0302Sin-Decade










プリティ・メイズの4枚目のフルレンス・アルバム。彼らのアメリカ進出の夢は結局叶わず、アメリカン指向・ポップ指向の前2作の音楽性から一転して、開き直ったように徹底したヘヴィ&ハード路線となっています。ロニー・アトキンス(Vo)とケン・ハマー(Gt)以外のメンバーは抜けて、二人のリーダーシップが確立したアルバムでもあります。アメリカでの成功という野心は潰えたものの、皮肉なことに本作はメタル的要素とメロハー的要素が融合したプリティ・メイズの個性が全面開花した傑作となりました。プロデュースはMetallicaなどを手がけたフレミング・ラスムッセンで、なるほどと納得する音作りですね。

突進するような疾走曲#1"Running Out"が象徴するように、どの曲も贅肉をそぎ落としたようなソリッドでストレートなアレンジが施されており、かと言って一本調子に陥ることなく曲調のバリエーションも豊富です。また歌メロはプリティ・メイズらしい覚えやすくて魅力的なもの。歌唱・演奏面でも充実しており、ロニー・アトキンスのボーカルは、「この人こんなに上手かったのか」と瞠目するほどでした。新たなリズム・セクション、ケン・ジャクソン(Ba)とマイケル・ファスト(Dr)もいい仕事をしています。また、元メンバーのアラン・オーウェン、常連のバッキング・メンバーであるドミニク・ゲイル、クヌート・リントハート(フィル・ハート)もレコーディングに参加しています。

さて、ラストに収録された#11"Please Don't Leave Me"ですが、もちろんジョン・サイクスとフィル・ライノットのあの名曲のカバーです。ほぼ完コピですね。一聴して分かるようにアルバム全体のカラーとは異なる本来オマケ的なものにも関わらず、シングル・カットされて大ヒットします。このカバー曲がプリティ・メイズの最大のヒット曲となってしまったのはなんとも皮肉なものです。

評価 ★★★★★
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
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■Tracks
01. Running Out
02. Who Said Money
03. Nightmare in the Neighbourhood
04. Sin-Decade
05. Come on Tough, Come on Nasty
06. Raise Your Flag
07. Credit Card Lover
08. Know It Ain't Easy
09. Healing Touch
10. In the Flesh
11. Please Don't Leave Me
All songs written by Ronnie Atkins and Ken Hammer
except "Please Don't Leave Me" by Phil Lynott and John Sykes

■Personnel
Ronnie Atkins - vocals
Ken Hammer - guitar
Michael Fast - drums, percussion
Kenn Jackson- bass

Alan Owen - keyboards
Dominic Gale - keyboards
Knud Linhard - additional backing vocals

Producer – Flemming Rasmussen, Pretty Maids