0097Double Vision
70~80年代のスーパー・グループだった英米混成バンド、フォリナーの2ndアルバム。大ヒットした前作に引き続いて売れに売れ、全米で累計700万枚という驚異的な数字になっています。アルバムはビルボード・チャート3位、シングル"Hot Blooded"は3位、"Double Vision"は2位、"Blue Morning, Blue Day"は15位という記録も残しています。曲調は1stの延長線上の極めてオーソドックスなアメリカン・ロック。ただ、そこはかとないプログレの薫りと英国的メランコリーがサウンドに陰影を与えているのが特徴でしょうか。いずれにしても、「産業ロック」などとおちょくられるような、売れ線狙いのあざとさといったものは感じられません。どちらかと言えばむしろ地味な印象さえあるアルバムです。

#1"Hot Blooded"は途中のリフがフリーの"All Right Now"だし、ところどころバドカンみたいだし、ルー・グラムのまるっきりポール・ロジャースになりきったような歌いまわしと、ミック・ジョーンズのポール・コゾフとミック・ラルフスを意識したギターには思わずニヤニヤしてしまいます。しかし、こんないい意味でフツーのロックン・ロールがヒット・チャート3位なんて、ほんといい時代です。シャープなリフと哀愁を湛えたメロディの#2"Blue Morning, Blue Day"、ピアノをバックに淡々と歌われる美しいバラード#3"You're All I Am"、このアルバムで一番フリーっぽく渋いロックンロール#5"Love Has Taken Its Toll"、緊張感みなぎるハードなタイトル曲#6"Double Vision"、フォリナー唯一のインスト曲でプログレ色がもっとも強い#7"Tramontane"、フォーキーでリラックス・ムード漂う#8"I Have Waited So Long"、ルー・グラムの切々とした歌唱が素晴らしいラストの#10"Spellbinder"などなど、どの楽曲も水準が高い上にバラエティに富んでいます。

メンバーは1作目と変わらず、ルー・グラム、ミック・ジョーンズ、イアン・マクドナルド、アル・グリーンウッド、エド・ガリアルディ、デニス・エリオットの6人。そしてバッキング・ボーカルに常連イアン・ロイド。プロデュースはキース・オルセン。70年代はFleetwood Macなど、80年代はWhitesnakeやPat Benatarをはじめ数多くのヒット作を生み出している名プロデューサーです。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
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■Tracks
01. Hot Blooded (Lou Gramm, Mick Jones)
02. Blue Morning, Blue Day (Lou Gramm, Mick Jones)
03. You're All I Am (Mick Jones)
04. Back Where You Belong (Mick Jones)
05. Love Has Taken Its Toll (Lou Gramm, Ian McDonald)
06. Double Vision (Lou Gramm, Mick Jones)
07. Tramontane (Al Greenwood, Ian McDonald, Mick Jones) 
08. I Have Waited So Long (Mick Jones)
09. Lonely Children (Mick Jones)
10. Spellbinder (Lou Gramm, Mick Jones)

■Personnel
Lou Gramm – lead vocals
Mick Jones – lead guitar, piano, vocals
Ian McDonald – guitars, keyboards, reeds, vocals
Al Greenwood – keyboards, synthesizer
Ed Gagliardi – bass, vocals
Dennis Elliott – drums

Ian Lloyd – backing vocals

Producer - Keith Olsen, Mick Jones, Ian McDonald