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1998年リリース、ファイアーハウスの5thアルバム。アメリカン・ハードロックらしい爽快さの中にふと繊細な叙情性が垣間見える、いつもながらのファイアーハウスのサウンドが目いっぱい詰まっています。アコギを多用しているのは前作Good Acousticsの名残でしょうか。聴いているこちらもアコギをシャカシャカ弾きながら口ずさみたくなるような、良質で親しみやすいメロディを量産し続けるというのは、何気無いようで実はけっこう大変なことなんではないかと思います。1stからメンバーに変化は無く、C.J.スネア(vo)、ビル・レヴァティ(gt)、ペリー・リチャードソン(ba)、マイケル・フォスター(dr)の4人です。これまではほとんどの曲がビル・レヴァティとC.J.スネアを中心に書かれてきましたが、本作ではペリー・リチャードソンの関与がぐっと増しているのが目を引きます。

ファイアーハウスにしてはちょっと珍しい哀愁たっぷりの#1"Can't Stop the Pain"、曲は明るく爽やかなのに詞はシリアス、酸性雨なんてフレーズにドキッとする#2"Acid Rain"、ミドル・テンポのリズムが気持ちいい#3"Bringing Me Down"、お家芸のロマンチックなバラード#4"Dream"、ファンキーなリズムに乗せたヴァースとメランコリックなコーラスの対比がおもしろい#5"Get Ready"、ちょっとレトロなポップ風味と90年代的な醒めた感じが同居した#6"If It Changes"、のんびりホノボノした曲だけど実は子供時代の家族の別離(実話か?)を歌った#7"The Day, the Week, and the Weather"、過ぎ去った若い日の思い出とか歌われると涙ちょちょぎれそうになる#8"The Nights Were Young"、カントリー・フレイバー漂う#10"I'd Do Anything"、再びアコースティカルなバラード#11"Arrow Through My Heart"、最後はグルーヴィーなファンク曲#12"Life Goes On"でシメます。(#12の後ペリー・リチャードソンが歌う悪ふざけ的隠しトラックがあります)

いやー全曲良かった。やっぱりファイアーハウス最高!めでたし、めでたし・・・というわけには残念ながらいきません。#9"Have Mercy"、なんじゃこりゃー!1998年の時点でなんで今更ニルヴァーナもどきなの?21世紀がすぐ目の前まで来ているのに。せっかくここまで持ちこたえてきたのに。君らバカなの?このたった1曲が、拭いきれない黒いシミの様に広がって、アルバムのイメージを悪くしてしまいました。そのことだけが残念ですが、次のアルバム以降メロディのキャッチーさは残るもののサウンドは分厚くヘヴィになるので、軽快で明るく心地よいファイアーハウス・サウンドが聴ける最後のアルバムとして筆者は#9を飛ばして愛聴しています。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Can't Stop the Pain (Leverty, Richardson, Foster)
02. Acid Rain (Richardson, Rogers, Effler)
03. Bringing Me Down (Leverty, Snare)
04. Dream (Richardson, Rogers, Effler)
05. Get Ready (Leverty, Snare, Richardson, Foster)
06. If It Changes (Leverty, Snare)
07. The Day, the Week, and the Weather (Richardson, Rogers, Effler)
08. The Nights Were Young (Leverty, Snare)
09. Have Mercy (Leverty, Snare, Richardson, Foster)
10. I'd Do Anything (Leverty, Snare)
11. Arrow Through My Heart (Richardson, Rogers, Effler)
12. Life Goes On (includes the hidden "Get To Know You", song by Perry Richardson) (Leverty, Snare)

■Personnel
C.J. Snare - lead vocals, keyboards
Bill Leverty - guitars, mandolin, backing vocals
Perry Richardson - bass, backing vocals
Michael Foster - drums, percussion, backing vocals

T.C. Carr - harmonica solo on "Life Goes On" 

Producer - FireHouse