0334Dead Man's Shoes









イギリスのハードロック・グループFMの5thアルバム。R&B、ブルースをベースとした伝統的ブリティッシュ・ロックへの路線転換を果たした前作Aphrodisiac に続いて、本作も同様のブルージーで地味目なサウンドとなっています。ただ、ところどころにポップな要素もあって、渋くなり過ぎていないのがこのバンドらしいところ。結果として前作に勝るとも劣らない傑作に仕上がっていると感じました。メンバーは前作と同じくスティーヴ・オーヴァーランド(vo)、アンディ・バーネット(g)、マーヴ・ゴールズワーシー(b)、ピート・ジャップ(ds)の4人、そして新しく元Tobrukのジェム・デイヴィス(key)が加わった5人編成。プロデュースは引き続きバンド自身とアンディ・ライリーです。

#1"Nobody's Fool"
オープニングはミドルテンポの渋いブルース・ロック。粘っこいリフがカッコいい!コクのある演奏・歌唱が絶品です。
#2"Ain't No Cure for Love"
ブルージーでありながらキャッチー、FMの本領発揮の哀愁メロハーの名曲。本作のハイライトの一つでしょう。
#3"Get Ready"
得意のモータウン・サウンドのカバー。これがまたカッコいい。元々はスモーキー・ロビンソン作の1966年Temptationsのヒット・ナンバーですが、ロック・ファンには1970年のRare Earthのカバーの方がお馴染みだと思います。FMのアレンジはグッとテンポを落としていますが、Rare Earthバージョンを下敷きにしているようです。
#4"Don't Say"
カントリー・ブルースのフィーリングに溢れたナンバー。ドブロの響きが渋い!スティーヴ・オーヴァーランドの上手さが光ります。
#5"Mona"
ブルース・ロックですが、珍しくラテン・リズムを取り入れたちょっとオシャレな曲。極初期のサンタナみたいです。
#6"Sister"
末期Freeを思わせる渋い曲。ボーカルもリード・ギターも切なく胸に迫ります。
#7"You're the One"
どことなく牧歌的でアーシーな曲です。スティーヴ・オーヴァーランドのソウルフルなボーカルは、ここではポール・ロジャースよりミラー・アンダーソンを思わせます。
#8"Tattoo Needle"
ジャクソン・ブラウンやイーグルスを髣髴とさせる軽快なナンバー。メロディアス・フォークロックと名付けたくなるような曲調です。とにかくメロディが素晴らしいしギターのハモリも楽しくて、このアルバムのハイライトの一曲。
#9"Misery"
ブルージーでメロディアス、これぞFMの必殺哀愁メロハー!後半の胸が高鳴るようなドラマティックな展開が秀逸です。これもまた名曲!
#10"Dead Man's Shoes"
西部劇をモチーフにしたようなジャケット(表裏とも)の印象通り、ウエスタン映画のエンドロールで流れそうな曲。シャリシャリした生ギターの音が、熱風や砂埃といったイメージを増幅させます。本作全体にイギリスのバンドらしからぬ乾いた空気感が漂っていますが、このタイトル曲を締めくくりに持ってくることでその印象をいっそう強めています。

評価 ★★★★★
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
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■Tracks
01. Nobody's Fool
02. Ain't No Cure for Love
03. Get Ready
04. Don't Say
05. Mona
06. Sister
07. You're the One
08. Tattoo Needle
09. Misery
10. Dead Man's Shoes
All songs Written by Overland, Goldsworthy, Jupp, Barnett, 
Except "Get Ready" Written by Smokey Robinson

■Personnel
Steve Overland - Lead Vocals, Guitar
Pete Jupp - Drums, Vocals
Merv Goldsworthy - Bass, Vocals
Andy Barnett - Lead Guitar, Vocals
Jem Davis - Keyboards

Producer - FM, Andy Reilly