メロディアス・ハードロック名盤探訪 別館

哀愁・叙情・爽快...メロハー、AOR、ハード・ポップ、メロディック・メタルの傑作との出会いを求めて。 メロディック・ロックのアルバムをレビューしていくブログです。

イギリス(UK)

Loveland / John Sykes (1997)

0375Loveland









ジョン・サイクスの既発アルバムに収録されなかった曲を中心に、バラードだけを集めた編集盤。録音時期がまちまちなので、本人以外のメンバーは曲によって異なっています。バラード集ということであまり食指が動かなかったのですが、聴いてみるとこれがまた素晴らしいアルバムでした。この前後に発表された作品よりむしろこっちの方がいいです。まずなんと言っても曲が粒選りで名曲・佳曲が目白押し状態。ジョン・サイクスのコンポーザーとしての優秀さがよく分かります。もちろんボーカルもいいです。ギター・ソロが少ないのが玉に瑕ですが、歌ものと割り切ればあまり気になりません。

01. Everything I Need (Sykes)
メロディも歌唱もギターもロマンチックでセンチメンタル、思わずうっとりしてしまいます。ジョン・サイクスのメロディ・メイカーとしての能力の高さが遺憾なく示された名曲。

02. Didn't We Say (Sykes)
ピアノとストリングスをバックに美しいメロディが展開されます。甘美なギター・ソロにも胸キュンです。

03. Don't Hurt Me This Way (Please Don't Leave Me '97) (Lynott, Sykes)
もはや説明不要のフィル・リノットとの共作曲。オリジナルから15年の歳月を経て蘇りました。フィル・リノットのボーカルはオリジナルのまま、それ以外は再録音されています。ハーモニー・ボーカルがジョン・サイクス自身に挿し代わっているのがミソ。

04. Hold the Line (Sykes)
Beatlesを思わせる静かな小品。マルコ・メンドーサと思われるフレットレス・ベースが印象的です。

05. Thank You for the Love (Sykes)
少しアメリカンな雰囲気の曲。メロディ・ラインの展開がドラマチックです。

06. Wuthering Heights (Sykes)
ミステリアスなメロディといい、コーラスといい、ストリングスといい、これは丸っきりBeatles風ですね。

07. Till the Day I Die (Sykes, Alessandroni)
ナチュラルで素朴なメロディが素晴らしい。ギターの官能的なフレーズ、艶のある音色も最高です。

08. Haunted (Sykes)
このアルバムの中では一番ロックっぽさのある曲。やはりフレットレス・ベースがいい味を出しています。叫ぶようなギター・ソロもカッコいい!

09. I'll Be Waiting (Sykes)
美しく切ないメロディが印象に残る静かな曲。ジョン・サイクスがピアノの弾き語りをしているような絵が浮かびますが、彼が弾いている訳ではないんですよね。

10. Don't Say Goodbye (Sykes)
ジョン・レノンへの敬愛の念を表した曲。アレンジもBeatles風だし、歌詞にBeatlesの曲名がたくさん出てきます。この曲だけトニー・フランクリンがベースを弾いていますが、やっぱりさすがにカッコいいです。

 評価 ★★★★★
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Personnel
John Sykes - Lead Vocals, Guitars
Philip Lynott - Lead Vocals on #3
Alex Alessandroni - Keyboards, Piano
Jamie Muhoberac - Keyboards, Piano
Marco Mendoza - Bass
Reggie Hamilton - Bass
Abe Laboriel Jr. - Drums
Curt Bisquera - Drums
Tommy O'Steen - Drums on #8
Jim Sitterly - First Violin Concert Master
Kavan - Cello

Tony Franklin - Bass on #10
Nick Green - Keyboards on #10

Producer - John Sykes

Self Defence / Ozone (2015)

0364Self Defence









FMのスティーヴ・オーヴァーランドと、Heartlandのクリス・ウーズィーという英国メロディック・ロックを代表するボーカリスト2人と、メロディック・ロック界のキーパーソンでもあるギタリストのマイク・スラマーとトミー・デナンダー、この4人がタッグを組んだハードロック・プロジェクトOzoneのアルバム。このメンツはすごい!ウーズィー、スラマー、デナンダーの組み合せは2011年のクリス・ウーズィーのソロ作Rhyme & Reasonで実現していましたが、そこにスティーヴ・オーヴァーランドが上乗せされてツイン・ボーカルですからね。昔の言い方だと文字通りの「スーパー・グループ」です。当然リリース後すぐに手に入れましたが、一聴して「ん?」となりました。繰り返して聴いても耳に馴染んできません。何種類もの具が乗った豪華な海鮮丼より、結局単品で食ったほうが旨いということでしょうか。

日本国内盤(Rubicon Music)に入っているマイク・スラマーとクリス・ウーズィーのインタビューには、ザックリしたアルバム制作の手順が示されています。それによると、マイク・スラマーとトミー・デナンダーがそれぞれカラオケ・トラックを作成、それをクリス・ウーズィーとスティーヴ・オーヴァーランドにネット送信、それぞれが歌詞と歌メロを作ってボーカル・トラックを録音、プロデューサーのマイク・スラマーがトラックの取捨選択をして曲にまとめるというものです。いかにもレコーディングだけのためのプロジェクトという感じです。パーマネントなバンド活動が難しいメロハーの分野では、今はこういう手法は普通なのでしょう。問題は、マイク・スラマーとトミー・デナンダーの作った曲がゴージャスかつスタイリッシュで泥臭さやブルース味は皆無、一方クリス・ウーズィーとスティーヴ・オーヴァーランドはその真逆の個性が売りであること。それは分かっていて敢えてチャレンジしたのでしょう。しかしながら結局いわゆる化学反応は起きなかったみたいです。そうは言ってもそこはトップクラスの実力者が結集しているわけで、決して駄作にはなっていないのが逆に凄いと思いました。このアルバムが売れたら次があるかも的なことがインタビューに乗っていましたが、どうやら2枚目は無さそうな気配です。

評価 ★★★☆☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Shadow on the Sun
02. Visionary Man
03. Self Defence
04. Once in a Lifetime
05. Practice What You Preach
06. How Evolved Are We
07. Smile Before You Lie
08. Save My Soul
09. Destiny
10. Tiger by the Tail
11. Let the Good Will Out
12. So Blind
Bonus Track for Japan
13. Visionary Man
All songs written by Chris Ousey, Steve Overland, Mike Slamer, Tommy Denander
except  "How Evolved Are We" by Christian Wolff, Chris Ousey

■Personnel
Chris Ousey - Lead & Backing Vocals
Steve Overland - Lead & Backing Vocals
Mike Slamer - Guitars, B3 Organ, Keyboards, Bass
Tommy Denander - Guitars, Keyboards, Bass
Ronnie Platt - Backing Vocals
Billy Greer - Backing Vocals
Billy Trudel - Backing Vocals
Kerry Denton - Drums
Christian Wolff - Guitars, Keyboards on "How Evolved Are We"
Erik Sabo - B3 Organ

Producer - Mike Slamer
Executive Producer - Khalil Turk
 

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Nowhere to Hide / Praying Mantis (2000)

0354Nowhere To Hide









イギリスのメロディアス・ハードロック・バンドPraying Mantisの6枚目のオリジナル・アルバム。前作Forever in Time で起用されたトニー・オホーラが引き続きボーカルを担当しており、同じボーカリストが2枚連続して歌うプレマン初の作品となっています。他のメンバーも不動のラインナップで、ティノ・トロイ(g)、クリス・トロイ(b)、デニス・ストラットン(g)、ブルース・ビスランド(ds)、プロデュースはデニス・ストラットンのバンドLionheartのメンバーだったスティーヴ・マンが務めています。

Praying Mantisは大好きなバンドなのですが、これまでの名作と比べるとやや失速気味と感じてしまいました。プレマンらしい叙情的なメロディはふんだんに詰め込まれているものの、曲の構成に不安を感じたり、メロディの繋がりにちょっとした違和感があったり、いま一つ歯車がかみ合っていない印象があるのです。更に、テンポや曲調が似通っている点、ギターのミュート音でリフを刻むパターンが多すぎる点も気になります。今までは気にならなかった6分を超える長尺の曲も、冗長に感じてしまう場面がありました。しかし、そうは言ってもそこはプレマン、良い曲はもちろんあります。特に#5"Future of the World"は本作のハイライトとなる名曲でしょう。メロディ・ラインも、インスト・パートの組み立てもまさにパーフェクト。ただ、これがデニス・ストラットン作というのが、バンドの中核たるトロイ兄弟の不調を何より象徴的に示していると思うのです。サウンド・プロダクション的には、今回なぜかドラムの音が小さくてパンチに欠けるのもマイナス・ポイント。そのせいかいつもよりベースが前に出ていて、クリス・トロイのプレイヤーとしての力量の高さがよく分かるは良かったです。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Nowhere to Hide (music C. Troy/T. Troy - lyrics C. Troy)
02. Cruel Winter (music C. Troy/T. Troy - lyrics C. Troy)
03. The Clocktower (music C. Troy - lyrics C. Troy)
04. Can't Stop the Fire (music C. Troy - lyrics D. Stratton)
05. Future of the World (music D. Stratton - lyrics D. Stratton)
06. Whenever I'm Lost (music D. Stratton - lyrics D. Stratton)
07. You'll Never Know (music C. Troy - lyrics C. Troy)
08. River of Hope (music C. Troy/Bisland/O'Hora/T. Troy/Stratton - lyrics C. Troy)
09. S.O.S. (music T. Troy/C. Troy - lyrics T. Troy)

■Personnel
Dennis Stratton - Guitars, Backing Vocals
Tino Troy - Guitars, Backing Vocals, Keyboards
Tony O'Hora - Lead and Backing Vocals
Bruce Bisland - Drums, Percussion, Backing Vocals
Chris Troy - Bass Guitar, Backing Vocals, Keyboards

Joe Di Libero - Additional Backing Vocals

Producer - Steve Mann, Tino Troy
 

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Babylon / Ten (2000)

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イギリスのメロディアス・ハードロック・バンドTenの5thアルバム。バンド・メンバーとしてクレジットされているのは、リーダーのゲイリー・ヒューズ(vo)の他、ヴィニー・バーンズ(gt)、ジョン・ハリウェル(gt)、スティーヴ・マッケンナ(ba)、グレッグ・モーガン(ds)の5人。キーボードのジェド・ライランズが抜け、替わりにゲストとしてドン・エイリー(!)が参加しています。本作はコンセプト・アルバムということで、内容は「世界大戦後の近未来で恋人を殺された男の復讐劇」というストーリーだそうです。ちょっとマンガチックなお話だし、ジャケットもダサ過ぎ。まあ、テーマやコンセプトがあっても別に構わないのですが、曲間のセリフ(ナレーション?)は勘弁して欲しい。音楽だけ聴きたいリスナーにとって、いちいちセリフが入るのはなんとも邪魔です。

音の方はいつもながらのTenで、そこは安定しています。ブルージーで叙情的なメロディとブリティッシュ・バンドらしいサウンドが堪能できます。ゲイリー・ヒューズの憂いを帯びた歌声、ヴィニー・バーンズのエモーショナルなギター、今回も実に素晴らしいです。楽曲も概ね佳曲揃いと言えると思います。ただし、MSG"Into the Arena"クリソツな#9"Thunder in Heaven"はいただけない。なんでよりによってあんな有名曲をパクるの。それから#10"Valentine"の出だしは「ゴッドファーザー 愛のテーマ」じゃん。暴走族か。最初聴いたとき吹き出してしまいましたよ。極めつけは、リリース直前に収録曲から外されたという"Dawn Star"。再発盤にはボーナスとして収録されているのですが、これのリフは丸っきりパープルの"Burn"です。元々Tenの曲はなんとなくどこかで聴いたことある感が漂っているのが多いとは言え、今回は度を越しているというか余りに稚拙かな。というわけで、「セリフ入り」「パクリ過ぎ」で残念ながら減点2です。

評価 ★★★☆☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. The Stranger
02. Barricade
03. Give in This Time
04. Love Became the Law
05. The Heat
06. Silent Rain
07. Timeless
08. Black Hearted Woman
09. Thunder in Heaven
10. Valentine
All songs written by Gary Hughes,

■Personnel
Gary Hughes – vocals
Vinny Burns – guitars
John Halliwell – guitars
Steve McKenna – bass guitar
Greg Morgan – drums

Don Airey - keyboards

Producer - Gary Hughes 


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I Don't Wanna Live My Life Like You / Sykes (1995)

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ジョン・サイクスの名を冠したバンドSykesが日本限定でリリースしたEP。バンドのメンバーは、マルコ・メンドーサ(Ba)、トミー・オスティーン(Ds)、ニック・グリーン(Key)です。タイトル曲はアルバムOut of My Tree 収録曲ですが、その他にライヴ音源が3曲収録されているのでこれはぜひ聴いておきたいところでしょう。たった3曲とは言え、同じメンバー(Blue Murder名義)でのScreaming Blue Murder に勝るとも劣らない熱いパフォーマンスは圧巻です。特にやっぱりマルコ・メンドーサのプレイは凄い!ただし、その3曲中2曲がアコースティック・ナンバーというのが残念。どうせならジョン・サイクスがエレキで弾きまくるのを聴きたいというのが人情というもの。

なんてボヤいていたら、なんと今月(2020年7月)にこのEPと同じライブを完全収録したアルバムがリリースされました!このライブは1995年6月23日にLA近郊サンタアナ(Santa Ana)のGalaxy Theatreで開催されたテレビ&ラジオ用プロモーション・コンサートで、映像は日本では当時WOW WOWで放送されたとのことです。この時のFMラジオ放送用のマスターが見つかりCDとしてリリースされることになったらしいのです。その上、Blue Murderの1989年来日公演(東京)のライブ盤まで同時に出ました。ずいぶん長い間音沙汰の無いジョン・サイクスですが、この2タイトルのリリースにはまさに嬉しい悲鳴です!

 評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. I Don't Wanna Live My Life Like You
02. Jelly Roll (Live)
03. She Knows (Live)
04. Standing at the Crossroads (Live)
All songs written by John Sykes

■Personnel
John Sykes - Guitar and Lead Vocals
Marco Mendoza - Bass and Vocals
Tommy O'Steen - Drums and Vocals 
Nick Green - Keyboards


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