メロディアス・ハードロック名盤探訪 別館

哀愁・叙情・爽快...メロハー、AOR、ハード・ポップ、メロディック・メタルの傑作との出会いを求めて。 メロディック・ロックのアルバムをレビューしていくブログです。

アメリカ(USA)

Somebody Else's Dream - Jerry-Kelly (1978)

0493Somebody Else's Dream









ヒット曲"Timothy"で知られるThe Buoysのメンバーだったジェリー・フルジクとビル・ケリーによるユニット、Jerry-Kellyのアルバムです。本作のリリース後にバンド名をDakotaに変えているので、実質Dakotaの1stアルバムということになります。ということで、70年代の古い作品ですが、Dakota同様AOR、ハードポップ、カントリー・ロック、フュージョンなど多彩な要素を詰め込んだメロディック・ロックを聴くことができます。どの曲のメロディも明るく親しみやすいもので極めて上質。そして、ハイトーン・タイプのビル・ケリーと、中低域中心の渋めの声を持つジェリー・フルジクのツイン・ボーカルとハーモニーも素晴らしいの一言。好事家ならばぜひ聴いておきたい名作だと思います。

曲の良さ、主役の二人のボーカルの見事さもさることながら、サポート・ミュージシャンを大量動員したインスト・パートも聴き逃せません。痒いところに手が届くまさに職人技という言葉がふさわしい演奏です。残念ながら曲ごとの詳細な担当は分かりませんが、ブックレット記載のクレジットをざっと紹介しておくと、ベースはChicagoのピーター・セテラ、セッション・プレイヤーのビル・ディッキンソン、ドラムにChicagoのダニー・セラフィン、セッション・プレイヤーのトム・ドンリンジャー、キーボードにChicagoの弟分バンドMadura、ファンク・バンドRufusに在籍したデヴィッド・“ホーク”・ウォリンスキー、Mothers of Inventionのイアン・アンダーウッド、フュージョン畑のドン・グルーシン、ギターはセッション・ギタリストのアール・スリックとデヴィッド・アマロといった面々です。プロデュースはダニー・セラフィンとデヴィッド・“ホーク”・ウォリンスキーとなっています。

 評価 ★★★★★
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Settle Down (Bill Kelly)
02. Magic (Jerry Hludzik, Bill Kelly)
03. Silly Boy (Jerry Hludzik)
04. Dear Love (Jerry Hludzik, Bill Kelly)
05. Motel Lovers (Jerry Hludzik, Bill Kelly)
06. Changes (Jerry Hludzik, Bill Kelly)
07. You Can Be (Jerry Hludzik)
08. Be My Love (Bill Kelly)
09. Runaway (Del Shannon)
10. Somebody Else's Dream (Jerry Hludzik)
[Bonus Tracks]
11. Fifteen Minute Woman (Bill Kelly)
12. Dear Love (acoustic)

■Personnel
Jerry Hludzik - Guitar, Vocals, Background Vocals
Bill Kelly - Guitar, Vocals, Background Vocals

Peter Cetera - Bass Guitar, Background Vocals
David "Hawk" Wolinski - Synthesizer
Cosmo Carboni - (Danny Seraphine) - Drums
Lee Loughnane - Background Vocals
Earl Slick - Guitars
Bill Dickinson - Bass Guitar
Tom Donlinger - Drums
Byron Berline - Mandlin
Laudir Deoliveria - Percussion, Congas
Ian Underwood - Synthesizer
David Amaro - Guitars
Don Grusin - Piano, Clavinet, Fender Rhodes Piano, Synthesizer

Producer - Danny Seraphine & David "Hawk" Wolinski


The Storm / The Storm (1991)

0489The Storm









元Santana、Journeyのグレッグ・ローリーが中心となって結成されたThe Stormの1stアルバムです。他のメンバーは、Journey時代の同僚ロス・ヴァロリー(B)とスティーヴ・スミス(Ds)、元707、Steel Breezeのケヴィン・チャルファント(Vo)、元Le Mansのジョシュ・ラモス(G)というラインナップとなっています。

数あるJourneyのフォロワー・バンドの中でも、これは元Journeyメンバーが3人もいるので「由緒正しい」バンドということになります。フォロワーなんて言うと失礼にあたるかも知れません。いかにもJourney風の曲が中心ですが、グレッグ・ローリーのソロ作に通じるようなAORや、ブルージーな曲もあったり、意外に音楽性の幅は広い印象です。実力者揃いのバンドなので、当然のように曲も歌唱・演奏もクォリティは高いです。特にスティーヴ・スミスのドラミングはさすがとしか言い様がありません。グレッグ・ローリーとケヴィン・チャルファントのツイン・ボーカルというのも聴き応えがあります。ただ、やっぱり、、、Journeyの元メンバーが、スティーヴ・ペリーっぽいボーカリストとニール・ショーンっぽいギタリストを探してきて、Journeyっぽい曲をやるというのは、二匹目のドジョウを狙っている感じが露骨過ぎて、、、ちょっと引きますね。Journeyとは違う路線に挑戦したら、もっとカッコよかったのにと思ってしまいます。

 評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. You Keep Me Waiting (Gregg Rolie, Kevin Chalfant, Bob Marlette)
02. I've Got a Lot to Learn About Love (Kevin Chalfant, Gregg Rolie, Bob Marlette)
03. In the Raw (Gregg Rolie, Bob Marlette, Kevin Chalfant)
04. You're Gonna Miss Me (Gregg Rolie, Josh Ramos, Kevin Chalfant)
05. Call Me (Gregg Rolie, Andre Pessis)
06. Show Me the Way (Gregg Rolie, Kevin Chalfant)
07. I Want You Back (Gregg Rolie, Kevin Chalfant, Bob Marlette)
08. Still Loving You (Gregg Rolie, Andre Pessis)
09. Touch and Go (Bob Marlette, Kevin Chalfant, Gregg Rolie, Josh Ramos, Ross Valory, Steve Smith)
10. Gimme Love (Gregg Rolie, Bob Marlette)
11. Take Me Away (Gregg Rolie, Bob Marlette)
12. Can't Live Without Love (Gregg Rolie, Kevin Chalfant)

■Personnel
Gregg Rolie - Lead Vocals, Keyboards
Kevin Chalfant - Lead Vocals
Josh Ramos - Lead & Rhythm Guitar, Vocals
Ross Valory - Bass Guitar, Vocals
Steve Smith - Drums

Bret Douglas - Additional Vocals
Tim Pierce - Additional Guitar

Producer - Beau Hill

Storm
Atlantic / Wea
1991-09-17


Hitch a Ride / Departure (2012)

0480Hitch A Ride









マイク・ウォルシュ率いるアメリカのメロハー・バンド(プロジェクト?)Departureの9年ぶりとなる4枚目のアルバムです。一部メンバー・チェンジがあり、ボーカルはアンディ・クラヴラチャという人になっています。ボスニア生まれのスウェーデン人ということで名前の読み方がこれで正しいかどうかは分かりません。プログレ・メタル系のいくつかのバンドで歌っている実績があるそうなので、無名の新人というわけではないようです。ベースはライアン・ウォルシュ、この人はマイク・ウォルシュの息子だそうです。ドラムはデューイ・リベステロでこれは以前と変わらず。なお、ブックレットには1st以来のメンバーであるジョン・オコンネル(Key)の名前がクレジットされていますが、ジャケ写には4人しか写っておらず彼の名前の記載もありません。

さて、中身のほうはというと、これが意外に(失礼)良いのです。今までで一番いいんじゃないでしょうか。まず曲の出来がグッと良くなっています。特に1st収録の名曲"A Prayer for Me"を思い出させるキャッチーなメロディの#9"This Is My Time"が素晴らしい!それから、ビートルズの"Don't Let Me Down"とザ・バンド(作はボブ・ディラン)の"I Shall Be Released"を合体させたような#10"Without You"もいいですね~。そして、全体に歌唱・演奏も聴き応えがあると感じました。ライナーノーツによると、新ボーカリストのアンディ・クラヴラチャは、ヨラン・エドマンの影響を受けたとのことですが、なるほどと思わせる歌いまわしです。プログレ・メタル畑の人の割にはポップなメロハーも違和感なく歌えていて、才能のある人だと思いました。ベースのライアン・ウォルシュも、単にマイク・ウォルシュの息子だから抜擢されたというわけではないようで、ベースはかなり上手いです。

それにしても9年ぶりのこのアルバム・リリースから既に11年。次はあるのでしょうか?

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. No Where to Go
02. You Don't Need to Do This Anymore
03. Waiting for Rain to Come
04. Soldier of Fortune
05. LuvSick
06. Roses
07. Travel Through Time
08. Fly
09. This Is My Time
10. Without You
11. Outside Looking In
[Japan bonus track]
12. It Is What It Is

■Personnel
Andi Kravljaca - Lead Vocals
Mike Walsh – Guitars, Keyboards
Ryan Walsh – Bass
Duey Ribestello – Drums
John O'Connell – Keyboards

Bill Miller - Percussion
Roy Williams - Horns
Theresa Walsh - Additional Backing Vocals

Producer - Mike Walsh
Executive producer - Khalil Turk

Hitch A Ride
DEPARTURE
RUBICON MUSIC
2012-04-04


Tomorrow Never Comes / Touch (2021)

0473Tomorrow Never Comes









アメリカン・プログレハード/メロハー・バンドTouchの何と40年ぶりの復活作です!しかもマーク・マンゴールド(Key)、クレイグ・ブルックス(Vo, G)、ダグ・ハワード(B)、グレン・キスカート(Ds)と、オリジナル・メンバー全員揃っての再結成!これには驚きました。いや~嬉しいですね~。ジャケ写を見ても、PVを見ても、皆さん昔の姿と様変わりしていて完全な高齢者バンドなわけですが、それでこの音!特にボーカルのクレイグ・ブルックスは、全く衰えが無いとまでは言いませんが、信じられないくらい声が若々しく、あの特徴的なハイトーンも相変わらず良く伸びています。すごい!

タイトル・トラックの#1"Tomorrow Never Comes"はメロディ・ラインもアレンジもドラマチックで、オープニングにふさわしい名曲だと思います。続く#2"Let It Come"は代表曲"Don‘t You Know What Love Is"にそっくりですが、これは敢えてでしょう。サビのボーカルとコーラスの掛け合いのところなんかは鳥肌立つほどカッコいい!この後は概ねプログレハードの側面が強い楽曲が続きます。昔と比べると躍動感やキレが減退しているのは否めませんが、そのぶん重厚さや深みが増しているわけで、これはごく自然なことと受け入れたいと思います。キレッキレの音が聴きたければ若いバンドを聴けばいいんです。

蛇足ですが、ボーナス・トラックの"Don't You Know What Love Is"は、ブックレットに詳細は記載されていませんが、1980年の第一回モンスターズ・オブ・ロックのライブ録音だと思います。だとすれば既出音源なのでそれほど嬉しいボーナスではないですね。更に蛇足。Touchのクレイグ・ブルックスと、ドン・ウルフやケニー・ケイオス・ロニーがらみで名前の出てくるカナダ人ドラマーのクレイグ・ブルックスは、混同されがちですが同名異人ですのでご注意を。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Tomorrow Never Comes (Mark Mangold)
02. Let It Come (Mark Mangold)
03. Swan Song (Mark Mangold)
04. Try to Let Go (Mark Mangold, Jon Bivona)
05. Fire and Ice (Craig Brooks)
06. Trippin' Over Shadows (Doug Howard, Ruth Leibesman)
07. Frozen Ground (Mark Mangold)
08. Lil Bit of Rock n Roll (Mark Mangold)
09. Glass (Mark Mangold)
10. Scream at the Sky (Craig Brooks)
11. Wanna Hear You Say (Mark Mangold)
12. Run for Your Life (Craig Brooks)
[bonus track for Japan]
13. Don‘t You Know What Love Is (Live)

■Personnel
Craig Brooks - Guitar, Lead & Backing Vocals
Mark Mangold - Keyboards, Lead & Backing Vocals
Doug Howard - Bass, Lead & Backing Vocals
Glenn Kithcart - Drums, Backing Vocals

Producer - Touch

トゥモロー・ネヴァー・カムズ
タッチ
ルビコン・ミュージック
2021-03-31



Mean Streak / Y&T (1983)

0469Mean Streak









アメリカン・ハードロック・バンドY&Tの改名後3枚目のアルバム。いわゆる初期三部作の最後を飾る作品です。メンバーはYesterday and Today時代から変わっておらず、デイヴ・メニケッティ(Vo, G)、ジョーイ・アルヴィス(G)、フィル・ケネモア(B)、レオナード・ヘイズ(Ds)の4人です。プロデュースはゲイリー・ムーア、Thin Lizzy、Tygers of Pan Tangなど多くのHR/HM系アーティストを手がけてきたクリス・タンガリーディスが担当しています。

さてこのアルバム、Earthshaker、Black Tiger と比較するとややパワー・ダウンしてきた感は否めませんが、それでもこのバンド特有のスリリングで骨太なサウンド、泣きのメロディは健在です。特筆すべきはやはり#4"Midnight in Tokyo"の素晴らしさ!1982年の初来日公演後のバンドの感動と興奮をその場で曲にしたというのはファンには有名なエピソードです。ある意味、クサさ、ダサさの極みのような曲ですが、これほどに熱い魂を直球でぶつけられると、心を揺さぶられずにはいられません。バース部分がこのバンドには珍しくオシャレっぽいのもいい。Y&T屈指の名曲でしょう。その他の曲も概ね彼ららしいメロディとサウンドが堪能できる佳曲が揃っていると思います。惜しむらくはラストの"Down and Dirty"。これだけはタイトル通りダーティでバカっぽく、ちょっとLAメタルを思わせるような曲でアルバムの中で浮いています。これ以降の音楽性の変化を知っている身としては、バンドの路線修正を予感させる曲なわけですが。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Mean Streak
02. Straight Thru the Heart
03. Lonely Side of Town
04. Midnight in Tokyo
05. Breaking Away
06. Hang 'Em High
07. Take You to the Limit
08. Sentimental Fool
09. Down and Dirty
All songs written by Y&T

■Personnel
Joey Alves - Guitar, Vocals
Dave Meniketti - Lead Guitar, Lead Vocals
Phil Kennemore - Bass, Vocals
Leonard Haze - Drums, Percussion

Producer - Chris Tsangarides

MEAN STREAK
Y & T
ROCCA
2018-07-13


Thirty Days and Dirty Nights / From the Fire (1991)

0466Thirty Days and Dirty Nights









トミー・ラファーティを中心とするアメリカのメロハー・バンドFrom the Fireの1stアルバムです。トミー・ラファーティは、80年代からジーン・ボーヴァーのソロ作やVoodoo Xに参加、またFrom the Fireの後にはCrown of Thornsのメンバーとなるなど、何かとジーン・ボーヴァーとの縁が深い人で、本作 Thirty Days and Dirty Nights のプロデュースもジーン・ボーヴァーが担当しています。バンド・メンバーは5人がクレジットされており、ブックレットにあしらわれた写真にも同じ名前のメンバーが写っていますが、曲ごとのクレジットを見るとキーボードとベースは別人です。よくあることですが、レコーディング後にメンバー・チェンジしたんでしょうね。なお、From the Fireは本作をリリースして解散、前述の通りトミー・ラファーティはジーン・ボーヴァーのCrown of Thornsに合流します。そして、なんと20数年後に突如バンド復活、2014年に2nd、2016年に3rdアルバムを発表することになります。本作と、この2nd、3rdをパッケージングした3枚組コンピ盤もリリースされており、CD購入の際には選択肢になると思います。

音のほうはメロハー・ファンなら満足がいく内容だと思います。特にお気に入りの曲をいくつかピックアップしてみます。

01. Hold On
ミドル・テンポの哀愁メロハー。いきなりの名曲レベルで、ツカミはOKという感じです。

02. Same Song
ファンキーなリズムとマイナー・キーのメロディが非常に魅力的です。

04. Over Your Head
これもマイナー・キーの哀愁メロハー。ブリッジ~サビのメロディ展開が特にカッコいい!

06. Lovestruck
本作の中では一番ハードな曲。哀愁という感じではないですが、やはりマイナー・キーのメロディが印象的です。

07. Spark and Flame
アップ・テンポでノリノリ、しかも哀愁たっぷり!女性ボーカルとのデュエット曲です。これも名曲レベルではないでしょうか。この女性ボーカリストは全然知らない人ですが、はすっぱな歌い方が超好みです!

08. Go All the Way
Raspberries(ラズベリーズ)の1972年の大ヒット曲のカバーです。書いたのはもちろんエリック・カルメン。典型的・古典的な爽快系ハード・ポップということで、他の曲との釣り合いは「?」ですが、良い曲なのでまあいいかと。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
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■Tracks
01. Hold On (Nadine Arel)
02. Same Song (Tommy Lafferty, Jean Beauvoir)
03. Tears Cried in the Rain (J.D. Kelly, B. McDermott)
04. Over Your Head (J.D. Kelly, C. Castro)
05. Take My Heart (Nadine Arel)
06. Lovestruck (From the Fire)
07. Spark and Flame (Nadine Arel)
08. Go All the Way (Eric Carmen)
09. Where Are You Now? (Eric Carmen)

■Personnel
J.D. Kelly - Lead Vocals, Keyboards
Tommy Lafferty - Guitar, Backing Vocals
Michael Sciotto - Drums, Backing Vocals
Paul Morris - Keyboards, Backing Vocals
Thaddeus Castanis - Bass Guitar, Backing Vocals

Nadine Arel - Keyboards
Paul St. James - Bass Guitar

Pat Regan - Keyboards on #1
Jimmy Z - Sax Solo on #3
Theresa Straley - Additional Vocals on #7

Producer - Jean Beauvoir

Thirty Days and Dirty Nights
From The Fire
Yesterrock
2009-05-14

Thirty Days and Dirty..
From the Fire
Mig
2019-01-10





Fortune / Fortune (1985)

0465Fortune h









Harlan Cageでメロハー・ファンにはお馴染みのL.A.グリーンとロジャー・スコット・クレイグのコンビが在籍したバンド、Fortuneが1枚だけ残したアルバム。バンド名はギターのリチャードとドラムのミックのフォーチュン兄弟に由来するようです。シンガーとソング・ライターが同じなので当たり前と言えば当たり前ですが、ほぼHarlan Cageと同じ哀愁メロハー/AOR路線が全面展開。パッと聴いただけではHarlan Cageと区別がつきません。Harlan Cageのアルバムでも何曲か本作収録曲をセルフ・カバーしていたのでなおさらです。

Harlan Cageの解散後、L.A.グリーンとロジャー・スコット・クレイグはフォーチュン兄弟と合流してFortuneでの活動を再開、2019年に34年振りとなる2ndアルバム II をリリースしています。ロジャー・スコット・クレイグはその後バンドを離れたようですが、2020年にライブ盤 The Gun's Still Smokin' Live 、2022年には3rd Level Ground と立て続けにリリース。しかし2022年末、残念ながらL.A.グリーンの訃報が伝えられています。

なお、本作のオリジナル・リリースはLPですが、今のところ発売された正規盤CDは2種類しかないようです。一つは2004年アメリカGypsy Rock Records盤で、LPの10曲に加えてボーナス・トラックを3曲追加収録。もう一つは2011年ドイツAOR Heaven盤で、こちらのボーナス・トラックは1曲。もちろん、両方ともデジタル・リマスターされています。

評価 ★★★☆☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
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■Tracks
01. Thrill of It All (L. A. Greene, Roger Scott Craig)
02. Smoke From a Gun (L. A. Greene, Roger Scott Craig)
03. Stacy (L. A. Greene, Roger Scott Craig)
04. Bad Blood (L. A. Greene, Roger Scott Craig)
05. Dearborn Station (L. A. Greene, Roger Scott Craig)
06. Lonely Hunter (L. A. Greene, Richard Fortune)
07. Deep in the Heart of the Night (L. A. Greene, Roger Scott Craig)
08. Stormy Love (L. A. Greene, Roger Scott Craig)
09. Out on the Streets (L. A. Greene, Roger Scott Craig, Richard Fortune)
10. 98° in the Shade (L. A. Greene, Roger Scott Craig)
[Bonus Tracks]
11. Home Free (L. A. Greene, Roger Scott Craig)
12. Breakin' Down the Door (L. A. Greene, Roger Scott Craig, Richard Fortune)
13. Heart of Stone (L. A. Greene, Roger Scott Craig, Richard Fortune)

■Personnel
L. A. Greene - Lead Vocals, Guitars
Bob Birch - Bass, Vocals, Saxophone
Richard Fortune - Guitars, Vocals
Mick Fortune - Drums
Roger Scott Craig - Keyboards, Vocals

Producer - Kevin Beamish

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Fortune

Life / Nelson (1999)

0462Life









双子のコンビ、マシュー・ネルソンとガナー・ネルソンの通算6枚目のアルバム。前作Brother Harmonyは何故かThe Nelsonsという名義でしたが、またNelsonというバンド名に戻っています。Brother Harmonyほどカントリー・テイストは強くないものの、その延長線の爽やかなウェストコースト・サウンド風の音を聴かせてくれます。本作のギターはほとんどトム・ブコヴァックが弾いているようで、音色はクリーンかクランチのザックリした感じ。デビュー当時のハードロック的ギター・サウンドではありませんが、この心地良さもたまりません!全体として、温か味のあるキャッチーなメロディ、明るく軽快なサウンド、美しいハーモニーが心ゆくまで味わえる傑作となっています。全曲ともお気に入りですが、いくつかピックアップしてみます。

#1"A Girl Like That"
オープニングにふさわしく、覚えやすく楽しいメロディと軽快なサウンドが印象的な佳曲。本作のハイライトだと思います。

#3"Life"
お父さんのカントリー歌手故リッキー・ネルソンのカバー。穏やかで美しいメロディが心に沁みます。

#5"Someone Like You"
カントリー・テイスト溢れるバラード。優しいメロディに包まれてなんとも心地良くなれます。共作者に1stのプロデューサーだったマーク・タナーのクレジットがあるのが懐かしい。カントリーにフュージョンを混ぜたようなギター・ソロも秀逸。これも本作のハイライトの一つでしょう。

#6"Everybody Cries Sometimes"
ポップなメロディ・ラインとややハードなサウンドが印象的です。これもマーク・タナーとネルソン兄弟の共作です。

#10"Is That How It Is"
少しばかり古き良きフォーク・ロック的味わいのある曲。かのラス・バラードとネルソン兄弟の共作です。

評価 ★★★★★
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
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■Tracks
01. A Girl Like That (Mark Collie/M. & G. Nelson)
02. I Would If You Want Me To (M. & G. Nelson)
03. Life (Rick Nelson)
04. She Sheila (K. Henderson/B. Holmes/W. McNatt/V. A. Temple Jr.)
05. Someone Like You (Marc Tanner/M. & G. Nelson)
06. Everybody Cries Sometimes (Marc Tanner/M. & G. Nelson)
07. Let's Talk About Me (Victoria Shaw/Steven McClintock)
08. She Said She'd Be Mine (M. & G. Nelson)
09. The Hunger (Taylor Rhodes/M. & G. Nelson)
10. Is That How It Is (Russell Ballard/M. & G. Nelson)

■Personnel
Gunnar Nelson - Lead & Background Vocals, Rhythm Guitar, Dulcitar, Percussion
Matthew Nelson - Lead & Background Vocals, 6 & 12 String Ric Guitars

Ricky Salyer - Drums
Dow Tomlin - Bass
Shane Hicks - Keys
Tom Bukovac - All Other Guitars
Steven McClintock - Background Vocals
Beth Hooker - Background Vocals
Marilyn Martin - Background Vocals
Anthony Joyner - Background Vocals

Producer - Matthew and Gunnar Nelson

ライフ
ネルソン
ビクターエンタテインメント
1999-08-25



Full Circle / FireHouse (2011)

0460Full Circle









アメリカのメロディアス・ハードロック・バンドFireHouseの代表曲のリレコーディング盤。通算9枚目となるアルバムです。ラインナップは、C.J.スネア(Vo)、ビル・レヴァティ(G)、マイケル・フォスター(Ds)というデビュー以来のオリジナル・メンバー3人と、新ベーシストのアレン・マッケンジーとなっています。O2Prime Timeと徐々にC.J.スネアの歌う曲が減らされていましたが、さすがに本作は全曲彼が歌っていて安心しました。リード・ボーカルなのに軽んじられているようで、本人もストレスだったでしょうが、聴いているほうも納得いきませんでしたから。やはりC.J.スネアの明るく伸びやかな歌声があってこそFireHouseだと思います。

全11曲中、1stアルバムから5曲、2ndから3曲、3rdから1曲の計9曲が選ばれており、残りはアコースティック企画盤Good Acousticsからの"You Are My Religion"、EPでリリースされたクリスマス曲"Christmas With You"となっています。どの曲もテンポやアレンジはオリジナルと大きな違いはありません。オリジナルに比べて、やはり勢いみたいなものは減じているものの、丁寧な演奏・歌唱と録音に拘った跡が窺え、このバンドのキャッチーでメロディアスな楽曲の良さが素直に伝わってきます。シングル・カットされていた曲が7曲入っていることもあって、いわばFireHouseのグレーテスト・ヒッツと言える内容です。極端な話、熱心なファンでなければ、このアルバムとGood Acousticsを持っていればOKかもしれません。

本作の後に続く作品は2021年現在リリースされていません。ただし、バンド解散という情報も無いので、そろそろ新しい曲、新しいアルバムを期待したいところです。とは言うものの、本作のプロデューサーはビル・レヴァティなのに、C.J.スネアのパートだけはセルフ・プロデュースなのがバンドの溝を暗示しているようで、残念ながら新作は望み薄でしょうね。

評価 ★★★★★
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
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■Tracks
01. Overnight Sensation (Leverty, Snare, Foster, Ellis)
02. Shake and Tumble (Leverty, Snare, Foster, Richardson)
03. Hold the Dream (Leverty, Snare)
04. All She Wrote (Leverty, Snare)
05. Love of a Lifetime (Leverty, Snare)
06. Don't Treat Me Bad (Leverty, Snare, Foster, Ellis)
07. Reach for the Sky (Leverty, Snare)
08. When I Look Into Your Eyes (Leverty, Snare)
09. You Are My Religion (Leverty, Snare)
10. I Live My Life for You (Leverty, Snare)
11. Christmas With You (Leverty, Snare)

■Personnel
C.J. Snare - Lead Vocals, Keyboards
Michael Foster - Drums, Vocals
Allen McKenzie - Bass, Vocals
Bill Leverty - Guitars, Vocals

Producer - Bill Leverty
except C.J. Snare's Vocal & Keyboard Tracks Produced by C.J. Snare
フル・サークル
ファイアーハウス
キングレコード
2011-10-26

 

The Dream / Ramos - Hugo (2008)

0459The Dream









歌も見た目もスティーヴ・ペリー似のシンガーHugoことヒューゴ・ヴァレンティと、The StormやHardlineといったJourneyメンバー関連のバンドでギターを弾いてきたジョシュ・ラモスがタッグを組んだRamos - Hugoの唯一作。聴かなくても音が分かるような露骨なプロジェクトですが、リリースがFrontiers RecordsなのでおそらくFrontiersが企画したものなのでしょう。プロデュースはファブリツィオ・グロッシ、ミックスとマスタリングはデニス・ワード(PC 69)と、Frontiersにありがちな布陣となっています。エグゼクティヴ・プロデューサーとして経営者のセラフィーノ・ペルジーノがクレジットされているのもいつも通りです。ヒューゴとジョシュ・ラモス以外のラインナップは、ジョン・マカルーソ(Ds)、ジェイミー・ブラウン(B)、エリック・ラグノ(Key)となっています。

で、中身は予想通りJourney風のメロディアスハード。Journeyをあまり好まない筆者としてはイマイチな印象を受けてしまいます。しかし、よく聴くと曲の出来は結構いいんですね、これが。リフのカッコいいスピード・チューン#1"You’re Not Alone"、ブルージーでドラマチックなバラード#4"Fools Game"、さらっとしたポップ・ナンバー#6"I Don’t Want to Say Goodbye"、ジョシュ・ラモスがここぞとばかりに弾きまくる#10"I Can Take You"あたりは特に気に入りました。腕達者のそろったインスト・パートは十分に聴き応えがあるわけだし、Journeyに似せることに拘らず、別人のボーカルで、そしてキーボードよりギターが前に出るアンサンブルだったら、全然印象が違ってきそうです。まあ、それではこのプロジェクト企画の意味が無くなってしまいますけど。

評価 ★★★☆☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
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■Tracks
01. You’re Not Alone (Music: Josh Ramos, Lyrics: Hugo Valenti)
02. All That I Wanted (Music: Eric Ragno, Lyrics: Hugo Valenti)
03. The Dream (Music: Eric Ragno, Lyrics: Hugo Valenti)
04. Fools Game (Music: Eric Ragno, Lyrics: Hugo Valenti)
05. Bring Back This Love (Music: Josh Ramos, Lyrics: Hugo Valenti)
06. I Don’t Want to Say Goodbye (Music: Josh Ramos, Lyrics: David Elan Peterson)
07. When You Get Lonely (Music: Eric Ragno/Josh Ramos, Lyrics: Hugo Valenti)
08. In the City (Music: Eric Ragno, Lyrics: Hugo Valenti)
09. Tomorrow (Music: Eric Ragno, Lyrics: Hugo Valenti)
10. I Can Take You (Music: Eric Ragno, Lyrics: Hugo Valenti)

■Personnel
John Macaluso - Drums
Eric Ragno - Keyboards
Jamie Brown - Bass
Josh Ramos - Guitars
Hugo Valenti - Vocals

Producer - Fabrizio Grossi
Executive Producer - Serafino Perugino

ザ・ドリーム
ラモス・ヒューゴ
キングレコード
2008-12-10

 
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