0001Fair Warning

「メロディアス・ハード」という言葉からまず思い浮かぶバンドは、なんといってもフェア・ウォーニングです。というわけで、レビューの記念すべき第一弾目はフェア・ウォーニングのデビュー盤です。

フェア・ウォーニングは、スコーピオンズの2代目のギタリストだったウリ・ジョン・ロートの弟、ジーノ・ロートのバンド、ジーノのメンバーを中心に結成されたドイツのバンドです。先駆者であるスコーピオンズ、そしてジーノが切り開いた、メロディアスなハードロックをとことんまで追求したバンドだと思います。筆者がメロハーに求める要素の2本柱は、突き抜けるような高揚感と切ない哀愁ですが、フェア・ウォーニングはこの二つを十二分に兼ね備えています。特にこの1stアルバムは、全曲シングルカットしてもおかしくないような良質なメロディーが、これでもかというほどに押し寄せてきます。1コーラスですぐサビにいくのが、60~70年代のヒットチャートをにぎわしたポップス群を髣髴とさせて心憎い限りです。また、バンドの演奏力、ヴォーカルのトミー・ハートの歌唱力も極めて高レベル。ヘルゲ・エンゲルケのスカイギターの飛翔感、アンディ・マレツェクのツボを心得た泣きのギターも聴き所の一つです。C.C.ベーレンス(Dr)、ウレ・リトゲン(Ba)のリズム隊も実に堅実な仕事をしています。なんでこんないいバンドが日本以外では大した人気がなく、「ビッグ・イン・ジャパン」などという不名誉なレッテルを貼られてしまっているのでしょうか。。。

なお、ボーナス・トラックの"In the Ghetto"はエルヴィス・プレスリーのレパートリーで、来日記念盤EPに収録されていたもの、"Hold Me"は初期のデモとして製作されたものです。プロデュースとミックスはレイフ・マッケンナ。1970年代からWishbone Ash、Bad Company、Giant、Foreigner、Teslaなどの数多くのアルバムに、エンジニアやプロデューサーとして関わっているベテランです。

評価 ★★★★★
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Longing For Love (U. W. Ritgen)
02. When Love Fails (H. Engelke)
03. The Call of the Heart (U. W. Ritgen)
04. Crazy (U. W. Ritgen)
05. One Step Closer (H. Engelke)
06. Hang on (U. W. Ritgen)
07. Out on the Run (U. W. Ritgen)
08. Long Gone (U. W. Ritgen)
09. The Eyes of Rock (U. W. Ritgen)
10. Take a Look at the Future (U. W. Ritgen)
11. The Heat of Emotion (Z. Roth)
12. Take Me Up (U. W. Ritgen)
※日本盤ボーナス・トラック
13. In the Ghetto
14. Hold Me

■Personnel
Tommy Heart – vocals
Helge Engelke – guitars, keyboards and backing vocals
Andy Malecek – guitars
Ule W. Ritgen – bass guitar and backing vocals
C. C. Behrens – drums

Bernd Kluse – backing vocals
Andrew McDermott – backing vocals
Kalle Bosel – backing vocals

Producer – Rafe McKenna