0108Slaves of the New World
アメリカのメロディアス・ハードロック・グループ、スティールハウス・レーンの2ndアルバム。仕切っているのは、イギリスのロック・グループCity Boy出身で、スティーヴ・ウォルシュと組んだStreetsをはじめ数々のバンドやプロジェクトでの活躍で名高いマイク・スラマー。1stアルバムは言わばマイク・スラマーのセルフ・カバー集でしたが、本作はこのバンドのための書き下ろし曲が多数収録されています。また、前作では何故かバンド・メンバーに入っていなかったマイク・スラマー本人もメンバーとしてクレジットされています。他のメンバーにも変化ありません。セルフ・カバーのための一時的なプロジェクトからパーマネントなバンドとなり、3枚目も期待されたのですが、残念ながらこのアルバム以降はスティールハウス・レーンの新作は発表されていません。

前作はハード・ポップ色の強い作風でしたが、このアルバムはよりオーソドックスなハードロックに近づきました。1曲目のZepスタイルの"Give It All to Me"に典型的なように、バンドとしての一体感が増して非常にタイトなサウンドとなっています。マイク・スラマーのギターは相変わらずの職人技。美しい音色、痒い所に手が届くソロ、絶妙なバッキング、どれも絶品です。ボーカルのキース・スラックもソング・ライティングに加わっていることもあってか、前作以上に伸びやかに歌っていて気持ちよく聴けます。なお、彼はこの後マイケル・シェンカー・グループのボーカルに抜擢されます。スタジオ・アルバムはありませんが、Unforgiven World Tour - Live でケリー・キーリングとの素晴らしいダブル・ボーカルを聴くことができます。

さて、本作はどの曲も聴き応えがありますが、筆者としてはウエスタン映画を想起させる#3"Son of a Loaded Gun"の、アメリカのバンドならではの乾いた叙情性が秀逸だと感じました。この曲は、元々どのような形で発表されていたのかは不明ですが、マイク・スラマーのDemo's (1990-2000) には収録されているようなので書下ろしではありません。ちなみにジェフ・スコット・ソートが在籍したEyesもこの曲をカバーしています。他には、#2"Find What We're Lookin' For"がBostonのために書いて未発表だった曲に手を入れたもの、#8"The Nightmare Begins"はStreetsの2ndアルバム収録曲、#11"If Love Should Go"は同じくStreetsの1stに収められていたもの、計4曲がマイク・スラマーのセルフ・カバーとなっています。それ以外は新曲ですが、前作に引き続いてバッキング・ボーカルで参加しているクリス・トンプソン(Manfred Mann's Earth Band)がソング・ライティングに大きく貢献しているのが目を引きます。

1stアルバムMetallic Blue とこの2ndアルバムSlaves of the New World は、ドイツのメロハー・レーベルMTM Musicからリリースされていましたが、最近イギリスのメロハー・レーベルであるEscape Musicから1stと2ndをカップリングしたものが再発されています。輸入盤しかないようですが、2ndの国内盤ボーナス・トラックだった"If Love Should Go"もぬかりなく収録され、おまけにデジタル・リマスターということで、2枚揃えるならこちらがお買い得かと思います。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Give It All to Me (Mike Slamer, Keith Slack)
02. Find What We're Lookin' For (Mike Slamer, Keith Slack, Chris Thompson)
03. Son of a Loaded Gun (Mike Slamer, Billy Trudel)
04. Turn Around (Mike Slamer, Keith Slack, Chris Thompson)
05. Slaves of the New World (Mike Slamer, Chris Thompson)
06. All I Believe In (Mike Slamer, Keith Slack)
07. In to Deep (Mike Slamer, Chris Thompson)
08. The Nightmare Begins (Mike Slamer, Steve Walsh, Randy Goodrum)
09. All or Nothin' (Mike Slamer, Chris Thompson)
10. Seven Seas (Mike Slamer, Chris Thompson)
11. If Love Should Go [bonus] (Steve Walsh, Mike Slamer)
11. Where Are You Now (Mike Slamer, Tony Fields)

■Personnel
Mike Slamer - Guitars
Keith Slack - Vocals
Alan Hearn - Bass
Barron DeWayne - Drums
Chris Lane - Guitars

Tony Fields - Backing Vocals
Chris Thompson - Backing Vocals

Producer - Mike Slamer