スウェーデンのメロハー・グループ、グランド・イリュージョンの2ndアルバム。メンバーは、前作と同じくピーター・スンデル(Vo)、アンダース・リドホルム(Ba, Gt, Key)、ペール・スヴェンソン(Vo)、クリスチャン・スンデル(Ds)、オーラ・カールソン(Gt)です。プロデュースを担当し、全曲の作曲・編曲も行っているのは中心人物のアンダース・リドホルム。クレジットを見ると、ハートランドのクリス・ウーズィーが作詞で、スティーヴ・モリスがリード・ギターでそれぞれ1曲参加しているのが目を引きます。
前作を取り上げたとき、楽曲・アレンジ・演奏・歌唱・サウンドプロダクションの完成度はパーフェクトなのに、意外にメロディが心に残らないという意味のことを書きました。残念ながら本作にも同様の感想を持ってしまいました。これも前回書いたことですが、筆者は煌びやかでギミックの目立つサウンドが好きではありません。本作はますます凝ったアレンジとアンサンブルで、これでもかというほど豪華絢爛たるサウンドになっています。けれん味のない音楽を好む筆者のようなリスナーには聴くことが苦痛とさえ感じるサウンドです。たとえば、ゲストのスティーヴ・モリスが、ブライアン・メイのようなギターの多重録音を聴かせる#7"Gotta Give It Up"も、ただそればっかりが目立つだけで歌メロの印象は薄い。随所で入ってくるボーカル・ハーモニーもまるで合唱団のように分厚く大袈裟かつ煌びやかで、うるさく感じてしまいます。もちろん、このバンドを好意的に受け止めるファンがいるのは当然ですが、筆者は2枚のアルバムをそれなりに聴き込んでもどうしても好きになれませんでした。要するに趣味に合わないんですね。このバンドとアンダース・リドホルムがらみのアルバムを取り上げるのはこれで打ち止めにしたいと思います。さようなら、グランド・イリュージョン。
評価 ★★☆☆☆
★★★★★ 傑作
★★★★☆ 秀作
★★★☆☆ 佳作
★★☆☆☆ 凡作
★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。■Tracks
01. I Refuse (Anders Rydholm, Ola Karlsson)
02. Battle for Your Heart (Anders Rydholm, Chris Ousey)
03. Zeroes and Ones (Anders Rydholm, Ola Karlsson)
04. The Prophecy of the Returning Son (Anders Rydholm, Ola Karlsson)
05. Between Dark and Dawn (Anders Rydholm, Ola Karlsson)
06. Straight Face (Anders Rydholm, Ola Karlsson)
07. Gotta Give It Up (Anders Rydholm, Ola Karlsson)
08. Who's It Gonna Be? (Anders Rydholm, Ola Karlsson)
09. Positively Negative (Anders Rydholm, Ola Karlsson)
10. Blinded (Anders Rydholm)
11. Don't Hurt Yourself (Anders Rydholm, Ola Karlsson)
■Personnel
Peter Sundell - lead and backing vocals
Anders Rydholm - bass, guitar, keyboards
Per Svensson - lead and backing vocals
Christian Sundell - drums
Ola Karlsson - guitar
Roger Ljunggren - guitar solos
Steve Morris - guitar choirs on 7
Per Thuresson - guitar solo on 6
Johan Glössner - guitar solo on 5
Pete Coleman - bagpipes on 4
Producer - Anders Rydholm