0274Earthshaker










日本のHR/HMバンド、Earthshaker(アースシェイカー)の1stアルバム。1983年ですからもう30数年も昔のことになるんですね。当時いわゆる「ジャパメタ」ブームの中でデビューしたバンドの中ではもっとも好きなバンドでした。何よりMARCYこと西田昌史のボーカルが素晴らしい。歌唱力の点で他から抜きん出ています。筆者は「ジャパメタ」を聴いていると、どうもこそばゆく落ち着かない感覚に襲われるのですが、Earthshakerだとイケるのは、ボーカルが安心だからだと思います。ワールドワイドとか考えずドメスティックな活動のみを前提としていたのかどうか、そのあたり詳しく知りませんが、もっぱら日本語詞なのもいい。それからとにかくメロディがいい。これも他のバンドには見られない特長でした。ギター・ソロも無機質的早弾きより「歌う」ことに重きをおいているようで、これも好ましかった点。総じてヘヴィ・メタルというより、UFO、MSG、Y&Tといったところを想起させるハードロック・バンドだと思います。

そんなEarthshakerですが、このデビュー作は彼らとしてはメタル色が強く、今で言えばメロディック・メタルといった印象です。この1枚目で既にメロディの良さは一級品。バンドのテーマ・ソングとも言える壮大な#1"Earthshaker"、プリミティヴな衝動と狂おしいまでの哀愁が胸に突き刺さる#2"Wall"、強烈な「泣き」を放つバラード#4."I Feel All Sadness"、Iron Maidenのエイドリアン・スミスが提供したモロにブリティッシュな#5"Dark Angel (Animals)"、以下略ですが、聴き飽きないどころか聴く度に味わいの増す楽曲ばかりです。後に続くアルバム群と比べればまだ荒削りな感じは否めないし、なんだか音がスカスカ気味ですが、それが逆にNWOBHM初期のバンドのような勢いを感じさせてくれて、これはこれで十分OKです。洋楽メインで日本のバンドを敬遠している方(筆者もそうなんですが)にもぜひ聴いてもらいたい1枚だと思います。

なお、2017年現在出回っているCDは2007年の再発盤ですが、2011年にリマスタリング&紙ジャケ仕様で発売されたものもあります。2011年盤は、1983年のミニ・アルバムBlondie Girl収録曲4曲も入っていて魅力的なアイテムなんですが、既にプレミアム価格が付いてしまっているのが残念です。
 
評価 ★★★★★
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Earthshaker (作詞:西田昌史/作曲:石原慎一郎)
02. Wall (作詞:西田昌史/作曲:甲斐貴之)
03. 412 (作詞:西田昌史/作曲:石原慎一郎)
04. I Feel All Sadness (作詞:西田昌史/作曲:西田昌史)
05. Dark Angel (Animals) (作詞:Adrian Smith/日本語詞:西田昌史/作曲:Adrian Smith)
06. Marionette (作詞:西田昌史/作曲:石原慎一郎)
07. Children's Dream (作詞:西田昌史/作曲:西田昌史)
08. Time Is Going (作詞:西田昌史/作曲:石原慎一郎)
09. 夢の果てを (作詞:西田昌史/作曲:石原慎一郎)

■Personnel
西田昌史 - Vocals
石原慎一郎 - Guitar
甲斐貴之 - Bass
工藤義弘 - Drums

Producer – 伊藤政則