0009Ten

テンは、ソロ・シンガーとしてデビューしていたゲイリー・ヒューズと、元デアー(Dare)のギタリストであったヴィニー・バーンズが中心となって1995年に結成され、グループ名をタイトルとしたこの1stアルバムを1996年にリリースします。メロディアスで哀愁を帯びたブリティッシュ・ハードそのものの音楽性は、本国イギリスよりむしろ日本での評価が先行したようです。テンの音楽を特徴づけるのは何よりゲイリー・ヒューズのボーカルでしょう。中低音域を中心にして声を張り上げないスタイルは、HR/HMの世界では異色のものです。対照的にヴィニー・バーンズのギターはちょっとくどいほど派手に泣き叫んでます。曲調はホワイトスネイク的なブルージーでオーソドックスなハードロックが中心で、ゲイリー・ヒューズの歌い回しは脂っ気の抜けたデビッド・カヴァーデイルといった感じです。加えて、ハード・ポップ的要素もあり、"Can't Slow Down"などは70年代初頭のポップスを思わせるメロディが楽しめます。難点と言えば、曲が比較的長めなこと。次作以降はさらに大作主義が顕著となってくるわけですが、個人的にはもう少しコンパクトにまとまっていたらと感じてしまいます。

なお、メンバーとしてクレジットされているのはヒューズ、バーンズと、ドラムのグレッグ・モーガン(元デアー)の3人のみで、あとはサポート・メンバーのようです。また、このアルバムのプロデュースとミックスにはマイク・ストーン(1951–2002)の名前がクレジットされています。1970年代から膨大なアルバム制作にエンジニア、プロデューサーとして携わり、QueenのNews of the World、JourneyのFrontiers、Whitesnakeの1987など、数多くのメガヒット・アルバムを生み出すことに貢献してきた超大物です。なお、1stと2ndにそれぞれボーナス・トラックを加えて2枚組としたものも発売されています。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
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■Tracks
01. The Crusades / It's All About Love (G. Hughes, V. Burns)
02. After the Love Has Gone (G. Hughes)
03. Yesterday Lies In the Flames (G. Hughes)
04. The Torch (G. Hughes)
05. Stay With Me (G. Hughes)
06. Close Your Eyes and Dream (G. Hughes)
07. Eyes of a Child (G. Hughes)
08. Can't Slow Down (G. Hughes)
09. Lamb to the Slaughter (G. Hughes)
10. Soliloquy/The Loneliest Place In the World (G. Hughes)

■Personnel
Gary Hughes – lead and backing vocals
Vinny Burns – guitars
Greg Morgan – drums and percussion

Mark Harrison – bass guitar
Lee Goulding – keyboards
Howard Smith – keyboards
Andy Thompson – keyboards
Francis Cummings – first violin
Peter Leighton-Jones – first violin
John Wade – first violin
Fiona Payne – second violin
Julia Parsons – second violin
Jean Ambrose – viola
Anne Morrison – viola
Anna Frazer – cello

Producer - Gary Hughes, Mike Stone
Executive Producer - Mark Ashton, Vinny Burns