0157Broken Saviours










カナダのメロハー・バンド、エメラルド・レインの1998年リリースの1stアルバム。2005年までに5枚のオリジナル・アルバムを出しており、そのうち4枚目までは国内盤が出ているので、日本ではそれなりに人気と知名度のある(あった)バンドなのでしょう。国内盤ライナーノーツに「決してHAREM SCAREMのフォロワーで終らないだけの個性とセンスがある」と書かれちゃっているように、このバンドは同じカナダのハーレム・スキャーレムのフォロワーです。メロディ・ラインも、リード・ボーカルの声や歌い方も、ボーカル・ハーモニーも、ギターの刻みも、リズム・パターンも、全部ハーレム・スキャーレムの模倣です。面白いことに、ハーレム・スキャーレムは明るく爽快なサウンドで登場して暗く重い方向に変化しましたが、このバンドはその真逆を行っています。前身バンドのペイン(Pain)は陰鬱でヘヴィなグランジ・ロックだったのに、エメラルド・レインとして再スタートした本作ではメロディアスでキャッチーな音に大変身しているのです。ただし、全体にサウンドは分厚いし、メジャー・キーの曲が少ないため、明朗・快活とまでは言えず、その辺りにペインの名残を留めています。

アマチュアならともかく、プロなんだからモノマネばっかりしてたら大成しないよ、と言ってあげたいところですが、本人たちもそんなことは承知でしょう。分かってやってるならいいじゃないですか。それに、本家のVoice Of Reason聴くくらいなら、こっちのほうがよっぽど楽しめるわい、などど感じてしまうのも確か。後のアルバムでは、ハーレム・スキャーレムのダレン・スミスがドラム叩いたりしているし、そうバカにしたもんでもないです。かつて、「ローリング・ストーンズってぇ~、ストリート・スライダーズにそっくりじゃないですかぁ~♪」とか居酒屋で言ってたヤツがいたのを思い出します。もしかしてだけど、いつの日か「ハーレム・スキャーレムっつーの、まるっきりエメラルド・レインっすよねぇ~♪」なんて言われるのを狙ってるんじゃないの?

メンバーはマーレイ・デイグル(Vo)、マイク・デミトロヴィック(Gt)、ショーン・グレゴリー(B)、以上3人はペイン時代からの仲間で、ローン・ボイル(Dr)はエメラルド・レインになってから参加しています。マーレイ・デイグルは自身でMDS Recordingというレコーディング・スタジオを経営しており、本作の録音もこのスタジオで行なわれています。プロデュースはペイン組3人。マーレイ・デイグルはマイク・デミトロヴィックとともにエンジニアも務め、またミックスも担当しています。
 
評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Broken Saviours
02. Heart Of Stone
03. In My Eyes
04. Heaven's Light
05. Heart On The Line
06. High Road To Nowhere
07. Desperation Sleeps
08. Dream Angel
09. Fortune Never Found
10. Misery Loves Company
11. When You Go
All songs written by Murray Daigle, Sean Gregory, Mike Dmitrovic

■Personnel
Murray Daigle – Lead Vocals, Acoustic Guitars, Keyboards
Mike Dmitrovic – Lead & Rhythm Guitars, Backing Vocals
Sean Gregory – Bass Guitars, Backing Vocals
Lorne Boyle – Drums, Backing Vocals

Producer - Murray Daigle, Mike Dmitrovic, Sean Gregory