0036Mood Swings

カナダのメロディアス・ハードロック・バンド、ハーレム・スキャーレムの1993年リリースの2nd。ネットなどのレビューでは彼らの代表作、名盤とする評価が多いように見受けられます。いやいや、1stのほうがいいという声もありますが、日本ではこの2ndが先に発売され、1stが後になったという事情も関係しているのではないかと思われます。どうしても先に聴いたほうでバンドの音のイメージが固まり、それを基準に以降のアルバムを評価するのが自然の成 り行きだからです。ハーレム・スキャーレムに限らず、筆者はなるべくリリース順に聴くようにしているので、1stを先に聴きました。ちなみに、このブログのレビューも原則としてリリース順に書いています。そんなわけで、あくまで筆者の好みとしては、やはり1stのほうがいいかなと。

このアルバムと前作を比べると、格段に音がハードになりました。ピート・レスペランスのギターが全面に押し出され、輪郭のはっきりしたいかにもハードロック然としたサウンドが展開されています。テクニカルかつスリリングなギター・ソロも存分に聴くことができます。レスペランスがただものではないことが、このアルバムではっきり分かりました。曲の構成とコーラス・ワークもグッと複雑化し、確実にバンドのスケールが大きくなったと感じます。しかし1stでは顕著だった、自然と一緒に口ずさんでしまうようなメロディの親しみやすさが、残念ながら後退してしまいました。複雑化した曲の構成やアレンジの中にメロディが埋もれてしまった印象です。1stでは外部ライターが一部の曲作りに参加していましたが、今回は全曲がハリー・ヘスとピート・レスペランスの手によるものです。もともとは彼らはこういう曲がやりたかったのかもしれません。ただ、メロハー・バンドとしてみたとき、何よりもメロディを重視する筆者のようなリスナーにはこの変化は好ましいとは感じられませんでした。

プロデュースは、1stと同じくハリー・ヘスとピート・レスペランス、そしてケヴィン・ドイルが担当しています。へスとレスペランス以外のバンド・メンバーはマイク・ジオネット(Ba)とダレン・スミス(Dr)で、これも1stと変化はありません。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Saviors Never Cry (H. Hess, P. Lesperance)
02. No Justice (H. Hess, P. Lesperance)
03. Stranger Than Love (H. Hess, P. Lesperance)
04. Change Comes Around (H. Hess, P. Lesperance)
05. Jealousy (H. Hess, P. Lesperance)
06. Sentimental BLVD. (H. Hess)
07. Mandy (P. Lesperance)
08. Empty Promises (H. Hess, P. Lesperance)
09. If There Was a Time (H. Hess, P. Lesperance)
10. Just Like I Planned (H. Hess)
11. Had Enough (H. Hess, P. Lesperance)

■Personnel
Harry Hess - vocals, keyboards
Pete Lesperance - guitar, vocals
Mike Gionet - bass, vocals
Darren Smith - drums, vocals

Producer - Harry Hess and Pete Lesperance with Kevin Doyle