メロディアス・ハードロック名盤探訪 別館

哀愁・叙情・爽快...メロハー、AOR、ハード・ポップ、メロディック・メタルの傑作との出会いを求めて。 メロディック・ロックのアルバムをレビューしていくブログです。

カナダ(Canada)

Perplexed in the Extreme / Emerald Rain (2001)

0344Perplexed In The Extreme









カナダのメロディアス・ハードロック・バンド、Emerald Rainの3枚目のオリジナル・アルバムです。レコーディング・メンバーはマーレイ・デイグル(Vo)、マイク・デミトロヴィック(Gt)、ショーン・グレゴリー(B)の3人は前身バンドPainからずっと同じ。ドラムはまたまたチェンジしていて、今回は正規メンバーではなく、カナダ人セッション・ドラマーのランディ・クックが参加しています。この人はリック・エメット、リー・アーロンなどの多くのアルバムでプレイしているベテランです。

サウンドのほうは今回もやっぱりHarem Scaremそっくりです。Emerald Rainが活動していた90年代後半から2000年代前半というと、本家のほうはグランジに寄ったりパワー・ポップ化したりバンド名を変えたりと迷走していたわけですが、面白いことにこのバンドは全くブレがありません。Mood Swings の頃のHarem Scaremが乗り移ったように曲を作り、ハーモニーを組み立て、プレイしています。今回も駄曲は無いし、歌唱も演奏も相変わらずの高水準だし、Harem Scarem好きのリスナーなら泣いて喜びそうな内容なんです。しかし、ここまでマネっこしながら何枚もアルバムを作り続けるモチベーションと情熱は、いったいどこから来るのでしょうか。謎です。

評価 ★★★☆☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. You
02. Open Up Your Eyes
03. Badlands
04. Wasted Time
05. Numb
06. You Do It to Yourself
07. Just Like Anyone
08. Is This Love
09. Until You're Blind
10. Live It All Again
11. Easy Come, Easy Go [Bonus Track]
All songs music & lyrics by Emerald Rain

■Personnel
Murray Daigle – Lead & Backing Vocals, Acoustic Guitars, Keyboards, Finger Cymbals
Mike Dmitrovic – Lead & Rhythm Guitars, Backing Vocals, Keyboards
Sean Gregory – Bass Guitar, Backing Vocals
Randy Cooke – Drums

Producer - Murray Daigle, Mike Dmitrovic, Sean Gregory

Live at the Siren / Harem Scarem (1998)

0335Live At The Siren









1998年リリースのHarem Scaremのライブ盤。当初は日本のみでの発売で、2010年になって米国Wounded Birdからも再発されています。全14曲中ライブ録音は12曲。4thアルバムBelieve リリース後の地元カナダでのライブということで、Believe 収録曲中心のセットリストになっています。メンバーはハリー・ヘス(vo)、ピート・レスペランス(gt)、ダレン・スミス(ds)、バリー・ドナヘイ(ba)の4人で1996年のLive in Japan と同じですが、曲が被っているのは"Change Comes Around"だけ。また、Believe(Special Edition) でカバーしていたCheap Trickの"Surrender "を再度取りあげていて、この後のバンドの路線変更の伏線とも受け取れる選曲です。オマケにスタジオ録音の新曲が2曲収録されていますが、"Tables Turning"は5thアルバムBig Bang Theory 日本盤、"New Religion"はカナダ本国盤の収録曲。バンドのサイトのディスコグラフィによると、本作よりBig Bang Theory の方が先のリリースと記されていて、「New Studio Track」という表記には「ん?」となりますが、事情はよく分かりません。

さて内容ですが、このバンドのライブ・パフォーマンスの実力の高さにはぐうの根も出ません。分厚いコーラス、適度にラフで勢いのある演奏、こりゃもう最高です。冒頭から#1"Believe"、#2"Saviors Never Cry"、#3"Die Off Hard"と強烈な3連発でノックアウト。#7"Baby With a Nail Gun"のぶっ飛び具合もスタジオ盤をはるかに凌ぎます。更にスタジオ盤ではいま一つ好みでなかった曲もライブ盤の中では何の違和感もなく楽しめました。ん~む、スタジオ盤にはいつもモヤモヤさせられるけど、やっぱりHarem Scaremはいいバンドだな~。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Believe (H.Hess / P.Lesperance)
02. Saviors Never Cry (H.Hess / P.Lesperance)
03. Die Off Hard (H.Hess / P.Lesperance)
04. Morning Grey (H.Hess / P.Lesperance)
05. Staying Away (H.Hess)
06. Honestly (H.Hess)
07. Baby With a Nail Gun (P.Lesperance)
08. Cages (H.Hess / P.Lesperance)
09. Rain (H.Hess / P.Lesperance)
10. Karma Cleansing (H.Hess / P.Lesperance)
11. Surrender (R. Nielsen)
12. Change Comes Around (H.Hess / P.Lesperance)
13. Tables Turning [New Studio Track] (H.Hess / P.Lesperance)
14. New Religion [New Studio Track] (H.Hess / P.Lesperance)

■Personnel
Harry Hess – vocals, guitars, keyboards
Pete Lesperance – guitars, vocals
Darren Smith – drums, vocals
Barry Donaghy – bass, vocals

Ray Coburn - B3 on "Tables Turning"

Producer - Harry Hess, Pete Lesperance

Big Bang Theory / Harem Scarem (1998)


0298Big Bang Theory









ハーレム・スキャーレム(Harem Scarem)のスタジオ・フルレンス5作目。メンバーは前作Believeと同じくハリー・ヘス(vo)、ピート・レスペランス(gt)、ダレン・スミス(ds)、バリー・ドナヘイ(ba)の4人です。本作も前作同様、日本盤とカナダ・ヨーロッパ盤とで収録曲が異なります。具体的にはカナダ・ヨーロッパ盤の"Wasted Time"、"Without You"、"What I Do"、"New Religion"の4曲が、日本盤では"Reload"、"Tables Turning"、"Seas of Dissension"、"Never Have It All"に差し替えられており、曲順もかなり違っています。しかし、全10曲中4曲も違うとなると、オリジナル・アルバムの意味ってなんなのだろうかと考えてしまう。たとえばツェッペリンの1枚目、万国共通で"Good Times Bad Times"から始まって"How Many More Times"で終らないとおかしいし、"Black Mountain Side"の後に"Communication Breakdown"が来るからカッコいいわけでしょ?違うかな?収録曲の選択から曲順・曲間時間の設定にまで気を遣って、ベストの答えを出した結果がオリジナル・アルバムなんじゃないの?それが作品というものでしょう。CDの時代だからとか、配信の時代だからとか、そんなことに関係なく、音楽の作り手としてのミュージシャンとはそういうものだと思うけど。各国でより売れそうなバージョンを作るとか、やたらにコンピ盤を作るとか、このバンドの姿勢にはどうしても首を傾げてしまいます。

以下は日本盤を基にしてのレビューですが、各曲ともポップでキャッチー、しかもコンパクトで聴きやすくなっています。ギターの歪み具合がやや浅くなったこともあり全体に軽快な印象。ただメロディの質が微妙に変わって、なんだか少しチープトリックみたいになったかな。なお、#7"Sometimes I Wish"は珍しくバリー・ドナヘイがリード・ボーカルを担当していますが、声がハリー・ヘスに近くて違和感ありません。

評価 ★★★☆☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. So Blind (Hess / Lesperance)
02. Climb the Gate (Hess / Lesperance)
03. Reload (Hess / Lesperance)
04. Tables Turning (Hess / Lesperance)
05. Turn Around (Hess / Lesperance)
06. Seas of Dissension (Hess)
07. Sometimes I Wish (Hess / Lesperance)
08. Never Have It All (Hess / Lesperance)
09. Lying (Hess / Lesperance)
10. In My State Of Mind (Hess)

■Personnel
Harry Hess – vocals, keyboards
Pete Lesperance – guitars, keyboards, backing vocals
Barry Donaghy – bass, backing vocals, lead vocals on "Sometimes I Wish"
Darren Smith – drums, backing vocals

Producer - Harry Hess, Pete Lesperance

Standing Alone / White Wolf (1984)

0271Standing Alone









カナダの叙情派HR/HMバンド、White Wolf(ホワイト・ウルフ)の1stアルバム。いまだにジャケットに描かれた生物は謎のままですが、中身の方はメロハー好きにとっては傑作という呼び声が高い一枚です。このバンドは80年代に2枚のアルバムを残しており、どちらもアメリカ的な乾いたイメージとは無縁で、その湿り気のあるサウンドはブリティッシュ・ハードに近いものがあります。今回取り上げる1stは、メロディ自体はキャッチーなんですが、大仰な歌唱スタイルや、硬質なリフ、全体に漂う「様式美」臭からして、かなりメタル寄りの印象。HR/HMを嫌うような人からはダサさの極みのように言われるのは間違いないでしょうが、音楽を「これはダサい」「これはイケてる」とかで判断してるような奴、流行を追って流され続けているような奴の言うことに耳を貸す必要はありません。この素晴らしさが分からないなんて可哀相ねと同情してあげましょう。収録時間は38分弱と短いですが、緊張感と叙情性に満ちた音楽世界を堪能できる名盤だと筆者は思います。

さてレコーディング・メンバーですが、ボーカルは後にドン・ウルフと名乗ることになるドン・ウィルク。鼻にかかったような声と、力みのある歌唱が田舎臭くて、好感度3割増しになりますね。ギターはカム・マクラウドで、リッチー・ブラックモア+マイケル・シェンカー÷2といったリード・ギターがたまらなくカッコいいです。この人のプレイが楽曲の叙情性を2割増しにしている感じです。この二人は2000年代に入ってWhite Wolfを再始動させることになります。他のメンバーは、リック・ネルソン(Gt)、レス・シュワルツ(B)、ロリス・ボルゾン(Ds)、プロデュースはダニー・ロウとジャック・リチャードソン。ダニー・ロウは451°やPrototypeというバンドのギタリストでもあり、その関係からかPrototypeのブラッド・ステックラー、ブライアン・アイランド、ダグ・ライリーが#4"What the War Will Bring"にバック・ボーカルで参加しています。もう一人のジャック・リチャードソンは2011年に他界していますが、カナダの著名なプロデューサーで、Guess Who、Moxy、Brighton Rockといったカナダのバンドをはじめ、世界中の数多くのアーティストの作品をプロデュースしてきた人です。

なお、本作は単独で売られているものの他に、復活後の所属レーベルであるEscapeからリリースされた2ndとのカップリング盤もありますので、それも選択肢の一つになるかと思います。

 評価 ★★★★★
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Standing Alone (MacLeod/Wilk)
02. Headlines (MacLeod/Wilk)
03. Shadows in the Night (MacLeod/Wilk)
04. What the War Will Bring (MacLeod/Wilk)
05. Night Rider (Wilk)
06. Homeward Bound (MacLeod/Wilk)
07. Metal Thunder (MacLeod/Wilk)
08. Trust Me (MacLeod/Wilk)

■Personnel
Cam MacLeod - Lead Guitar, Vocals
Don Wilk - Lead Vocals, Keyboards
Rick Nelson - Guitar, Vocals
Les Schwartz - Bass
Loris Bolzon - Drums, Vocals

Brad Steckler - Backing Vocals on #4
Brian Island - Backing Vocals on #4
Doug Riley - Backing Vocals on #4
Danny Lowe - Guitar on  #4

Producer – Danny Lowe (#1, #4, #5, #6), Jack Richardson (#2, #3, #7, #8)

Live 2K / Emerald Rain (2000)

0255Live 2K









カナダのメロハー・グループ、Emerald Rain(エメラルド・レイン)のライヴ・アルバム。スタジオ盤2枚リリース後にこのライヴ盤発表ということは、彼らがライヴ・パフォーマンスに自信を持っているということでしょう。確かに歌唱・演奏ともに破綻が無いのはもちろん、スタジオ盤以上に躍動感溢れるパフォーマンスだと感じました。収録はバンドの地元オンタリオ州のオシャワ(オタワではない)、しかも曲間の観客の声やジャケット写真から比較的小さな会場と推測され、そんなこともあってバンドと観客の一体感も感じ取れる好盤だと思います。ただし、言うだけ野暮というか、当たり前というか、本家 Harem Scaremのライヴ盤はもっと凄いけど。

収録曲は1st、2ndからバランスよく選曲され、ドラム・ソロ、Alice in Chainsのカバー"Man in the Box"を含めて全15曲とボリュームたっぷりです。Alice in Chainsのカバーは、前身であるPain時代の音を考えれば意外なようで意外ではない選曲。それにしても、さすがにこれだけ曲数が多いと、各曲の出来は良好であっても曲調のバリエーションが少ないのが気になります。CD一枚通しで聴くと、起伏に乏しく一本調子の感が否めません。このあたりも、やはり本家に及ばない点かなと思います。なお、参加メンバーは前作と同様、マーレイ・デイグル(Vo)、マイク・デミトロヴィック(Gt)、ショーン・グレゴリー(B)、カイル・ラゼンカ(Ds)の4人。プロデュースもバンド自身によるものです。

評価 ★★★☆☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Never Surrender
02. Desperate Heart
03. Heart on the Line
04. Your Disguise
05. Age of Innocence
06. Come Clean
07. High Road to Nowhere
08. Broken Saviours
09. Endless Grey
10. Don't Tell the Rain
11. Dungeon Drums (Solo)
12. Misery Loves Company
13. Take a Stand
14. No Saviour
15. Man in the Box (Layne Staley, Jerry Cantrell) [bonus track]
All songs by Murray Daigle, Mike Dmitrovic, Sean Gregory

■Personnel
Murray Daigle
Mike Dmitrovic
Sean Gregory
Kyle Lazenka

Producer - Murray Daigle, Mike Dmitrovic, Sean Gregory

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