0163Dial Hard










スイスのハードロック・バンド、ゴットハードの2ndアルバム。1stのレビューでは、70年代ブリティッシュ・ハードロックのもっとも忠実な後継者だとか、ハードロックの魅力の全てがここにあるとかベタほめしましたが、2ndも同じことを書きたくなる素晴らしさです。いや~、なんでこんなにカッコいいんだろう。ロックン・ロール調の曲を基本として、ややメロハー寄りの正統派ハードロックとしか呼びようのない楽曲の数々が詰め込まれています。ん?どこかで聴いたことのあるフレーズが?リフがホワイトスネイクの○○に似てるとか、歌い回しがツェッペリンの○○に似てるとか、サビがY&Tの○○に似てるとか?野暮なことは言いっこなしです。正統的というのはこの場合つまり保守的ということでもあって、ハードロックの歴史を形作ってきた典型的なリフやコード進行、歌いまわし、歌詞の乗せ方を巧みに援用・借用することで、リスナーの「ハードロックらしさ」を求める気持ちを満足させているのです。正統派と称されるバンドの中でも、意識的に、ストイックなまでに正統派たらんとしているのがゴットハードというバンドの身上で、これは中々に貴重なことだと思っています。オリジナリティの追求に重きをおく人々によってロックは革新され、同時にジャンルは細分化していきます。原点を守ろうとする人々によって細分化する前のロックが保守され、時代に即して再生されていきます。これはロックに限らないことですが、ジャンルが一定の歴史を重ねた後に、既に出来上がった「そのジャンルらしさ」を守りながら、なおかつ自分たちの色や味を出していくにはかなりの力量がいる。それに成功しているこのバンドはやはり凄いと思います。

さて、前作ではパープルの"Hush"をカヴァーしていましたが、本作でもビートルズの"Come Together"、そしてサヴァイヴァーのジミ・ジェイソンが在籍していたコブラの"I'm Your Travelin' Man"を取り上げています。コブラのギタリストのマンディ・メイヤーは後にゴットハードに加入することになります。また日本盤のボーナス・トラックではツェッペリンの"Rock and Roll"まで演ってくれちゃっています。バンド・メンバーは前作と同じく、スティーヴ・リー、レオ・レオーニ、マーク・リン、ヘナ・ハーベッガーの4人。プロデューサーも同じくクロークスのクリス・フォン・ローア。ゲスト・ミュージシャンとして、前作にも参加していたパット・レーガン(key)の他、スティーヴ・ビショップ(gt)、スティーヴ・ベイリー(ba)がクレジットされています。どうもこのスティーヴ・ベイリー、ヴィクター・ウッテンとつるんで超絶ベース・プレイを聴かせる、あのスティーヴ・ベイリーっぽい。

なお、2009年再発の国内盤には"Love For Money"と"Mountain Mama"のライヴ・バージョンがボーナス・トラックとして追加され、全15曲入りとなっています。 

評価 ★★★★★
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Higher (Steve Lee/Leo Leoni/Chris von Rohr)
02. Mountain Mama (Steve Lee/Leo Leoni/Chris von Rohr)
03. Here Comes the Heat (Steve Lee/Leo Leoni/Chris von Rohr)
04. She Goes Down (Steve Lee/Leo Leoni/Chris von Rohr)
05. I'm Your Travelin' Man (Tommy Andris/Jimi Jamison/Mandy Meyer)
06. Love For Money (Steve Lee/Leo Leoni/Chris von Rohr)
07. Get It While You Can (Steve Lee/Leo Leoni/Chris von Rohr)
08. Come Together (John Lennon/Paul McCartney)
09. Dirty Devil Rock (Steve Lee/Leo Leoni/Chris von Rohr)
10. Open Fire (Steve Lee/Leo Leoni/Chris von Rohr)
11. I'm On My Way (Steve Lee/Leo Leoni/Chris von Rohr)
12. Good Time Lover (live/bonus track) (Steve Lee/Leo Leoni/Chris von Rohr)
13. Rock and Roll (live/bonus track) (Jimmy Page/Robert Plant/John Paul Jones/John Bonham)

■Personnel
Steve Lee – vocals
Leo Leoni – guitars, vocals
Hena Habegger – drums
Marc Lynn – bass

Steve Bailey – bass guitar on tracks 9, 11
Pat Regan – keyboards
Steve Bishop – lead guitar on tracks 5, 11

Producer - Chris von Rohr