メロディアス・ハードロック名盤探訪 別館

哀愁・叙情・爽快...メロハー、AOR、ハード・ポップ、メロディック・メタルの傑作との出会いを求めて。 メロディック・ロックのアルバムをレビューしていくブログです。

カナダ(Canada)

Endangered Species / White Wolf (1986)

0358Endangered Species









カナダのメロディアス・ハードロック・バンドWhite Wolfの2ndアルバム。メンバーはボーカルのドン・ウルフ(ドン・ウィルク)以下前作と変わらず、カム・マクラウド(G)、リック・ネルソン(G)、レス・シュワルツ(B)、ロリス・ボルゾン(Ds)という布陣です。レコーディングはオランダで行なわれ、オランダの大御所バンドGolden Earringを手がけていたシェル・ シェルケンスがプロデューサーを務めています。音のほうは1stに比べてややメタル色が薄れて、よりメロディアスハード的なサウンド、曲調になりました。ただドン・ウルフのボーカル・スタイルはメタル風な大仰さが残っており、鼻にかかった声と相まって、昔の北欧メタルに通じるなんとも言えないイモくささがあり、それが大きな魅力となっています。カム・マクラウドのギターソロは、引っかかりながら下降・上昇するフレーズが、まんまリッチー・ブラックモア。やり過ぎ感はありますがそこがまたイイのです。

#1"Time Waits for No One"
少しメタルっぽいミドル・テンポのナンバー。鼻の赤い田舎の鍛冶屋が酒場で自慢の喉を披露しているような歌いっぷりが最高です。歌い終わってからいい気分で「アハハハッ」と笑うところがまた好ましい。

#2"Run for Your Life"
これもミドル・テンポのノリノリの曲。女性バックボーカルがいいですね。鍛冶屋の女房と娘が合いの手を入れて親父を囃す様が目に浮かぶようです。

#3"Ride the Storm"
ミドル・テンポで三連発。勇壮だけど哀愁を感じさせる歌いまわしは、メタルの名残を強く留めています。メロディアスで叙情的なギター・ソロも聴き所。

#4"Just Like an Arrow"
英国の老舗メロディック・ロック・バンドMagnumのカバー。キャッチーでポップ、それでいてそこはかとない哀愁が漂う名曲です。比較的原曲に忠実ですが、やはりドン・ウルフの個性は強く出ていますね。本家もWhite Wolfもシングル・カットしています。

#5"Cryin to the Wind"
出だしがUFOの"Doctor Doctor"かと思わせるバラード。ドン・ウルフの悲哀に満ちたドラマチックな歌唱も、慟哭するかのようなギターも絶品。クサ過ぎる?いや、だからいいのです。

#6."She"
これもシングル・カットされています。アップ・テンポでキビキビしたハードなナンバー。アーミングを駆使したギター・ソロが印象的。

#7"Holding Back"
「漢」と書いて「おとこ」と読む。そんなドン・ウルフが真骨頂を発揮したヘヴィなナンバー。拳を突き上げたくなりますな。

#8"One More Time"
濃すぎない哀愁メロディのヴァース、一緒に歌いたくなるコーラス、これぞWhite Wolfのメロディアスハードという感じ。

#9"All Alone"
1曲目と同傾向の硬質なミドル・ナンバー。哀愁のメロディラインと骨太な歌唱が絶品。

#10"Snake Charmer"
オリエンタル風の旋律がロニー在籍時のRainbowを思い起こさせます。そう言えばRainbowにも同名の曲がありましたが、あれよりはスローでヘヴィな曲調です。

White Wolfは本作を最後に一旦解散となります。他のバンドには無い絶妙な個性を持ったバンドだと思うのですが、結局あまり売れなかったということなのでしょうか。なお、現在本作は単独で売られているものの他に、復活後の所属レーベルEscapeからリリースされた1stとのカップリング盤もありますので、入手の際にはそれも選択肢の一つになるかと思います。

 評価 ★★★★★
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Time Waits for No One (C. MacLeod - D. Wilk)
02. Run for Your Life (C. MacLeod - D. Riley)
03. Ride the Storm (C. MacLeod - D. Wilk)
04. Just Like an Arrow (T. Clarkin)
05. Cryin to the Wind (C. MacLeod - D. Wilk)
06. She (C. MacLeod - D. Lowe - D. Wilk - B. Steckel)
07. Holding Back (C. MacLeod - D. Lowe - D. Wilk - B. Steckel)
08. One More Time (C. MacLeod - D. Lowe - D. Wilk - B. Steckel)
09. All Alone (C. MacLeod - D. Wilk)
10. Snake Charmer (C. MacLeod - D. Wilk)

■Personnel
Loris Bolzon - Drums
Cam MacLeod - Lead Guitar, Lead & Background Vocals
Rick Nelson - Rhythm & Lead Guitar, Background Vocals
Les Schwartz - Bass Guitar
Don Wilk - Lead Vocals, Keyboards

Julia Loko - Back Up Vocals on #2
Lisa Schulte-Nordholt - Back Up Vocals on #2
Jody Piper - Back Up Vocals on #2

Producer – Shell Schellekens

3 Faces Past / Von Groove (2000)

0346three Faces Past









カナダのハードロック・バンドVon Grooveのアコースティック企画アルバム。リリースは2000年、メンバーは不動でムラデン(gt)、マシュー・ジェラード(b)、マイケル・ショットン(ds, vo)のトリオ編成です。

いきなり1stアルバム収録の名曲"House of Dreams"で始まる構成が心憎い!ツカミはOKって感じです。アコースティク・アレンジで哀愁メロディが一層際立っている印象です。全体にあまりユルくならずタイトに仕上がっているのが特徴と感じました。元々実力の高いこのバンドらしく、アコースティックでも「ロック」を感じさせる聴き応えのあるアルバムとなっています。収録曲は全10曲で、1stから2曲、2ndから2曲、3rdから2曲、4thから2曲とアルバム発表順に几帳面に並んでいるのが面白い。9曲目はアルバム未収録(と思う)、10曲目は本作の後リリースされた(と思う)5thからとなっています。収録曲が少な目ですが、かえって聴き飽きないのも良い点だと思いました。必殺の哀愁メロハー"Two Nights in Tokyo"もやってくれたらもっと良かったのになぁ。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. House of Dreams
02. Better Than Ever
03. Rainmaker
04. Lady Blue
05. The Snake
06. Tonight We Rock & Roll
07. Tell It to Me
08. Fooling Yourself
09. Vision of Love
10. Cold to You

■Personnel
Mladen - all guitars
Matthew Gerrard - bass, keyboards
Michael Shotton - drums, percussion, keyboards, vocals

William Ruddy - additional background vocals on #6

Perplexed in the Extreme / Emerald Rain (2001)

0344Perplexed In The Extreme









カナダのメロディアス・ハードロック・バンド、Emerald Rainの3枚目のオリジナル・アルバムです。レコーディング・メンバーはマーレイ・デイグル(Vo)、マイク・デミトロヴィック(Gt)、ショーン・グレゴリー(B)の3人は前身バンドPainからずっと同じ。ドラムはまたまたチェンジしていて、今回は正規メンバーではなく、カナダ人セッション・ドラマーのランディ・クックが参加しています。この人はリック・エメット、リー・アーロンなどの多くのアルバムでプレイしているベテランです。

サウンドのほうは今回もやっぱりHarem Scaremそっくりです。Emerald Rainが活動していた90年代後半から2000年代前半というと、本家のほうはグランジに寄ったりパワー・ポップ化したりバンド名を変えたりと迷走していたわけですが、面白いことにこのバンドは全くブレがありません。Mood Swings の頃のHarem Scaremが乗り移ったように曲を作り、ハーモニーを組み立て、プレイしています。今回も駄曲は無いし、歌唱も演奏も相変わらずの高水準だし、Harem Scarem好きのリスナーなら泣いて喜びそうな内容なんです。しかし、ここまでマネっこしながら何枚もアルバムを作り続けるモチベーションと情熱は、いったいどこから来るのでしょうか。謎です。

評価 ★★★☆☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. You
02. Open Up Your Eyes
03. Badlands
04. Wasted Time
05. Numb
06. You Do It to Yourself
07. Just Like Anyone
08. Is This Love
09. Until You're Blind
10. Live It All Again
11. Easy Come, Easy Go [Bonus Track]
All songs music & lyrics by Emerald Rain

■Personnel
Murray Daigle – Lead & Backing Vocals, Acoustic Guitars, Keyboards, Finger Cymbals
Mike Dmitrovic – Lead & Rhythm Guitars, Backing Vocals, Keyboards
Sean Gregory – Bass Guitar, Backing Vocals
Randy Cooke – Drums

Producer - Murray Daigle, Mike Dmitrovic, Sean Gregory

Live at the Siren / Harem Scarem (1998)

0335Live At The Siren









1998年リリースのHarem Scaremのライブ盤。当初は日本のみでの発売で、2010年になって米国Wounded Birdからも再発されています。全14曲中ライブ録音は12曲。4thアルバムBelieve リリース後の地元カナダでのライブということで、Believe 収録曲中心のセットリストになっています。メンバーはハリー・ヘス(vo)、ピート・レスペランス(gt)、ダレン・スミス(ds)、バリー・ドナヘイ(ba)の4人で1996年のLive in Japan と同じですが、曲が被っているのは"Change Comes Around"だけ。また、Believe(Special Edition) でカバーしていたCheap Trickの"Surrender "を再度取りあげていて、この後のバンドの路線変更の伏線とも受け取れる選曲です。オマケにスタジオ録音の新曲が2曲収録されていますが、"Tables Turning"は5thアルバムBig Bang Theory 日本盤、"New Religion"はカナダ本国盤の収録曲。バンドのサイトのディスコグラフィによると、本作よりBig Bang Theory の方が先のリリースと記されていて、「New Studio Track」という表記には「ん?」となりますが、事情はよく分かりません。

さて内容ですが、このバンドのライブ・パフォーマンスの実力の高さにはぐうの根も出ません。分厚いコーラス、適度にラフで勢いのある演奏、こりゃもう最高です。冒頭から#1"Believe"、#2"Saviors Never Cry"、#3"Die Off Hard"と強烈な3連発でノックアウト。#7"Baby With a Nail Gun"のぶっ飛び具合もスタジオ盤をはるかに凌ぎます。更にスタジオ盤ではいま一つ好みでなかった曲もライブ盤の中では何の違和感もなく楽しめました。ん~む、スタジオ盤にはいつもモヤモヤさせられるけど、やっぱりHarem Scaremはいいバンドだな~。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Believe (H.Hess / P.Lesperance)
02. Saviors Never Cry (H.Hess / P.Lesperance)
03. Die Off Hard (H.Hess / P.Lesperance)
04. Morning Grey (H.Hess / P.Lesperance)
05. Staying Away (H.Hess)
06. Honestly (H.Hess)
07. Baby With a Nail Gun (P.Lesperance)
08. Cages (H.Hess / P.Lesperance)
09. Rain (H.Hess / P.Lesperance)
10. Karma Cleansing (H.Hess / P.Lesperance)
11. Surrender (R. Nielsen)
12. Change Comes Around (H.Hess / P.Lesperance)
13. Tables Turning [New Studio Track] (H.Hess / P.Lesperance)
14. New Religion [New Studio Track] (H.Hess / P.Lesperance)

■Personnel
Harry Hess – vocals, guitars, keyboards
Pete Lesperance – guitars, vocals
Darren Smith – drums, vocals
Barry Donaghy – bass, vocals

Ray Coburn - B3 on "Tables Turning"

Producer - Harry Hess, Pete Lesperance

Big Bang Theory / Harem Scarem (1998)


0298Big Bang Theory









ハーレム・スキャーレム(Harem Scarem)のスタジオ・フルレンス5作目。メンバーは前作Believeと同じくハリー・ヘス(vo)、ピート・レスペランス(gt)、ダレン・スミス(ds)、バリー・ドナヘイ(ba)の4人です。本作も前作同様、日本盤とカナダ・ヨーロッパ盤とで収録曲が異なります。具体的にはカナダ・ヨーロッパ盤の"Wasted Time"、"Without You"、"What I Do"、"New Religion"の4曲が、日本盤では"Reload"、"Tables Turning"、"Seas of Dissension"、"Never Have It All"に差し替えられており、曲順もかなり違っています。しかし、全10曲中4曲も違うとなると、オリジナル・アルバムの意味ってなんなのだろうかと考えてしまう。たとえばツェッペリンの1枚目、万国共通で"Good Times Bad Times"から始まって"How Many More Times"で終らないとおかしいし、"Black Mountain Side"の後に"Communication Breakdown"が来るからカッコいいわけでしょ?違うかな?収録曲の選択から曲順・曲間時間の設定にまで気を遣って、ベストの答えを出した結果がオリジナル・アルバムなんじゃないの?それが作品というものでしょう。CDの時代だからとか、配信の時代だからとか、そんなことに関係なく、音楽の作り手としてのミュージシャンとはそういうものだと思うけど。各国でより売れそうなバージョンを作るとか、やたらにコンピ盤を作るとか、このバンドの姿勢にはどうしても首を傾げてしまいます。

以下は日本盤を基にしてのレビューですが、各曲ともポップでキャッチー、しかもコンパクトで聴きやすくなっています。ギターの歪み具合がやや浅くなったこともあり全体に軽快な印象。ただメロディの質が微妙に変わって、なんだか少しチープトリックみたいになったかな。なお、#7"Sometimes I Wish"は珍しくバリー・ドナヘイがリード・ボーカルを担当していますが、声がハリー・ヘスに近くて違和感ありません。

評価 ★★★☆☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. So Blind (Hess / Lesperance)
02. Climb the Gate (Hess / Lesperance)
03. Reload (Hess / Lesperance)
04. Tables Turning (Hess / Lesperance)
05. Turn Around (Hess / Lesperance)
06. Seas of Dissension (Hess)
07. Sometimes I Wish (Hess / Lesperance)
08. Never Have It All (Hess / Lesperance)
09. Lying (Hess / Lesperance)
10. In My State Of Mind (Hess)

■Personnel
Harry Hess – vocals, keyboards
Pete Lesperance – guitars, keyboards, backing vocals
Barry Donaghy – bass, backing vocals, lead vocals on "Sometimes I Wish"
Darren Smith – drums, backing vocals

Producer - Harry Hess, Pete Lesperance

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