ドイツのHR/HMグループS.I.N.の3rdアルバム。1st、2ndでボーカルを担当したジェイソン・マークスは喉の不調のために脱退、替わってノルウェーのハードロック・バンドHushのパトリック・シモンセンが参加しています。またベース専任でヤン・エバートが新メンバーとなっています。デディ・アンドラー(Gt、Key)、ウォルフガング・フランク(Gt、Key、Ba)、アレックス・フロウシェク(Ds)の3人はこれまで通りです。さらに、バッキング・ボーカルにカーステン・シュルツ(Domain、Evidence One)、コニー・アンドレスカ(Crystal Ball、Circle of Pain)、ボバン・ミロイェヴィッチ(Snake Eye)などが参加しています。
S.I.N.は、曲はメロハーでサウンドはメタルという一貫したスタイルを保っているバンドです。前作は「ドラマチック・メロハー」と名付けたくなる劇的な曲調で楽しませてくれましたが、本作はより一層メタル寄りの音となり、またコンセプト・アルバムということでナレーションが入ったり組曲風な複雑な曲展開となっており、正直「?」となりました。これは筆者にはダメです。前作までのジェイソン・マークスのボーカルが好みではなかったので、Hushでの渋めの歌唱が気に入っていたパトリック・シモンセン加入にはとても期待したのですが。。。曲の部分部分はカッコいいのに、何度聴いてもメロディが心に残らず、アルバム全体の印象が散漫。大きな会場で、ロック・オペラみたいなライブ・パフォーマンスを体験したら、それはそれで楽しいのかも知れないけれど、CDで聴いてもあんまり面白くない。なんでコンセプト・アルバムとかやりたがるのかなぁ。
S.I.N. はこのアルバムの後、今のところ新作が出ていないし、バンドのサイトも2009年から更新されておらず、もしかしたら自然消滅しちゃってるのかもしれません。2ndの路線でもっとやってくれたらいいんだけどなぁ。もったいないです。ちなみにHushのほうはバンド活動は続いているのようなので、パトリック・シモンセンのファンとしては一安心です。
評価 ★★★☆☆
★★★★★ 傑作
★★★★☆ 秀作
★★★☆☆ 佳作
★★☆☆☆ 凡作
★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。 ■Tracks
01. Prelude
02. Signs of Doubt
03. Awakening
04. Junia's Eyes
05. Chosen Are Few
06. In Your Darkest Hour
07. The Faithful Offer
08. Sealed With A Kiss
09. Tears of Gethsemane
10. Failure
11. For Eternity and Beyond
12. His 13th Apostle
13. Circuit
14. Are We Still One? [Bonus Track for Japan]
All music written by Andler, Frank, except 14 written by Andler, Hlousek
All lyrics by Ana Kugli, except 14 by Hlousek
■Personnel
Deddy Andler – guitars, keyboards
Wolfgang Frank – guitars, bass, keyboards, backing vocals
Alex Hlousek – drums, percussions
Patrick Simonsen - vocals, backing vocals
Jan Ebert - bass
Carsten "Lizard" Schulz - backing vocals, narration
Renee Walker - backing vocals
Connie Andreszka - backing vocals, guitar solo on 8
Boban Milojevic - backing vocals
Producer - Deddy Andler, Wolfgang Frank