0400Vagabond









1992年のTNT解散後にロニー・ル・テクロが結成したVagabondの1stアルバム。同時期にトニー・ハーネルはアメリカに帰ってMorning Woodのアルバムを制作しています。この作品は、アメリカ人ミュージシャンのみを起用し、音楽性もいかにもアメリカンなものでした。一方Vagabondはメンバーは全員ノルウェー人、ロニー・ル・テクロのやりたいことをやりたいままにやっているという印象です。CDにはロニー・ル・テクロ自身の解説が付いているのですが、その中で強調しているのは70年代ロックの影響についてと、アメリカのロック・シーンへの憤懣。これ、結構衝撃的でボロクソに言っています。興味ある方は一度お読みください。TNT解散当時のロニーの心境がよく分かるし、本作は自分の原点に帰って、ヨーロピアン・ロックというものをとことん追求しようという意図の下に制作されたことがはっきり示されています。

ロニー・ル・テクロ以外のバンド・メンバーは、TNTの同僚モーティ・ブラック(B)、TNTのサポート・メンバーだったダグ・ストッケ(Key)、Stage Dollsのシュタイナー・クロクスタッド(Ds)、そしてまだ無名の新人だったヨルン・ランデ(Vo)。1曲目の"Thunderblunder"のイントロで、スリリングかつスタイリッシュなリフに「おっ、カッコいいじゃん!」と思った途端、なんとラップが始まり「?」となります。2曲目以降も、実験的というか前衛的というか、ジャンル分け不能な曲が続きます。時々「おっ」となる場面はあっても基本は「?」です。前述の解説で「グランジの影響のないオルタナティヴ・ミュージックを作りたかった」とロニーが言っている意味がなんとなく分かりますが、これは評価が難しいですね。このアルバムは評価無しとします。ただ、演奏はさすがに凄い。特にロニーが好き放題弾きまくっているのが嬉しくなります。#4"Gold in the Air"のラストのデイヴ・ギルモアとかジェフ・ベックを髣髴とさせるソロとか、#9"Mrs. Hippie Blues"での珍しいブルース・ギターとか、聴くたび鳥肌が立ちます。それからヨルン・ランデ、この人最初っから鬼のように上手い!

■Tracks
01. Thunderblunder
02. Key to the Rainbow
03. Do You Like It?
04. Gold in the Air
05. I Believe in Wonders
06. Silent Woman Sheila
07. Automatic
08. Let Go, Let Go
09. Mrs. Hippie Blues
10. We Bring the Sun to You
11. Better Ask Yourself
12. Kick Big Pigs
13. Everybody's Healing [Bonus Track]
All songs written by Vagabond
except #9 written by Tekrö, Harnell, #13 by Tekrö, Lande
Lyrics by Mai Britt Normann & Vagabond

■Personnel
Jørn Lande - Lead & Backup Vocals
Dag Stokke - Keyboards, Backup Vocals
Ronnie Lé Tekrö - All Guitars, Backup Vocals
Steinar Krokstad - Drums, Backup Vocals
Morty "Black" Skaget - Bass, Backup Vocals

Producer - Vagabond, Anders Herrlin(#1, 6, 8, 9)