0002Harem Scarem

ハーレム・スキャーレムは、カナダで結成されたメロディアス・ハードロック・バンドです。オリジナル・メンバーのうち、ハリー・ヘス(Vo)、ピート・レスペランス(Gt)、マイク・ジオネット(Ba)はカナダ人、ダレン・スミス(Dr)のみイギリス人です。このバンドは曲・歌唱力・演奏力が三拍子そろって高水準で、この1stアルバムから既にとんでもない完成度を示しています。サウンドはハード過ぎず、ポップ過ぎず、知的でいて暖か味があり、そして収録されている曲の全てが覚えやすく、一緒に口ずさみたくなるようなメロディばかり。このバンドの大きな特徴となっている厚みのある美しいコーラスも、アルバム全曲で聴くことができます。日本盤ボーナス・トラックは、アルバムのオリジナル曲のうち3曲のアコースティック・バージョン。メロディを大切にして作られた曲は、どんなアレンジで演奏されてもそのメロディは活きるものですが、シンプルなアコースティック演奏では、メロディそのものの素晴らしさをとりわけ感じとれるように思います。

プロデューサーはケヴィン・ドイル(Kevin Doyle)、70年代から主にレコーディング・エンジニア、ミックス・エンジニアーとして数多くの仕事をこなしています。このアルバムでは、プロデュースの他にアレンジからミックスまで深く関与しています。次作のMood Swingsもケヴィン・ドイルによってプロデュースされています。また、このアルバムにはカナダの先輩バンドから、Honeymoon Suiteのレイ・コバーン、Coney Hatchのカール・ディクソン、Haywireのポール・マッコースランドなどがレコーディングに参加しています。

後のアルバムではほとんど全てボーカルのハリー・ヘスとギターのピート・レスペランスが曲を書くことになりますが、このアルバムの何曲かは外部のライターの手も借りているようです。この後、音楽性の変遷、メンバーチェンジ、そしてバンド名の変更といった、長く曲がりくねった道を歩むことになるハーレム・スキャーレム。しかし、彼らの原点となったこの1stアルバムは、永遠にその輝きを失わないでしょう。

評価 ★★★★★
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Hard to Love (C. Ward, H. Hess, P. Lesperance)
02. Distant Memory (H. Hess, P. Lesperance, M. Ribler)
03. With a Little Love (H. Hess, P. Lesperance)
04. Honestly (H. Hes)
05. Love Reaction (H. Hess, P. Lesperance, R. Coburn)
06. Slowly Slipping Away (H. Hess, M. Ribler)
07. All Over Again (H. Hes)
08. Don't Give Your Heart Away (H. Hess, P. Lesperance)
09. How Long (H. Hess, P. Lesperance, D. McTaggart)
10. Something to Say (H. Hess, P. Lesperance)
※日本盤ボーナス・トラック
11. Slowly Slipping Away [Acoustic Session]
12. How Long [Acoustic Session]
13. Hard to Love [Acoustic Session]

■Personnel
Harry Hess - lead vocals, guitar
Pete Lesperance - lead guitar, backing vocals
Mike Gionet - bass, backing vocals
Darren Smith - drums, backing vocals

Ray Coburn - keyboards
Terry Hatty - backing vocals
Carl Dixon - backing vocals
Marc Ribler - backing vocals
Paul MacAusland - backing vocals

Producer - Kevin Doyle, Harry Hess, and Pete Lesperance