0271Standing Alone









カナダの叙情派HR/HMバンド、White Wolf(ホワイト・ウルフ)の1stアルバム。いまだにジャケットに描かれた生物は謎のままですが、中身の方はメロハー好きにとっては傑作という呼び声が高い一枚です。このバンドは80年代に2枚のアルバムを残しており、どちらもアメリカ的な乾いたイメージとは無縁で、その湿り気のあるサウンドはブリティッシュ・ハードに近いものがあります。今回取り上げる1stは、メロディ自体はキャッチーなんですが、大仰な歌唱スタイルや、硬質なリフ、全体に漂う「様式美」臭からして、かなりメタル寄りの印象。HR/HMを嫌うような人からはダサさの極みのように言われるのは間違いないでしょうが、音楽を「これはダサい」「これはイケてる」とかで判断してるような奴、流行を追って流され続けているような奴の言うことに耳を貸す必要はありません。この素晴らしさが分からないなんて可哀相ねと同情してあげましょう。収録時間は38分弱と短いですが、緊張感と叙情性に満ちた音楽世界を堪能できる名盤だと筆者は思います。

さてレコーディング・メンバーですが、ボーカルは後にドン・ウルフと名乗ることになるドン・ウィルク。鼻にかかったような声と、力みのある歌唱が田舎臭くて、好感度3割増しになりますね。ギターはカム・マクラウドで、リッチー・ブラックモア+マイケル・シェンカー÷2といったリード・ギターがたまらなくカッコいいです。この人のプレイが楽曲の叙情性を2割増しにしている感じです。この二人は2000年代に入ってWhite Wolfを再始動させることになります。他のメンバーは、リック・ネルソン(Gt)、レス・シュワルツ(B)、ロリス・ボルゾン(Ds)、プロデュースはダニー・ロウとジャック・リチャードソン。ダニー・ロウは451°やPrototypeというバンドのギタリストでもあり、その関係からかPrototypeのブラッド・ステックラー、ブライアン・アイランド、ダグ・ライリーが#4"What The War Will Bring"にバック・ボーカルで参加しています。もう一人のジャック・リチャードソンは2011年に他界していますが、カナダの著名なプロデューサーで、Guess Who、Moxy、Brighton Rockといったカナダのバンドをはじめ、世界中の数多くのアーティストの作品をプロデュースしてきた人です。

なお、本作は単独で売られているものの他に、復活後の所属レーベルであるEscapeからリリースされた2ndとのカップリング盤もありますので、それも選択肢の一つになるかと思います。

 評価 ★★★★★
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
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■Tracks
01. Standing Alone (MacLeod/Wilk)
02. Headlines (MacLeod/Wilk)
03. Shadows In The Night (MacLeod/Wilk)
04. What The War Will Bring (MacLeod/Wilk)
05. Night Rider (Wilk)
06. Homeward Bound (MacLeod/Wilk)
07. Metal Thunder (MacLeod/Wilk)
08. Trust Me (MacLeod/Wilk)

■Personnel
Cam MacLeod - Lead Guitar, Vocals
Don Wilk - Lead Vocals, Keyboards
Rick Nelson - Guitar, Vocals
Les Schwartz - Bass
Loris Bolzon - Drums, Vocals

Brad Steckler - Backing Vocals on #4
Brian Island - Backing Vocals on #4
Doug Riley - Backing Vocals on #4
Danny Lowe - Guitar on  #4

Producer – Danny Lowe (#1, #4, #5, #6), Jack Richardson (#2, #3, #7, #8)