Blanc Facesの新作が中々出ないので(もう出ないのかな?)、ロビー・ラ・ブランクとブライアン・ラ・ブランク兄弟が1985年にFuryという名義でリリースした唯一作を取り上げます。筆者が入手したのは2007年アメリカのRetrospect Recordsから再発されたもので、これが初CD化だと思われます。ただ、これは正規盤ではないらしく、その後2016年になってイタリアのSteelheart Memoriesレーベルの「The "Lost US Jewels" Collectors Series」第一弾として、500枚限定で正規CDがリリースされています。
Rascalsのフェリックス・キャヴァリエをプロデューサーに迎え、ニック・モロック、ジェフ・ボヴァといったセッション・ミュージシャンをバックに、80年代の空気が閉じ込められたような音作りがされています。メロハー/AORというよりポップ・ロックですね、これは。「ベストヒットUSA」でよく流れていたような音楽です。懐かしいような、ウンザリするような、微妙な感じ。軽いアメリカ映画のラストで日に焼けた女の子が顔の高さに肘を上げて踊っているシーンからエンドロールにいくみたいな、長髪だけど耳は出てるみたいな、シャツをケミカルウォッシュ・ジーンズの中にたくしこんでるみたいな、キーボードを立って弾きながらクネクネしている男が二人いるみたいな、誰かロマンチック止めてみたいな。普通なら右の耳から左の耳に抜けてしまうような音なんですが、そこは探しに探したCDなんで聴き込みましたよ。Blanc Facesに通じるメロディの良さはそれなりに感じられるし、ロビー・ラ・ブランクの声はまだ若くて後年のコクは無いもののやはり上手いです。ん~、でもBlanc Facesの前身じゃなかったらやっぱり聴かないだろうな、こういうのは。
評価 ★★★☆☆
★★★★★ 傑作
★★★★☆ 秀作
★★★☆☆ 佳作
★★☆☆☆ 凡作
★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。■Tracks
01. Keep on Dreamin'
02. Look Out Now
03. In Her Arms
04. Hey Darlene
05. She Don't Know
06. Say What You Will
07. Sorry to Say
08. Ready or Not
09. Fast Girl
10. Take What You Want
■Personnel
Robbie La Blanc - Lead Vocals, Guitar
Brian La Blanc - Bass, Guitar, Keys
Jeff Bova - Keys
Steve Gaspar - Keys
Nick Moroch - Guitar
Nick Mangini - Drums, Percussion
Bashiri Johnson - Percussion
Frank Simms - Backing Vocals
Producer - Felix CavaliereJeff Bova - Keys
Steve Gaspar - Keys
Nick Moroch - Guitar
Nick Mangini - Drums, Percussion
Bashiri Johnson - Percussion
Frank Simms - Backing Vocals