メロディアス・ハードロック名盤探訪 別館

哀愁・叙情・爽快...メロハー、AOR、ハード・ポップ、メロディック・メタルの傑作との出会いを求めて。

イギリス(UK)

Screaming Blue Murder / Blue Murder (1994)

0247Screaming Blue Murder










1993年の日本公演を収録したブルー・マーダー(Blue Murder)のライブ・アルバム。Dedicated to Phil Lynott というサブ・タイトルがつけられ、シン・リジィの故フィル・ライノットに捧げる作品となっています。バンド・メンバーは、2ndアルバムNothin' But Trouble にクレジットされていたメンツ、マルコ・メンドーサ(Ba)、トミー・オスティーン(Ds)、そして2016年に亡くなったニック・グリーン(Key)です。収録曲は、ブルー・マーダーの1stと2ndからそれぞれ3曲、加えてフィル・ライノットとの共作・共演曲"Please Don't Leave Me"、シン・リジィのレパートリーから"Cold Sweat"と"Dancing in the Moonlight"、そしてホワイトスネイクの"Still of the Night"と、バラエティに富んだベストな選曲と言えると思います。

肝心のギターとドラムの音がやや引っ込み気味だったりして、本作の録音状態・バランスは決して良好ではありません。しかし、開演を告げるかのように長く鳴り響くキーボードに続いて、うなりをあげるジョン・サイクスのギターが聴こえた途端に、まるでライブを擬似体験しているかのような生々しい音世界に引き込まれます。ロック・コンサートはこうでなくっちゃ!!と一気にテンションが上がるんです。筆者はジョン・サイクスのギター・プレイを格別に好んでいるわけではないのですが、それでもやっぱりこのアルバムに記録された彼のライブ・パフォーマンスはカッコいいなぁ。いやー、ほんと熱いです。前述したように曲もいわばベスト盤状態なので、とにかくトコトン楽しめます。それから、特筆すべきはマルコ・メンドーサのプレイ。前任者トニー・フランクリンに勝るとも劣らないフレットレスの達人ですな、この人は。型に嵌りがちなHR/HMで、こういう縦横無尽なベースが弾けるのってのがほんとに凄い!この人をどっかから引っ張ってきたジョン・サイクスも偉い!

評価 ★★★★★
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Riot (John Sykes)
02. Cry for Love (John Sykes)
03. Cold Sweat (John Sykes, Phil Lynott)
04. Billy (John Sykes)
05. Save My Love (John Sykes)
06. Jelly Roll (John Sykes)
07. We All Fall Down (John Sykes)
08. Please Don't Leave Me (Phil Lynott, John Sykes)
09. Still of the Night (David Coverdale, John Sykes)
10. Dancing in the Moonlight (Phil Lynott) 

■Personnel
John Sykes - vocals, guitars
Marco Mendoza - bass, backing vocals
Tommy O'Steen - drums, backing vocals
Nik Green - keyboards

Producer - John Sykes

Strength of Heart / Gary Hughes (1990)

0244Strength Of Heart










Ten結成以前、ソロ・シンガー時代のゲイリー・ヒューズの1stアルバム。1989年にPolygram (Germany)からリリースされたBig Bad Wolf に3曲を追加、曲順とタイトルを変更して翌1990年Mercury/Polygram (Norway)から発売されたのがこのアルバムです。Tenの1stが1996年ですから、7年前の録音ということになりますが、声がずいぶん若くて溌剌としています。ジャケットの写真も若々しくて中々のイケメン。

さて本作は、Tenほどハードではないものの、メロディ・ライン、ボーカル・スタイルはやはりTenを思い起こさせるものとなっています。ただし、収録曲は玉石混交。#2"Only True Love Lasts Forever"、#7"Man Behind The Mask"、#9"Hammer Your Heart"などは、Tenに通じるメロディアスな佳曲ですが、ありきたりなバラード、まったく魅力の感じられないポップ・ソング、ノリの悪いロックン・ロールもあり、全体の印象はやや散漫と言わざるを得ません。サウンド的には、打ち込みを多用したエレクトロ・ポップ風なリズムに、キラキラシンセ音と歪んだギターが乗っかるというスタイル。よく言えば80年代の残り香が感じられるレトロな音、悪く言えば古臭くて陳腐な音です。

評価 ★★★☆☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Some Kind Of Evil
02. Only True Love Lasts Forever
03. Strength Of Heart
04. Bringin' All Of Your Love To Me
05. Big Bad Wolf
06. Helen's Eyes
07. Man Behind The Mask
08. Christine
09. Hammer Your Heart
10. Can't Get You Out Of My Head
11. Photograph
12. Stay
13. Vigilante
14. Helen's Eyes (Reprise)
All songs, music and lyrics written by Gary Hughes

■Personnel
Gary Hughes - Lead Vocals, Backing Vocals, Electric Guitar, Acoustic Guitar, Fretless Bass, Drum Programming
Simon Humphrey - Fretted Bass, Drum and Bass Programming
David Hewson - Keyboards, Synthesizers
Howard Smith - Additional Keyboards
Ian Kirkham - Saxophone

Producer - David Hewson, Simon Humphrey


Out Of The Silence / Dare (1988)

0228Out of the Silence










末期Thin Lizzyでキーボードを弾いていたダレン・ウォートンが率いるDareの1stアルバムです。メンバーは、後にTenのギタリストとなるヴィニー・バーンズ、同じくTenのThe Name of The Rose に参加するベースのシェリー(マーティン・シェルトン)とキーボードのブライアン・コックス、それから前後の経歴は不明ですがドラムにジェイムス・ロス。プロデュースは、エンジニア、ミキサー、プロデューサーとして数多くのメジャー・アーティストを手がけたマイク・シプリーと、自身もミュージシャンでありジャズ系のプロデュースが多いラリー・クラインが担当しています。

本作で聴ける音楽は、ジャケットのイメージそのままの、いかにもイギリスのバンドらしいウェットで叙情的なもの。ヒースやムーアといったイギリス的な荒地、霧に包まれた森、あるいは小雨に濡れたレンガ造りの家並み、そんな情景が目に浮かぶようなサウンドです。同じメロハーでも、FireHouseやTykettoのようなカラっと乾いたアメリカン・ロックの対極にある音だと思います。モノトーンを思わせるサウンド、憂いを帯びたメロディ、ダレン・ウォートンのささやくような歌唱、それらが一体化してバンドの個性となっているのが見事。時折顔をのぞかせるケルティック・メロディも、やり過ぎない程度で実にいい塩梅です。Tenではやや過剰なまでに叫び泣きまくるヴィニー・バーンズのギターも、コンパクトかつ程よく抑制されたフレーズでこれまた好印象。全体に淡白でさらっとした楽曲が多い本作の中で、割と強烈な哀愁を放つ#8"Heartbreaker"が一番耳に残るかな。いずれにしても、血湧き肉躍るようなアルバムではありませんが、聴き飽きることの無い好盤であることは間違いありません。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Abandon (Lyrics : D. Wharton / Music : D. Wharton, V. Burns)
02. Into The Fire (Lyrics & Music : D. Wharton)
03. Nothing Is Stronger Than Love (Lyrics : D. Wharton / Music : D. Wharton, V. Burns)
04. Runaway (Lyrics & Music : D. Wharton)
05. Under The Sun (Lyrics & Music : D. Wharton)
06. The Raindance (Lyrics & Music : D. Wharton)
07. King Of Spades (Lyrics & Music : D. Wharton)
08. Heartbreaker (Lyrics : D. Wharton / Music : D. Wharton, V. Burns)
09. Return The Heart (Lyrics & Music : D. Wharton)
10. Don't Let It Go (Lyrics : D. Wharton / Music : D. Wharton, V. Burns)

■Personnel
Darren Wharton - Vocals, Keyboards
Vinny Burns - Guitars
Shelley - Bass
James Ross - Drums
Brian Cox - Keyboards

Producer – Mike Shipley, Larry Klein

Nothin' But Trouble / Blue Murder (1993)

0224Nothin' But Trouble










1993年にリリースされたジョン・サイクス率いるBlue Murderの2ndアルバム。前作から4年が経過してのリリースで、その間にカーマイン・アピスとトニー・フランクリンは脱退しており、「スーパー・トリオ」としてのブルー・マーダーは既に崩壊。本作では、当時無名だったマルコ・メンドーサ(Ba)とトミー・オスティーン(Ds)がバンドの新メンバーとなっています。まあこのバンドは実質的にはジョン・サイクスのソロ・プロジェクトなわけで、リズム・セクションの交代によって路線やサウンドに大幅な変化がもたらされてはいません。しかも音を聴く限り、ほとんどの曲はカーマイン・アピスとトニー・フランクリンがプレイしているようで、少なくともリズム・トラックはかなり早い段階でレコーディングされたものと思われます。

本作も1stと同じようにThin LizzyとWhitesnakeをニコイチにしたようなサウンドが基本となっています。しかし、Small Facesのカバー#2"Itchycoo Park"や、明るめなロックン・ロール#5"Dance"、60~70年代っぽい#11"She Knows"、16ビートの#12"Bye Bye"などのため、ひたすらハードで重く暗い1stに比べるとやや印象は異なります。アメリカン過ぎるとか、散漫という声もあるようですが、ハードロックの金字塔とも言える1stと比べてしまえば、どうしても評価は厳しくなってしまいますよね。でも1曲1曲のクォリティは1stと遜色ありません。筆者としては、1stより良いとは言えないにせよ、それでもこのアルバムも十分聴き応えのある作品だと思います。特に、ジョン・サイクスのソング・ライターとしての才能を遺憾なく発揮した名曲、甘く切なく美しいソウル・バラード#7"Save My Love"の素晴らしさといったらありません。それから、1曲だけケリー・キーリング(ex-Baton Rouge)が歌っている#6"I'm on Fire"も、ハードロックのカッコよさと熱さが詰まった名曲、名パフォーマンス。いや~、いいアルバムですよ、やっぱり。中古CD屋で投売りされているのを見ると悲しくなりますが、誰でもこの名作を手に入れやすいってことでポジティヴに考えることにします。

評価 ★★★★★
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. We All Fall Down (John Sykes)
02. Itchycoo Park (Ronnie Lane, Steve Marriott)
03. Cry for Love (John Sykes)
04. Runaway (John Sykes)
05. Dance (John Sykes)
06. I'm on Fire (John Sykes)
07. Save My Love (John Sykes)
08. Love Child (John Sykes)
09. Shouldn't Have Let You Go (John Sykes)
10. I Need an Angel (John Sykes)
11. She Knows (John Sykes)
12. Bye Bye [Japanese Bonus Track] (John Sykes)

■Personnel
John Sykes - vocals, guitars
Marco Mendoza - bass
Tommy O'Steen - drums, backing vocals
Nik Green - keyboards

Kelly Keeling - lead vocals on track 6, backing vocals
Tony Franklin - bass
Carmine Appice - drums
Jim Sitterly - violin

Producer - John Sykes

Once Bitten...Twice Shy / SHY (1983)

0212Once Bitten Twice Shy










NWOBHM末期にデビューしたバーミンガム出身のSHYの1stアルバム。元々Trojanというバンドを組んでいたスティーヴ・ハリス(Gt)、パディ・マッケンナ(Key)、マーク・バドリック(B)、アラン・ケリー(Ds)に、トニー・ミルズ(Vo)が加わり、バンド名をSHYに変えてバンドはスタートします。メンバー脱退、活動停止、再結成などの紆余曲折を経て、2011年リーダーであるスティーヴ・ハリスの病死により、SHYが終焉を迎えたのはまだ記憶に新しいところです。オリジナルLPはEbony Recordsというインディーズ・レーベルからリリースされ、レコーディングもEbony Records所有のスタジオで行なわれています。プロデュースはEbony Recordsのオーナーであるダリル・ジョンストン。Neat Metalレーベルによって1998年に初CD化され、ボーナス・トラックとして"All on You"を追加、日本盤には加えて"Throwing It All Away"も追加収録されています。

インディーズということで、またジャケットの酷さからも想像がつくように、音質はかなり悪いです。ギリギリの予算で作られた感がモロに出ています。特にギターの音の汚さには萎えます。演奏は全体にバタバタしてせわしなく、楽曲の練り込みも不十分。ただし、それらを補って余りあるのはバンドの「勢い」です。未熟で荒削りとしか言いようのないアルバムなのですが、その若さほとばしる「勢い」に何故か感動してしまいます。NWOBHMにカテゴライズされるバンドとしては、Praying Mantisと並んでメロディアスさが際立っており、後年の完成度には程遠いものの、メロハー好きならぜひ聴いておきたい作品でしょう。ただ、現在は廃盤のため高値となってしまっており、ぜひ再発をお願いしたいところです。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Deep Water (Steve Harris)
02. Take It All The Way (Steve Harris, Paddy McKenna)
03. Give Me A Chance (Alan Kelly)
04. Think Of Me (Steve Harris)
05. Tonight (Steve Harris)
06. Chained By Desire (Steve Harris, Tony Mills)
07. Reflections (Steve Harris)
08. Once Bitten, Twice Shy (Steve Harris, Tony Mills)
09. All On You [Bonus Track] (Steve Harris)
10. Throwing It All Away [Japanese Bonus Track] (Steve Harris)

■Personnel
Tony Mills - vocals
Alan Kelly - drums
Steve Harris - lead guitar
Paddy McKenna - keyboards
Mark Badrick - bass

Producer – Darryl Johnston


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