0006Time Tells No Lies

NWOBHM勃興期にデビューしたプレイング・マンティス、その伝説の1stアルバム。筆者にとっては、LP発売当時から数え切れないほど聴き続けた思い出深いアルバムです。NWOBHMというと、アイアイ・メイデンに代表されるように荒々しいリフで押しまくるイメージがありますが、マンティスの音楽性はNWOBHMの中ではかなり異色です。叙情的な歌メロ、ツインリードギターの優美なハーモニーは、むしろウイッシュボーン・アッシュあたりのサウンドを彷彿とさせます。日本ではこういった叙情的なハードロックは一定の人気を集めるのですが、本国では苦戦したようで、やがて彼らはシーンから姿を消してしまいます。そしてなんと10年後に、日本でのコンサートをきっかけに再始動、中心メンバーのトロイ兄弟(ティノ・トロイ、クリス・トロイ)は現在でもプレイング・マンティスとしての活動を継続しています。

大好きなアルバムなので、欠点を書くのは忍びないのですが敢えて挙げれば、2曲目のキンクスのカバー"All Day And All Of The Night"が邪魔なこと。出来損ないのヴァン・ヘイレンかと言いたくなるほど下品で、プレイング・マンティスの音楽の持つ美しさと生真面目さを傷つけ、このアルバムの統一感を壊てしまっているように感じます。それから、トロイ兄弟とギターのスティーヴ・ キャロルの3人のボーカルがどうしても力不足なこと。これは痛いです。復活後の3作目からは専任ボーカリストをメンバーに入れて、格段に歌唱が安定しています。また、最近バンドの30周年を記念して発表されたEPでは、嬉しいことにこの1stに収録された曲も含めて初期の作品を最新メンバーで録音しなおしています。
なお、このアルバムのプロデュースはティム・フリース-グリーン(Tim Friese-Greene)で、Touchの1stアルバムもプロデュースしています。

※筆者が聴いているのは1998年国内盤で、ボーナス・トラックとして1981年1月リリースのアナログ・シングル盤"Cheated"カップリング曲"Thirty Pieces Of Silver"、"Flirting With Suicide [Live] "、"Panic In The Streets [Live]"の3曲入り。2012年にイギリスの再発レーベルRock Candyから、さらに1980年6月リリースのシングル曲"Praying Mantis"とB面"High Roller"を追加し、計5曲のボーナス・トラックを収録した最新リマスター盤が出ています。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Cheated (S. Carroll, T. Troy)
02. All Day And All Of The Night (Ray Davies)
03. Running For Tomorrow (C. Troy, D. Potts, S. Carroll, T. Troy)
04. Rich City Kids (C. Troy, T. Troy)
05. Lovers To The Grave (C. Troy, T. Troy)
06. Panic In The Streets (S. Vermeulen, S. Carroll, T. Troy)
07. Beads Of Ebony (T. Troy)
08. Flirting With Suicide (C. Troy, D. Potts, S. Carroll, T. Troy)
09. Children Of The Earth (C. Troy, T. Troy)
※Bonus Track
10. Thirty Pieces Of Silver (C. Troy, D. Potts, T. Troy)
11. Flirting With Suicide [Live]    
12. Panic In The Streets [Live]

■Personnel
Tino Troy - guitars, vocals
Steve Carroll - guitars, vocals
Chris Troy - bass, vocals
Dave Potts - drums

Tim Friese-Greene - Piano

Producer - Tim Friese-Greene
Except Track 11, 12 Produced by Adam Sieff