メロディアス・ハードロック名盤探訪 別館

哀愁・叙情・爽快...メロハー、AOR、ハード・ポップ、メロディック・メタルの傑作との出会いを求めて。 メロディック・ロックのアルバムをレビューしていくブログです。

Von Groove

Drivin off the Edge of the World / Von Groove (2000)

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カナダのハードロック・トリオVon Grooveの6枚目のアルバム。オリジナル・アルバムとしては5作目となります。ラインナップはデビューから一切変わらず、ムラデン(G)、マシュー・ジェラード(B)、マイケル・ショットン(Ds, Vo)という面々です。

元々このバンドにはLed Zeppelinの影響が感じられましたが、本作はこれまで以上にストレートにZEP風な音になっています。#3"South of Zero"なんかは歌詞まで"Living Loving Maid"のオマージュでしょう。収録曲はどれもずっしり重いグルーヴがとにかくカッコいい。そしてVon Grooveらしくどこかひねくれたような、とぼけたような味わいがあって、しかもメロディアスです。異色なのはインスト曲#8"Jack the Riffer"。圧倒的にスリリングかつパワフルで、3人の演奏力の高さをまざまざと見せ付けられます。

4thアルバムTest of Faithまでは日本盤も発売されていたのに、いつの間にか日本でのリリースは無くなり、バンドは続いているのか解散したのかも分からなくなってしまいました。マシュー・ジェラードはすっかりソング・ライター、プロデューサーとして結構な売れっ子になっちゃってるし。あと一枚The Seventh Dayが残っていますが、これがラスト・アルバムとなってVon Groove消滅というのでは寂しいですね。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Drivin off the Edge of the World
02. I Can't Find My Groove
03. South of Zero
04. Stone Soldier
05. Slide
06. Blue Murder
07. Control
08. Jack the Riffer
09. Cold to You
10. I Found Heaven

■Personnel
Mladen - Guitars
Matthew Gerrard - Bass
Michael Shotton - Drums, Vocals

Driving Off the Edge of the World
Von Groove
Mtm Music & Publish
2007-02-19

 

3 Faces Past / Von Groove (2000)

0346three Faces Past









カナダのハードロック・バンドVon Grooveのアコースティック企画アルバム。リリースは2000年、メンバーは不動でムラデン(gt)、マシュー・ジェラード(b)、マイケル・ショットン(ds, vo)のトリオ編成です。

いきなり1stアルバム収録の名曲"House of Dreams"で始まる構成が心憎い!ツカミはOKって感じです。アコースティク・アレンジで哀愁メロディが一層際立っている印象です。全体にあまりユルくならずタイトに仕上がっているのが特徴と感じました。元々実力の高いこのバンドらしく、アコースティックでも「ロック」を感じさせる聴き応えのあるアルバムとなっています。収録曲は全10曲で、1stから2曲、2ndから2曲、3rdから2曲、4thから2曲とアルバム発表順に几帳面に並んでいるのが面白い。9曲目はアルバム未収録(と思う)、10曲目は本作の後リリースされた(と思う)5thからとなっています。収録曲が少な目ですが、かえって聴き飽きないのも良い点だと思いました。必殺の哀愁メロハー"Two Nights in Tokyo"もやってくれたらもっと良かったのになぁ。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. House of Dreams
02. Better Than Ever
03. Rainmaker
04. Lady Blue
05. The Snake
06. Tonight We Rock & Roll
07. Tell It to Me
08. Fooling Yourself
09. Vision of Love
10. Cold to You

■Personnel
Mladen - all guitars
Matthew Gerrard - bass, keyboards
Michael Shotton - drums, percussion, keyboards, vocals

William Ruddy - additional background vocals on #6

3 Faces Past
Von Groove
Z Records UK
2004-01-01

 

Test of Faith / Von Groove (1999)

0252Test Of Faith









1999年にリリースされたカナダのハードロック・バンド、ヴォン・グルーヴ(Von Groove)の4thアルバム。なんとも微妙なアルバムを作ってくれました。毎回微妙っちゃ微妙なので、それがこのバンドの個性なんでしょうが、評価しづらいというか、人によって全然評価が変わってくるというか。筆者は好きですけど。ハードロックだけれど、妙にポップ。音は重厚なのに、変に軽妙な印象が残る。暑苦しい系のボーカルなのに、なんか醒めた感じがする。掴みどころがありません。それに加えて、本作ではアコギを使った穏やかな曲が多く、1stの"House of Dreams"、3rdの"Two Nights in Tokyo"のような強力なメロディアスハード・ナンバーもないので、かなり地味な印象です。このバンドのヘンテコリンさが少し薄れてしまったのも淋しいです。

そう言えば、Von Grooveは新作が出ていないし、メンバーそれぞれ別のバンドやプロジェクトに参加しているので、もう解散したか活動停止となっているものだとばっかり思っていましたが、YouTubeに2013年のFireFestでのライブ映像があったのが嬉しかったです。再結成なのか、一回限りのライブなのかは分かりませんが。

評価 ★★★☆☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Test of Faith
02. It Should Have Been Me
03. I Saw the Light
04. Foolin' Yourself
05. Back in Love Again
06. Tell It to Me
07. Anything for My Baby
08. Only Love
09. The Damage Is Done
10. Rock & Roll Station
11. April May [Bonus Track]
12. Calling the World [Bonus Track]
All songs written by Von Groove

■Personnel
Mladen - guitars, vocals
Matthew Gerrard - bass, vocals, keyboards
Michael Shotton - lead vocals, drums, percussion, keyboards

Producer - Von Groove

Test of Faith
Von Groove
Pidm
1998-12-07

Mission Man / Von Groove (1997)

0165Mission Man









カナダのハードロック・トリオ、ヴォン・グルーヴの3rdアルバム。巷では2ndRainmakerの評価が芳しくなかったようで、本作では1stのようなストレートな作風に戻っています。特に#2"Two Nights in Tokyo"はメロハーど真ん中の名曲。2ndでは聴けなかった曲調なのでうれしくなります。1995年12月にハーレム・スキャーレムの前座として来日した際の喜びを歌ったようで、そういえばY&Tに"Midnight in Tokyo"なんてのがあったな~と思い出しました。このブログをアップするに当たって、"Two Nights in Tokyo"のビデオ・クリップというのをはじめて見ましたが、これがまたわけのわからないビデオで、いかにもヴォン・グルーヴらしいです。

アルバム前半は前述のように比較的ストレートなハードロックが続きますが、後半は2nd路線のZEP風の不可思議な曲が多くなります。素っ頓狂なギターとか、筆者としてはこれはこれで嫌いじゃないです。なんとなくフツーじゃないところがこのバンドの個性だと思うので、小さくまとまらずに行くところまで行ってもらいたいものです。バンド・メンバーはこれまでと変わらず、ムラデン(gt)、マシュー・ジェラード(ba)、マイケル・ショットン(vo、ds)の3人。アディショナル・ミュージシャンとしてロブ・プレウス(Spoons、Honeymoon Suite)、アル・ラングレイド(Total Stranger)もクレジットされています。
 
評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. All for Rock & Roll (Michael Shotton, Mladen, Matthew Gerrard)
02. Two Nights in Tokyo (Mladen, Michael Shotton)
03. When Love Comes Back Around (Michael Shotton, Mladen, Matthew Gerrard)
04. Chameleon (Mladen, Matthew Gerrard)
05. Mission Man (Mladen, Matthew Gerrard)
06. What Is Love (Without You) (Michael Shotton, Mladen, Matthew Gerrard)
07. The Snake (Mladen, Matthew Gerrard)
08. Barely Human (Mladen, Matthew Gerrard)
09. Stop Sleeping Your Dreams Away (Mladen, Matthew Gerrard)
10. Disbeliever (Mladen, Matthew Gerrard)
11. Tonight We Rock and Roll (Michael Shotton, Mladen, Matthew Gerrard)
12. On the Run (Michael Shotton, Mladen, Matthew Gerrard)
13. Propaganda (Mladen, Matthew Gerrard)

■Personnel
Michael Shotton - vocals, drums, percussion, keyboards
Mladen - guitars, dobro, vocals
Matthew Gerrard - bass

Rob Preuss - additional keyboards on "What Is Love (Without You)"
Al Langlade - additional backing vocals on "Tonight We Rock and Roll"
William Ruddy - additional backing vocals on "What Is Love (Without You)"

Producer - Von Groove 

ミッション・マン
ヴォン・グルーヴ
エイベックス・トラックス
1997-03-21

 

Rainmaker / Von Groove (1994)

0072Von Groove Rainmaker

カナダのハードロック・トリオ、ヴォン・グルーヴの2枚目のアルバム。1stにあったようなメロハー要素は大幅に減少し、70年代的雰囲気を漂わせたブルース・ベースのハードロック・サウンドが展開されています。このアルバムから筆者はレッド・ツェッペリンを思い起こしました。ボーカル・スタイルや、リズムやリフにツェッペリンに似た部分があるのはもちろんですが、ちっょと訳の分からないところがあるのがツェッペリンを思わせるのです。

ツェッペリンは昔から聴いていますが、必ずしも文句なしにかっこいい曲ばかりではないと感じていました。しかし、ツェッペリンくらい存在のデカいバンドになると、「つまらない曲だな」と思っても「隠れた名曲」とか言う人が必ずいるし、「ツェッペリンのレコードにつまらない曲が入っている訳はない」という信心にも似た思い込みもあって、「曲がつまらないんじゃなくて、自分の聴き込みが足りないんだ」というふうに考えるようになります。しかし、いくら聴き込んでもやはりいい曲とは思えないものもある。ただ、何度も聴いたために細かいところまで耳に馴染んで、良いにつけ悪いにつけ、バンドの息遣いというか、試行錯誤や迷いみたいなものも感じられるようになり、「かっこよくはないけれど、つまらなくはない」というふうに思えてきます。そんなに楽しめないし理解できないけど、つまらなくはない。これを筆者の脳内の言葉で「訳が分からない曲」と名づけています。ぶっちゃけ、ツェッペリンだって全ての曲を綿密に仕立て上げているわけじゃないだろうし、その場のノリで割とイージーに録音した曲もあるだろうし、時には曲数が足りなくて今で言う「捨て曲」を収録したアルバムだってあるでしょう。よく言えばライブな感じ、生々しい感じ、悪く言えば粗製乱造、玉石混交、60~70年代なんてそういう時代だったと思います。

長くなってしまいました。ヴォン・グルーヴのこのアルバム、巷の評判はあまり良くないのですが、筆者としては、訳の分からないところもあるけれどつまらないアルバムではないと思っています。ヴォン・グルーヴは悲しいかなツェッペリンのように偉大なバンドとは認識されていませんが、筆者は彼らをツェッペリン的な凄みと力、凡百のバンドにはないクセのあるバンドと評価しています。ただ、彼らがこのアルバムで70年代的ノリを狙ったのか、別の狙いが外れてこうなったのかは分かりませんが。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基 準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。  

■Tracks
01. Sacred Ground (Mladen, Matthew Gerrard)
02. The Weight (Mladen, Michael Shotton, Matthew Gerrard)
03. Queens Logic (Mladen, Matthew Gerrard, Grant Ford)
04. Rainmaker (Mladen, Matthew Gerrard, Grant Ford)
05. Lady Blue (Mladen, Michael Shotton, Matthew Gerrard)
06. Indian Man (Mladen, Matthew Gerrard, Grant Ford)
07. Nobody Loves You (Like I Do) (Mladen, Michael Shotton, Matthew Gerrard)
08. E.O.D. (Mladen, Michael Shotton, Matthew Gerrard)
09. Bed of Lies (Mladen, Michael Shotton, Matthew Gerrard)
10. Heavens Door (Mladen, Michael Shotton)

■Personnel
Michael Shotton - all vocals, percussion, drums on 8, 9, 10
Matthew Gerrard - bass guitar, keyboards
Mladen - electric & acoustic guitars

Chris McNeil - drums

Producer - Von Groove 

Rainmaker
Von Groove
Koch International
1995-10-30

 

Von Groove / Von Groove (1992)

0037Von Groove

カナダのトロントから出てきたメロディアス・ハードロック・バンド、ヴォン・グルーヴの1stアルバム。「メロハー」と言い切ってしまうより、ハードロックの中ではメロディアスな音というのしっくり来るのかな。その辺は実は微妙な感覚なわけですが。ヴォン・グルーヴは、トロント生まれのトロント育ちのマ シュー・ジェラード(Ba)、イギリスはニューキャッスル生まれのトロント育ちマイケル・ショットン(Vo, Ds)、旧ユーゴスラヴィアのクロアチア生まれでトロントに移住したムラデン(Gt)のトリオ編成。いずれもカナダのロック・シーンで数多くのスタジオ・ ワークをこなしてきたセッション・ミュージシャンです。スタジオ・ミュージシャンが集まって作ったバンドというと、ダン・ハフのジャイアントを思い浮かべますが、出てくる音に違いはあれ、音楽的な技量という面では同じく安心して聴いていられます。演奏・歌唱に不安定さのカケラもありません。

出だしが下品ですが、#1"Once Is Not Enough"から骨太なロックン・ロール全開でうれしくなります。ただし、ストレートなようでいてちょっとひねくれた感じもあり、一筋縄ではいかないバ ンドという印象です。筆者のお気に入りは#6"House of Dreams"、一発でガツンとくる名曲です。ハードなサウンドに哀愁メロディが乗っかって、これぞメロディアス・ハード!リフが#13"Sweet Pain"と似すぎなんですが。。。切ないバラード#4"Once in a Lifetime"、これもとても良い曲です。ボーナス・トラックの#15"King of Your World"も、ライブの熱さが伝わってきて素晴らしい。このバンド最近音沙汰ありませんが、ライブ・アルバムを出したらいいのにと思います。

なお、いくつかの曲ではマイケル・ショットンではなく、バッド・イングリッシュ~ハード・ライン~ジャーニーと、ニール・ショーンと行動をともにしているディーン・カストロノヴォがドラムを叩いています。プロデュースはバンド自身で行っていますが、ディーン・カストロノヴォが参加している曲のプロデュースには、リッチー・ズィトーの名前がクレジットされています。このアルバムの前にバッド・イングリッシュのプロデュースを担当した縁かもしれません。元々は セッション・ギタリストでしたが、バッド・イングリッシュのほかにも幅広いジャンルのアーティスト、たとえばチープ・トリック、ラット、ジョー・コッ カー、エリック・カルメンなどのアルバム制作に携わってきたベテラン・プロデューサーです。そのほか、後にマシュー・ジェラードがプロデュースするTotal Strangerのアル・ラングレイドもバッキング・ボーカルでクレジットされています。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Once Is Not Enough (Von Groove)
02. Better Than Ever (Von Groove)
03. Can’t Get Too Much (Von Groove)
04. Once in a Lifetime (Von Groove)
05. Every Beat of My Heart (Von Groove)
06. House of Dreams (Von Groove)
07. C’mon, C’mon (Von Groove)
08. All the Way Down (Von Groove)
09. Arianne (Von Groove)
10. Slave to Sin (Von Groove)
11. Love Keeps Bringing Me Home (Von Groove)
12. Smaug (Von Groove)
13. Sweet Pain (Von Groove)
※日本盤ボーナストラック
14. Soldier of Fortune (Von Groove)
15. King of Your World (Live) (Von Groove)

■Personnel
Matthew Gerrard - bass guitar, backing vocals, keyboards, all programming and sequencing
Michael Shotton - lead and backing vocals, drums
Mladen - all guitars, mandolin, backing vocals

Deen Castronovo - drums on 1, 4, 5, 6
Tommy Funderburke - backing vocals
Al Langlade - backing vocals
Grant Cummings - backing vocals
John Metherell - backing vocals
Steve McPhail - backing vocals
Norm Arnold - percussion
Scott Humphrey - keyboards, digital sound editing
Ivana - girl's voice on 1
Rhonda - girl's voice on 13

Producer - Von Groove
Except Tracks 1, 4, 5, 6 Produced by Richie Zito

Von Groove
Von Groove
Z
2006-02-27

 
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