0013After the Rain

ネルソンは、アメリカの超人気カントリー・シンガーだったリッキー・ネルソン(1985年飛行機事故により死去)を父に持つ、双子の兄弟マシュー・ネルソンとガナー・ネルソンのユニット。After the Rain は彼らのデビュー・アルバムです。アメリカ人なら誰でも知っているリッキー・ネルソンの遺児で、父親譲りの美貌と才能を備えた二人のスター性は申し分ありません。メジャー・レーベルであるゲフィン(Geffen)から鳴り物入りでリリースされたこのアルバムは、全米で300万枚以上売れてチャート17位を記録、またシングルカットされた"(Can't Live Without Your) Love and Affection"は全米チャート1位、"After the Rain"が6位、"More Than Ever"が14位、"Only Time Will Tell"が28位といずれもヒットしています。アメリカン・ロックの王道を行く爽やかでキャッチーな楽曲は、アメリカのHR/HMバンドの一部にありがちなお下劣さが全く感じられず、聴いていてほんとうに気持ちがいい。特にタイトル曲"After the Rain"は、まさに雨上がりの青空を感じさせ、悩めるティーンのハートを鷲づかみするのも頷けます。PVもそんなイメージで気恥ずかしいまでにポジティブなんだけど、そこがまたいいなと。

プロデューサーのマーク・タナー(Marc Tanner)は、本作の曲作りにも参加したり、Hardline、Gotthardの曲を書いたり、最近ではThe Callingのアルバムのプロデュースなどをしている人です。もう一人プロデュースでクレジットされているデヴィッド・ソナー(David Thoener)は、Triumph、John Waiteといったアーティストのプロデュースの他、変わったところでは中島みゆきのアルバムのエンジニアを務めたりしています。バンド・メンバーを見ていくと、リード・ギターのブレット・ガースド(Brett Garsed)は、実はデレク・シェリニアン(Derek Sherinian)のアルバムに呼ばれたりしているテクニカル系ギタリストだったりします。キーボードのポール・マーコビッチ(Paul Mirkovich)はマーク・タナーとHardlineの2ndに楽曲を共作したり、マーク・タナーのプロデュースしたThe Callingのアルバムでプレイしたりしているので、彼とは縁の深いミュージシャンと思われます。ドラムのボビー・ロック(Bobby Rock)もまたHardlineの2ndでプレイしています。こうして見ていくと、なんとなくマーク・タナー人脈がこのネルソンの1stアルバム制作の土台を支えている感じがしますね。ギターのジョーイ・キャスカートも含め、このアルバムに顔を揃えたミュージシャンたちは、これ以降もネルソンのアルバムの常連となります。

評価 ★★★★★
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. (Can't Live Without Your) Love and Affection (Matthew & Gunnar Nelson, Marc Tanner)
02. I Can Hardly Wait (Matthew & Gunnar Nelson, Marc Tanner)
03. After the Rain (Matthew & Gunnar Nelson, Marc Tanner, Rick Wilson)
04. Tracy's Song (Eric Hillard Nelson, Matthew & Gunnar Nelson)
      Only Time Will Tell (Matthew & Gunnar Nelson, Marc Tanner, Greg Sutton)
05. More Than Ever (Matthew & Gunnar Nelson, Marc Tanner)
06. (It's Just) Desire (Matthew & Gunnar Nelson, Marc Tanner, Craig Stall)
07. Fill You Up (Matthew & Gunnar Nelson, Marc Tanner)
08. Interlude (Matthew & Gunnar Nelson)
      Everywhere I Go  (Matthew & Gunnar Nelson, Marc Tanner)
09. Bits and Pieces (Matthew & Gunnar Nelson, Marc Tanner, Rick Wilson)
10. Will You Love Me? (Matthew & Gunnar Nelson, Marc Tanner, Brad Bailey)

■Personnel
Matthew Nelson – vocals, guitars, bass
Gunnar Nelson – vocals, guitars
Brett Garsed – guitars, backing vocals
Paul Mirkovich – keyboards, piano, backing vocals
Bobby Rock – drums
Joey Cathcart – guitars, backing vocals

Producer - Marc Tanner & David Thoener