メロディアス・ハードロック名盤探訪 別館

哀愁・叙情・爽快...メロハー、AOR、ハード・ポップ、メロディック・メタルの傑作との出会いを求めて。

イギリス(UK)

Snakecharmer / Snakecharmer (2013)

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元Whitesnakeのミッキー・ムーディ(Gt)、ニール・マーレイ(Ba)、元Wishbone Ashのローリー・ワイズフィールド(Gt)、Heartlandのクリス・ウーズィー(Vo)、Thunderのハリー・ジェイムズ(Ds)、そしてリック・ウェイクマンの息子でBlack Sabbathなどでプレイしているアダム・ウェイクマン(Key)という、錚々たる顔ぶれによって結成されたSnakecharmerの1stアルバム。バンド名から分かるように、初期Whitesnakeを支えたメンバーがやってきた一連の「スネイクなんちゃら」というバンドの最新版ですね。もういい加減「スネイク」は卒業すればいいのにと思いますが、いかがなものでしょうか。あと、ローリー・ワイズフィールドがまだ現役だったのには驚きました(失礼)。音のほうは、初期WhitesnakeやBad Companyなどを髣髴とさせるもの。つまりブルース、R&Bに根ざした伝統的なブリティッシュ・ハードロック以外の何物でもありません。1970年代にはブリティッシュ・ブルース出身のミュージシャンがワンサカいて、こういうサウンドはありふれていたわけですが、今となっては逆に新鮮に感じてしまいます。まあとにかく嬉しい作品です。

まず、クリス・ウーズィーが素晴らしい。奇をてらったところが全くないシンプルでナチュラルなブルース・ロックこそがやはりこの人にはピッタリで、水を得た魚のように伸び伸びとした歌唱を披露しています。いや~、Heartlandを聴くたびに感じていたモヤモヤが嘘のよう。渋くてブルージーなのに何故かHeartlandよりメロディアスに感じられるのが不思議です。もっと早くこのメンツでやって欲しかったなぁ。ミッキー・ムーディとローリー・ワイズフィールドのギターもいい感じです。ほとんどペンタトニック一発勝負。タッピングでピロピロとかアーミングとかも一切やってません。リズム・セクションもキーボードもさすがに安定感抜群で文句の付けようがないです。メンバーの皆さんは結構高齢者も多いので、もう余計なことはしないでこのバンドに集中してアルバム制作してほしいし、できればツアーもやってもらいたいですね。

評価 ★★★★★
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. My Angel (Moody, Ousey, Wisefield)
02. Accident Prone (Wisefield, Ousey)
03. To The Rescue (Wisefield, Ousey)
04. Falling Leaves (Wisefield, Ousey)
05. A Little Rock & Roll (Ousey, Moody, Wherry, Moody)
06. Turn Of The Screw (James, Moody, Murray, Ousey, Wakeman, Wisefield)
07. Smoking Gun (Moody, Ousey)
08. Stand Up (James, Ousey)
09. Guilty As Charged (Wisefield, Ousey)
10. Nothing To Lose (James, Moody, Murray, Ousey, Wakeman, Wisefield)
11. Cover Me In You (Ousey, Moody, Wherry, Moody)
12. White Boy Blues [Bonus Track] (Moody, Ousey)

■Personnel
Chris Ousey - Lead Vocals
Micky Moody - Guitars, Vocals
Laurie Wisefield - Guitars, Vocals
Adam Wakeman - Hammond Organ, Keyboards
Neil Murray - Bass
Harry James - Drums

Gareth Roberts - Additional Percussion

Producer - Snakecharmer

Demorabilia / Praying Mantis (1999)

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Praying Mantisのデビュー20周年を記念して日本で企画・リリースされたコンピレーション盤。いまだに日本盤しか出ていないと思われます。中身は、1981年の1stアルバムTime Tells No Lies と1991年の2ndPredator In Disguise の間の空白期間に制作されたデモ音源集です。具体的には、1981年8月録音の旧メンバーでの幻の2ndアルバム用音源から、1983年11月録音のバーニー・ショウとクライヴ・バー参加の新バンドEscapeのデモまで、2枚のCDに全27曲が収録されています。録音時期、録音場所も多岐に渡り、またクォリティにバラつきがありますが、StratusのThrowing Shapes とともにバンドのミッシングリンクを埋める貴重な音源集と言えるもの。年代順に収録されていないのが難点と言えば難点ですが、トロイ兄弟による懇切丁寧な解説があるので年代を追いかけながら聴くことも可能です。ああ、この曲はあの曲の原曲だなとか、このキメはあの曲でも出てくるなとか、聴いていると色々気付くのも楽しい。80年代初頭のステージ写真満載のブックレット、ティノ・トロイが書き記した詳細なバンド系譜図という嬉しいオマケまで付いてきて、熱心なプレマン・ファンなら必ず入手して家宝にしているであろう作品集だと思います。逆に言えば、そこまで熱心なファンでなければ、他に聴くべきものはあるということになりますが。

評価 ★★★☆☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
disc 1
01. One Of These Days
02. Wasted Love
03. Fantasy
04. Woman Of The Night
05. I Don't Take Prisoners
06. Born Evil
07. The Horn
08. Top Of The Mountain
09. All Over Again
10. Romancer
11. Your Number
12. Give Me A Reason
13. Heartache
disc 2
01. A Question Of Time
02. I Need Your Loving
03. Battle Royal
04. Time Slipping Away
05. Got To Get It
06. Over And Over
07. Never Say No
08. Heat Of The Moment
09. Whose Life Is It Anyway?
10. Enough Is Enough
11. Raining In Kensington
12. Nightmares
13. Give Me A Reason
14. The Story

■Personnel
Bernie Shaw - Lead vocal
Tom Jackson - Lead vocal
Tino Troy - Guitar, Keyboards
Steve Carroll - Guitar, Lead vocal
Chris Troy - Bass, Lead vocal
Clive Burr - Drums
Dave Potts - Drums
Don Garbett - Keyboards
Jon Bavin - Keyboards
 

Last Tiger / Change of Heart (2016)

0310Last Tiger









イギリスのメロハー・バンド、Change of Heartの4枚目のアルバム。なんと前作から11年ぶりのリリースです。もうあきらめていただけに、ネットで見かけたときは嬉しかったですね。即注文しました。日本盤ライナーノーツによると、バンドは解散状態で本作はリーダーのアラン・クラークのソロ・プロジェクトとして発表される予定でしたが、Escape Musicレーベルの親分カリル・タークからの勧めでChange of Heartの復活作としてレコーディング、リリースされたようです。また、バンド・メンバーとしてクレジットのあるミュージシャンはアルバム完成後に加入したもので、実際のレコーディングはアラン・クラークの他、ゲストとしてクレジットされたポール・ヒューム、ニール・オグデン、サム・オグデン、ジョン・テイラーで行なわれたとのことです。ポール・ヒュームとニール・オグデンはLawless、Demonのメンバーで、ポール・ヒュームは本作のプロデューサーも務めています。

アラン・クラークと言えば、スティーヴ・オーヴァーランドとクリス・ウーズィーを合わせたような声質と歌唱で、明るい歌でも悲しげに聞こえてしまうという稀有な個性が特徴でした。本作はその持ち味を全面に押し出しています。以前あったアメリカン・ロックっぽい曲は無くなり、ほぼ全曲マイナー・キーでスロー~ミドル・テンポという、過剰なまでに「哀愁」にこだわった作品となっています。いや「哀愁」とか「叙情」とかいうレベルを超えて、「悲哀」をまき散らすという感じでしょうか。この重厚さ、湿り気、哀しさは、まさにブリティッシュ・ハードロックの真髄だと強く感じます。バンドもみな上手いです。特にどっしりしたドラムは聴き応えがあります。ギターは現代風というのか、ちょっとピロピロし過ぎな感じで、もっと音数少なく泣きまくってくれたら最高なのですが、まあ贅沢言っても仕方ありません。とにかく、昔ながらのブリティッシュ・ロック好きなら絶対外すことのできないアルバムでしょう。

なお、ボーナストラックの#12"Out In The Cold"はAOR風の佳曲なので、買うならこれが聴ける日本盤をお薦めします。

評価 ★★★★★
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Rise To The Challenge
02. Wayward Son
03. Roads Of My Life
04. March Of Souls
05. Holy Days
06. Touch Your Soul
07. Hold Onto Love
08. Last Tiger
09. Stone Cold (In Your Eyes)
10. Silent Rage
11. Only Tomorrow
12. Out In The Cold [Japan Bonus Track]

■Personnel
Alan Clark - lead vocals, guitar
Nick Catterick - lead guitar, vocals
John Sykes - keyboards, vocals
Jeff Hopkins - bass, vocals

Paul Hume - all guitars, backing vocals
Sam Ogden - all drums except #11, #12
Neil Ogden - drums #11, #12
John Taylor - all bass, keyboards

Producer - Paul Hume
Executive Producer - Khalil Turk

Calm Before The Storm / Dare (1998)

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元Thin Lizzyのキーボード奏者ダレン・ウォートンが率いる叙情派メロハーバンドDare、その7年ぶりの復活作となった3rdアルバムです。以前の作品は大手のA&Mから出ていましたが、今回はドイツのメロハー/AORレーベルMTMからのリリースです。ちょっと変な方向に行きかけた2ndアルバムと打って変わって、本作ではバンドの原点である1stの路線に回帰し更に徹底させて、まごうことなき傑作に仕上げていると感じました。Calm Before The Storm=「嵐の前の静けさ」というタイトル通り、緊張感を孕んだ静寂といったものを感じさせる楽曲と演奏が実に見事。冷涼でウエットな空気感、仄かに漂うケルト・ミュージックの香り、ちょっと映画音楽のような曲展開、まさにジャケットのイメージ通りの音です。これこれ、これを待っていたんだよ。全体を通してスロー~ミドル・テンポで曲調も似通っており、普通ならもっとバリエーションが欲しいと感じるところですが、本作に関してはこれが正解だと思います。いや~素晴らしい。名盤決定です!

バンドはダレン・ウォートン以外は全て新メンバーで、アンディ・ムーア(G)、ジュリアン・ガードナー(Ds)、マーティン・ワイルディング(B)がメンバーとしてクレジットされています。新ギタリストのアンディ・ムーア、この人がまた素晴らしい。透明感があって柔らかなトーンがとても魅力的。そして、むせび泣くようなフレーズがダレン・ウォートンのウィスパー・ボイスに絡みつき、聴き手の涙腺を刺激するのです。このバンドの音世界にピッタリ合うギタリストをよく見つけてきましたね~。他にadditional musicianとしてボーカルにスー・クイン、アコースティック・ギターとバック・ボーカルにリチャード・デュース、ドラムスにケヴィン・ホワイトヘッドがクレジットされています。

#9"Still In Love With You"はThin Lizzyの1974年のアルバムNightlifeに収録曲されていた名曲です。もちろん当時のThin Lizzyにダレン・ウォートンは在籍していませんが、古巣のThin Lizzyとフィル・ライノットへの敬意と愛情を込めたカバーでしょう。オリジナルはフィル・ライノットとフランキー・ミラーのデュエットで、リード・ギターはゲスト扱いのゲイリー・ムーア。思えばフィル・ライノットとゲイリー・ムーアは既に鬼籍に入り、フランキー・ミラーは長きに渡る闘病生活を続けています。時の流れを感じてしまいますね。。。

評価 ★★★★★
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Walk On Water (Lyrics & Music: D. Wharton)
02. Someday (Lyrics & Music: D. Wharton/R. Dews)
03. Calm Before The Storm (Lyrics & Music: D. Wharton)
04. Ashes (Lyrics: D. Wharton  Music: D. Wharton/R. Dews)
05. Crown Of Thorns (Lyrics: D. Wharton  Music: D. Wharton/R. Dews)
06. Silence Of Your Head (Lyrics & Music: D. Wharton)
07. Rising Sun (Lyrics & Music: D. Wharton)
08. Rescue Me (Lyrics: D. Wharton  Music: D. Wharton/R. Dews)
09. Still In Love With You (Lyrics & Music: P. Lynott)
10. Deliverance (Lyrics & Music: D. Wharton)
11. Run To Me [Bonnus Track] (Lyrics & Music: D. Wharton)

■Personnel
Darren Wharton - Vocals, Keyboards
Andrew Moore - Guitars
Julien Gardner - Drums
Martin Wilding - Bass

Sue Quinn - Vocals
Richie Dews - Acoustic Guitar, Backing Vocals
Kevin Whitehead - Drums

Producer - Darren Wharton

Gary Hughes / Gary Hughes (1992)

0306Gary Hughes










Tenのリーダーでボーカリストのゲイリー・ヒューズが、まだソロで活動していた時代にリリースした2枚目のアルバムです。前作よりハードロック色が強まり、よりTenに近いサウンドとなっています。とは言ってもTenを特徴付けるウェットな叙情性はまだそれほど色濃くはなく、収録曲の半分ほどはアメリカン・ハードロックっぽい雰囲気。そんな中で、センチメンタルなバラード#3"I Won't Break Your Heart"、ブリティッシュ・ブルース・ロックの伝統を感じさせる#4"Blonde Angel '93"、ブルージーな哀愁バラード#7"Till The Rivers Run Dry"、これもブルース・ロック色の強い#11"Renegade"あたりは、Tenのアルバムに入っていてもおかしくないタイプの曲です。バックのミュージシャンはあまり聞いたことのない名前ばかりですが、ギター・ソロは速弾きに走らずいい感じで泣いていて筆者としては好印象。総じてTenのファンや、ゲイリー・ヒューズのボーカルが好きという人なら十分楽しめるアルバムではないかと思います。

なお、後年3作目のPrecious Onesとのカップリング盤も発売され、こちらにはボーナス・トラックとして"Look At The Rain"が収録されています。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. This Thing Of Beauty
02. Seducer
03. I Won't Break Your Heart
04. Blonde Angel '93
05. Suspendered Animation
06. It Must Be Love
07. Till The Rivers Run Dry
08. Criminal
09. We Walk With Angels
10. Now Or Never
11. Renegade
12. Look At The Rain [Bonus Track]
All songs, music and lyrics by Gary Hughes

■Personnel
Gary Hughes - Vocals. Guitars, Bass
Aziz Ibrahm - Guitars
Lee Revill - Guitars
Gary Frankland - Bass
Steve Steadman - Bass
David Hewson - Keyboards
Howard Smith - Keyboards
Darren Lamberron - Drums
Darren Wilcock - Drums
Steve Frankland - Drums

Producer - Gary Hughes, Simon Humphrey

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