0150Throwing Shapes










元Iron Maidenのクライヴ・バー(Dr)と、元Praying Mantisのティノ・トロイ(Gt)とクリス・トロイ(Ba)、元Grand Prixのバーニー・ショウ(Vo)、元Stampedeのアラン・ネルソン(Key)によるHR/HMグループStratusが唯一残したアルバム。本作レコーディングまでの経過を整理しておくと、Praying Mantisは1981年に1stアルバムTime Tells No Lies発表後にバーニー・ショウを専任ボーカリストに迎え、82年にはシングルTurn The Tableをリリース。それ以降もデモ・レコーディングを地道に続けるも陽の目を見ず結局83年にPraying Mantisは解散。Iron Maiden脱退直後のクライヴ・バーが、トロイ兄弟、バーニー・ショウと合流してEscapeを結成。デビューに向けてデモ・レコーディングを開始。同名のバンドが既に存在することが分かりバンド名をStratusに変更、最終的にアラン・ネルソンが加わり84年に本番レコーディング終了。プロデュースはこの後も何度かPraying Mantisを手がけるノーマン・グッドマン。なお末期Praying MantisとEscape時代のデモ音源は、Praying Mantis名義のアルバムDemorabiliaにまとめられて1999年にリリースされています。プレマン・ファンの立場からすると、本作はDemorabiliaとともに、Time Tells No Lies(1981)とPredator in Disguise(1991)の間をつなぐミッシングリンクということになります。

楽曲は全てストレイタス作となっているのですが、メロディの特徴からトロイ兄弟がメインで書いていると思われます。実質的にプレイング・マンティスのアルバムでしょう。ただ、Time Tells No Liesと比較するとかなり明るめでアメリカンハードに近い感じ。そういう意味では面白いことに再編成プレマンに合流するデニス・ストラットンのLionheartに似ています。サウンドのほうも、キーボードが全面にフィーチャーされ、おかしな効果音や女性のセリフなども入り、リバーブかけ過ぎて風呂場で録音したような音。つまり典型的な80年代バブリー・サウンド。曲によってはトロイ兄弟らしいキラリと光る旋律やハーモニーがあるのですが、アルバム全体を特徴付けるアメリカン・ロック的なメロディと装飾過多で軽薄なサウンドが、トロイ兄弟に合っているとは筆者には思えません。ところで、#9"So Tired"の出だしのリフがY&Tの"Hurricane"にクリソツ。これもいただけない。

なお、このアルバムのマスター・テープは紛失しており、CDはLPレコードからの盤起こしのようです。それが原因なのか、元からそうなのかは不明ですが音はかなりひどいです。薄っぺらで妙にこもっていたり、ところどころ音割れもあり、高音が耳障り。それでもこういう歴史に埋もれてしまったアルバムがCD化されるのは非常にうれしいことです。

評価 ★★★☆☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
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■Tracks
01. Back Street Lovers
02. Gimme Something
03. Even If It Takes
04. Give Me One More Chance
05. Never Say No
06. Romancer
07. Enough Is Enough
08. Run for Your Life
09. So Tired
All songs written by Stratus

■Personnel
Tino Troy — lead guitar, vocals
Bernie Shaw - lead vocals
Clive Burr - drums, vocals
Chris Troy — bass, vocals
Alan Nelson — keyboards

Producer – Norman Goodman