0123Dan Reed Network









今回はちょっと異色なバンドのアルバム・レビューです。アメリカ発ダン・リード・ネットワーク1988年リリースの1stアルバムのご紹介。音はファンク+ヒップポップ+ハードロックといういわゆるミクスチャーな感じ。リーダーのダン・リード(vo)はネイティヴ・アメリカン、その他のメンバーは日系人のブレイク・サカモト(key)、黒人のブライオン・ジェームス(gt)とメルヴィン・ブラノン(b)、そして白人のダニエル・プレッド(ds)という珍しい編成です。このバンドの楽曲は結構メッセージ性があるのですが、ジャケットからも伺えるように異なる人種が同居するバンド編成そのものが一つのメッセージのように感じます。

1980年代中頃からアメリカ北西部あたりでライブ活動をしていた彼らですが、インディーズで出したEPがMercury Recordsの注目するところとなり、メジャーデビューの運びとなりました。プロデュースはかのブルース・フェアバーンです。Bon Jovi、Aerosmith、AC/DC、Van Halenなどの超ヒット作を連発している人。おまけにマネージメントは大物ビル・グラハムですよ。このバンドへのレーベルの期待の高さが伺えますが、デビューシングル#3"Ritual"はビルボード38位まで上ったものの、その後は商業的にはあんまりパッとしませんでした。むしろイギリスでアルバム、シングルともそこそこに売れたようですが結局1993年に解散してしまいます。最近では2012年と2013年に再結成ライヴを行なったようです。ダン・リードは現在でもソロで活動を続けていて、アコースティカルなComing up for Airという彼のアルバムは筆者の愛聴盤となっています。

さてこのアルバムですが、冒頭に書いたようにファンク色の強いサウンドに、メロディアスなボーカルとハードなギターが乗っかるという趣向で、これが中々にカッコいいんです。ビジュアル的にもいい感じだし、今だったらもっと人気出たんじゃないかなぁ。最初で最後の全米スマッシュ・ヒットとなった#3"Ritual"は特ににエキサイティングな曲で、躍動的なプロモ映像もカッコいい!それから#11"Rock You All Night Long"もいい曲ですが、何故かWhitesnakeの(元々はBobby "Blue" Blandの持ち歌)Ain't No Love in the Heart of the Cityがちょっとだけ挿入されているのが面白いです。

評価 ★★★☆☆ 
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. World Has a Heart Too (D. Reed)
02. Get to You (D. Reed)
03. Ritual (D. Reed)
04. Forgot to Make Her Mine (D. Reed)
05. Tamin' the Wild Nights (D. Reed)
06. I'm So Sorry (D. Reed)
07. Resurrect (D. Reed)
08. Baby Don't Fade (D. Reed)
09. Human (D. Reed)
10. Halfway Around the World (D. Reed)
11. Rock You All Night Long (D. Frank / M. Murphy / D. Reed)
12. Tatiana (D. Reed)

■Personnel
Dan Reed - vocals, guitars
Blake Sakamoto – keyboards
Melvin Brannon II – bass
Brion James – guitars
Dan Pred – drums

Producer - Bruce Fairbairn 

Dan Reed Network
Reed, Dan -Network-
Universal
2019-10-25