メロディアス・ハードロック名盤探訪 別館

哀愁・叙情・爽快...メロハー、AOR、ハード・ポップ、メロディック・メタルの傑作との出会いを求めて。

アメリカ(USA)

Back In The Streets / Dokken (1979)

0293Back In The Streets









LAメタルきっての叙情派Dokken(ドッケン)のメジャー・デビュー前のEP、というかミニ・アルバム。英語版Wikipediaによると、盗まれたデモ・テープを勝手にリリースした非公式盤らしい。ジャケットに写っているのは左からドラムのゲイリー・ホーランド、ギターのグレッグ・レオン、次がドン・ドッケンで、右端はベースのゲイリー・リンク。ただし、ドン・ドッケン以外はこのアルバムでプレイしていないとのこと。そして、Personnel欄にはドン・ドッケン (Vo/G) 、フォアン・クルーシェ(B)、グレッグ・ペカ(Ds)と記されています。一方、日本語版Wikipediaには、
1979年に、ドン自らをバンド名とする「DOKKEN」を結成。当時のメンバーは、後のラットのフォアン・クルーシェ(B)と、グレッグ・ペカ(Dr)。78年にドイツをツアーし、その後、アメリカに戻って一度バンドは解散している。が、ドンは、ベースのフォアンとともにDOKKENを再結成させる(ドラムには、新たにゲイリー・ホーランドを加入させている。)。そして、新たにギターにグレッグ・レオン、ベースにゲイリー・リンクを加入させ、『BACK ON THE STREET』をリリースする(当時のプロデューサーがバンドに無断でリリース)。
と書かれています。そして、筆者の手元のCD(Repertoire Records盤)には、メンバーとしてドン・ドッケン、ジョージ・リンチ(G)、フォアン・クルーシェ(B)、ミック・ブラウン(B)、プロデュースはマイケル・ワーグナーとクレジットがあります。楽曲のクレジットには、ドン・ドッケン、ジョージ・リンチ、ミック・ブラウン、そしてメジャー・デビュー後に加入したはずのジェフ・ピルソンの名前があります。果たして、実際にプレイしているのは誰なのか、曲を作ったのは誰なのか?

中身のほうは、練り込みの足りない楽曲、荒削りな演奏、頼りない歌唱と、マイナス・ポイントが三拍子揃っていて、熱心なファンやコレクター向きと言わざるを得ません。筆者は中古でたまたま安かったので興味本位で購入しましたが、一般にお薦めできるようなCDではないと思います。

評価 ★★★☆☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Back in the Streets (Dokken, Lynch)
02. Felony (Dokken, Lynch, Brown)
03. Day After Day (Dokken, Lynch)
04. We're Going Wrong (Dokken, Lynch)
05. Liar (Live) (Dokken)
06. Prisoner (Live) (Lynch, Pilson, Brown)

■Personnel
Don Dokken - Lead Vocals, Guitar
George Lynch - Lead Guitar
Juan Croucier - Bass, Vocals
Mick Brown - Drums

Producer - Michael Wagener, Dokken


Big Life / Night Ranger (1987)

0290Big Life









アメリカのハードロック・バンドNight Ranger(ナイト・レンジャー)の4thアルバムです。前2作がプラチナ・ディスクを獲得してきたのと比べゴールド止まりで、チャートではアルバム自体もシングル・カット曲も苦戦。彼らの爆発的な人気にも陰りが見えてきた時期の作品であり、最後のヒット作となったアルバムということになります。

しかしまあ、当時「ポッブだ」「売れ線狙いだ」「キーボードが前面に出すぎ」とか言われたらしいのですが、そんなの最初っからじゃん。元々ゴリゴリのHR/HMバンドじゃないから。歌ものだし、バラード多いし、キーボード鳴ってるし、シングルいっぱい出してるし。何を今さらって感じです。マイケル・J・フォックスの映画「The Secret Of My Success(摩天楼はバラ色に)」のサントラとして作られた#5のイメージが強いからでしょうか。デヴィッド・フォスターやマイケル・ランドウが曲作りに参加しているこの曲、確かにNight Rangerとしてはやや異色なハネものですが、バンドのカラーと全然違うとは思えません。それにとても良い曲ですよね、これ。他の曲もインスト・パートはかなりハードだし、ギター・ソロも過去作に比べてよりエキサイティング。ケヴィン・エルソンのプロデュースということで、全盛期JourneyやEuropeのThe Final Countdown に通じる80年代風のゴージャス感溢れるサウンド・プロダクションなわけですが、好みは別として仕上がりは極めてハイクォリティ。筆者としてはむしろ過去3作よりこのアルバムの方が好きだなぁ。

どんな世界でも栄枯盛衰は常のこと。人気が下降線をたどった理由は後付的に色々言われますが、メロハー目線で見れば本作は秀逸なメロディアス・ロック・アルバムであることは間違いありません。目まぐるしく変わる流行だとか、移ろいやすい人気だとかは横目で眺めて、それぞれが自分のお気に入りの音楽を見つけていけばいいのだと思います。

最後にゲスト・ミュージシャンについて。"The Secret Of My Success"にはデヴィッド・フォスターがキーボードで、ビル・チャンプリンがバッキング・ボーカルで参加しています。ビル・チャンプリンは80年代以降のChicagoのボーカルですね。デヴィッド・フォスター、ジェイ・グレイドンとの関係が深いのでその人脈からの参加と思われます。また、どの曲で歌っているのかは分かりませんが、ケヴィン・チャルファント、マックス・ハスケットもバッキング・ボーカルとしてクレジットされています。ケヴィン・チャルファントはThe Storm 、Two Firesのあの人ですね。マックス・ハスケットは、ジャック・ブレイズ、ブラッド・ギルス、ケリー・ケイギーが在籍していたRubiconのメンバー。いわば友情出演でしょう。
 
評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

01. Big Life (Brad Gillis, Jack Blades)
02. Color Of Your Smile (Jack Blades)
03. Love Is Standing Near (Alan Fitzgerald, Jack Blades, Kelly Keagy)
04. Rain Comes Crashing Down (Jack Blades)
05. The Secret Of My Success (David Foster, Jack Blades, Michael Landau, Tom Keane)
06. Carry On (Jack Blades, Kelly Keagy)
07. Better Let It Go (Jack Blades, Kelly Keagy)
08. I Know Tonight (Jack Blades)
09. Hearts Away (Jack Blades)

■Personnel
Jack Blades - Bass, Lead & Backing Vocals
Jeff Watson - Lead & Rhythm Guitars
Brad Gillis - Lead & Rhythm Guitars, Backing Vocals
Alan Fitzgerald - Keyboards, Piano
Kelly Keagy - Drums, Percussion, Lead Vocals

Kevin Chalfant - Additional Backing Vocals
Max Haskett - Additional Backing Vocals
David Foster - Keyboards on #5
Bill Champlin - Backing Vocals on #5

Producer – Night Ranger, Kevin Elson
except #5 produced by David Foster


【番外編】 Rubicon

Night Ranger(ナイト・レンジャー)のブラッド・ギルス、ジャック・ブレイズが在籍し、ケリー・ケイギーもツアー・メンバーとして関わっていたファンク・ロック・バンドRubicon(ルビコン)。Sly & The Family Stoneのジェリー・マルティーニを中心に結成され、Rubicon(1978)、America Dreams(1979)という2枚のアルバムを残して消えていったバンドです。また、1978年のカリフォルニア・ジャム2に出演し、その映像は日本のTVでも放映されました。筆者はLP時代に聴き倒し、カリフォルニア・ジャム2も出はじめのベータ・ビデオで録画して何度も見た記憶があります。長らくLPでしか聴くことができなかった彼らのアルバムが、ようやく2009年にRenaissance Recordsから1stと2ndを1枚のディスクに合わせて収録したCDが出されて、気軽に楽しめるようになったのは嬉しい限りです。

さて、このRubiconは、Sly & The Family Stone、Cold Blood、Tower of Powerといったベイエリアのファンク・バンド(いわゆるオークランド・ファンク)のお仲間なわけですが、珍しくハードロック的要素を持っているのが特色で、一方AOR/メロハーっぽいポップでメロディアスな曲もあったりします。その辺がNight Rangerにつながる要素なのかなと。ジャック・ブレイズのスラッピング(当時はチッョパー・ベースと言っていた)はジェリー・マルティーニ請われて加入しただけあって最高にカッコよく、二十歳そこそこのブラッド・ギルスも最初っから上手いです。普通にファンクとしてハイ・クォリティだし、Night Rangerの中核メンバーがキャリアの初期にどんな音楽をやっていたのかという興味の持ち方でも聴けるし、また米米クラブとか好きな方にもお薦めできるようなバンドです。筆者なんかはNight Rangerよりこっちの方が好きだったりします。

■Personnel
Jerry Martini - Sax
Max Haskett - Trumpet
Dennis Marcellino - Sax
Jim Pugh - Keyboards
Greg Eckler - Drums
Jack Blades - Bass
Brad Gillis - Guitars



※筆者は前述のRenaissance Recordsのニコイチ盤を購入しましたが、その後2011年に日本のAir Mail Recordingsから、1st「シスコの熱風」、2nd「夢のアメリカ」とLP時代の邦題で、リマスター&紙ジャケ仕様のCDも発売されています。


※カリフォルニア・ジャム2のライヴ盤。2曲のみRubiconが収録されています。DVDもあるはずなんですが、Amazonでは扱っていないようです。


Messiah Complex / Eyewitness (1996)

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アメリカのHR/HMバンドEyewitness(アイウィットネス)の1996年にリリースされた2ndアルバム。前年の1stが本国でパッとしなかったのか、2ndは日本盤のみのリリースとなっています。メンバーはラルフ・サントーラ(Gt)、トッド・プラント(Vo)、スティーヴ・ホドソン(B)、オリヴァー・ハンソン(Ds)で前作と変わりありません。1stはメロディアスな上にパワー感も十分な好盤でしたが、本作はこの当時のお決まりの迷い道=グランジ化にはまり込んでしまってます。1stを好意的に受け止めた日本のファンの多くは、えげつない流行便乗に拒絶反応しか示しませんでした。これを日本でしかリリースできなかったのは悲劇を通り越して喜劇的ですらあります。

何度も書いてきたことですが、グランジ/オルタナと呼ばれる音楽を率先して提示してきたミュージシャンは、そういう表現手法を採る内的必然性があるわけです。メロディアスHR/HM系のバンドが、表面的に真似してみても、ただただ中途半端な音楽になるのは目に見えています。濁った響きのコードを使ったり、メロディ・ラインを暗くしてみたって、それは形だけのこと。怒りや憂鬱や自省や破壊衝動とかと、延々とギター・ソロを見せびらかすような心性は全く別物です。聴いてる方だって、グランジ・バンドに求めるものとHR/HMバンドに求めるものは違うのが当たり前。なんでそれが分からなかったんでしょうか。。。

ただ、リリースから10年、20年経ってみると、「グランジ化して失敗したHR/HM」という一つのジャンルと括ることもできる作品群は、そういう耳で聴けばそれなりに面白いというか、興味深いのも確かです。グランジ/オルタナのファンにも、HR/HMファンにもとても薦められませんが、たまに聴いて「ふーん」とか「へー」となるアルバムですね、これも。なお、現在中古市場で出回っているCDにはオリジナル盤のほか、1stとのカップリング盤があります。

評価 ★★★☆☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Messiah Complex (Words & Music: R. Santolla)
02. All We Are (Words: R. Santolla/T. Plant, Music: R. Santolla/O. Hanson)
03. The Servant Has Become The Master (Words: R. Santolla/T. Plant, Music: R. Santolla)
04. The Circle (Words & Music: R. Santolla)
05. Desert Rain (Words: T. Plant, Music: R. Santolla/S. Hodson/O. Hanson)
06. I Think I Wanna Die Now (Words: R. Santolla/T. Plant, Music: R. Santolla)
07. Cries For Mercy (Words: T. Plant, Music: R. Santolla/S. Hodson)
08. Out Of Sight, Out Of Mind (Words: T. Plant, Music: S. Hodson/R. Santolla)
09. Breaking Down The Walls (Words & Music: R. Santolla)
10. Sea Of Sadness (Words: T. Plant, Music: R. Santolla/S. Hodson/O. Hanson)
11. The Blade (Words: T. Plant, Music: R. Santolla/S. Hodson/O. Hanson)
12. The Guiding Hand (Words & Music: R. Santolla)
13. Dreamscape(Words: T. Plant, Music: R. Santolla)

■Personnel
J. Todd Plant - All Lead & Backing Vocals
Ralph Santolla - Guitar
Steve Hodson - Bass
Oliver Hanson - Drums

Brian Benscoter - Keyboards
Phiil Cherry - Additional Guitar on "Breaking Down The Walls", Keyboards on "Cries For Mercy"
Mike Caruso - Additional Guitar on "The Blade"
Jack Owen - Left speaker Lead on "I Think I Wanna Die Now"

Producer – Ralph Santolla & Scott Burns


Yesterday and Today / Yesterday and Today (1976)

0284Yesterday and Today









サンフランシスコ出身のハードロック・バンドYesterday and Today(後のY&T)のデビュー盤。1976年リリースです。メンバーはデイヴ・メニケッティ(Vo/Gt)、ジョーイ・アルヴィス(Gt)、フィル・ケネモア(B)、レオナード・ヘイズ(Ds)の4人。70年代の初頭から名無しのまま活動を続けていたバンドでしたが、ビートルズのアルバム・タイトルを借用してYesterday and Todayと名乗るようになります。70年代に2枚のアルバムをリリース後、80年代にY&Tと改名(省略?)してからは日本でもよく知られるバンドとなりました。残念ながら、リーダーのデイヴ・メニケッティ以外のオリジナル・メンバーは全員故人となっています。

さて、Y&TとしてリリースしたEarthshaker(1981)以降は、それなりに洗練されて、メロディアスかつキャッチーな音に変貌を遂げますが、この段階ではドカドカうるさいB級バンドという印象。楽曲の完成度もY&Tと比べればかなり開きがあります。録音も一発録り。勢い任せだったり妙にマッタリしてみたり、ギター・ソロなんかもアドリブで尺も決めてなさそうで、良い意味でも悪い意味でもライブ感覚に溢れています。興味のない人が聴けば、古臭くて大したことない70年代ハードロックだと感じるでしょうね。しかし、筆者は大好きです!とにかく、「オレたちハードロックが好きで好きでたまらないぜ!」と、全ての音が語っているんです。リズム・セクションは若気の至り的に突っ走り、デイヴ・メニケッティのギターは一音一音が生々しい。万人にお薦めできるようなものではありませんが、「ハードロックが好きで好きでたまらない」方なら、このアルバムに込められたスピリットに共振してしまうこと請け合いです。
 
評価 ★★★☆☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Animal Woman (D. Meniketti, J. Alves, P. Kennemore)
02. 25 Hours a Day (D. Meniketti, J. Alves, L. Haze)
03. Game Playing Woman (D. Meniketti, L. Haze, P. Kennemore)
04. Come on Over (D. Meniketti, J. Alves, L. Haze)
05. My Heart Plays Too (D. Meniketti)
06. Earthshaker (D. Meniketti, L. Haze)
07. Fast Ladies (Very Slow Gin) (D. Meniketti, L. Haze)
08. Alcohol  (D. Meniketti, L. Haze)
09. Beautiful Dreamer  (D. Meniketti, L. Haze)

■Personnel
Dave Meniketti - Lead Guitar, Lead Vocals, Backing Vocals
Joey Alves - Rhythm Guitar, Backing Vocals
Phil Kennemore - Bass, Lead Vocals, Backing Vocals
Leonard Haze - Drums, Percussion, Lead Vocals, Backing Vocals

Producer – Albert Louis Bramy

 
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