0092Making Gold
フォーチュンという名のメロハー・バンドはいくつかありますが、これは後に元Gloryのヤン・グランウィック、元Europeのジョン・レヴィン、イアン・ホーグランドと共にClockwiseを結成するベニー・セーデルベリが在籍したスウェーデンのメロディアスHR/HMグループ。そのデビュー・アルバムです。メンツは、中心メンバーのボーカルのベニー・セーデルベリとベースのジャン・ルンド、二人の友人だったヤン・グランウィックの紹介で参加したギタリストのヘンリック・ベリクヴィスト、そしてドラムのトーマス・ホークの4人。みな若くてバンド経験も少なく、レコーディングも初めてにも関わらず(しかもセルフ・プロデュース)、とても良い作品に仕上がっているのが驚き。特に、後にThe Poodlesのギタリストとなるヘンリック・ベリクヴィストは当時まだ20歳そこそこの若さですが、端正かつエネルギッシュ、いかにも北欧チックなギターをガンガン弾き倒してくれています。

音のほうはどうかと言うと、クラシカルでどことなく気品のあるサウンド、清潔な透明感と叙情性に満ちたメロディ、そこはかとなく漂う純情なイモ臭さ、モッサリとして垢抜けないボーカル、つまり初期Europeに共通する元祖「北欧メタル」な音楽性です。気味や良し!!本作がリリースされた90年代初頭と言えば、アメリカ発のオルタナ・グランジ・ブームという暗雲がロック・シーンを覆いつくさんとする勢いだったわけですが、このアルバムは見事にそして清々しいまでにそういった時代性を無視しています。メロハー者なら膝を打って快哉を叫ばずにはいられないでしょう。ただし、はっきり言ってベニー・セーデルベリは歌が下手です。時を経てClockwise時代になっても相変わらずヨタヨタした歌いぶりなので、もうしょうがないですね。歌が上手くないHR/HM系ボーカリストっていうのは、なんだコイツ下手糞だなー消えろや!とキレたくなる人と、下手さも味のうちだよね~♪と聴き手の寛容さを引き出してしまう人がいますが、筆者にとって彼は後者の典型的な人です。

蛇足ですが、#2"Anonymous Lover"のサビ、なんど聴いても「あ、成増ラバー」と聴こえてしまいます。

★追記2017年2月
これまで国内盤ライナーノーツに従って、Benny Söderbergを「ベニー・スドベリ」と表記してきましたが、スウェーデン人名Söderbergの一般的カタカナ表記にならって「ベニー・セーデルベリ」に改めます。 

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

01. Eyes of Ice
02. Anonymous Lover
03. Lucky Star
04. Renegade
05. Lfe Goes On
06. Stormy Roads
07. Trouble in Paradise
08. Mindreader
09. Sundowner
10. Make Your Move
11. Fools Gold
12. Mystified [bonus]
All songs written by Benny Söderberg and Fortune
except 9 written by Benny Söderberg, Janne Lund and Fortune

■Personnel
Henrik Bergqvist - guitars
Benny Söderberg - lead and backing vocals, keyboards
Janne Lund - bass, acoustic guitar
Thomas Hauk - drums

Producer - Benny Söderberg, Janne Lund