0083Wings of Tomorrow
1984年にリリースされたヨーロッパの2ndアルバム。1stの延長線上の透明感と気品に満ちた、北欧メロディック・メタルの典型的サウンドを聴くことができます。1stでは正直言ってヘタくそだったジョーイ・テンペストのボーカルもずいぶんマシになり、サウンド・プロダクションも向上、楽曲もより練り込まれたものが多くなるなど、全般的なレベル・アップが感じられる仕上がりです。また、1stに比べいわゆる様式美的な要素が薄くなり、よりストレートなサウンドとなっています。次作の3rdアルバムFinal Countdown は、サウンド、楽曲ともにメロハー色、ポップ色が強くなるので、メタリックな初期ヨーロッパを締めくくるアルバムでもあります。

マルセル・ヤコブとの共作曲#2"Scream of Anger"と、ジョン・ノーラムのインスト曲#5"Aphasia"を除いて、収録されている楽曲は今回も全てジョーイ・テンペストのペンによるものです。ヨーロッパが持つ気品や叙情性は、やはりジョーイ・テンペスト抜きでは有り得ないものなのだと再認識せざる得ません。それから、特筆すべきは前作以上にジョン・ノーラムのギター・ソロが充実していること。リッチー・ブラックモア、マイケル・シェンカー、レズリー・ウェストといった名前が思い浮かぶ、テクニカルでありながらメロディアスに歌うフレージングが実に見事です。また、当時おそらく全面的に使っていたであろうストラトキャスターの硬質な響きも、繊細かつ生硬な初期ヨーロッパのサウンド・イメージに決定的な影響を与えていると感じます。

この2ndアルバムのレコーディング・メンバーは前作と変わらず、ジョーイ・テンペスト(vo)、ジョン・ノーラム(gt)、ジョン・レヴィン(ba)、トニー・レノ(dr)の4人。プロデュースはレイフ・マーセス。スウェーデン出身のビッグネームABBA所有のポーラー・スタジオ(2004年閉鎖)所属で、本作のレコーディングはこのスタジオで行われました。過去に同スタジオで録音されたレッド・ツェッペリンのIn Through the Out Door (1979)でエンジニアを務めるなどの実績を持つ人です。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
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■Tracks
01. Stormwind (Joey Tempest)
02. Scream of Anger (Joey Tempest, Marcel Jacob)
03. Open Your Hear (Joey Tempest)
04. Treated Bad Again (Joey Tempest)
05. Aphasia (John Norum) 
06. Wings of Tomorrow (Joey Tempest)
07. Wasted Time (Joey Tempest)
08. Lyin' Eyes (Joey Tempest)
09. Dreamer (Joey Tempest)
10. Dance the Night Away (Joey Tempest)

■Personnel
Joey Tempest – vocals, acoustic guitars, keyboards
John Norum – guitars, background vocals
John Levén – bass
Tony Reno – drums

Producer - Leif Mases