メロディアス・ハードロック名盤探訪 別館

哀愁・叙情・爽快...メロハー、AOR、ハード・ポップ、メロディック・メタルの傑作との出会いを求めて。

イギリス(UK)

Last Tiger / Change of Heart (2016)

0310Last Tiger









イギリスのメロハー・バンド、Change of Heartの4枚目のアルバム。なんと前作から11年ぶりのリリースです。もうあきらめていただけに、ネットで見かけたときは嬉しかったですね。即注文しました。日本盤ライナーノーツによると、バンドは解散状態で本作はリーダーのアラン・クラークのソロ・プロジェクトとして発表される予定でしたが、Escape Musicレーベルの親分カリル・タークからの勧めでChange of Heartの復活作としてレコーディング、リリースされたようです。また、バンド・メンバーとしてクレジットのあるミュージシャンはアルバム完成後に加入したもので、実際のレコーディングはアラン・クラークの他、ゲストとしてクレジットされたポール・ヒューム、ニール・オグデン、サム・オグデン、ジョン・テイラーで行なわれたとのことです。ポール・ヒュームとニール・オグデンはLawless、Demonのメンバーで、ポール・ヒュームは本作のプロデューサーも務めています。

アラン・クラークと言えば、スティーヴ・オーヴァーランドとクリス・ウーズィーを合わせたような声質と歌唱で、明るい歌でも悲しげに聞こえてしまうという稀有な個性が特徴でした。本作はその持ち味を全面に押し出しています。以前あったアメリカン・ロックっぽい曲は無くなり、ほぼ全曲マイナー・キーでスロー~ミドル・テンポという、過剰なまでに「哀愁」にこだわった作品となっています。いや「哀愁」とか「叙情」とかいうレベルを超えて、「悲哀」をまき散らすという感じでしょうか。この重厚さ、湿り気、哀しさは、まさにブリティッシュ・ハードロックの真髄だと強く感じます。バンドもみな上手いです。特にどっしりしたドラムは聴き応えがあります。ギターは現代風というのか、ちょっとピロピロし過ぎな感じで、もっと音数少なく泣きまくってくれたら最高なのですが、まあ贅沢言っても仕方ありません。とにかく、昔ながらのブリティッシュ・ロック好きなら絶対外すことのできないアルバムでしょう。

なお、ボーナストラックの#12"Out In The Cold"はAOR風の佳曲なので、買うならこれが聴ける日本盤をお薦めします。

評価 ★★★★★
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Rise To The Challenge
02. Wayward Son
03. Roads Of My Life
04. March Of Souls
05. Holy Days
06. Touch Your Soul
07. Hold Onto Love
08. Last Tiger
09. Stone Cold (In Your Eyes)
10. Silent Rage
11. Only Tomorrow
12. Out In The Cold [Japan Bonus Track]

■Personnel
Alan Clark - lead vocals, guitar
Nick Catterick - lead guitar, vocals
John Sykes - keyboards, vocals
Jeff Hopkins - bass, vocals

Paul Hume - all guitars, backing vocals
Sam Ogden - all drums except #11, #12
Neil Ogden - drums #11, #12
John Taylor - all bass, keyboards

Producer - Paul Hume
Executive Producer - Khalil Turk

Calm Before The Storm / Dare (1998)

0308Calm Before The Storm










元Thin Lizzyのキーボード奏者ダレン・ウォートンが率いる叙情派メロハーバンドDare、その7年ぶりの復活作となった3rdアルバムです。以前の作品は大手のA&Mから出ていましたが、今回はドイツのメロハー/AORレーベルMTMからのリリースです。ちょっと変な方向に行きかけた2ndアルバムと打って変わって、本作ではバンドの原点である1stの路線に回帰し更に徹底させて、まごうことなき傑作に仕上げていると感じました。Calm Before The Storm=「嵐の前の静けさ」というタイトル通り、緊張感を孕んだ静寂といったものを感じさせる楽曲と演奏が実に見事。冷涼でウエットな空気感、仄かに漂うケルト・ミュージックの香り、ちょっと映画音楽のような曲展開、まさにジャケットのイメージ通りの音です。これこれ、これを待っていたんだよ。全体を通してスロー~ミドル・テンポで曲調も似通っており、普通ならもっとバリエーションが欲しいと感じるところですが、本作に関してはこれが正解だと思います。いや~素晴らしい。名盤決定です!

バンドはダレン・ウォートン以外は全て新メンバーで、アンディ・ムーア(G)、ジュリアン・ガードナー(Ds)、マーティン・ワイルディング(B)がメンバーとしてクレジットされています。新ギタリストのアンディ・ムーア、この人がまた素晴らしい。透明感があって柔らかなトーンがとても魅力的。そして、むせび泣くようなフレーズがダレン・ウォートンのウィスパー・ボイスに絡みつき、聴き手の涙腺を刺激するのです。このバンドの音世界にピッタリ合うギタリストをよく見つけてきましたね~。他にadditional musicianとしてボーカルにスー・クイン、アコースティック・ギターとバック・ボーカルにリチャード・デュース、ドラムスにケヴィン・ホワイトヘッドがクレジットされています。

#9"Still In Love With You"はThin Lizzyの1974年のアルバムNightlifeに収録曲されていた名曲です。もちろん当時のThin Lizzyにダレン・ウォートンは在籍していませんが、古巣のThin Lizzyとフィル・ライノットへの敬意と愛情を込めたカバーでしょう。オリジナルはフィル・ライノットとフランキー・ミラーのデュエットで、リード・ギターはゲスト扱いのゲイリー・ムーア。思えばフィル・ライノットとゲイリー・ムーアは既に鬼籍に入り、フランキー・ミラーは長きに渡る闘病生活を続けています。時の流れを感じてしまいますね。。。

評価 ★★★★★
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Walk On Water (Lyrics & Music: D. Wharton)
02. Someday (Lyrics & Music: D. Wharton/R. Dews)
03. Calm Before The Storm (Lyrics & Music: D. Wharton)
04. Ashes (Lyrics: D. Wharton  Music: D. Wharton/R. Dews)
05. Crown Of Thorns (Lyrics: D. Wharton  Music: D. Wharton/R. Dews)
06. Silence Of Your Head (Lyrics & Music: D. Wharton)
07. Rising Sun (Lyrics & Music: D. Wharton)
08. Rescue Me (Lyrics: D. Wharton  Music: D. Wharton/R. Dews)
09. Still In Love With You (Lyrics & Music: P. Lynott)
10. Deliverance (Lyrics & Music: D. Wharton)
11. Run To Me [Bonnus Track] (Lyrics & Music: D. Wharton)

■Personnel
Darren Wharton - Vocals, Keyboards
Andrew Moore - Guitars
Julien Gardner - Drums
Martin Wilding - Bass

Sue Quinn - Vocals
Richie Dews - Acoustic Guitar, Backing Vocals
Kevin Whitehead - Drums

Producer - Darren Wharton

Gary Hughes / Gary Hughes (1992)

0306Gary Hughes










Tenのリーダーでボーカリストのゲイリー・ヒューズが、まだソロで活動していた時代にリリースした2枚目のアルバムです。前作よりハードロック色が強まり、よりTenに近いサウンドとなっています。とは言ってもTenを特徴付けるウェットな叙情性はまだそれほど色濃くはなく、収録曲の半分ほどはアメリカン・ハードロックっぽい雰囲気。そんな中で、センチメンタルなバラード#3"I Won't Break Your Heart"、ブリティッシュ・ブルース・ロックの伝統を感じさせる#4"Blonde Angel '93"、ブルージーな哀愁バラード#7"Till The Rivers Run Dry"、これもブルース・ロック色の強い#11"Renegade"あたりは、Tenのアルバムに入っていてもおかしくないタイプの曲です。バックのミュージシャンはあまり聞いたことのない名前ばかりですが、ギター・ソロは速弾きに走らずいい感じで泣いていて筆者としては好印象。総じてTenのファンや、ゲイリー・ヒューズのボーカルが好きという人なら十分楽しめるアルバムではないかと思います。

なお、後年3作目のPrecious Onesとのカップリング盤も発売され、こちらにはボーナス・トラックとして"Look At The Rain"が収録されています。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. This Thing Of Beauty
02. Seducer
03. I Won't Break Your Heart
04. Blonde Angel '93
05. Suspendered Animation
06. It Must Be Love
07. Till The Rivers Run Dry
08. Criminal
09. We Walk With Angels
10. Now Or Never
11. Renegade
12. Look At The Rain [Bonus Track]
All songs, music and lyrics by Gary Hughes

■Personnel
Gary Hughes - Vocals. Guitars, Bass
Aziz Ibrahm - Guitars
Lee Revill - Guitars
Gary Frankland - Bass
Steve Steadman - Bass
David Hewson - Keyboards
Howard Smith - Keyboards
Darren Lamberron - Drums
Darren Wilcock - Drums
Steve Frankland - Drums

Producer - Gary Hughes, Simon Humphrey

Strangeways / Strangeways (1985)

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イギリス(スコットランド)のメロディアス・ハードロック・バンド、ストレンジウェイズ(Strangeways)の1stアルバム。Strangewaysというと、後にGiantのボーカリストとなるテリー・ブロックが在籍したことが知られていますが、この1stではトニー・リドルという人がボーカルを担当しています。他のメンバーはイアン・J・スチュワート(Gt)、デイヴ・スチュワート(B)、ジム・ドラモンド(Ds)、アラン・トムソン(Key)。プロデュースはJourneyなどを手がけ80~90年代の売れっ子プロデューサーだったケヴィン・エルソン。

跳ねたリズムの曲が多く、ちょっとオシャレなハードAORという路線でしょうか。しかし、このオシャレ感が今となっては逆に陳腐な印象となってしまっています。80年代特有の深い残響音が災いして、各パートの音にベールを被せたようでこれもマイナス・ポイント。好みもありますが、ボーカリストの苦しげな金切り声もいただけないなぁ。ただ、よく聴くとメロディ・ラインはかなり魅力的だと思いました。なお、筆者の聴いているのは、イギリスの再発レーベルRock Candyによる2011年リマスター再発盤で、ボーナス・トラックとして5曲のデモ音源が収録されています。デモなので音質はより悪く、熱心なファンでなければオマケとしての価値は高くはないでしょう。

評価 ★★★☆☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. The Kid Needs Love
02. Hold Back Your Love
03. Close To The Edge
04. Heartbreak Zone
05. Cry Out
06. Power Play
07. Breakin’ Down The Barriers
08. Now It’s Gone
09. More Than Promises
10. Hold Tight
Bonus Tracks
11. All The Wrong Reasons (Demo)
12. Hold On (Demo)
13. Close To The Edge (Demo)
14. Breakin’ Down The Barriers (Demo)
15. Streets On Fire (Demo)
All songs written by Ian J. Stewart 

■Personnel
Ian J. Stewart - Lead Guitar, Background Vocals
David Stewart - Bass Guitar, Background Vocals
Tony Liddell - Lead Vocals
Jim Drummond - Drums, Background Vocals
Alan Thomson - Keyboards

Tony Rivers - Additional Background Vocals
Alan Carvell - Additional Background Vocals

Producer – Kevin Elson

Brave The Storm / SHY (1985)

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英国産メロディアス・ハードロック・バンド、SHYの2ndアルバム。RCAからリリースされたメジャー・デビュー盤です。メンバーは前作と同じトニー・ミルズ(Vo)、スティーヴ・ハリス(Gt)、パット・マッケンナ(Key)、アラン・ケリー(Ds)、新加入のロイ・ディヴィス(B)の5人。インディーズで制作された1stのチープ過ぎるサウンドに比べて、さすがに格段に良好な音になっています。プロデュースはHR/HM系ではSamson、Krokus、Motörhead、Uriah Heep等を手がけた実績のあるトニー・プラット。80年代風のゴージャスなサウンドなのは間違いないけれど、逆にオーバー・プロデュース気味というか、1stで感じられた荒削りで生々しい勢いが抑えられてしまった印象です。その割りにドラムが相変わらずドタバタして落ち着きません。ウリであるトニー・ミルズのハイトーン・ボーカル、確かにすごいのですがやや一本調子なのも気になります。

一方、バンドの要のスティーヴ・ハリスは実力に磨きがかかっています。曲作りの才能、ギターを歌わせるセンスは、アマチュア然とした1stでも感じ取れましたが、本作ではその器の大きさをまざまざと示しました。特に、1st収録曲の再録音である#3"Reflections"のソロの素晴らしさはどうでしょう!フレーズはほとんど同じなので聴き比べてみるのも面白いです。泣かせてやろうと言わんばかりに力んだ1stバージョン、孤独と空虚を抱え込んで静かに涙する2ndバージョンといったところでしょうか。概して曲の出来は良く、タイトル・トラックの#6"Brave The Storm"、#8"Caught In The Act"あたりは名曲レベル。アメリカ指向のバンドとよく言われますが、歌メロといいギター・フレーズといい、ちっともカラっとしてないのはやはりブリティッシュ・ロックならではです。

なお、オリジナルLP収録は9曲でしたが、CD化にあたって"Hold On (To Your Love)"のシングル・バージョン、本作のアウトテイク(というか未完成トラック)"Strangers In Town"、ライブ(客無しなのでリハか?)曲"Two Hearts"と"Behind Closed Doors"、計4曲が収録されました。"Behind Closed Doors"はメタリックな演奏と美しいメロディが印象的で、珍しく嬉しいボーナスです。さらに日本盤には1st収録曲"Deep Water"と"Give Me A Chance"が追加で収められています。ミックス違いのような表記がありますが、実際は同じものです。2曲だけですが、入手しずらい1stの雰囲気を知る手がかりにはなります。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Hold On (To Your Love) (S. Harris/P. McKenna/A. Kelly)
02. My Apollo (S. Harris/T. Mills)
03. Reflections (S. Harris)
04. Keep The Fires Burning (S. Harris/A. Kelly)
05. The Hunter (S. Harris)
06. Brave The Storm (S. Harris/T. Mills)
07. Wild, Wild Woman (S. Harris/T. Mills)
08. Caught In The Act (S. Harris/P. McKenna)
09. Was I Wrong? (S. Harris/T. Mills/A. Kelly)
Bonus Tracks
10. Hold On (To Your Love) (Extended Version)
11. Strangers In Town (S. Harris/T. Mills)
12. Deep Water ("Once Bitten" Mix) (S. Harris)
13. Give Me A Chance ("Twice Shy" Mix) (S. Harris/A. Kelly)
14. Two Hearts (Live) (S. Harris)
15. Behind Closed Doors (Live) (A. Kelly)

■Personnel
Tony Mills - Vocals
Alan Kelly - Drums
Steve Harris - Guitar
Pat McKenna - Keyboards
Roy Stephen Davis - Bass

John Sinclair - Backing Vocals
Peter Goalby - Backing Vocals

Producer – Tony Platt


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