We Will Rock You" written by Brian May

■Personnel
David Readman – vocals
Alfred Koffler - guitar
Dennis Ward - bass
Kosta Zafiriou - drums

Achim Reichelt. – keyboards
Peter Eptinger – timpani

Producer - Pink Cream 69

Food for Thought
Pink Cream 69
Steamhammer Europe
2005-12-22

 

Brother's Keeper / Fair Warning (2006)

0322Brother's Keeper









解散状態だったFair Warningの復活第一作。残念ながらアンディ・マレツェク(Gt)は再結成に加わっていませんが、トミー・ハート(Vo)、ヘルゲ・エンゲルケ(Gt)、ウレ・リトゲン(Ba)、C.C.ベーレンス(Ds)とオリジナル・メンバー4人が顔を揃えました。

久しぶりのFair Warningの新作ということで、期待は大きく膨らんでいましたが、#1"Don't Keep Me Waiting"を聴いた途端、その期待が裏切られなかったことを確信して嬉しかったです。今まで通りの分厚いサウンド、ドラマチックなメロディ、そして天空から降りそそぐギターの音色、全てにうっとりしてしまいます。これは文句なく名曲ですね。残りの楽曲も概ね出来が良く、アルバムを通してFair Warningらしさを十分に堪能できます。しかしながら、「あれ?なんか前に聴いたことがあるような」と感じる場面が少なからずあり、その点はちょっと失望を禁じえません。このバンドはメロディやフレーズの使い回しが以前からありました。本作ではそれがさらに増えています。過去作からか、DreamtideかはたまたZenoからか、一々確認はしていませんがあまり印象は良くありません。マンネリという声も聞かれますが、マンネリとはちょっと違うような気がします。作風や路線を大きく変えないという意味では、マンネリが必ずしも悪いとは言えないけれど、過去の楽曲のパーツのつぎはぎで曲を仕立てるのはミュージシャン・シップのレベルが低いことの表れだと思うのです。うーむ、この作品で初めてFair Warningを聴いたのなら間違いなく名盤と認定しただろうなぁ。。。なんとも複雑な感想を抱いてしまいました。

なお、本作の国内盤CDは、2006年オリジナル盤(13曲収録)が2種(ドキュメンタリー映像を収録したDVD付き初回限定盤とCDのみの通常盤)、2009年紙ジャケSHM-CD仕様(15曲収録で曲順も異なる)、2016年リマスター盤(12曲収録)が流通しています。毎度のことながら、あー、めんどくさ。。。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Don't Keep Me Waiting (Ule W. Ritgen)
02. Tell Me Lies (Helge Engelke)
03. In the Dark (Ule W. Ritgen)
04. Wasted Time (Ule W. Ritgen)
05. No Limit (Ule W. Ritgen)
06. Generation Jedi (Helge Engelke)
07. The Way (Ule W. Ritgen)
08. All of My Love (Ule W. Ritgen)
09. Once Bitten Twice Shy (Ule W. Ritgen)
10. The Cry (Ule W. Ritgen)
11. All I Wanna Do (Ule W. Ritgen)
12. Rainbow Eyes (Ule W. Ritgen)
13. Push Me On (Ule W. Ritgen)

■Personnel
Tommy Heart – vocals
Helge Engelke – guitars
Ule W. Ritgen – bass
C. C. Behrens – drums

Producer – Fair Warning

ブラザーズ・キーパー
フェア・ウォーニング
マーキー・インコーポレイティド
2006-07-26

 
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