0199Believe










ハーレム・スキャーレムのスタジオ・フルレンス・アルバムとしては4作目となる作品。メンバーはハリー・ヘス(vo)、ピート・レスペランス(gt)、ダレン・スミス(dr)、バリー・ドナヘイ(ba)となっています。#1"Believe"、#2"Die Off Hard"、ダレン・スミスがリード・ボーカルをとった#4"Staying Away"、ピート・レスペランスのスリリングなプレイが素晴らしいインスト曲#5"Baby With A Nail Gun"と、1stHarem Scarem のキャッチーなメロディアスさ、2ndMood Swings のソリッドでハードなサウンドを併せ持つ曲が前半に集中しています。後半は前作の3rdVoice of Reason に近いかな。裏事情として伝えられているのは、グランジ/オルタナ色が強かった3rdの評判、売れ行きが日本では芳しくなく、レコード会社の意向もあって1st、2nd路線の楽曲を収録したとのこと。実は"Die Off Hard"と"Staying Away"は昔の楽曲を手直ししたもので、元曲はデビュー前のデモを集めたThe Early Years (2003)に収録されています。

本作はカナダ本国ではKarma Cleansing というタイトルで、ジャケットも異なる仕様でリリースされています。日本人が好みそうな"Staying Away"と"Baby With A Nail Gun"が外され、替わりに暗めな"Cages"と"The Mirror"が収められています。曲順も全く日本盤とは違い、一曲目は"Karma Cleansing"です。つまり、日本向けのBelieve は1st、2nd路線に戻ったように聴こえ、カナダ盤(=ワールドワイド盤)は3rdVoice of Reason の路線が続いているように聴こえるというわけです。そのような「工夫」の成果か、本作は日本でもよく売れて、ハーレム・スキャーレムの人気も再び盛り返したようです。しかし、筆者はこれを小手先の「工夫」と感じてしまいます。後のバンド名変更につながる迷走の端緒が見て取れるのです。まあ、言いたいことは色々ありますが、"Die Off Hard"、"Staying Away"、"Baby With A Nail Gun"と極上ナンバーが聴けるし、演奏も充実した好盤であることは間違いありません。

なお、本作は1997年の5月にリリースされ、同年9月にバンドは二度目の来日公演を行ないます。そして10月には"Believe"、"Hail, Hail"、"Staying Away"、"Morning Grey"、"Victim Of Fate"の4曲をケヴィン・エルソンによるリミックス・バージョンに、"Rain"をフルバンド・バージョンに差し替え、さらにオリジナル日本盤でカットされていた"Cages"と"The Mirror"、ボーナス・トラックとしてチープ・トリックのカヴァー"Surrender"を収録した全13曲入りBelieve (Special Edition) がリリースされています。コアなファンはこちらを買ってね、というわけでしょう。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Believe (Hess / Lesperance)
02. Die Off Hard (Hess / Lesperance)
03. Hail, Hail (Hess)
04. Staying Away (Hess)
05. Baby With A Nail Gun (Lesperance)
06. Morning Grey (Hess / Lesperance)
07. Victim Of Fate (Hess / Lesperance)
08. Rain (Hess / Lesperance)
09. I Won't Be There (Hess / Lesperance)
10. Karma Cleansing (Hess / Lesperance)

■Personnel
Harry Hess – vocals, keyboards
Pete Lesperance – guitars, keyboards, backing vocals
Barry Donaghy – bass, backing vocals
Darren Smith – drums, vocals

Producer - Harry Hess, Pete Lesperance