0358Endangered Species









カナダのメロディアス・ハードロック・バンドWhite Wolfの2ndアルバム。メンバーはボーカルのドン・ウルフ(ドン・ウィルク)以下前作と変わらず、カム・マクラウド(G)、リック・ネルソン(G)、レス・シュワルツ(B)、ロリス・ボルゾン(Ds)という布陣です。レコーディングはオランダで行なわれ、オランダの大御所バンドGolden Earringを手がけていたシェル・ シェルケンスがプロデューサーを務めています。音のほうは1stに比べてややメタル色が薄れて、よりメロディアスハード的なサウンド、曲調になりました。ただドン・ウルフのボーカル・スタイルはメタル風な大仰さが残っており、鼻にかかった声と相まって、昔の北欧メタルに通じるなんとも言えないイモくささがあり、それが大きな魅力となっています。カム・マクラウドのギターソロは、引っかかりながら下降・上昇するフレーズが、まんまリッチー・ブラックモア。やり過ぎ感はありますがそこがまたイイのです。

#1"Time Waits for No One"
少しメタルっぽいミドル・テンポのナンバー。鼻の赤い田舎の鍛冶屋が酒場で自慢の喉を披露しているような歌いっぷりが最高です。歌い終わってからいい気分で「アハハハッ」と笑うところがまた好ましい。

#2"Run for Your Life"
これもミドル・テンポのノリノリの曲。女性バックボーカルがいいですね。鍛冶屋の女房と娘が合いの手を入れて親父を囃す様が目に浮かぶようです。

#3"Ride the Storm"
ミドル・テンポで三連発。勇壮だけど哀愁を感じさせる歌いまわしは、メタルの名残を強く留めています。メロディアスで叙情的なギター・ソロも聴き所。

#4"Just Like an Arrow"
英国の老舗メロディック・ロック・バンドMagnumのカバー。キャッチーでポップ、それでいてそこはかとない哀愁が漂う名曲です。比較的原曲に忠実ですが、やはりドン・ウルフの個性は強く出ていますね。本家もWhite Wolfもシングル・カットしています。

#5"Cryin to the Wind"
出だしがUFOの"Doctor Doctor"かと思わせるバラード。ドン・ウルフの悲哀に満ちたドラマチックな歌唱も、慟哭するかのようなギターも絶品。クサ過ぎる?いや、だからいいのです。

#6."She"
これもシングル・カットされています。アップ・テンポでキビキビしたハードなナンバー。アーミングを駆使したギター・ソロが印象的。

#7"Holding Back"
「漢」と書いて「おとこ」と読む。そんなドン・ウルフが真骨頂を発揮したヘヴィなナンバー。拳を突き上げたくなりますな。

#8"One More Time"
濃すぎない哀愁メロディのヴァース、一緒に歌いたくなるコーラス、これぞWhite Wolfのメロディアスハードという感じ。

#9"All Alone"
1曲目と同傾向の硬質なミドル・ナンバー。哀愁のメロディラインと骨太な歌唱が絶品。

#10"Snake Charmer"
オリエンタル風の旋律がロニー在籍時のRainbowを思い起こさせます。そう言えばRainbowにも同名の曲がありましたが、あれよりはスローでヘヴィな曲調です。

White Wolfは本作を最後に一旦解散となります。他のバンドには無い絶妙な個性を持ったバンドだと思うのですが、結局あまり売れなかったということなのでしょうか。なお、現在本作は単独で売られているものの他に、復活後の所属レーベルEscapeからリリースされた1stとのカップリング盤もありますので、入手の際にはそれも選択肢の一つになるかと思います。

 評価 ★★★★★
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Time Waits for No One (C. MacLeod - D. Wilk)
02. Run for Your Life (C. MacLeod - D. Riley)
03. Ride the Storm (C. MacLeod - D. Wilk)
04. Just Like an Arrow (T. Clarkin)
05. Cryin to the Wind (C. MacLeod - D. Wilk)
06. She (C. MacLeod - D. Lowe - D. Wilk - B. Steckel)
07. Holding Back (C. MacLeod - D. Lowe - D. Wilk - B. Steckel)
08. One More Time (C. MacLeod - D. Lowe - D. Wilk - B. Steckel)
09. All Alone (C. MacLeod - D. Wilk)
10. Snake Charmer (C. MacLeod - D. Wilk)

■Personnel
Loris Bolzon - Drums
Cam MacLeod - Lead Guitar, Lead & Background Vocals
Rick Nelson - Rhythm & Lead Guitar, Background Vocals
Les Schwartz - Bass Guitar
Don Wilk - Lead Vocals, Keyboards

Julia Loko - Back Up Vocals on #2
Lisa Schulte-Nordholt - Back Up Vocals on #2
Jody Piper - Back Up Vocals on #2

Producer – Shell Schellekens


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