メロディアス・ハードロック名盤探訪 別館

哀愁・叙情・爽快...メロハー、AOR、ハード・ポップ、メロディック・メタルの傑作との出会いを求めて。 メロディック・ロックのアルバムをレビューしていくブログです。

アメリカ(USA)

Dweller on the Threshold / Tribe of Gypsies (2006)

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ロイ・Z(ロイ・ラミレス)率いるラテン・ロック・バンドTribe of Gypsies、前作から6年ぶりの4thアルバムです。リリースは2006年ですが、レコーディング時期は2000年から2006年にかけてと長期にわたっています。ロイ・Zはブルース・ディッキンソン、ロブ・ハルフォード、ロブ・ロックといったアーティストのアルバムのプロデュースに忙しく、中々自身のバンドのアルバム制作が進まなかったようです。

1stはハードロック色が強かったものの、2nd、3rdと徐々にハードさが薄れてきましたが、本作では一転してハードな曲が増えています。新ボーカリストのチャス・ウェスト(ex-The Jason Bonham Band)は、ポール・レインやデヴィッド・リードマンに似たハードロック向きのタイプで、本作のようなサウンドにはピッタリです。#2"Ride On"、#3"Desolate Chile"などはギンギンのラテン・ハードロックで特にカッコいいし、初期のSantanaを思わせるインスト曲#9"Flying Tigers, Crying Dragons"は、ロイ・Zの官能的なギターが最高です。それから、Van Halenのカバー#10"Ain't Talkin' 'Bout Love"は、なるほどと唸らされました。この曲は元々ラテン風なのですね。そこを強調して自分達のオリジナルみたいに演奏しています。アコースティカルな#8"After the Summer"は本作の中では異色ですが、美しく物悲しいメロディが心に迫る佳曲で、これもまた絶品です。一方で、最初から最後までワン・フレーズ、ワン・パターンで押し切る曲が何曲かあるのが気になりました。こういうのはライブだとトランス状態を生んだりしますが、スタジオ・アルバムで聴くのはちょっときついかな。

現在のところ、この後Tribe of Gypsiesのアルバムはリリースされていません。2019年にロイ・Zとチャス・ウェストが再度組んだWest Bound名義でのアルバムは出ているので、いずれ聴いてみたいと思っています。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Big Sky Presence
(Ramirez, Rodriguez, Balladares, Leibundgut, Moreno, West)
02. Ride On
(West, Ramirez, Rodriguez, Balladares, Leibundgut, Moreno)
03. Desolate Chile
(West, Ramirez, Rodriguez, Balladares, Ingraham, Podolor)
04. Stop Bombing Each Other!
(Ramirez, Rodriguez, Balladares, Leibundgut, Moreno, West)
05. Halos
(West, Ramirez, Rodriguez, Balladares, Leibundgut, Moreno)
06. Zoot Suit Mardi Gras
(Ramirez, Rodriguez, Balladares, Leibundgut, Moreno, West)
07. Go Your Way
(Kia, Ramirez, Analla, Rodriguez, Balladares)
08. After the Summer
(West, Ramirez, Rodriguez, Balladares, Leibundgut, Moreno)
09. Flying Tigers, Crying Dragons
(Ramirez, Rodriguez, Balladares, Leibundgut, Moreno)
10. Ain't Talkin' 'Bout Love
(Edward Van Halen, Alex Van Halen, David Lee Roth, Michael Anthony)
11. Never Will Be Mine
(West, Ramirez, Rodriguez, Balladares, Leibundgut, Moreno)
12. La Hora
(Ramirez, Rodriguez, Balladares, Leibundgut, Moreno, West)
13. Hands to Eternity
(Daley, West, Ramirez, Rodriguez, Balladares, Leibundgut, Moreno)
14. En El Mar
(Balladares, Ramirez, Rodriguez, Leibundgut, Moreno, West)

■Personnel
Chas West - Vocals
Roy Z - Guitars, Vocals
Ray Rodriguez - Keyboards
Elvis Balladares - Percussion
David Moreno - Drums
Christian Byrne - Guitars, Bass
Juan Perez - Bass

Gregg Analla - Additional Vocals and Acoustic Guitar on #7
David Ingraham - Drums on #3, #6, #7
Penny Wanzo - Additional Vocals on #4, #5
Tetsuya 'Tex' Nakamura - Harmonica on #6
Nicol Mecerova - Vocals on #6
Sal Rodriguez - Timbales on #10
Mistheria - Additional Keyboards and Orchestration on #4
Richard Podolor - Mandolin on #5, Additional Guitar on #3, #12

Producer - Roy Z, Richard Podolor
Co-producer - Bill Cooper, Tribe of Gypsies

Giuffria / Giuffria (1984)

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元Angelのキーボード奏者グレッグ・ジェフリアの名を冠した、アメリカのハードロック・バンドGiuffriaの1stアルバム。後にHouse of Lordsと改名することになるバンドです。この1stアルバムの時点でのグレッグ・ジェフリア以外のメンバーは、リード・ボーカルにデヴィッド・グレン・アイズレー(ex-Sorcery)、ギターにクレイグ・ゴールディ(ex-Rough Cutt)、ベースにチャック・ライト(ex-Quiet Riot)、ドラムは後にLondonに加入するアラン・クリガー。

このバンドのサウンドの最大の特徴は、グレッグ・ジェフリアのキーボードがアンサンブルの中心になっていることでしょう。時にシンフォニックに、時にキース・エマーソン風に、華麗で大袈裟なプレイが全面的にフィーチャーされています。一方、デヴィッド・グレン・アイズレーのボーカル・スタイルは、#3"Don't Tear Me Down"や#4"Dance"に顕著なようにソウルフルで野性的なものです。オーティス・レディングとかウィルソン・ピケット大好きみたいな。グレッグ・ジェフリアが何故ボーカリストとしてデヴィッド・グレン・アイズレーを選んだのかは謎ですが、このミスマッチ感が面白い。ギターのクレイグ・ゴールディも自由奔放に弾きまくっていて、なんだかてんでバラバラな感じ。でも結果として、類型的なアメリカン・ハードロックとは違うサウンドになっていて、それがこのバンドの魅力かなと思いました。

本作からシングル・カットされた#2"Call to the Heart"は全米チャートで15位を記録、アルバム自体26位とそこそこのヒットとなったようです。しかし後が続かず、2ndアルバムのセールス不振でバンドは分解、バンド名をHouse of Lordsに変えて再出発。その際デヴィッド・グレン・アイズレーは追い出されて、代わりにジェイムズ・クリスチャンがボーカリストの座に着きます。ジェイムズ・クリスチャンは大好きなシンガーなのですが、デヴィッド・グレン・アイズレーも捨て難い魅力があるのに。なんて思っていたら、近年デヴィッド・グレン・アイズレーとクレイグ・ゴールディを中心にバンドが再結成されたようです。2017年にアルバムもリリースしたようですが、本人不在でGiuffriaを名乗るのはさすがに憚られたのか、Eisley / Goldyという名義となっています。

評価 ★★★☆☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Do Me Right (G. Giuffria, D. G. Eisley)
02. Call to the Heart (G. Giuffria, D. G. Eisley)
03. Don't Tear Me Down (G. Giuffria, D. G. Eisley, C. Goldy)
04. Dance (G. Giuffria, D. G. Eisley, C. Goldy)
05. Lonely in Love (G. Giuffria, D. G. Eisley)
06. Trouble Again (G. Giuffria, D. G. Eisley)
07. Turn Me On (G. Giuffria, D. G. Eisley, C. Goldy)
08. Line of Fire (G. Giuffria, D. G. Eisley)
09. The Awakening (G. Giuffria, D. G. Eisley)
10. Out of Blue (G. Giuffria, D. G. Eisley)

■Personnel
Gregg Giuffria - Keyboards, Vocals on #9
David Glen Eisley - Vocals
Craig Goldy - Guitar
Alan Krigger - Drums
Chuck Wright - Bass, Vocals

Producer - Gregg Giuffria

Temple of Tears / Harlan Cage (2002)

0395Temple Of Tears









L.A.グリーン(Vo, G)とロジャー・スコット・クレイグ(Key, Vo)によるメロハー・プロジェクトHarlan Cageの4thアルバム。この後アルバムのリリースは無く、古巣のFortuneの活動が再開しているので、現時点では本作がラスト・アルバムということになります。

Harlan Cageと言えば哀愁メロハー、過剰なまでの哀愁路線が特徴だったわけですが、本作では哀愁がやや抑え目になっていて、ちょうどいい塩梅だと感じました。それに、これまではどのアルバムもメロディが似通っていて曲の区別がつきにくい面がありましたが、今回は曲の個性がそれぞれはっきりしているし、出来も良いと思います。どうやら最終作にして最高傑作が生まれたようです。なお、前作と同じく今回もFortune時代のセルフ・カバー曲#7"Deep in the Heart of the Night"が収録されています。

歌メロの「泣き」が控えめになった一方で、ギターが泣きまくっているのも高ポイント。ギタリストはビリー・リースギャングとマイケル・ターナーがクレジットされていますが、日本盤ライナーノートによれば、今回メインはマイケル・ターナーだそうです。HR/HM的なフラッシーなソロを弾くタイプではなく、マイケル・トンプソンなどの系統のAOR/フュージョン系ギタリストですね。柔らかな音色、伸びやかなフレーズが素晴らしいです。総じて、哀愁メロハーや泣きのギターを好む向きにはおすすめのアルバムだと思います。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Any Port in the Storm
02. Wooden Cross
03. Just a Face in the Rain
04. One New York Morning
05. On the Nickel
06. In My Neighborhood
07. Deep in the Heart of the Night
08. Sin City
09. As You Fly
10. Later Than You Know
11. We Belong
All songs by Roger Scott Craig & L. A. Greene

■Personnel
L. A. Greene - Vocals, Guitars
Roger Scott Craig - Keyboards, Vocals

Michael Turner - Guitar
Billy Liesegang - Guitar
Hans Fleder - Drums
Uri Yamato - Bass

Producer - Roger Scott Craig

Fury / Fury (1985)

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Blanc Facesの新作が中々出ないので(もう出ないのかな?)、ロビー・ラ・ブランクとブライアン・ラ・ブランク兄弟が1985年にFuryという名義でリリースした唯一作を取り上げます。筆者が入手したのは2007年アメリカのRetrospect Recordsから再発されたもので、これが初CD化だと思われます。ただ、これは正規盤ではないらしく、その後2016年になってイタリアのSteelheart Memoriesレーベルの「The "Lost US Jewels" Collectors Series」第一弾として、500枚限定で正規CDがリリースされています。

Rascalsのフェリックス・キャヴァリエをプロデューサーに迎え、ニック・モロック、ジェフ・ボヴァといったセッション・ミュージシャンをバックに、80年代の空気が閉じ込められたような音作りがされています。メロハー/AORというよりポップ・ロックですね、これは。「ベストヒットUSA」でよく流れていたような音楽です。懐かしいような、ウンザリするような、微妙な感じ。軽いアメリカ映画のラストで日に焼けた女の子が顔の高さに肘を上げて踊っているシーンからエンドロールにいくみたいな、長髪だけど耳は出てるみたいな、シャツをケミカルウォッシュ・ジーンズの中にたくしこんでるみたいな、キーボードを立って弾きながらクネクネしている男が二人いるみたいな、誰かロマンチック止めてみたいな。普通なら右の耳から左の耳に抜けてしまうような音なんですが、そこは探しに探したCDなんで聴き込みましたよ。Blanc Facesに通じるメロディの良さはそれなりに感じられるし、ロビー・ラ・ブランクの声はまだ若くて後年のコクは無いもののやはり上手いです。ん~、でもBlanc Facesの前身じゃなかったらやっぱり聴かないだろうな、こういうのは。

評価 ★★★☆☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Keep on Dreamin'
02. Look Out Now
03. In Her Arms
04. Hey Darlene
05. She Don't Know
06. Say What You Will
07. Sorry to Say
08. Ready or Not
09. Fast Girl
10. Take What You Want

■Personnel
Robbie La Blanc - Lead Vocals, Guitar
Brian La Blanc - Bass, Guitar, Keys
Jeff Bova - Keys
Steve Gaspar - Keys
Nick Moroch - Guitar
Nick Mangini - Drums, Percussion
Bashiri Johnson - Percussion
Frank Simms - Backing Vocals

Producer - Felix Cavaliere

The Roaring of Dreams / Pride of Lions (2007)

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ジム・ピートリックとトビー・ヒッチコックによるメロハー・プロジェクトPride of Lionsの3rdアルバムです。1st、2ndと聴いてきて、メロディとアレンジのわざとらしさ、トビー・ヒッチコックの「歌わされてる」感、全体に感じられる通俗臭、これらが鼻についてどうも好みに合わないと感じていました。3rdまで聴いてダメならもう買うのはやめようと思っていたところ、これが意外にも中々にいい感じです。先に挙げたような点は完全に無くなってはいませんが、それほど気にならないレベルだし、何より曲の出来がいいです。トビー・ヒッチコックの文字通りの熱唱も今回はストレートに心に届きました。

気に入った曲をピックアップしてみます。

#3"Love's Eternal Flame"
ミドルテンポのメロハー/AOR。センチメンタルでロマンチックなヴァースも、力強くポジティヴなコーラスも、メロディが良く出来ているし、インスト・パートのアンサンブルも心憎い仕上がりです。

#4"Language of the Heart"
高揚感に満ちたスピード・チューン。やはりメロディがいいですね~。

#5"Let Me Let You Go"
躍動的なリズムが心地良いミドル・テンポのナンバー。マイナー・キーですが、哀愁感より力強さが前面に出ています。

#7"Defying Gravity"
ドラマチックなメロディが印象的なスピード・チューン。マイク・アキノのギター・ソロも華麗でカッコいいです。

#9"Secret of the Way"
爽やかでオシャレなAORナンバー。メロディがちょっとバート・バカラックを思わせます。文句無しにいい曲です。

#10"Astonish You"
哀愁メロディが絶品のAORナンバー。アンサンブルも素晴らしく、これはもう名曲レベル。このアルバムで一番好きな曲です。

#11"Tall Ships"
これもドラマチックで高揚感あるメロディが素晴らしく、本作のハイライトとなる一曲でしょう。珍しくホルンの音が入っていますが、これがワクワク感をかき立ててくれます。最高!

#12"Turnaround"
いわゆるパワー・バラードなんですが、トビー・ヒッチコックの熱いボーカルがとにかく凄い!途中で絡んでくる女性ボーカルは、トーリ・ヒッチコックという人で、奥さんかと思ったら妹ということでした。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Heaven on Earth
02. Book of Life
03. Love's Eternal Flame
04. Language of the Heart
05. Let Me Let You Go
06. Faithful Heart
07. Defying Gravity
08. The Roaring of Dreams
09. Secret of the Way
10. Astonish You
11. Tall Ships
12. Turnaround
13. I Am My Father [Bonus Track]
All songs written by Jim Peterik

■Personnel
Toby Hitchcock - Lead Vocals
Jim Peterik – Lead Vocals, Guitar, Keyboards
Ed Breckenfeld - Drums
Clem Hayes - Bass
Mike Aquino - Guitar
Christian Cullen - Keyboards

Greg Flint - French Horn on #11
Thom Griffin - All Background Vocals
Tori Hitchcock - Vocals on #12

Producer - Jim Peterik
Co-producer - Larry Millas
Executive-Producer - Serafino Perugino

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