メロディアス・ハードロック名盤探訪 別館

哀愁・叙情・爽快...メロハー、AOR、ハード・ポップ、メロディック・メタルの傑作との出会いを求めて。 メロディック・ロックのアルバムをレビューしていくブログです。

John Norum

Worlds Away / John Norum (1996)

0446Worlds Away









Europeq脱退後のジョン・ノーラムの4thソロ・アルバム。彼以外のラインナップは、ボーカルに前作から引き続いてケリー・キーリング(Baton Rouge)、ベースにピーター・バルテス(Accept)、ドラムにサイモン・ライト(AC/DC, Dio)となっています。プロデューサーにはKansas、Black Sabbath、Gary Mooreなどの作品を手がけてきたジェフ・グリックスマンが起用されています。

日本盤ライナーノーツによれば、ウケが良くなかった前作Another Destinationについて、「暗く重苦しくなってしまった」「プロデュースがお粗末だった」とジョン・ノーラム自身が語っているとのことで、本人もあまり気に入っていない様子です。では本作はどうかというと、ブルース・ロックや70年代ハードロックをベースにしたヘヴィなサウンドも、ペンタトニック主体のギター・ソロも前作と同じ趣向で、れほど前作と変わっているようには思えません。ジョン・ノーラムより抑揚のあるケリー・キーリングが今回は全曲メイン・ボーカルとなっているため、確かに重苦しさは若干軽減されていますが、基本線は同じです。1stTotal Control、2ndFace the Truthのような音を追い求める向きにはちょっとキツいかもしれません。それでも、ジョン・ノーラムのギター、ケリー・キーリングのボーカルはさすがに圧巻。特に#3"C.Y.R."、#6"Dogs Are Barking"、#11"From Outside In"といったスピード・チューンでの、バンド一体となった火の出るようなパフォーマンスは凄まじいの一言です。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Manic Distortion (Norum, Keeling, Meldrum)
02. Make a Move (Norum, Keeling, Lorber)
03. C.Y.R. (Norum, Keeling, Wright)
04. Where the Grass Is Green (Norum, Keeling)
05. Center of Balance (Norum, Keeling, Baltes, Wright)
06. Dogs Are Barking (Norum, Keeling, White)
07. Homeland (Peace of Mind) (Norum, Keeling)
08. Wasted Labor (Norum, Keeling)
09. Worlds Away (Norum, Keeling)
10. Endica (Revisited) (Norum, Baltes, Keeling)
[Bonus Track]
11. From Outside In (Baltes, Norum, Keeling)

■Personnel
John Norum - Lead & Rhythm Guitar, Vocals
Kelly Keeling - Vocals, Keyboards
Peter Baltes - Bass Guitar
Simon Wright - Drums

Producer - Jeff Glixman

Worlds Away
Norum, John
Mascot
2001-03-26

 

Another Destination / John Norum (1995)

0373Another Destination









1995年にリリースされたジョン・ノーラムの3枚目のソロ・アルバムです。1stTotal Controlと2ndFace the Truthはオーセンティックなハードロック・アルバムでしたが、今回は一言で言うとヘヴィ・ブルース・ロック。ブルージーで陰りのあるずっしり重いサウンドです。ブルージーと言っても黒人ブルースからの直接的な影響は感じられません。60年代中期から70年代初頭のブリティッシュ・ブルース、その影響下で90年代に一連のブルース・アルバムを残したゲイリー・ムーア、この流れに位置づく音楽です。当然ギター・ソロはこれまで以上にペンタトニック主体になっていますが、ゲイリー・ムーア張りに弾きまくり倒しています。そう言えば、クレジットに"This Album is Dedicated to Gary Moore"とありますね。レコーディングは、ベーシック・トラックはせーので一発録り、そこにボーカルやソロを被せたとのこと。そのせいか全体にライブっぽい生々しさがあってカッコいいです。

今回ボーカルに起用されたのはケリー・キーリング(Baton Rouge)、Blue Murderの2ndで1曲歌ったあの上手い人です。ジョン・ノーラムのボーカルももちろん悪くないけれど、もうちょっとケリー・キーリングの歌う曲が多くても良かったような気がします。考えてみると、フィル・リノットとゲイリー・ムーアへの傾倒といい、ケリー・キーリングの起用といい、ジョン・ノーラムとジョン・サイクスは共通点ありますね。名前もジョンで同じだし。それはそれとして、このアルバムの重い、暗い、ブルース色が強いという特徴は、これ以降のソロ作の基本路線となり、再結成Europeにも持ち込まれることになります。筆者はこういう音は大好きなのですが、通しで聴くとちょっと重すぎ、暗すぎな感じもします。また、過去2作と比べるとどうしても地味でワクワク感は一歩譲るという印象が否めません。

01. Inside (John Norum, B. & A. Lorber, Michelle Meldrum)
オープニングから本作を象徴するような、ヘヴィでダークでブルージーな曲です。ボーカルはジョン・ノーラム。"Inside those eyes I can see"と歌うところが、映画に出てくる気色悪い中国人みたいでなんか嫌だな。

02. Resurrection Time (John Norum, Kelly Keeling, A. & B. Lorber)
ヘヴィなリフが印象的なハードロック。これはいいですね。ボーカルはケリー・キーリングで彼のエモーショナルな歌唱が堪能できます。ギター・ソロも抜群にカッコいい!

03. Strange Days (Steve Marriott)
Humble Pieの1971年のアルバムRock On収録曲のカバー。渋いとこ持ってきますな。ボーカルはジョン・ノーラム。結構いい線いっています。オリジナルのギターはピーター・フランプトンなのでクールですが、こちらはブルージーに熱くガンガン弾きまくっています。

04. Spirit World (John Norum, Kelly Keeling, Scott Bender)
WingerとかLAメタル・バンドとかがやりそうな重いグルーヴのミドル・チューン。ボーカルはケリー・キーリング。

05. Shimmering Highs (John Norum)
叙情的なテーマと、弾き過ぎなほどのソロが印象的なインスト曲。ワウペダルによるトーン・コントロールもさすがにカッコいいです。ゲイリー・ムーア+マイケル・シェンカーといった感じかな。

06. Whose Side Are You On? (John Norum, Kelly Keeling)
ミドル・テンポのブルージーなハードロックで、ボーカルはケリー・キーリング。これも佳曲ですね。

07. Sunshine of Your Love (Jack Bruce, Peter Brown, Eric Clapton)
今やハードロックのスタンダードとなった、Creamの代表曲の一つ。半世紀以上も前の曲とは思えないカッコよさがあります。本作ではオリジナル以上にヘヴィでサイケなアレンジで聴かせます。歌っているのはジョン・ノーラム。

08. Catalina Sunset (John Norum, Billy White)
アコースティック・ギターによる静かなインスト曲です。タイトル通り夕陽の落ちる情景が目に浮かぶような名演。

09. Half Way Home (John Norum, Kelly Keeling)
ジョン・ノーラムがボーカルを担当しているハードなスピード・チューン。歌メロとかはちょっと末期のThin Lizzyっぽいかな。やっぱりギター・ソロが凄まじいです。

10. Healing Rays (John Norum, Kelly Keeling)
オリエンタル調というのか、不思議な雰囲気のメロディが印象的なミドル・テンポの曲。ボーカルはケリー・キーリング。

11. Jillanna (John Norum, Billy White)
アルバムの最後を締めくくるのは穏やかなアコギ・インスト。Don DokkenのUp From the Ashesで共演したビリー・ホワイトが作曲とギターで参加しています。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Personnel
John Norum - Vocals, Guitar, Acoustic Guitar (#11)
Kelly Keeling - Vocals, Keyboards
Tom Lilly - Bass Guitar
Gary Ferguson - Drums

Billy White - Acoustic Guitar (#11)
Ramin Sakurai - Organ (#3)

Producer - Wyn Davis, John Norum
Executive Producer - Mike Varney

Another Destination
Norum, John
Music on CD
2017-03-30

 

Face the Truth / John Norum (1992)

0278Face The Truth









1992年にリリースされたジョン・ノーラムの2ndソロ・アルバム。90年代初頭、彼はDon Dokkenのバンド・メンバーとなりアルバムUp From the Ashesの録音にも参加していました。その縁からか本作にはDon Dokkenで共にプレイしたミュージシャンが大挙参加しています。そしてボーカルはグレン・ヒューズ、ドラック中毒から抜け出して初の本格復帰作となりました。Dokken絡みのメンバーとグレン・ヒューズ(Up From the Ashesにもバック・コーラスで参加)、そしてプロデュースもUp From the Ashesと同じウィン・デイヴィスということで、スウェーデンのミュージシャンで固めた前作Total Controlと比べると、「北欧風」という要素はほとんどない図太いハードロック・アルバムに仕上がっています。楽曲・実演ともに完成度が高く、ジョン・ノーラムの最高傑作であり、名盤の名に恥じない作品でしょう。

#1"Face the Truth"
スリリングなリフ、縦横無尽なグレン・ヒューズのボーカル、水を得た魚のようなジョン・ノーラムのソロ、とにかく隅から隅までカッコいいスピード・チューン。本作のハイライトであると同時にジョンのベスト曲の一つです。

#2"Night Buzz"
ちょっと変わったギター・フレーズからスタートするミドル・テンポのヘヴィなナンバー。ボーカルはジョン・ノーラム自身。

#3"In Your Eyes"
叙情的なメロディが印象的なバラード。廃人寸前だったとされるグレン・ヒューズの歌唱は、そんなことを全く感じさせないほどに見事です。

#4"Opium Trail"
お約束のThin Lizzyカバー。Bad Reputation収録曲です。歌うのはもちろんジョン・ノーラムで、フィル・リノットになりきったボーカル・スタイルが微笑ましい。

#5"We Will Be Strong"
いきなりジョーイ・テンペストの声が聴こえたときは、Europeかと思いました。Out of This Worldに入っていてもおかしくないような、ポップでゴージャスなハードロック。ジョン・ノーラムの歌うパートもあって、ケンカ別れしたはずが意外に仲良しな感じ。

#6"Good Man Shining"
ブリティッシュ・バンドのようなブルージーで粘っこいナンバー。近年のジョン・ノーラムの路線に近いかな。グレン・ヒューズのボーカルも、ジョンのギター・ソロも圧巻です。

#7"Time Will Find the Answer"
ゲイリー・ムーアのような泣きのギター・ソロから始まる、王道の哀愁ハードロックです。ボーカルはグレン・ヒューズ。曲も歌唱も演奏も完璧。#1と並ぶ本作のベスト曲。

#8"Counting on Your Love"
変則的なリフが印象的で、ほんのりクラシカル。クレジットを見るとヨラン・エドマンとピーター・ハーマンソンの名前があるので、もしかしたら1st用のマテリアルだったのかもしれません。ボーカルはグレン・ヒューズですが、ヨラン・エドマンが歌ってもイケるような曲です。

#9"Endica"
ミドル・テンポのギター・インスト。もう止まらないぜっ!て感じでジョン・ノーラム氏が弾きまくり倒しています。

#10"Still the Night"
グレン・ヒューズとパット・スロールが書いた曲。ハードロック・プロジェクトPhenomenaの第1作に収録されており、グレン・ヒューズからするとセルフ・カバーということになります。

#11"Distant Voices"
ややメタル寄りの猛烈な勢いのあるスピード・チューン。ボーカルはグレン・ヒューズ。ここではジョン・ノーラムのギターがとにかく凄まじい。アルバム全体に言えることですが、本作でのプレイは、Europe時代も含め彼のキャリアを通してベストではないかと思います。

なお、日本盤・ヨーロッパ盤とアメリカ盤は曲順・収録曲が異なっています。アメリカ盤には"We Will Be Strong"と"Still the Night"が省かれ、代わりにEPLive in Stockholm収録曲"Don't Believe a Word"、"Free Birds in Flight"が入っています。
 
評価 ★★★★★
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Face the Truth (J. Norum/G. Hughes)
02. Night Buzz (J. Norum/H. Hildén/M. Meldrum)
03. In Your Eyes (J. Norum/P. Baltes/G. Hughes)
04. Opium Trail (S. Gorham/P. Lynott/B. Downey)
05. We Will Be Strong (J. Norum/J. Tempest/B. Haggerty)
06. Good Man Shining (J. Norum/G. Hughes/M. Höglund/M. Attaque/T. Broman)
07. Time Will Find the Answer (J. Norum/B. White/G. Hughes)
08. Counting on Your Love (J. Norum/G. Hughes/J. Tempest/G. Edman/P. Hermansson)
09. Endica (J. Norum/P. Baltes)
10. Still the Night (G. Hughes/P. Thrall)
11. Distant Voices (J. Norum/G. Hughes/P. Baltes/B. White)

■Personnel
John Norum - Guitar, Vocals
Glenn Hughes - Vocals
Peter Baltes - Bass Guitar
Hempo - Drums

Joey Tempest - Vocals on "We Will Be Strong"
Billy White - Rhythm Guitar on "Time Will Find the Answer"
John Schreiner - Keyboards
Andy Lorber - Additional Backing Vocals
Mikkey Dee - Drums on "Distant Voices"

Producer - John Norum, Wyn Davis

Face the Truth
Norum, John
Music on CD
2014-01-30

 

Live in Stockholm / John Norum (1990)

0248Live in Stockholm









1988年ストックホルムでのライヴ演奏を収録したジョン・ノーラムのEP。前年にリリースされた1stソロ・アルバムTotal Controlから、"Eternal Flame"と"Blind"、シン・リジィのナンバー"Don't Believe a Word"と"Bad Reputation"、そして未発表インスト曲(1stのアウトテイク)"Free Birds in Flight"、計5曲入りとなっています。ただし、"Bad Reputation"は日本国内盤ボーナストラックとなっており、海外盤は4曲のみの収録なので購入する場合注意が必要です。

しかしまあ、ライブではスタジオ盤以上にジョン・ノーラムが弾きまくり倒していますね。惚れ惚れするほど見事なプレイです。たった4曲だけじゃなくてフル・アルバムで聴かせてもらいたかったなあ。逆に、スタジオ録音のインスト"Free Birds in Flight"はいらなかったかも。ギター・インストっていうのは、ジェフ・ベックなど極少数の特別なギタリスト以外は、どうしても2~3回聴くと飽きちゃうんですよね。あくまで筆者個人の感じ方ですが。それにしても、最近の落ち着いたプレイも悪くないけれど、ギンギンのジョン・ノーラムはやっぱり魅力的です。対照的にこのライブEPでのヨラン・エドマンのボーカルは、スタジオ以上に線が細くて頼りないです。思うに、この人は声を張り上げてHR/HM歌うより、ちょい渋めなバンドでじっくり歌うほうが味があるんじゃないかなぁと。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Eternal Flame (John Norum, Marcel Jacob)
02. Don't Believe a Word (Phil Lynott)
03. Bad Reputation (Brian Downey, Scott Gorham, Phil Lynott) (Japanese bonus track)
04. Blind (John Norum, Marcel Jacob)
05. Free Birds in Flight (John Norum)

■Personnel
John Norum – guitars, lead vocals, backing vocals
Göran Edman – lead vocals
Henrik Hildén – drums, percussion
Peter Hermansson – drums
Mats Lindfors – rhythm guitar, keyboards, backing vocals
Per Blom – keyboards
Marcel Jacob – bass

Producer - John Norum

LIVE IN STOCKHOLM
ゲラン・エドマン
エピックレコードジャパン
1991-01-24

Total Control / John Norum (1987)

0217Total Control









The Final Countdown を最後にヨーロッパを脱退したジョン・ノーラムが、マルセル・ヤコブ、ヨラン・エドマンとともに制作した1stソロ・アルバム。1987年ということは、マルセル・ヤコブはイングヴェイ・マルムスティーンのバンドを離れてタリスマンの結成前、ヨラン・エドマンはマディソンを抜けてインギーのボーカリストとなる前ですね。その他のミュージシャンはゲスト扱いで、ドラムに220 Voltのピーター・ハーマンソン、キーボードにパー・ブロム、この人はプロデューサーでもあり、後にジョン・ノーラムの妹のトーン・ノーラムのアルバムにも参加しています。曲提供もしているマッツ・リンドフォース、マックス・ローレンツは、バック・ボーカル、オルガンでそれぞれクレジットされています。プロデュースはジョン・ノーラム自身と、220 Voltなどを手がけてきたトーマス・ウィット、さらに共同プロデューサーとしてパー・ブロムが名を連ねています。

ヨーロッパのポップ化、アメリカ指向に反発してヨーロッパを離れたジョン・ノーラム。その彼がやりたいようにやった本作は、ヨーロッパのOut of This WorldPrisoners in Paradise ほどアメリカンではありませんが、かといって意外に初期ヨーロッパほどクラシカルでも北欧色が強いわけでもありません。変な表現ですが、北欧風味のブリティッシュ・ハードという印象です。3曲だけ歌っているヨラン・エドマン、最近は円熟味を増して落ち着いた歌唱スタイルになっていますが、この頃ははまだ声が若々しいものの、線が細くて若干頼りないかな。しかし、ミスター北欧ボイスの名にふさわしい歌いっぷりが本作の魅力を高めているのは確かです。ほとんどの曲を歌っているのはジョン・ノーラムですが、結構上手いし声質がヨラン・エドマンに近いので違和感はありません。肝心のギター・プレイに関しては、ヨーロッパ時代を上回ります。The Final Countdown で溜まったフラストレーションを吹き飛ばすかのような、まさに気迫溢れる演奏。この頃はインギーを意識していたらしく、ちょっとやり過ぎ感はありますが、トーンといいフレーズの流れといい、やはり素晴らしいテクニックとセンスを持ったギタリストだと痛感させられます。それから、マルセル・ヤコブのグリグリ手数の多いベース、これははいつも通りの快感です。また、彼はオリジナル曲を全てジョン・ノーラムと共作しており、そのメロディメイカーとしての才能が本作でも伺えます。

■01. Let Me Love You (John Norum, Marcel Jacob)
ミドル・テンポのオーソドックスなハードロック。ボーカルはジョン・ノーラムですが、高音部などはヨラン・エドマンの歌い方を意識しているのか、ちょっと似てますね。
■02. Love Is Meant to Last Forever (John Norum, Marcel Jacob)
ギターのテーマからして哀愁度高めでグッと来ます。これは名曲でしょう。サビがなんとなく"The Final Countdown"に似てるのが微笑ましいです。ボーカルはヨラン・エドマン。
■03. Too Many Hearts (John Norum, Marcel Jacob)
いかにも北欧的な冷ややかさを湛えたバラード。ギター・ソロもとても美しい。
■04. Someone Else Here (John Norum, Marcel Jacob, Peter Hermansson)
ちょっと地味目の曲で、本作の中ではイマイチ感があります。
■05. Eternal Flame (John Norum, Marcel Jacob)
ボーカルはヨラン・エドマン。しょっぱなのギターとベースのユニゾンからワクワクさせてくれます。歌メロ、曲の展開、ギター・ソロ、すべて「様式美」という言葉がピッタリ。本作のハイライトの一つ。
■06. Back on the Streets (Vinnie Vincent, Richard Friedman)
ヴィニー・ヴィンセントのカバー。メロハー好きにはこの哀愁メロが堪りません。ギター・ソロもカッコいいし、うーん、オリジナルよりこっちのほうがいいですね。ボーカルはヨラン・エドマンです。
■07. Blind (John Norum, Marcel Jacob)
ZEP風のヘヴィなノリの曲。というか、モロ"Black Dog"だな。ジョン・ノーラムのボーカルもロバート・プラント風になってます。
■08. Law of Life (Mats Lindfors, Max Lorentz)
ややブルージーで、本作ではちっょと異色な曲。今度はデビカバみたいな歌い方してます。この人、結構器用に歌マネできるんですね~。
■09. We'll Do What It Takes Together (John Norum, Marcel Jacob)
シン・リジィ風のギターのハーモニー、ポップな歌メロがカッコいいです。ボーカルがジェフ・スコット・ソートを思わせるし、ちょっとタリスマンっぽい感じ。
■10. In Chase of the Wind (John Norum, Marcel Jacob)
イントロ聴いてるとUFOの"Doctor Doctor"が始まるかと思いますが、オリジナルのインスト曲。マイケル・シェンカー+ゲイリー・ムーア+イングヴェイってな感じでとにかく弾きまくってます。
■11. Wild One (bonus track) (Phil Lynott)
シン・リジィのカバー。もちろんいい曲なんですが、ボーカルがフィル・リノットそっくりなのがどうしても笑ってしまいます。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Personnel
John Norum – Guitars, Lead Vocals, Backing Vocals
Marcel Jacob – Bass Guitar
Göran Edman – Lead Vocals on 2, 5, 6, Backing Vocals

Peter Hermansson – Drums
Per Blom – Keyboards
Micke Larsson – Fretless Bass on 3
Mats Lindfors – Backing Vocals on 8
Max Lorentz – Hammond Organ on 8

Producer - John Norum, Thomas Witt
Co-Producer - Per Blom

Total Control -Deluxe-
Norum, John
Rock Candy
2020-07-31

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